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5、かくれんぼ!3
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「レティ。ほら、あ~ん」
「ん」パク
美味しい!
思わず足をバタバタ。
「父さん、レティが可愛すぎなんだが」
「息子よ、分かるぞ」
パパとリオス兄様が何やら話している模様。
そしてなぜかいきなりグッ、と互いの手を握り握手した。
「なぜだ、と疑問に思っている顔も可愛くてたまらないな」
他の人から言われたら背筋がこおるレベルの発言だよ、それ。
分かってるのかい、パパ。
こんなふうにたまにヤバい発言をするパパだけど、本当は偉い人で、お金持ちで、兄様達が言うには外ではとてもげんかくでれいこくな人なんだって。
確かに家族でほんわかした空間の時はこんなふうだけど、何か真剣なことがあるとキリッ、てなるよね。
その時は本当にかっこいいんだよね。
「レティ、美味しいかい?」
「ん!」
美味しくてたまらないよ。
もっともっと食べたい。
「もっと食べたいんだね?
はい、あ~ん」
「ん」パク
前世では、もっと食べたくてもなかなか意思表現できなくて悲しかった時もあった。
だけど、今は兄様達やパパ、周りの人が僕の気持ちを読み取ってくれてもっと食べさせてくれる。
…本当はもう五歳だから自分で食べないと、なんだけど。
はっ、そうだ。
僕はもう五歳なのだ。
「にぃ、持つ!」
ティス兄様の手からスプーンを奪おうと手を伸ばす。
「なんだ、自分で食べたいのか?」
そう言ってリオス兄様がティス兄様からスプーンを奪い、僕に持たせてくれる。
「ありがとう!」
一言途切れず話せた!
やったぁ!
「おぉ!話せたな。
すごいぞ」
頭を撫で撫でしながら褒めてくれる。
「レティ、流石だよ。
今日もまた、一つ成長したね」
「レティがいい子でパパは、とてもとても嬉しいよ」
「ん!」
さぁ、スプーンを持って自分でご飯を食べてみよう!
スプーンを最大限のあく力でにぎる。
そうじゃないと今にも落としそうになるんだもん。
スープにスプーンを入れ、すくう。
そこまでは今までもできた。
しんちょうになるのはこれからだ。
そう、しなんのわざなのはスープの入ったスプーンを口に入れること。
周りもシン…と静かになり真剣な雰囲気が流れる。
「あむっ!」
なんと、スプーンを口に入れることができた。
「「「すごいな(ぞ)」」」
「レティ、もう一回するのか?」
「ん!」
もちろんだとも。
スープをすくい、口に運ぶ。
が、スプーンが手から外れ、床に落ちる。
「ふえっ」
さっきできたことが嬉しかった反面、それができなかったということの影響は多大だった。
鳴き声を上げて、泣いてしまったのだ。
「レティ、ほら、大丈夫だよ」
「今日は朝から、ありがとうって言えたし、自分でご飯も食べることができて物凄く成長したよ」
「まだ、不慣れだっただけだからな。
きっと、さっきので手の力が弱くなっちゃたんだよ」
皆、各自が僕をなだめようと褒めてくる。
だけど、それでは涙は止まらなかった。
まだ五歳だから感情のコントロールがうまくいかないのも一つの理由だろう。
◆◆◆◆
ちょっと嬉しいことがあったので今日はもう一話投稿しました。
「ん」パク
美味しい!
思わず足をバタバタ。
「父さん、レティが可愛すぎなんだが」
「息子よ、分かるぞ」
パパとリオス兄様が何やら話している模様。
そしてなぜかいきなりグッ、と互いの手を握り握手した。
「なぜだ、と疑問に思っている顔も可愛くてたまらないな」
他の人から言われたら背筋がこおるレベルの発言だよ、それ。
分かってるのかい、パパ。
こんなふうにたまにヤバい発言をするパパだけど、本当は偉い人で、お金持ちで、兄様達が言うには外ではとてもげんかくでれいこくな人なんだって。
確かに家族でほんわかした空間の時はこんなふうだけど、何か真剣なことがあるとキリッ、てなるよね。
その時は本当にかっこいいんだよね。
「レティ、美味しいかい?」
「ん!」
美味しくてたまらないよ。
もっともっと食べたい。
「もっと食べたいんだね?
はい、あ~ん」
「ん」パク
前世では、もっと食べたくてもなかなか意思表現できなくて悲しかった時もあった。
だけど、今は兄様達やパパ、周りの人が僕の気持ちを読み取ってくれてもっと食べさせてくれる。
…本当はもう五歳だから自分で食べないと、なんだけど。
はっ、そうだ。
僕はもう五歳なのだ。
「にぃ、持つ!」
ティス兄様の手からスプーンを奪おうと手を伸ばす。
「なんだ、自分で食べたいのか?」
そう言ってリオス兄様がティス兄様からスプーンを奪い、僕に持たせてくれる。
「ありがとう!」
一言途切れず話せた!
やったぁ!
「おぉ!話せたな。
すごいぞ」
頭を撫で撫でしながら褒めてくれる。
「レティ、流石だよ。
今日もまた、一つ成長したね」
「レティがいい子でパパは、とてもとても嬉しいよ」
「ん!」
さぁ、スプーンを持って自分でご飯を食べてみよう!
スプーンを最大限のあく力でにぎる。
そうじゃないと今にも落としそうになるんだもん。
スープにスプーンを入れ、すくう。
そこまでは今までもできた。
しんちょうになるのはこれからだ。
そう、しなんのわざなのはスープの入ったスプーンを口に入れること。
周りもシン…と静かになり真剣な雰囲気が流れる。
「あむっ!」
なんと、スプーンを口に入れることができた。
「「「すごいな(ぞ)」」」
「レティ、もう一回するのか?」
「ん!」
もちろんだとも。
スープをすくい、口に運ぶ。
が、スプーンが手から外れ、床に落ちる。
「ふえっ」
さっきできたことが嬉しかった反面、それができなかったということの影響は多大だった。
鳴き声を上げて、泣いてしまったのだ。
「レティ、ほら、大丈夫だよ」
「今日は朝から、ありがとうって言えたし、自分でご飯も食べることができて物凄く成長したよ」
「まだ、不慣れだっただけだからな。
きっと、さっきので手の力が弱くなっちゃたんだよ」
皆、各自が僕をなだめようと褒めてくる。
だけど、それでは涙は止まらなかった。
まだ五歳だから感情のコントロールがうまくいかないのも一つの理由だろう。
◆◆◆◆
ちょっと嬉しいことがあったので今日はもう一話投稿しました。
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