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4章 天使と悪魔と運営と
12 鈴木、ナツキ無双を観戦する!
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モニカを倒した俺とナツキは次の部屋へと続く扉を開く。
「なぁナツキ」
「なんだい?」
「地下って広いのか?」
「そうだね……城と同じくらいには広いんじゃないかな?」
「うぇ……面倒くせえ」
モニカを倒した部屋から出ると、そこは廊下みたくなっていて、さらにゆっくりと曲がりくねっているように感じる。
おそらくモニカが居た部屋は地下への門番の待機部屋的な役割を持った部屋なのだろう。
そして5分くらいだろうか?石畳の廊下を歩き、まだまだ次の部屋が出てこない事に少々ダレてきた。
試しにナツキに質問してみれば、城と同じって……上にある城って、潜入した時も思ったけど無意味に広いんだよなぁ。もっとRPGみたく1フロアに部屋数6個の城とかでいいと思うんだよね。
そうして長い廊下をチンタラと進んでいると、やっとこさ次の部屋に到着したらしい。
「お?結構大きな扉だけど?」
「ここは召喚されたプレイヤーの待機部屋って感じだね。中では普通にお茶してたりしたけど……」
「殺気がダダ漏れだな」
「あはは。下級雑魚感ハンパないね」
俺とナツキは笑い合い、俺が扉を開くと同時にナツキが部屋へと飛び込んだ。
「飛んで火にいるナツキはムシぶろぁ!」
舐めたセリフを口走った杖を持ったプレイヤーはスキルを使う前にナツキのブラストキックで壁にめり込んだ。
これでナツキもPK確定の犯罪者だな。ナカーマナカーマ!
「ああ!あまりにも弱すぎて加減出来なかった!」
「護符も付けてないような素人まで召喚してるんじゃ末期だな」
ナツキが頭を抱えているところに、ゆったりと扉を閉めた俺が歩いていく。
「馬鹿め!お前達二人がどれだけ強かろうがこの人数に敵うわけがない!」
「数こそ力!力こそ正義!」
「今こそ廃課金豚に死の鉄槌を!」
うおおおお!と群れて襲いかかってくる中級プレイヤー風の者達だが、ナツキは両腕を上げ、拳を耳の横に当てるようにして二の腕の筋肉を強調するポーズを取る。このポージングは決して筋肉を自慢したいわけではない。
このポージングはナツキが装備する金神防具[金獅子の鎧]の固有スキル〈ハウリングブラスター〉を発動させるためのポーズなのだ。
ナツキは前方に向け、力ある言葉を発した。
その言葉をキーとして、ナツキの胸部から発射された熱波光線は扇形に広がり、かなりの数のプレイヤーが一瞬の内に蒸発した。
「おおう!久々に見たよ!ぶれすとふぁいやー!」
「なんであのポーズを取らないと発動しないのかわかんないよ。普通にスキル叫ぶだけでいいじゃないかって思うんだ」
「その辺りは開発の趣味だろうな」
「そんな趣味防具を5万クレジットで売り出す運営って……」
大量殺人に凹んでしまっていないか?と少し心配して声を掛けたのだが、どうやら本当に覚悟を決めて臨んだらしい。
少々疲れた顔をしているが、許容範囲だろう。
「くそッ!あんなにいたプレイヤーが半分も殺られただと!なんていう火力!これが運営の白い豚の実力ぶろぁ!」
なんだかお決まりのモブ台詞を叫んでいるプレイヤーをナツキは金神防具の[金狐の具足]固有スキルの〈サンダーキック〉を発動させ、稲妻をバリバリと纏わせた足で瞬間移動ばりの速度で接近し、そのまま稲妻が迸る足で蹴り飛ばした!
