我ガ奇ナル日常譚 〜夢とリアルと日々ホラー〜

羽瀬川璃紗

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99 ダウジング

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 『ダウジング』という言葉を、聞いた事はあるだろうか。

 元々は水脈や鉱脈の探索手段に使われたものだが、使用者の潜在能力を引き出して行う占いの一種としても扱われている。
 水脈などの探索の際に使われるのは針金で出来た『L字ロッド』という器具だが、占いの際は糸や鎖の先に重しを括り付けた『ペンデュラム(振り子)』を使用する。

 子供の頃に糸の先につけた5円玉が、イエスなら時計周りに動き、ノーなら反時計回り(もしくは動かない)という、1人占いをした事はないだろうか?それの本家がそれだ。



 友人:ジョウジは、ダウジング占いが得意だ。きっかけは小学生の頃。少年漫画でダウジングの事を知り興味を持ち、試行錯誤を重ね自己流で訓練したという。

「あれって、自分の思いで指先が微妙に揺れて、振り子に伝わるらしいんだよね。だから、誰でもある程度答えを知ってれば、当てる事ができる。でも、ある時から自分が答えを知らない物や事柄でも、当てれるようになった」

 そんなジョウジに霊感は無い(ただ、勘は鋭い)。オカルトの知識も霊体験も無い、ごく普通の男性だ。
 そして彼はその能力を、私を含めごく一部の友人にしか明かしていない。

 ジョウジが得意としているのは、失せ物の捜索だ。地図を使う事もあるが、大体は脳内で質問して、振り子の動きで場所を当てる。

「でも『占い』って言うかな? 『運勢』とかは見れねえよ」

「…うーん。でも相談、のってくれないかな?」


 その時、友人が相談したのは、職場のある男性の事だ。
 シフトが違うのにやたら顔を合わせる事があったり、同期の男性と仲良く話した日、従業員駐車場に停めていた愛車のワイパーゴムが何故か切れていた事があったという。


「断面見ると劣化では切れてないの。その下のワイパーブレードにも、硬い物で付いた様な傷がフロントガラス側にあったし。あいつかな?」

「うん、そいつだね」

 ジョウジはペンデュラムを見つつ、更に続けた。

「理由は…恋。まあ、嫉妬かな。…次は失敗するから、もう終わるよ」

 後日。その男性が友人の私物に手をかける場面を上司が目撃し、厳重注意を受けた。男性の執着も終わったという。


 ジョウジはこんな話もした。

「前にさ、仲の良い先輩が会社の大事な金庫の鍵を無くして、大騒ぎになったんだ。社長が出張中で、戻るまでに見つけないといけない!
全員で探したけど見つからなくて、『マジどうしよう、責任問題だ』って先輩が半泣きになっちゃって。こっそり男子トイレの個室入って、ダウジングした」


 鍵は会社の正面入口にある、と言う結果が出た。でも問題があった。ジョウジが見つけてもいいが、何度も皆が探した箇所だ。
 下手を打てば『実はジョウジが持ち出していて、騒ぎになったから自作自演で発見者のフリしてる?』と疑われかねない。


「取りあえず『もう1度念入りに探しましょう!会社の玄関から!』って提案した。みんな『何度も探したよ』ってブーブー文句言ってたけど、先輩が『そう言えば失くした日、雨降りで傘立てがいっぱいだったから、そこちゃんと見てないかも』って言い出して、見に行ったらビンゴ。傘立てと壁の隙間に落ちてた。
社長にバレずに間に合ったし、先輩に焼肉奢って貰った」

 ほぼ百発百中の彼ゆえに、そんな悩みもあるという。


 履歴書には絶対書けない、ある意味実用的な特技。そんな『超絶技術』を持つ、友人の話。

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