英雄の孫は見習い女神と共に~そしてチートは受け継がれる~

GARUD

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ラヴィア公国と発生した魔物

13 孫、人生のピンチを迎える!

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「はぁ……」
「何よ?ため息なんて吐いて」
「いや、結局ヤツが何者なのか分からずじまいだったなってさ。誰かさんが欠片も残さず処分するから……」
「し!仕方ないでしょ!あーでもしないと、いつまでも起き上がって来そうだったんだから!」

 俺がジト目を向けて抗議すると、カスミは顔を真っ赤にして言い訳をする。

「まぁまぁ。全員無事だったんだし、終わった事は水に流そーよ?」
「ルカちゃんの言う通りよ!あんまりネチッこいのは女の子にモテないわよ!」
「……別にカスミの好感度なんてどうでも良いけど、他の娘に好かれないのは頂けないな。自重しよ~」

 ニヤニヤとからかっているカスミから、俺はプイッとそっぽを向いてそう言うと

「何よその言い方!」

 とカスミは目を吊り上げて来る。
 
「でもさ~。カスミが死んだかも?って時のグレイブの慌てようったらさ~」
「なッ!ルカ?!」
「え~?私、その時ちょうど分身と入れ替わって慌てて隠れてたから見てないんだよね~ルカちゃん教えて~?」

 おかしいなぁ~と、首を傾げるルカに、焦る俺と、それをニヨニヨと楽しそうに眺めながら続きを促すカスミ。

「動かない体で無理してカスミの所まで行ってね。口元に耳を付けて『息をしてない!』ってすっごい慌ててたんだよ!泣きそうな顔してたし!」

 ルカが身振り手振りで再現するのをアワワと慌てる俺を見て、カスミはムフフと含み笑い。

「ええ~?グレイブく~ん、今のはホントーですかぁ~?」
「ぐぬぬ!そんな慌ててないしぃ!泣きそうにだってなってねーし!ルカもデタラメこいてんじゃねーよ!」
「え~……おっかし~な~」

 俺にガーッ!と言われて首を傾げるルカ。よし!このままやり過ごす!と思ったのも束の間。カスミから衝撃の告白をされた。

「ふふ。実は分身の感触って欲しい所は共有する事が出来るんだよね~」
「……なん……だと」
「ムフッ!だから、グレイブが心配そうに私を抱き上げて、慌ててる所は分身を通してバッチリ見えてたし、抱き上げられている感触もあったのよね~?」

 驚愕に見開かれた俺の目を見て、ムフフ~と口を手で押さえてニヨニヨとしながら衝撃の事実を連発するカスミに遂に俺は逆ギレした!

「ッ──この性悪女!俺がどれだけ心配したか分かってんのか?!」
「開き直ってんじゃないわよ。抱き上げた時にちゃっかりオッパイ揉んでおいて何無かった事にしようとしてんの?」
「んなッ!なぜ──」
「うわ~引くわ~」

 俺の逆ギレを冷静に受け流したカスミは、俺がちゃっかり胸を揉んだ事もしっかりと覚えていたようで、両目を吊り上げて頬をピクピクとさせている。焦る俺に、ルカは呆れたような視線を俺に向けて一歩離れた。

「何故も何も、感覚を共有出来るって言ってるでしょ?このスケベ」
「いや!あれは本当に死んでいるのか確かめるために心臓の鼓動を確かめようとだな──」
「揉まなくても脈測ればいいでしょ?」
「そんな咄嗟の機転が出来るか!」

 ただ、息をしていなかったから心臓動いてるかな?と胸の上から鼓動を確認したが、決してやましい気持ちではない!だと言うのに、カスミは腕で脈を測れなどと……咄嗟の判断で出来るわけがないのだ!だから俺は悪くない!
 だと言うのに、カスミはヤレヤレといった様子で肩を竦めてため息を吐いた。

「はぁ……ヤレヤレ。物言いがまるで犯罪者ね」
「グレイブ!これは責任取るしかないよ!」
「はぁ?!責任?!」

 まるで関係のないルカが、面白半分と言った様子でそう言って俺に指を突き付けて来た。

「カスミと結婚するんだよ!」
「「なんだって?!」」

 ルカから発せられた驚愕の一言に、俺の焦った声とカスミの上擦った声がハモる!

「ちょちょちょ!ルカちゃん?!」
「いいの。カスミは黙ってて?」
「ええ?!」

 何やら顔を真っ赤にしてルカに詰め寄るカスミだが、ルカにやんわりと手で止められている。

「いい?グレイブ。女の子の身体はみだりに触っちゃダメなんだよ?しかもオッパイなんて女の子の大事な大事な取っておきな部分なの。結婚して、初めて触らせるっていう女の子だって居るのよ?」
「お……おう……」

 そう言われると、確かにカスミの貞操観念を考えれば、俺はとても悪い事をしたのではないか?と思わなくもない。

「それを不可抗力とは言え、揉んだのはダメだと思うの!」

 普段は馬鹿丸出しのルカのくせに、何故か強い説得力を感じた俺は項垂れて黙りこくってしまう。

「だから、カスミと結婚して責任を取るのよ!そうすれば単に未来の妻のオッパイを先に揉んだ!いわゆる、報酬の前払いを受け取ったというだけで済むわ!」

 ビシィ!と突きつけられた指先に、俺は雷に撃たれたような錯覚を覚えた。

「そうか──確かにそう言われると……」
「いやいやいや!グレイブ落ち着いて!」
「カスミ……」
「グググ!グレイブ?!」

 俺は横でワチャワチャと腕を振っているカスミの両肩を抱き、熱い眼差しを向けた。

「俺と──結婚してくれ!「ッ──はいッ」──ってルカ!いつまでやるんだよこの漫才!」
「アハハ~面白いのに~……」
「「──え?」」

 今なんておっしゃいました?と言わんばかりに、俺とルカは声をハモらせ、ギギギと視線をカスミに向けると、カスミは目から大粒の涙を流し、メソメソと泣きながら「うれしいよぉ」と言っていた。

 おい!どうすんだよコレ!という非難の視線をルカに向けるが「わたし知~らない!」と翼を生やして窓から華麗に飛び出したのだった。
 


 

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