飛ばされたプレイヤーはバリバリ!と焦げ、肉が焼ける臭いを漂わせながら壁に激突して動かなくなった。
ナツキ……ノリノリになってきたな。
「誰が白豚ですか!少々色白なキャラクリしただけで別に太ってないですよ!」
バリリ!と足を鳴らせるナツキに周囲を取り囲む貧弱なプレイヤー達は怯んでいるのか及び腰になっている。
「やっぱり金神装備は反則だよな。なんてったって今までの金満シリーズ全部のスキルが使えるんだから」
「何言っているんですか。スズキくんのGMナアオシリーズの方がブッ壊れでしょうに……」
俺はそう言いながらも、近くに来るプレイヤーの一人に風穴を開けている。
「こんだけ弱いんじゃ悲壮感漂わせながらナツキを捨て駒にしなくて良さそうだな」
「捨て駒って……そこはせめて尊い犠牲とか、なんか上手い言い方してくださいよ」
「わるいわるい」
俺たち二人は互いに近くのプレイヤーをボコボコにしながら部屋中を縦横無尽に走り回り、かなりの数の死者と、かなりの数の重症者を出し、立ち上がる者が居ないのを確認して部屋を後にした。
そして再び長々と続く石畳の廊下に辟易としはじめた時、一人の槍を構えた男が俺達の前に立ちはだかった。
「久しぶりだな?ナツキ。それと……えっと……サトウ?」
「スズキだッ!」
「フロウさんじゃないですか。でも久しぶりって程ですかね?僕的には一週間ぶり程度の感覚なのですが?」
「俺からすれば一年ぶりなのだがな。まぁいい。念願が叶うのだからな……」
槍を構えた男、名をフロウ。
確か飯と風呂以外の全ての時間をゲームにつぎ込んでいる生粋のニートだと俺は記憶している。
ちなみに、噂だがヤツはオムツァーらしい。
武器にしている槍は、朝焼けの神殿のボス[蒼鬼の王]から0.01%の確率でドロップする幻級ウェポンだ。
それにしてもこのゲーム。ニート率高すぎなんだよな。この間のなんとかっていうファイターもそうだったしよ。
「一年ぶり?念願?」
「俺は……お前達廃課金プレイヤーをブチのめしてニートの頂点を極める!行くぞ!」
そう解説している間にも、ナツキとフロウはお互いの獲物を片手にぶつかり合った!
「なぁナツキ」
「なんだい?」
「地下って広いのか?」
「そうだね……城と同じくらいには広いんじゃないかな?」
「うぇ……面倒くせえ」
モニカを倒した部屋から出ると、そこは廊下みたくなっていて、さらにゆっくりと曲がりくねっているように感じる。
おそらくモニカが居た部屋は地下への門番の待機部屋的な役割を持った部屋なのだろう。
そして5分くらいだろうか?石畳の廊下を歩き、まだまだ次の部屋が出てこない事に少々ダレてきた。
試しにナツキに質問してみれば、城と同じって……上にある城って、潜入した時も思ったけど無意味に広いんだよなぁ。もっとRPGみたく1フロアに部屋数6個の城とかでいいと思うんだよね。
そうして長い廊下をチンタラと進んでいると、やっとこさ次の部屋に到着したらしい。
「お?結構大きな扉だけど?」
「ここは召喚されたプレイヤーの待機部屋って感じだね。中では普通にお茶してたりしたけど……」
「殺気がダダ漏れだな」
「あはは。下級雑魚感ハンパないね」
俺とナツキは笑い合い、俺が扉を開くと同時にナツキが部屋へと飛び込んだ。
「飛んで火にいるナツキはムシぶろぁ!」
舐めたセリフを口走った杖を持ったプレイヤーはスキルを使う前にナツキのブラストキックで壁にめり込んだ。
これでナツキもPK確定の犯罪者だな。ナカーマナカーマ!
