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彼女を見かけたのは、某出向先の休憩室だった。
「あーあ、生きるってしんどいわ」
ジト目で溜息をついたのは、浅香屋食品出荷部門パート従業員:田辺恵津子。同僚のパート主婦が顔を覗き込む。
「何に絶望してんの?」
「夫、義母、娘、全部投げ出したいのよ」
恵津子は続けた。
「熱心にアプローチされたから結婚して、娘が生まれたら『早く跡取りちゃんと産め』って義母に毎日暴言吐かれるし。結局1人っ子になったから、せめて教育はちゃんとしようって、たっかい学費の私立に頑張って通わせてさ。就職したはいいけど、もう37なのに未だ独身、身の回りのこと出来なくてずっと実家暮らしなんだもん」
「へえ、料理も出来ないの?」
「出来ない出来ない。辛うじて部屋の掃除はするけど、洗濯すら出来ないもん。前に2週間出張した時は、2週間分の洗濯物ためにためて、そのまま持ち帰って来たんだよ。
娘の同級生なんて、もう3人目産んだりしてるのに、片や洗濯も出来ないなんてさぁ」
「あらー、やばいね、それ」
同僚が苦笑交じりに反応すると、恵津子は首がもげる程に頷いた。
「そうなの、うちの旦那と姑が甘やかしたせいなの。全部、あの親子のせいで狂わされたんだよ」
(滝童SCの田辺さんは37歳。こっちの田辺さんには、37歳の娘が居る。…苗字も同じだし、もしかしてもしかするのかな)
ゆず子は思ったが、本人に確認する事はしなかった。
「1人暮らしを考えた事は何回もあるんだけど、うちの本社と店舗、都内とその近辺だけなんですよ。どの場所も実家から通えるし、わざわざお金かけて1人暮らし? って思うんです。その分、貯金とか推しに回したいし」
所変わって滝童SC。アラフォー独身&実家暮らしを勢い余ってカミングアウトした田辺明耶奈は、あれ以来オープンに語るようになった。
訊いていたラーメンさこた従業員:土肥は、顎に手を当て考える。
「確かに、職場が近いならわざわざ独立する必要も無いよね。貯金出来るのは実家暮らしの強みだよ」
「そうなんですよ。ちゃんと家にもお金は入れてるし、親にお金を出して貰うような買い物はしないって、一応決めてるんですよ」
(まあ、それは最低限当然の事だよ)
ゆず子は業務に当たりつつ、心の中でツッコミを入れた。土肥は質問した。
「田辺さん、家事ってどのくらいやってる?」
すると、明耶奈は口を真一文字にした後、喋り始めた。
「掃除も、当たり前にやってますよ。ただ、母親的には『こだわり』があるみたいで、自分の部屋以外をやると文句つけるんです。『ゴミがまだ落ちてる』とか『足らない!』とか」
(どうしたの?何か早口ね)
明耶奈の弁解は続いた。
「食事は専ら母親ですね。こっちも『こだわり』があるみたいで、手伝うと文句つけてくるし、作ったら『美味しくない』って言うし」
紙パックの茶を飲み、明耶奈は続けた。
「けなされたら、やる気無くすっちゅーの。ほんっと、毒親!」
「あはは。…ちなみにあたし、子供生まれるまで料理ほとんどしなかったよ」
土肥の言葉に、明耶奈は驚愕の表情を浮かべた。
「ええっ、そうなんですか!」
「うん。周りより早めの結婚ってのもあるけど、実家暮らしだからね。その気なくとも、親に甘えちゃう」
「なるほど…」
神妙な面持ちの明耶奈に、土肥は続けた。
「これ、あたしの持論だけど『料理は頑張る必要無い』よ」
「どうしてですか?」
「一生懸命作っても、『ばあちゃんの唐揚げの方がいい』言われたり、スーパーの惣菜の方が美味しいなんてザラだもん。大事なのは『お腹空いた時に食事をちゃんと準備出来るか』、だよ。
準備面倒くさいからって食事抜いたり、飴舐めて誤魔化す、なんて事しなきゃOK。家での料理の敷居なんて低いよ。どうせ人様に出す訳じゃないんだし」
熱心に聞き入る明耶奈。ゆず子も土肥の言葉には関心した。
(現役主婦だから、すごい説得力あるわね。田辺さんも参考に出来たかしら)
