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創生の杖
3 孫、一年ぶりに兄と再開する!
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俺が食堂で時間を潰している内に、早々と第三ブロックまでが消化され、今は第四ブロックの予選が始まっていた。
「しっかし……暇だ」
そう。毎回なのだが、この予選での振るい落としに時間がかかり、やる事がなくて毎年手持ち無沙汰になってしまうのだ。
それでも予選ブロックが早い組みに入ればさっさと予選を済ませて街でブラブラしたり出来るのだが、予選ブロックも後半に振り分けられると、結構な苦痛を覚えるんだよね。
「テキトーに遊びに行きたいところだけど、予選は時間通りに行かないからなぁ……」
そう。予選はブロック内の勝ち抜きが決まれば、次のブロックの予選が始まるという仕組みで、時間の設定などがないのだ。
だから、やたら時間のかかる時もあれば、カスミ達なんかの時みたく数分で終わる場合もある。
自分のブロックが後半だからと、下手に外出して、いざ自分のブロックの時に間に合いませんでしたなんて、普通に失格になるだけだ。
「あー……ダルい……」
「随分と余裕じゃないかグレイブ」
テーブルで溶けている俺を名指しで呼ぶ声に、俺は聞き覚えがあり、ガバッ!と起き上がって声の主の方を見る。
「バスク兄さん!」
「よう!元気にしてたか?」
「兄さんこそ!」
俺は立ち上がると、バスク兄さんが歩いて来るのを待つ。
歩いて来たバスク兄さんが差し出した手をガッチリと掴んで、俺達は約一年ぶりの再開を果たした。
「兄さん、予選突破おめでとう!」
「予選くらいで大げさだぞ」
久し振りに会ったバスク兄さんは、肌がこんがりと小麦色に焼けていて、大きかった筋肉が、まるで質を変えていて、細身で引き締まった形になっていた。
一見素人目で見れば、衰えたように見えるのだろうが、バスク兄さんから放たれる覇気は去年の大きな身体よりも、引き締まった今の方がより大きくなっていた。
「随分と女の子ウケする身体に作り変えて来たんだね」
「うむ。去年はガリナ王国の南にある島で修行をしていたんだが、あそこは気候が熱くてな。気が付けばこんがりと小麦色に焼けてしまっていたわけだ!俺のような美男子がこのような美しく引き締まった身体になってしまっては、帝都に住む全ての女性の心を鷲掴みにしてしまうかもしれんな!」
「流石は兄さん!」
「「はっはっはっはっは!」」
相変わらずの馬鹿で安心したよ……
このお調子者な性格がエレイン家の血筋のダメな所なんだよなぁ……と、エレイラお婆ちゃんやバスク兄さんを見ていると常々思ってしまう。
でも、例え俺より馬鹿で、俺よりお調子者でも、俺より強いのもまた事実。
「ところで兄さん」
「なんだグレイブ?」
「武器、変えたんだね」
俺はそう言って両の腰に吊るした直剣に目を向けると、バスク兄さんはご機嫌で説明してくれた。
「うむ!この右の剣が火炎剣フレイムベル。左の剣が絶対零度の剣アブソリュートだ」
「って事は、属性付きの剣かなんか?」
「そうだな。フレイムベルは刃に炎を纏わせて切り口を焼いて治らなくするし、アブソリュートは切り口を凍らせて壊死させる事ができる」
サラッととんでもない事言いやがった!
「効果だけ聞くと、かなり物騒な剣だけど……」
「ああ。俺の精神力を使う事で発動させる事ができるのだが、一度使うと消耗が激しいからな。なるべくなら使わずに済ませたいところだ」
内心ホッと息を吐いた俺を見透かしたかのようにバスク兄さんは一言付け足した。
「お前と当たるまでは──な」
「あはは……」
コイツ……俺と当たったら本気で殺りに来るつもりだよ……大方、サーリアに挑む前の最後の仕上げとでも思っているのだろう。
本当にエレイン家の血筋はイザベラお婆ちゃんが言う通りロクでもないね。
「それにしても二刀流って難しくない?」
俺はそう言ってなんとか話を別の方向に向けようとすると、すっごい勢いで食いついてきた。
「そりゃあ難しいなんてもんじゃないぞ!右と左で違う事をしなければならないんだからな!だが、利点もある」
「利点?」
「片手剣のスキルを同時に発動できる!」
ドヤァ!と胸を張るバスク兄さんに、俺は「おおおお!」と大げさに驚いてみせると、バスク兄さんは「そんなに騒ぐものでもあるまい!はっはっは!」とご機嫌さんだ。
って、相変わらずの脳筋かよ。
そりやぁ二本持ってるんだから二本分打てて当然だろうよ……
「ところでグレイブは何組だ?」
「俺は第九ブロックです」
「ならば当たるのは決勝か!楽しみにしているぞ!はっはっはっは!」