「ああ!あまりにも弱すぎて加減出来なかった!」
「護符も付けてないような素人まで召喚してるんじゃ末期だな」
ナツキが頭を抱えているところに、ゆったりと扉を閉めた俺が歩いていく。
「馬鹿め!お前達二人がどれだけ強かろうがこの人数に敵うわけがない!」
「数こそ力!力こそ正義!」
「今こそ廃課金豚に死の鉄槌を!」
うおおおお!と群れて襲いかかってくる中級プレイヤー風の者達だが、ナツキは両腕を上げ、拳を耳の横に当てるようにして二の腕の筋肉を強調するポーズを取る。このポージングは決して筋肉を自慢したいわけではない。
このポージングはナツキが装備する金神防具[金獅子の鎧]の固有スキル〈ハウリングブラスター〉を発動させるためのポーズなのだ。
ナツキは前方に向け、力ある言葉を発した。
その言葉をキーとして、ナツキの胸部から発射された熱波光線は扇形に広がり、かなりの数のプレイヤーが一瞬の内に蒸発した。
「おおう!久々に見たよ!ぶれすとふぁいやー!」
「なんであのポーズを取らないと発動しないのかわかんないよ。普通にスキル叫ぶだけでいいじゃないかって思うんだ」
「その辺りは開発の趣味だろうな」
「そんな趣味防具を5万クレジットで売り出す運営って……」
大量殺人に凹んでしまっていないか?と少し心配して声を掛けたのだが、どうやら本当に覚悟を決めて臨んだらしい。
少々疲れた顔をしているが、許容範囲だろう。
「くそッ!あんなにいたプレイヤーが半分も殺られただと!なんていう火力!これが運営の白い豚の実力ぶろぁ!」
なんだかお決まりのモブ台詞を叫んでいるプレイヤーをナツキは金神防具の[金狐の具足]固有スキルの〈サンダーキック〉を発動させ、稲妻をバリバリと纏わせた足で瞬間移動ばりの速度で接近し、そのまま稲妻が迸る足で蹴り飛ばした!
飛ばされたプレイヤーはバリバリ!と焦げ、肉が焼ける臭いを漂わせながら壁に激突して動かなくなった。
ナツキ……ノリノリになってきたな。
「誰が白豚ですか!少々色白なキャラクリしただけで別に太ってないですよ!」
バリリ!と足を鳴らせるナツキに周囲を取り囲む貧弱なプレイヤー達は怯んでいるのか及び腰になっている。
「やっぱり金神装備は反則だよな。なんてったって今までの金満シリーズ全部のスキルが使えるんだから」
「何言っているんですか。スズキくんのGMナアオシリーズの方がブッ壊れでしょうに……」
俺はそう言いながらも、近くに来るプレイヤーの一人に風穴を開けている。
「こんだけ弱いんじゃ悲壮感漂わせながらナツキを捨て駒にしなくて良さそうだな」
「捨て駒って……そこはせめて尊い犠牲とか、なんか上手い言い方してくださいよ」
「わるいわるい」
俺たち二人は互いに近くのプレイヤーをボコボコにしながら部屋中を縦横無尽に走り回り、かなりの数の死者と、かなりの数の重症者を出し、立ち上がる者が居ないのを確認して部屋を後にした。
そして再び長々と続く石畳の廊下に辟易としはじめた時、一人の槍を構えた男が俺達の前に立ちはだかった。
「久しぶりだな?ナツキ。それと……えっと……サトウ?」
「スズキだッ!」
「フロウさんじゃないですか。でも久しぶりって程ですかね?僕的には一週間ぶり程度の感覚なのですが?」
「俺からすれば一年ぶりなのだがな。まぁいい。念願が叶うのだからな……」
槍を構えた男、名をフロウ。
確か飯と風呂以外の全ての時間をゲームにつぎ込んでいる生粋のニートだと俺は記憶している。
ちなみに、噂だがヤツはオムツァーらしい。
武器にしている槍は、朝焼けの神殿のボス[蒼鬼の王]から0.01%の確率でドロップする幻級ウェポンだ。
それにしてもこのゲーム。ニート率高すぎなんだよな。この間のなんとかっていうファイターもそうだったしよ。
「一年ぶり?念願?」
「俺は……お前達廃課金プレイヤーをブチのめしてニートの頂点を極める!行くぞ!」
そう解説している間にも、ナツキとフロウはお互いの獲物を片手にぶつかり合った!
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