悪役令息になりたいのに！〜だけど周りが放っておいてくれない〜

4、かくれんぼだ！２

「レティ、ティスおはよう」
「おはようございます。
　レティ、お父様にご挨拶しようか」
「おはよう、ございます」
　にこりとほほえむ、パパ。
　碧い瞳に銀の髪色をしていて、とても三人の子供がいるようには思えない美形さん。
「ティス兄さんおはよう。
　レティもおはよう」
　そっと、手をにぎって僕の顔をのぞく、リオス兄様。
「今日はご機嫌だなぁ。
　それに体調もよさそう、だな」
　ティス兄様に椅子に座らせてもらった僕は、テーブルの下で足を少しバタバタさせる。
　リオス兄様は、碧い瞳に黄色と銀を掛け合わせたような髪色をしていて、動くことが好きなイケメンさんだ。
　パパも兄様も僕の行動や機嫌にびんかんで、体調が悪かったらすぐ気づいてくれる。
　なかなか言葉にできない僕にとって、とてもとても頼りがいがある家族だ。
　そう家族。
　前の家族のことはあまり覚えていないので、今の家族をすぐ受け入れることができた。
　中途半端に覚えていると、大変そうなので良かったと思う。
　良かったという言い方は悪いと思うけど、中途半端に覚えていてパニックになったりするよりかはマシ、だよね？
「うん、かくれんぼ」
　元から会話が苦手というものもあるが、幼いということが今の僕をもっとベタにしているのかもしれない。
「そうか、かくれんぼするのか。
　パパも参加したいな」
「ん」
「良いのか！？
　よし、では「駄目ですよ」」
　良いよ、と言った僕の返事に気を良くしたパパは、仕事を休もうとするが案の定、そしされた
「な、なぜだ？」
「はぁ、これだから旦那様は…」
　パパに気を使って毎回疲れている執事さんことセバスさん、いつもお疲れ様です。
「全く、父さんはティスのこととなるとどうしようもなくなるのですから。
　セバス、いつもご苦労さま」
「本当に全くだ」
　兄様達にも愚痴を言われてしまったようだ。
「う、うるさいぞ。」
　狼狽えるパパを見ていると、少しかわいそうなので助け船を出す。
「ご飯、しよう」
　うぅ、ごいりょくが。
「そうだね、こんなことしていて、ティスがお腹が減ったままいるなんて可哀想過ぎるな」
「そうですね。
　ティスごめんね？」
「ごめんな」
　別に謝らなくてもいいのに。
「ん！」
 ◆◆◆◆
　かくれんぼがなかなか始まりません。
　すみません。