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6、かくれんぼ!4
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「数えるよ?レティ良いかい?」
大きな声で叫べない僕の代わりに近くにいた執事が応えてくれた。
「もうよろしいようです」
さっ、と見ないうちに隠れてしまった執事さんに、忍者なのか!と思ってしまったのはここだけの秘密だ。
くつの音が遠くなったり近くなったりするだけの静かな時間。
あっ、もちろんここは室内だよ。
外でしたかったけど、そんなこと言える勇気は僕になかったのだ。
かくれんぼしているのは、僕と兄様達だけ。
パパもしたかったみたいだけど、セバスに連れて行かれちゃった。
「うわっ!」
沈黙の時間が数十分過ぎた頃、とうとつにそれは破られた。
「速すぎだろ!」
あっ、リオス兄様の声だ。
「あなたが隠れるのが下手なだけだ」
「はぁ~?!
見つけたとしても少しくらいは見逃せよ」
「そんなことをする義理なんてないから」
二人の時はそんなふうにしゃべるんだ。
僕がいると、兄様達は僕に集中しすぎちゃうからあまり二人だけの会話を聞いたことがなかったんだよね。
まぁ、ここで兄様達の様子を観ているか。
僕はね!
こう見えてもかくれんぼの達人なんだ。
今までした中で一度も見つかったことがないからね。
まぁ、探されなかっただけという時も多々あったけど。
…悲しくなってきちゃった。
目の端から涙が出てくる。
ダメダメ!ここで泣いたら声が出て居場所がバレちゃう。
そんなことしたら…
どんなふうになるか想像して、絶対に泣いてはいけないと思った。
頑張って涙を止める。
しばらくたって、やっと涙が止まった。
だけど、少し眠くなってきた。
寝たらダメ、寝たらダメ…
そう思いながら眠りについた。
かくれんぼをしていること、隠れているということを忘れて。
◆◆◆◆
短いですが、キリが良かったので投稿します。
大きな声で叫べない僕の代わりに近くにいた執事が応えてくれた。
「もうよろしいようです」
さっ、と見ないうちに隠れてしまった執事さんに、忍者なのか!と思ってしまったのはここだけの秘密だ。
くつの音が遠くなったり近くなったりするだけの静かな時間。
あっ、もちろんここは室内だよ。
外でしたかったけど、そんなこと言える勇気は僕になかったのだ。
かくれんぼしているのは、僕と兄様達だけ。
パパもしたかったみたいだけど、セバスに連れて行かれちゃった。
「うわっ!」
沈黙の時間が数十分過ぎた頃、とうとつにそれは破られた。
「速すぎだろ!」
あっ、リオス兄様の声だ。
「あなたが隠れるのが下手なだけだ」
「はぁ~?!
見つけたとしても少しくらいは見逃せよ」
「そんなことをする義理なんてないから」
二人の時はそんなふうにしゃべるんだ。
僕がいると、兄様達は僕に集中しすぎちゃうからあまり二人だけの会話を聞いたことがなかったんだよね。
まぁ、ここで兄様達の様子を観ているか。
僕はね!
こう見えてもかくれんぼの達人なんだ。
今までした中で一度も見つかったことがないからね。
まぁ、探されなかっただけという時も多々あったけど。
…悲しくなってきちゃった。
目の端から涙が出てくる。
ダメダメ!ここで泣いたら声が出て居場所がバレちゃう。
そんなことしたら…
どんなふうになるか想像して、絶対に泣いてはいけないと思った。
頑張って涙を止める。
しばらくたって、やっと涙が止まった。
だけど、少し眠くなってきた。
寝たらダメ、寝たらダメ…
そう思いながら眠りについた。
かくれんぼをしていること、隠れているということを忘れて。
◆◆◆◆
短いですが、キリが良かったので投稿します。
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