数日後、とある食品工場。恵津子は、今日も休憩室で愚痴を言っていた。
「最近娘がさ、朝に真っ黒焦げのベーコンエッグ作って食べてるの」
「あら、朝食作るようになったの? 偉いじゃん」
同僚が褒めると、恵津子は首を振った。
「ものすっごい黒焦げなんだよ? 見てるこっちが『うわ、苦そう!』ってなるみたいな」
「急に作り始めるなんて、心境の変化でもあったんじゃない? 彼氏出来たとか、紹介受けたとか」
それを聞いた恵津子は、小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「まさか。今まで彼氏出来ても料理なんかしなかったよ。どうせすぐ飽きるよ」
頷きつつ話を聞いていた別の同僚は、ふと尋ねてきた。
「…娘さん、結婚願望はあるの? 結婚相談所って考えない? 知り合いの息子さんも40歳だったけど、登録して結婚したよ」
恵津子は首を振った。
「とんでもない、料理も家事も出来ないのに結婚相談所なんて。万が一相談所の人に漏洩されたら、たまったもんじゃないよ。
せめて自然な出会いがあって、自分から自発的に家事を練習するくらいにならないと」
ゆず子は聞きつつ疑問に思った。
(あら?お母さんは、結局どっちを望んでいるのかしら)
実家を出ず、親に依存した現状を嘆く。でも結婚相談所を使うことには、真っ向から反対。
(未婚のまま独立する事を、願ってる?でも『自然な出会い』、ねえ)
一方、とあるショッピングセンターの従業員休憩室。
「私、1度結婚相談所に登録して、マッチングした人としばらく付き合った事あるんですよ」
明耶奈の言葉に、土肥は真剣な眼差しで頷いた。
「もしや、7年前の彼?」
「そうです。中小企業の人でね、印象も悪くなかったんですよ。でもうちの母親に会わせたら、メチャメチャ反対されて」
「何が気に食わなかったんだろう?」
「『何でまだ20代なのに相談所を使った!!』ですって。『若いんだから自然な出会いを待て』とか、相手の人柄は無視で、出会い方にいちゃもんつけられて」
「えー、何それ」
「ウマが合って、1年近く付き合ってたんですけどね。あまりに反対するから彼も萎縮しちゃって、ダメになったんです。相談所も退会して、3ヶ月は母親と口ききませんでした」
「あらー、それは辛かったね」
「そうなんです。もう、自分には『美容』しかないと思いました。手を掛ければ掛けるほど結果が出るし、美しくいて悪いことなんて、何も無いですからね」
明耶奈は、昼食のベーグルパンを豆乳で流し込んだ。
(娘を思い通りにする事で、自身の結婚生活の不遇さを解消しようとする母親と、自分のやりたいことを貫くために親に依存する娘、ってとこかしら。むしろこういう親子こそ、距離を置いた方がいいと思うんだけどな)
ゆず子はモップ掛けをしつつ、思案した。
その2週間後。休憩中に楽しく話している土肥に、明耶奈が言った。
「土肥先輩、今日がヘルプ最終日なんですよね」
「うん。来てよ、88号線店近所だし。PINEも電話も、遠慮なくちょうだい」
「そうですね、行けば会えますよね。…そうそう、これまだ分からないんですけど」
明耶奈は、ハツラツとした声で続けた。
「夏にうちの新店舗が名古屋に出来るんです。私、配置希望を出しました」
その言葉に、ゆず子は思わず顔を上げた。土肥は驚きの表情をした。
「え、引っ越すってこと?」
「ええ、まだ分かんないですけど。長年の自炊のハードルをクリアしたら、1人暮らしやってみたくなっちゃって。アドバイスありがとうございました!」
「役に立って良かったぁ、頑張ってね! 人生長いんだから、挑戦しなきゃ損だよ」
「はい! 遠いけど、決まったら連絡するんで遊びに来て下さい!」
明耶奈は、とてもキラキラした笑顔をしていた。
「あーあ。人生しんどいわ」
食品工場の休憩室で悪態をついているのは、恵津子だ。同僚が見かねて尋ねる。
「何、どうしたの?」
「結婚もせずに化粧品と映えを追いかけてばかりの娘がね、名古屋に行ったのよ」
