悪役令息になりたいのに！〜だけど周りが放っておいてくれない〜

1、僕の人生

　僕は高光癒夜。
　僕は影が薄くて、自分を声に出して主張するのが苦手。
　主張しても、中々周りに伝わらず、誤解されて厄介扱いされる。
　そんな毎日だ。
　漫画とかならイジメが起こるらしいけど、幸いなことに起こってはいない。
　僕には小さいころからの憧れの存在がいる。
　それは、悪役だ！
　漫画とかだとヒロインをイジメてざまぁされるキャラだから、周りは悪役のことをよく思ってないし、ざまぁされたら当然だとか言っていた。
　だけど、僕は自分を精一杯主張して周りに何と言われようと自分を貫き通すその姿に惚れ惚れしていた。
　それが出来ない僕にとっては本当の憧れだった。
　そして、今日も悪役の姿を見たいがために漫画をみる。
　だって、ヒロインがいるなら悪役も登場するから。
　信号が青になったので、歩き出す。
ｷｷｯｰｯ
　誰かの声がする。
　どうしたんだろう。
　頭が熱い。燃えているみたいだ。
　僕、どうなっているの…
　暗闇に意識が沈んでいく。