悪役令息になりたいのに!〜だけど周りが放っておいてくれない〜

翠 月華

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2、転生

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 ここはどこ?
 周りが真っ暗だ。
 …怖いよ。誰か助けて。
 そんな僕に一筋の光が見えた。
 温かくて、優しくて、安心できる光。
 僕は光をめがけて走った。
 その光をもっと感じたくて、そこに行けば何か変わるような感じがして…
 それに、こんな暗闇にいたくなかったから。
◇◇◇◇
「おぎゃーおぎゃあ」
 赤ちゃんの泣き声がする。
 しかもこんな間近で。
 せめて少しだけでも良いから離れてくれよ、今僕は眠たいんだ。
レオ「あぁ、やっと生まれてくれた。
 会いたかったよ、セレティル。
 俺がパパだよ」
 泣き声が僕から出てる?
 もしかして、僕が赤ちゃんなのか?!
 ありえないでしょ…
 しかも、パパ!?僕の父親かぁ。
 そんな風に絶句していると父親?に執事服を着ている人が声をかけていた。
 なんか驚いてる?
 なんだか、眠たくなってきた。
 おやすみ…
◇◇◇◇
《レオレスsibe》
セバス「だ、旦那様」
セバス「セ、セレティル様の華の紋が、桔梗です」
レオ「なんと…
 では、セレティルはニアだということか」
セバス「おっしゃる通りでございます。
 そうなるとセレティル様を外に出すのは危険かと」
レオ「あぁ」
 この宇宙には人間しか居らず、しかも男しかいない。
 そんな宇宙には二つの性別がある。
 それはスアとニアだ。
 宇宙の人口のほとんどの者がスアだ。
 スアとは完璧者だ。
 身体能力、知能、洞察力などその全ての能力が飛び出ている。
 対してニアは子供を生むことができる。
 男しかいないこの宇宙においてはとてもとても大切な存在だ。
 しかし溢れかえる程いるスアと違い、一年間に各星に二十も生まれれば上出来だという程少ない。
 そして、その性別を判断する方法が、手の甲の華。
 スアはグズアニア、ニアは桔梗だ。
 そして、スアとニアには番という関係性があり、それは書面的な結婚などとは違い一生モノだ。
 番になるとニアの華の周りに番となるスアの自身の紋を、スアも同じだ。
 そう、スアもニアも自身のみが持つ特別な紋があるのだ。
 基本としておいてニアが少ないため宇宙は特別なカプセルによる繁殖をしている。
 だが、まぁそんな物よりもニアから生まれた方が良いとされている。
 ニアは高貴で純粋無垢、そして愛されるための存在。これが世界の認識だ。
 ニアは愛されているが、番になりたい者は後を絶たない。
 当たり前だな。
 つまり、ニアであるセレティルもスアに獲物として見られるのだ。
 断じて阻止だ。
 まずは、敷地に遊び場を作って、欲しい物を好きなだけ与えてここに留まらせなければ!
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