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水の大陸編
竜の巣を越えて
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どれくらいの間走っただろうか。進むほどに星屑が増えていき、足元が埋まるくらいになっていた。モンテスマたちの叫び声が聞こえなくなって、ようやく一行は倒木に座り一息ついた。
「また強烈なやつが出てきたな」
フラムはアリエッタの膝の上でふぅとため息をつき、毛を繕ってもらっている。
「割り込みがあってラッキーって感じだ。君もこれに懲りたら工房にもど……」
気づくと、さっきまで一緒にいたはずのビスクドールはいなくなっていた。陽介はどうして自分はあの子のことがこんなにも気になるんだろうともやもやした感情を抱えたまま、しばらく体を休めることにした。
いつスピカの手駒が襲ってきても対処出来るよう警戒しながら進んでいくが、山道は鳥の鳴き声すら聞こえず、不気味なほど静まりかえり、時折音を立てるのは空から降ってきた星屑くらいだった。
山頂まであと少しというところで、広く視界が開けた。水と風双方の大陸が一望でき、水側の町や湖、船着場から海の方まで見られる。風側には高い塔があり、未知に踏み込もうとする好奇心は、晴れやかな気持ちで満たされた。
「すげぇ! 大陸って、こんなに広いのか! 燃えてきた! 今ならどこまでも行ける!」
眼前に広がる世界は見渡す限り雄大で、陽介は改めて異世界に来たことを実感した。
「海の向こうにぼやけているが、白いものが見えるだろう? あれが聖都、我々の目的地だ」
フラムに言われ目を凝らして水平線の彼方を見やると、確かに白いものがぼんやり浮かんでいる。
「本当だ。エルメスはあそこにいるのか……」
絶対にエルメスを倒す。倒して、現代日本に連れて帰ると、陽介は固く決心した。
進んでいくと、大きな絵の描かれた地図看板があった。山頂から反対方面に降りて行けば風の大陸だ。地図の隣には大きな竜の絵があり、横に「ここから先、竜の巣あり。目を覚さぬよう抜けること」と書いてあった。
陽介はフラムと出会った洞窟にいた、人を食っていただろう白銀竜を思い出して、身震いした。あの時同様寝ていればいいのになと、心の中で願っていた。
山頂にたどり着くと、鉄線をねじ曲げて鳥の巣のように丸めたものがあり、その上に見覚えのある白銀竜が身を伏せていた。
「詳細は、っと……」
ステータスを見ると、神の使いと呼ばれ氷の息吹を吹き上げる。鱗は鋼の刃も通さず、翼を広げて飛び立てば、空では無敵を誇る。魔族ではなく幻獣であると表記されており、幻獣とは、神の意思を伝える為に創り出された生き物だと書かれている。
「ラルジャン! ここは君の巣だったのか」
「グルルルル……」
駆け寄ってきたフラムに気づいたラルジャンは体を起こし、喉元でグルグルと唸った。
「そうかそうか、子育ても順調でなによりだ。ハハハ」
ラルジャンと仲睦まじく会話をするフラムのことを、アリエッタはむすっとした顔で睨んでいて、陽介はそれをニヤニヤしながら見ていた。一応、閉じ込められていた時に一緒だった事だけは伝えておいた。
「ガル、グルルゥ」
「うむ、そうだ。我々は山を降り風の大陸へ行くところだ」
フラムは普通に会話をしているが、陽介には内容がさっぱりわからない。アリエッタもわかっていないようで、首を横に振った。
「グルルルゥ!」
「なんと、乗せてくれるのか! ありがたい」
ラルジャンは陽介たちに近づいて、翼を広げた。よじ登って背中に座ると、ラルジャンは地面を力強く蹴って浮かび上がり、あっという間に空高くまで飛んだ。
「ガルゥ!」
「しっかり掴まっていろと言っている。行くぞ」
