26 / 61
第2章
2 - 9 暗躍
しおりを挟む
とある一室───そこには男が二人。
「なに!それは真か!」
「はい。バルナバス男爵邸及び男爵の別邸は先日の夜、謎の爆発により消失…一帯にはクレーターが出来ていました」
声を荒げ報告の審議を問う者に対して、もう一人の男は自分が見たままをそのまま告げた。
「くっ……ファリド子爵に続きバルナバス男爵まで……まさか!拐った者の中の家族に我々の存在がバレたのか!」
そう…彼等が拐っていたのは主に貴族の娘。中には侯爵や伯爵などの有力貴族の娘も居なかったわけではない。
「如何致しますか?ツェーザル男爵閣下」
と報告を上げた男が指示をもう一人の男…ツェーザルに仰ぐが──
ツェーザルは小さく唸り考え込むだけで、指示はまだ出さないでいる。
「むぅ……しかし我々は横の繋がりは直接持たなかった……有るとすれば間に入っていた女を買った組織くらいか……そういえば組織から連絡が来なくなってからどれくらいになる!?」
大事なことを思い出したかのようにツェーザル男爵は男に問う。
「はっ!恐らく一月位になるかと……」
帰って来た答えにツェーザルは焦りを覚えた。
毎週のように連絡が来ていた組織からの連絡が一月もない。こんなことは奴等と付き合い初めてからは一度もないことだった。
まさか───とツェーザルの脳裏に電撃が走る!
「至急組織を調べろ!」
「と言いますと?」
ツェーザルの命令があまりにも曖昧すぎて男は戸惑い、真意を聞く。
「もしかしたら我々の事を組織が売った……或は組織が潰されて情報を抜き取られたか……とにかく、そこから漏れている可能性が高い!至急組織の内情を調べに行け!」
「はっ!」ともう一人の男はひざまづき、一礼しツェーザルの部屋から風の如く走り去る。
「くそっ!ワシは殺られん!絶対に!!」
ツェーザルは手を握り締め、目の前の鏡を叩き割った───
「ふむ…どうやら何者かが僕の邪魔をしているようだね…」
そう呟いた男の目の前には一つの水晶───
その水晶に映し出されているのはツェーザルの慌てふためく様子
「これは…僕の出番もありそうかな…」
《出来れば直接手を下さないで欲しいんだけどね~》
「まぁもう少し様子を見るよ。あなたも…なるべく僕の存在を隠したいんだろうしね」
《ええ…わかって頂けているようでなによりです》
「ふふ。それにしても僕と女神様の邪魔をする奴は一体どんな奴なのかな…」
そう呟くと男は漆黒の闇の中へと溶けて行くのだった───
「なに!それは真か!」
「はい。バルナバス男爵邸及び男爵の別邸は先日の夜、謎の爆発により消失…一帯にはクレーターが出来ていました」
声を荒げ報告の審議を問う者に対して、もう一人の男は自分が見たままをそのまま告げた。
「くっ……ファリド子爵に続きバルナバス男爵まで……まさか!拐った者の中の家族に我々の存在がバレたのか!」
そう…彼等が拐っていたのは主に貴族の娘。中には侯爵や伯爵などの有力貴族の娘も居なかったわけではない。
「如何致しますか?ツェーザル男爵閣下」
と報告を上げた男が指示をもう一人の男…ツェーザルに仰ぐが──
ツェーザルは小さく唸り考え込むだけで、指示はまだ出さないでいる。
「むぅ……しかし我々は横の繋がりは直接持たなかった……有るとすれば間に入っていた女を買った組織くらいか……そういえば組織から連絡が来なくなってからどれくらいになる!?」
大事なことを思い出したかのようにツェーザル男爵は男に問う。
「はっ!恐らく一月位になるかと……」
帰って来た答えにツェーザルは焦りを覚えた。
毎週のように連絡が来ていた組織からの連絡が一月もない。こんなことは奴等と付き合い初めてからは一度もないことだった。
まさか───とツェーザルの脳裏に電撃が走る!
「至急組織を調べろ!」
「と言いますと?」
ツェーザルの命令があまりにも曖昧すぎて男は戸惑い、真意を聞く。
「もしかしたら我々の事を組織が売った……或は組織が潰されて情報を抜き取られたか……とにかく、そこから漏れている可能性が高い!至急組織の内情を調べに行け!」
「はっ!」ともう一人の男はひざまづき、一礼しツェーザルの部屋から風の如く走り去る。
「くそっ!ワシは殺られん!絶対に!!」
ツェーザルは手を握り締め、目の前の鏡を叩き割った───
「ふむ…どうやら何者かが僕の邪魔をしているようだね…」
そう呟いた男の目の前には一つの水晶───
その水晶に映し出されているのはツェーザルの慌てふためく様子
「これは…僕の出番もありそうかな…」
《出来れば直接手を下さないで欲しいんだけどね~》
「まぁもう少し様子を見るよ。あなたも…なるべく僕の存在を隠したいんだろうしね」
《ええ…わかって頂けているようでなによりです》
「ふふ。それにしても僕と女神様の邪魔をする奴は一体どんな奴なのかな…」
そう呟くと男は漆黒の闇の中へと溶けて行くのだった───
0
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる