悪役令息になりたいのに！〜だけど周りが放っておいてくれない〜

10

　きらいだと逃げ出したは良いもののこれからどうしよう。
　もうすぐご飯の時間なんだよね。
　いつまでも自室のベットにもぐっている訳にもいかない。
　何でかって？
　それは前、逃げ出した時ね。
　いじけてご飯を食べずにいたの。
　そしたら、次の日にかぜをひいて。
　それからは無理矢理にでもご飯を食べさせられるようになっちゃった。
　でもでも！
　ご飯食べる場所なのにものすごく気まずいのはいやじゃない？
　だから、毎回こういう時どうすれば良いのかって迷うんだ。
　どうすればいいんだろう。
　明るい感じの人、えっと陽キャだっけ。
　そういう人達はすぐ仲直りできるんだって。
　前世で知ったの。
「レティ、失礼するよ」
　ん！！
　兄様だ。
「レティ。
　お父様は、レティが可愛すぎて意地悪しちゃたんだ。
　だからね、お父様謝りたいんだって」
　あの、かわいい子には意地悪したいってやつ？
　僕、そんなに可愛くないよ？
　悪いけど、パパおめめ大丈夫？
「僕…かわい、ないっ！」
　兄様は、目をパチパチさせて驚いたようだ。
「レ、レティ。
　レティは可愛いよ？兄様はレティが可愛すぎるのをちゃんと自覚してほしいな。」
「そうじゃないと、余計な輩がつくﾎﾞｿｯ」
　なになに？！
　最後なんて言った？
　にしても、兄様までそんなことを思っていたなんて！許せん。
「ふん！」
　僕は、そっぽ向いた。
　僕は怒っているんだぞ。
「レティ、デザートはチョコレートケーキだって」
　なに！？
「レティが食べないなら兄様達が食べちゃうけど、いいのかな？」
「いじわ、る！」
「けど、一緒にご飯食べてくれるなら、好きなだけケーキ食べれるかも？」
　そんなこと聞いちゃたら…
「行く！」
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