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罪と罰
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時計は午後7時を指していた。
いつの間にか部活に精を出していた生徒達も帰宅しており、外に人影は見当たらなくなっていった。室内は時計の秒針が進む音がカチカチと鳴り響くだけだ。
「そろそろ出ましょうか?鈴原君も帰りなさい。この娘は私が責任を持って両親を探す
から」
「三嶋先生、ちょっと待ってください」
「ん、何?この娘のことなら心配しなくても……」
「いえ、先生に訊きたいことがあって」
席を立った三嶋先生を引き留めた鈴原が続けた。
「先生も縷々子さんを知っていたんですよね?」
「えっ?まあ。この学校にいれば話くらいは知ってるわ」
「佐々木先生と一緒で、縷々子さんが木島や川原、それに君島を消したことも知ってい
る」
「何それ」
三嶋先生は何も知らないと言った表情で鈴原を見つめる。
「昨日、俺と笹原が図書館にいた時、三嶋先生が言ったんです。『眼の前で仲間が2人も
消えてしまった』って。
その時俺は、三嶋先生は川原と君島のことを指して言っていたんだと思った。
だけどそれは違う。2人というのは木島と川原のことを言った、そんな気がしたんです」
「そんなこと言った覚えもないけど」
「それに君島から訊いたんです。」
「君島さん?そういえば今日来てなかったわね。風邪でも引いたのかしら?」
鈴原は構わず続けた。
「一昨日の三嶋先生が行った小テストの時、君島はテスト用紙の隅に小さく『帰るな』
と書いたそうです。
それを見た先生は嬉しそうに『正解。難しかったでしょ?』と言ったそうですね」
「言ったかも知れないけど、いちいちそんなこと覚えてないわ。いやねえ、多分君島さ
んの解答を見て言ったんでしょ?あのテストは難しかったし」
「そうかも知れませんね。
でも、それはあの日に縷々子さんが来るってことを知っていたようにも取れる。
極めつけは縷々子さんが旧校舎に現れた時だ。
あの時の教室内の雰囲気は誰かが無断で旧校舎の2階に忍び込んだことを心配・批難す
る声だけだった。
だ が先生は見たこともないはずの霊の名前を最初に口にしたんです、『縷々子さん』
と。断定したんです。」
「そんなことじゃ、私が何か知っていると判断するには苦しいわね」
「そうです。どれもこれも三嶋先生が知っていると判断するには無理があることも」
鈴原は一呼吸置いた。
「先生は過去に罪を犯した」
三嶋先生の顔が一瞬強張った。
「あなたはある親子の殺害に加わった。
それも古い話ではないはずです。
三嶋先生自身、縷々子さんが木島を消したことで、次は自分の番じゃないかと恐怖に怯
えていたはずです」
いつの間にか部活に精を出していた生徒達も帰宅しており、外に人影は見当たらなくなっていった。室内は時計の秒針が進む音がカチカチと鳴り響くだけだ。
「そろそろ出ましょうか?鈴原君も帰りなさい。この娘は私が責任を持って両親を探す
から」
「三嶋先生、ちょっと待ってください」
「ん、何?この娘のことなら心配しなくても……」
「いえ、先生に訊きたいことがあって」
席を立った三嶋先生を引き留めた鈴原が続けた。
「先生も縷々子さんを知っていたんですよね?」
「えっ?まあ。この学校にいれば話くらいは知ってるわ」
「佐々木先生と一緒で、縷々子さんが木島や川原、それに君島を消したことも知ってい
る」
「何それ」
三嶋先生は何も知らないと言った表情で鈴原を見つめる。
「昨日、俺と笹原が図書館にいた時、三嶋先生が言ったんです。『眼の前で仲間が2人も
消えてしまった』って。
その時俺は、三嶋先生は川原と君島のことを指して言っていたんだと思った。
だけどそれは違う。2人というのは木島と川原のことを言った、そんな気がしたんです」
「そんなこと言った覚えもないけど」
「それに君島から訊いたんです。」
「君島さん?そういえば今日来てなかったわね。風邪でも引いたのかしら?」
鈴原は構わず続けた。
「一昨日の三嶋先生が行った小テストの時、君島はテスト用紙の隅に小さく『帰るな』
と書いたそうです。
それを見た先生は嬉しそうに『正解。難しかったでしょ?』と言ったそうですね」
「言ったかも知れないけど、いちいちそんなこと覚えてないわ。いやねえ、多分君島さ
んの解答を見て言ったんでしょ?あのテストは難しかったし」
「そうかも知れませんね。
でも、それはあの日に縷々子さんが来るってことを知っていたようにも取れる。
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と。断定したんです。」
「そんなことじゃ、私が何か知っていると判断するには苦しいわね」
「そうです。どれもこれも三嶋先生が知っていると判断するには無理があることも」
鈴原は一呼吸置いた。
「先生は過去に罪を犯した」
三嶋先生の顔が一瞬強張った。
「あなたはある親子の殺害に加わった。
それも古い話ではないはずです。
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