虐げられてた侯爵令嬢は隣国の皇太子殿下の初恋の相手でした

きりん

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エストレジャ帝国はものづくりが盛んな国で、周りの国に自国の作ったものを売り財をなしていた。エストレジャ帝国には大層有名な姉妹がいる。
 ものづくりが得意なエストレジャで他国との貿易で財をなす美しいマーティ侯爵家の2人娘。

姉のエマ•マーティは父譲りの美しい銀髪で、妹をとても可愛がる優しい性格。
妹のアリス•マーティは母親譲りの金髪で、活発な性格。小さいながらに2人ともとても美しく、美しいことで有名な両親の血を濃く受け継いでいた。

そんな姉妹は両親への注目度も相まって、美人姉妹として帝国でもいつも話題に上がっていた。

よく晴れた気持ちの良い日に6歳となったエマは侍女の声で目が覚める。

「エマ様。おはようございます。
 早くご支度しましょうね。」

「クロエおはよう!
 今日はやっと街にお買い物に行けるのね!
 早く準備しないと!」

今日はエマが待ちに待った、家族で街に出かける日なのだ。領地視察のついでに、家族で出かけようと、父が計画してくれたものであった。

エマは表情をクルクル変えながら、急いで飛び起きる。そんなエマを侍女はとても優しい表情で見つめながら、急いで支度を済ませる。

朝食にむかうとすでに他の家族が待っており、エマは可愛らしく、淑女のお辞儀で家族に挨拶した。

「おはようございますお父様、お母様、アリス。」

「おはようエマ。早く朝食を食べて約束通り町へ行くぞ。」
父であるマーティ侯爵は、もともと貿易を細々とやっていたマーティ家で、他国との交流を広げ貿易業を大きくしたかなりのやり手であった。銀髪で長身、キリッとした顔をもち、結婚し子供ができた今でも、女性人気の衰えない人物だ。

「ふふ、そんな急いで食べたら、喉に詰まってしまいますよ。」
優しい笑顔でエマを注意する母は、かつて歌姫と呼ばれたほどの美声をもち、美しい金髪と子供を産んでもなお衰えない美貌を持ち、かつては求婚がたえず、帝国での一種の伝説となっていた。

「お姉様今日も素敵です。」
4歳の妹アリスは、キラキラとした目を輝かせながら姉を見つめる。

「何を言ってるのアリス!あなたの方がとても可愛いわ!
街では変な人もいるから、声をかけられてもついてっちゃダメよ!」

そんな姉妹の会話を両親や使用人たちはとても優しそうな顔で見つめており、本日もマーティ家はとても暖かな空気に包まれていた。
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