いきなり有能になった俺の主人は、人生を何度も繰り返しているらしい

一花みえる

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2章

2-11

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 無言のままノア様の私室へと向かい、促されるように中に入った。手招きをされ、誘われるがままソファに座らされた。主人が立ったままで自分だけ座るだなんて失礼極まりない。しかし今はそんなこと気にしていないのか、ノア様は「そのまま動かないでね」と言うだけ。

 一体何をされるんだと思っていると、先ほど自分で結んだタイを抜き取った。そのまま、なぜか俺の目を隠すように押し付けてくる。胸元につけているサンダルウッドとバニラの香水がふわりと漂ってきた。

「の、ノア様!? 一体何を……!」
「大丈夫、痛いことはしないから」
「はぁ!?」

 気づいたら後頭部でぎゅっとタイを結ばれ、視界が完全に覆われてしまった。解こうとしたが両手も握られ、今度は俺のネクタイが解かれて後ろで結ばれてしまう。視界と両手を奪われ、完全に自由が効かなくなってしまった。

 心拍数が一気に上がる。呼吸が浅くなっていくが、ノア様はそんなこと気にせず俺の太ももをするりと撫でた。

「ひっ……!」
「あんまり暴れないで。歯が当たると危ないから」
「は、歯!? ノア様、一体何を……っ、う……!」

 太ももに触れていた指先が、そのまま足の中心に流れていく。服の上からゆっくりと形を確かめるように性器に触れた。

 なんで、どうして。

 ノア様が、こんなことを。

「は、っ、あ」
「綺麗な女性のことでも想像してて。感覚は多分、男女でもそう変わらないと思うから」
「なに、何、がっ、あ……っ」

 あっという間にスラックスの前をくつろがされ、下着から性器を取り出される。外気に触れて、その冷たさにこれが現実だといやでも知らされる。ドクン、ドクン、と心臓が鳴っていた。熱い手が何かを確かめるように俺の性器に触れ、あ、手袋は外したんだ、なんてどうでもいいことを考えてしまう。

 そうでもしないと体が溶けてしまいそうだった。

「んぅ、う、あ」

 たらりと何かが垂らされ、思わず声が出る。鼻にかかった声が自分のものだと信じたくない。太ももが震えていることに気づいているだろうに、ノア様は容赦無くにちゅにちゅ音を立てて扱き始めた。

 自分でするのと全然違う。視覚を奪われているためかいつもより感度が高い。戦闘後の興奮もあるのか、それともノア様に性器を触られていることに感じているのか。もう何もかもがわからなかった。

「のあ、様、っ、だめ、だめです、こんなこと……っ!」
「ん」
「うあっ! あ……っ!」

 扱かれて完全に勃ち上がった性器が、突然生暖かいものに包まれた。時々硬いものが触れる。それがノア様の歯だということに気づいて、今自分がされていることを明確に理解した。

 口で、施されている。

 俺の物をノア様が咥えている。

 その事実が一気に襲いかかってきて、腰がずくりと重たくなった。

「ん、んん……っ」
「うあ、っ、あ……っ、のあ、さま、っ」

 じゅ、と音を立てて強く吸われた。また硬くなるのがわかる。苦しそうにうめく声が小さく聞こえ、ああ、本当にこれは現実なんだと思い、涙が出そうになった。

 舌先が先端に触れた。かと思ったら今度は深くまで飲み込まれる。どんどん大きくなっていく粘着質な音が、自分の先走りとノア様の唾液によって生まれている。誰かにこんなことをされたことなんか一度もなかった。考えたこともなかった。定期的に自分で扱いておしまい、だったから。

 誰か綺麗な女性だなんて、想像することもできない。

「はぁ、あ、あ……っ、だめ、です、っ、あ、これ以上は、もう」
「ん、んぅ、う」
「うう……っ、あ、っ、あ」

 体が大きく跳ね上がった。その拍子に先端をグッと飲み込まれ、キツく締め付けられる。目の前で火花が散った。腰から甘い痺れが駆け上ってくる。これ以上はだめだ、もう耐えられない。

 開きっぱなしの口から唾液が垂れてくる。拭うこともできず、飲み込むこともできず、顔を上げて堪えることしかできない。その間もノア様から与えられる刺激は止むことなく、あっという間に絶頂の淵に追い詰められた。

「も……っ、だめ、だめ……っ! 出るから、離れ、て、ください」
「んぐ、っ、んん」
「のあさま、っ、出る、出ます、っ、だめ……っ! ああ……!」

 再び強く吸われ、堪えきれずに理性を手放した。どくどく震えながら何度も熱を放出する。一滴も溢さないと言わんばかりに熱い咥内が締め付けてきた。その刺激に、また軽く絶頂を迎える。

 じゅる、と音を立てて最後の一滴を吸い出され、ようやく解放された。身体中が熱を帯びて何も考えられない。どうして、なんで、と聞きたいことは山のようにあったけれど自分の口からは荒い呼吸しか出てこなかった。

「はー……っ、ああ……」
「ん……これでちょっとは、薄くなった、かな」
「は、あ……?」
「ううん。こっちの話」

 指先でシャツの襟元を開かれる。今はその刺激さえも快楽に受け取ってしまい、また小さく声が漏れた。何に満足したのかノア様はそのまま俺の拘束を解放し、何事もなかったかのような顔で「支度しようか」と言った。

 まだ頭が煮立っている俺は、もつれる舌先で「はい」としか返せなかった。
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