「仕事? 結婚? あら、巣立って良かったじゃない」
ところが、恵津子は首を激しく横に振った。
「良くない! だって私達夫婦、60越えてるのよ? しかもまだ婆さんも生きてるし。年寄りしか居ないなんて、何かあったらどうすんのよ。
そもそも娘も、40近いのにようやく1人暮らしだなんて、孤独死まっしぐらじゃない。本当、どうかしてるわ!」
怒りつつトイレへ向かう恵津子に、同僚達は呆れ顔をして呟いた。
「何あの人。娘が家に居ても、出て行っても文句ばっかりなんだね」
ぬるま湯に浸かる事を自分の意志で取りやめた彼女は、とても美しかった。まるでおとぎ話のプリンセスの様に、生き生きとしたあの笑顔は、ゆず子の心の中に今でも残っている。
反対に、自分の不平不満を作り出すための道具として、娘を縛り付けようとした母親は、さながらおとぎ話の魔女の様ではないか。
だが、魔女も最初から魔女では無かったに違いない。何かが彼女を歪ませ、悪い魔女へと変貌してしまったのだ。
物事の裏表を淡々と見守り続ける自分は、一体どんな役柄なのだろう。齢だけで言ったら、間違いなく魔女の類いだなと思う、鳴瀬ゆず子なのであった。
「あーあ、生きるってしんどいわ」
ジト目で溜息をついたのは、浅香屋食品出荷部門パート従業員:田辺恵津子。同僚のパート主婦が顔を覗き込む。
「何に絶望してんの?」
「夫、義母、娘、全部投げ出したいのよ」
恵津子は続けた。
「熱心にアプローチされたから結婚して、娘が生まれたら『早く跡取りちゃんと産め』って義母に毎日暴言吐かれるし。結局1人っ子になったから、せめて教育はちゃんとしようって、たっかい学費の私立に頑張って通わせてさ。就職したはいいけど、もう37なのに未だ独身、身の回りのこと出来なくてずっと実家暮らしなんだもん」
「へえ、料理も出来ないの?」
「出来ない出来ない。辛うじて部屋の掃除はするけど、洗濯すら出来ないもん。前に2週間出張した時は、2週間分の洗濯物ためにためて、そのまま持ち帰って来たんだよ。
娘の同級生なんて、もう3人目産んだりしてるのに、片や洗濯も出来ないなんてさぁ」
「あらー、やばいね、それ」
同僚が苦笑交じりに反応すると、恵津子は首がもげる程に頷いた。
「そうなの、うちの旦那と姑が甘やかしたせいなの。全部、あの親子のせいで狂わされたんだよ」
(滝童SCの田辺さんは37歳。こっちの田辺さんには、37歳の娘が居る。…苗字も同じだし、もしかしてもしかするのかな)
ゆず子は思ったが、本人に確認する事はしなかった。
「1人暮らしを考えた事は何回もあるんだけど、うちの本社と店舗、都内とその近辺だけなんですよ。どの場所も実家から通えるし、わざわざお金かけて1人暮らし? って思うんです。その分、貯金とか推しに回したいし」
所変わって滝童SC。アラフォー独身&実家暮らしを勢い余ってカミングアウトした田辺明耶奈は、あれ以来オープンに語るようになった。
訊いていたラーメンさこた従業員:土肥は、顎に手を当て考える。
「確かに、職場が近いならわざわざ独立する必要も無いよね。貯金出来るのは実家暮らしの強みだよ」
「そうなんですよ。ちゃんと家にもお金は入れてるし、親にお金を出して貰うような買い物はしないって、一応決めてるんですよ」
(まあ、それは最低限当然の事だよ)
ゆず子は業務に当たりつつ、心の中でツッコミを入れた。土肥は質問した。
「田辺さん、家事ってどのくらいやってる?」
すると、明耶奈は口を真一文字にした後、喋り始めた。
「掃除も、当たり前にやってますよ。ただ、母親的には『こだわり』があるみたいで、自分の部屋以外をやると文句つけるんです。『ゴミがまだ落ちてる』とか『足らない!』とか」
(どうしたの?何か早口ね)
明耶奈の弁解は続いた。
「食事は専ら母親ですね。こっちも『こだわり』があるみたいで、手伝うと文句つけてくるし、作ったら『美味しくない』って言うし」
紙パックの茶を飲み、明耶奈は続けた。
「けなされたら、やる気無くすっちゅーの。ほんっと、毒親!」