俺の組みを聞いたバスク兄さんは、決勝で俺と当たるのをもう確信してしまっているのか、高笑いを上げながら決勝戦が楽しみだ!と大声でほざいていた。
あぁ……途中で負けてくれないかなぁ……
「しっかし……暇だ」
そう。毎回なのだが、この予選での振るい落としに時間がかかり、やる事がなくて毎年手持ち無沙汰になってしまうのだ。
それでも予選ブロックが早い組みに入ればさっさと予選を済ませて街でブラブラしたり出来るのだが、予選ブロックも後半に振り分けられると、結構な苦痛を覚えるんだよね。
「テキトーに遊びに行きたいところだけど、予選は時間通りに行かないからなぁ……」
そう。予選はブロック内の勝ち抜きが決まれば、次のブロックの予選が始まるという仕組みで、時間の設定などがないのだ。
だから、やたら時間のかかる時もあれば、カスミ達なんかの時みたく数分で終わる場合もある。
自分のブロックが後半だからと、下手に外出して、いざ自分のブロックの時に間に合いませんでしたなんて、普通に失格になるだけだ。
「あー……ダルい……」
「随分と余裕じゃないかグレイブ」
テーブルで溶けている俺を名指しで呼ぶ声に、俺は聞き覚えがあり、ガバッ!と起き上がって声の主の方を見る。
「バスク兄さん!」
「よう!元気にしてたか?」
「兄さんこそ!」
俺は立ち上がると、バスク兄さんが歩いて来るのを待つ。
歩いて来たバスク兄さんが差し出した手をガッチリと掴んで、俺達は約一年ぶりの再開を果たした。
「兄さん、予選突破おめでとう!」
「予選くらいで大げさだぞ」
久し振りに会ったバスク兄さんは、肌がこんがりと小麦色に焼けていて、大きかった筋肉が、まるで質を変えていて、細身で引き締まった形になっていた。
一見素人目で見れば、衰えたように見えるのだろうが、バスク兄さんから放たれる覇気は去年の大きな身体よりも、引き締まった今の方がより大きくなっていた。
「随分と女の子ウケする身体に作り変えて来たんだね」
「うむ。去年はガリナ王国の南にある島で修行をしていたんだが、あそこは気候が熱くてな。気が付けばこんがりと小麦色に焼けてしまっていたわけだ!俺のような美男子がこのような美しく引き締まった身体になってしまっては、帝都に住む全ての女性の心を鷲掴みにしてしまうかもしれんな!」
「流石は兄さん!」
「「はっはっはっはっは!」」
相変わらずの馬鹿で安心したよ……
このお調子者な性格がエレイン家の血筋のダメな所なんだよなぁ……と、エレイラお婆ちゃんやバスク兄さんを見ていると常々思ってしまう。
でも、例え俺より馬鹿で、俺よりお調子者でも、俺より強いのもまた事実。
「ところで兄さん」
「なんだグレイブ?」
「武器、変えたんだね」
俺はそう言って両の腰に吊るした直剣に目を向けると、バスク兄さんはご機嫌で説明してくれた。
「うむ!この右の剣が火炎剣フレイムベル。左の剣が絶対零度の剣アブソリュートだ」
「って事は、属性付きの剣かなんか?」
「そうだな。フレイムベルは刃に炎を纏わせて切り口を焼いて治らなくするし、アブソリュートは切り口を凍らせて壊死させる事ができる」
サラッととんでもない事言いやがった!
「効果だけ聞くと、かなり物騒な剣だけど……」
「ああ。俺の精神力を使う事で発動させる事ができるのだが、一度使うと消耗が激しいからな。なるべくなら使わずに済ませたいところだ」
内心ホッと息を吐いた俺を見透かしたかのようにバスク兄さんは一言付け足した。
「お前と当たるまでは──な」
「あはは……」
コイツ……俺と当たったら本気で殺りに来るつもりだよ……大方、サーリアに挑む前の最後の仕上げとでも思っているのだろう。
本当にエレイン家の血筋はイザベラお婆ちゃんが言う通りロクでもないね。
「それにしても二刀流って難しくない?」
俺はそう言ってなんとか話を別の方向に向けようとすると、すっごい勢いで食いついてきた。
「そりゃあ難しいなんてもんじゃないぞ!右と左で違う事をしなければならないんだからな!だが、利点もある」
「利点?」
「片手剣のスキルを同時に発動できる!」
ドヤァ!と胸を張るバスク兄さんに、俺は「おおおお!」と大げさに驚いてみせると、バスク兄さんは「そんなに騒ぐものでもあるまい!はっはっは!」とご機嫌さんだ。
って、相変わらずの脳筋かよ。
そりやぁ二本持ってるんだから二本分打てて当然だろうよ……
「ところでグレイブは何組だ?」
「俺は第九ブロックです」
「ならば当たるのは決勝か!楽しみにしているぞ!はっはっはっは!」
俺の組みを聞いたバスク兄さんは、決勝で俺と当たるのをもう確信してしまっているのか、高笑いを上げながら決勝戦が楽しみだ!と大声でほざいていた。
あぁ……途中で負けてくれないかなぁ……
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