速度を上げて飛んでいくラルジャンの体にしがみ付いているだけで皆精一杯だったが、アリエッタは納得いかなさそうな表情を崩さないままだった。
「また強烈なやつが出てきたな」
フラムはアリエッタの膝の上でふぅとため息をつき、毛を繕ってもらっている。
「割り込みがあってラッキーって感じだ。君もこれに懲りたら工房にもど……」
気づくと、さっきまで一緒にいたはずのビスクドールはいなくなっていた。陽介はどうして自分はあの子のことがこんなにも気になるんだろうともやもやした感情を抱えたまま、しばらく体を休めることにした。
いつスピカの手駒が襲ってきても対処出来るよう警戒しながら進んでいくが、山道は鳥の鳴き声すら聞こえず、不気味なほど静まりかえり、時折音を立てるのは空から降ってきた星屑くらいだった。
山頂まであと少しというところで、広く視界が開けた。水と風双方の大陸が一望でき、水側の町や湖、船着場から海の方まで見られる。風側には高い塔があり、未知に踏み込もうとする好奇心は、晴れやかな気持ちで満たされた。
「すげぇ! 大陸って、こんなに広いのか! 燃えてきた! 今ならどこまでも行ける!」
眼前に広がる世界は見渡す限り雄大で、陽介は改めて異世界に来たことを実感した。
「海の向こうにぼやけているが、白いものが見えるだろう? あれが聖都、我々の目的地だ」
フラムに言われ目を凝らして水平線の彼方を見やると、確かに白いものがぼんやり浮かんでいる。
「本当だ。エルメスはあそこにいるのか……」
絶対にエルメスを倒す。倒して、現代日本に連れて帰ると、陽介は固く決心した。
進んでいくと、大きな絵の描かれた地図看板があった。山頂から反対方面に降りて行けば風の大陸だ。地図の隣には大きな竜の絵があり、横に「ここから先、竜の巣あり。目を覚さぬよう抜けること」と書いてあった。
陽介はフラムと出会った洞窟にいた、人を食っていただろう白銀竜を思い出して、身震いした。あの時同様寝ていればいいのになと、心の中で願っていた。
山頂にたどり着くと、鉄線をねじ曲げて鳥の巣のように丸めたものがあり、その上に見覚えのある白銀竜が身を伏せていた。
「詳細は、っと……」
ステータスを見ると、神の使いと呼ばれ氷の息吹を吹き上げる。鱗は鋼の刃も通さず、翼を広げて飛び立てば、空では無敵を誇る。魔族ではなく幻獣であると表記されており、幻獣とは、神の意思を伝える為に創り出された生き物だと書かれている。
「ラルジャン! ここは君の巣だったのか」
「グルルルル……」
駆け寄ってきたフラムに気づいたラルジャンは体を起こし、喉元でグルグルと唸った。
「そうかそうか、子育ても順調でなによりだ。ハハハ」
ラルジャンと仲睦まじく会話をするフラムのことを、アリエッタはむすっとした顔で睨んでいて、陽介はそれをニヤニヤしながら見ていた。一応、閉じ込められていた時に一緒だった事だけは伝えておいた。
「ガル、グルルゥ」
「うむ、そうだ。我々は山を降り風の大陸へ行くところだ」
フラムは普通に会話をしているが、陽介には内容がさっぱりわからない。アリエッタもわかっていないようで、首を横に振った。
「グルルルゥ!」
「なんと、乗せてくれるのか! ありがたい」
ラルジャンは陽介たちに近づいて、翼を広げた。よじ登って背中に座ると、ラルジャンは地面を力強く蹴って浮かび上がり、あっという間に空高くまで飛んだ。
「ガルゥ!」
「しっかり掴まっていろと言っている。行くぞ」
速度を上げて飛んでいくラルジャンの体にしがみ付いているだけで皆精一杯だったが、アリエッタは納得いかなさそうな表情を崩さないままだった。
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