「あはは。…ちなみにあたし、子供生まれるまで料理ほとんどしなかったよ」
土肥の言葉に、明耶奈は驚愕の表情を浮かべた。
「ええっ、そうなんですか!」
「うん。周りより早めの結婚ってのもあるけど、実家暮らしだからね。その気なくとも、親に甘えちゃう」
「なるほど…」
神妙な面持ちの明耶奈に、土肥は続けた。
「これ、あたしの持論だけど『料理は頑張る必要無い』よ」
「どうしてですか?」
「一生懸命作っても、『ばあちゃんの唐揚げの方がいい』言われたり、スーパーの惣菜の方が美味しいなんてザラだもん。大事なのは『お腹空いた時に食事をちゃんと準備出来るか』、だよ。
準備面倒くさいからって食事抜いたり、飴舐めて誤魔化す、なんて事しなきゃOK。家での料理の敷居なんて低いよ。どうせ人様に出す訳じゃないんだし」
熱心に聞き入る明耶奈。ゆず子も土肥の言葉には関心した。
(現役主婦だから、すごい説得力あるわね。田辺さんも参考に出来たかしら)
数日後、とある食品工場。恵津子は、今日も休憩室で愚痴を言っていた。
「最近娘がさ、朝に真っ黒焦げのベーコンエッグ作って食べてるの」
「あら、朝食作るようになったの? 偉いじゃん」
同僚が褒めると、恵津子は首を振った。
「ものすっごい黒焦げなんだよ? 見てるこっちが『うわ、苦そう!』ってなるみたいな」
「急に作り始めるなんて、心境の変化でもあったんじゃない? 彼氏出来たとか、紹介受けたとか」
それを聞いた恵津子は、小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「まさか。今まで彼氏出来ても料理なんかしなかったよ。どうせすぐ飽きるよ」
頷きつつ話を聞いていた別の同僚は、ふと尋ねてきた。
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恵津子は首を振った。
「とんでもない、料理も家事も出来ないのに結婚相談所なんて。万が一相談所の人に漏洩されたら、たまったもんじゃないよ。
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明耶奈は、ハツラツとした声で続けた。
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その言葉に、ゆず子は思わず顔を上げた。土肥は驚きの表情をした。
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「はい! 遠いけど、決まったら連絡するんで遊びに来て下さい!」
明耶奈は、とてもキラキラした笑顔をしていた。
「あーあ。人生しんどいわ」
食品工場の休憩室で悪態をついているのは、恵津子だ。同僚が見かねて尋ねる。
「何、どうしたの?」
「結婚もせずに化粧品と映えを追いかけてばかりの娘がね、名古屋に行ったのよ」
「仕事? 結婚? あら、巣立って良かったじゃない」
ところが、恵津子は首を激しく横に振った。
「良くない! だって私達夫婦、60越えてるのよ? しかもまだ婆さんも生きてるし。年寄りしか居ないなんて、何かあったらどうすんのよ。
そもそも娘も、40近いのにようやく1人暮らしだなんて、孤独死まっしぐらじゃない。本当、どうかしてるわ!」
怒りつつトイレへ向かう恵津子に、同僚達は呆れ顔をして呟いた。
「何あの人。娘が家に居ても、出て行っても文句ばっかりなんだね」
ぬるま湯に浸かる事を自分の意志で取りやめた彼女は、とても美しかった。まるでおとぎ話のプリンセスの様に、生き生きとしたあの笑顔は、ゆず子の心の中に今でも残っている。
反対に、自分の不平不満を作り出すための道具として、娘を縛り付けようとした母親は、さながらおとぎ話の魔女の様ではないか。
だが、魔女も最初から魔女では無かったに違いない。何かが彼女を歪ませ、悪い魔女へと変貌してしまったのだ。
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