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第1章 異種族交流編
27. 合格発表と誕生日
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「さて、此度は我が娘アルナが14歳になった。これを祝って乾杯したいと思う。来年で今のオルタと同じく、15歳成人になるがその時は今日以上に祝福しよう。それでは皆、グラスを持て。それでは、乾杯!」
「「「「「「乾杯!」」」」」」
「皆さん、ありがとうございます」
入学試験から翌日、今俺はエバーライフ家全員と集まって盛大に祝っている。
実は今日、アルナの14歳の誕生日であるのだ。どうやらこの世界でも、1年毎に誕生日を祝うという風習があるらしい。来年でアルナは俺と同じ15歳の成人になるのだ。
それにしても…こうして大人数で何かを祝うのは久々のような気がする。それに、自分を慕ってくれている妹であるならば尚更祝う気持ちが高まった。
「まさかアルナがもう成人前になるとはねぇ~、1年は早いものだよ」
「え~、そんなに経ったかな?」
アルリスさんが成長した娘を見てしみじみとなる。アルナや、成人以上に成長したら時が過ぎるのは早くなるものだよ?暫くは父と母の息子と娘自慢が続き、使用人や兵士達が飲み食い盛り上がった。そして、御開きの時間がやってくる。
「さて、そろそろお開きとするか。各自…」
「ちょっと待ったああああーーーーー!!!」
「「「「!?」」」」
父上がお開きにしようとしたところで、ここで待ったをかける。
「どうしたのだオルタ?いきなり大声を上げて…」
「ふっふっふ…突然で申し訳ありませんが父上、俺からアルナに告げたいことがあります」
「兄様から私に?」
会場に居る全員に、そう言う俺。
キョトンとしている皆を尻目に、俺はアルナに顔を向き直す。
「アルナ……実は俺から、お前に誕生日プレゼントがあるんだ!」
「えっ!?」
アルナの驚く声を最初に、その後俺を除く全員が声を上げながら驚く。
そう、アルナのサプライズだ。この事は誰にも相談してないので、全員が驚くのは当たり前だ。だって誕生日会にプレゼントがないとか不満しかないだろ?
アルナももうすぐ成人だし、お小遣い制とはいえ貯金もできるし自分で買える物は自分で買うことが出来る。それでも、こういうめでたい日には何かとプレゼントしたいものだ。前の誕生日会ではプレゼントの際に"子供の時は親に甘えなさい、無理をしなくてもいい"と無理やりでもプレゼントを用意しようとした時に宥められたからな。
「私に贈物ですか!?嬉しいです!兄様から受け取れるなら…!」
「まあ贈物だなんて、私の息子はなんて心優しいのかしら…!」
俺の優しさに妹と母上は泣き崩れる。そこまで感動する事か?
今じゃスマホの"SHOP"でほぼなんでも買えるくらいレインボーオーブが溜まっているんだ。
「それで、一体何を贈ってくださるのですか?魔術の本?アイテム?」
と、アルナが興味津々で話しかけてくる。
「それも考えたが…アルナ、お前最近運動をしているか?」
「えっ?」
俺の質問に、アルナはキョトンとする。
俺が一番心配しているのは、アルナの体調についてだ。
貴族というのは基本的に、外ではしゃぐ遊びなどははしたない目で見られる事が多い。だが、子供は外で伸び伸びと遊ぶべきだと俺は考えた。外で遊べば運動にもなるしストレス解消にも繋がる。
「最近は俺の魔術勉強で付きっきりだったろ?これから新しく趣味でも始めないか?」
「趣味、とは?」
「お前、動物好きだったろ?」
アルナは動物好きだった。
この間は帝国では珍しい猫カフェのような所にいった事がある。その際、彼女は目を輝かせて猫に触れていた。猫以外でも基本的に触れられる動物であればなんであっても好きだった。「もしかして猫ですか!?」と顔を手で押されるが、俺は首を横に振る。
「それも考えたけど、猫を追いかけるだけだと運動にならないだろ?」
「それじゃあ…犬ですか?」
「違う違う、もっと大きいやつさ」
誕生日会がお開きになった客間から、ポータルを通じて俺が元いたログハウスにやってきた。『ポータル』を開いたら全員顎が外れる位口を開けてビックリしてたけど。
なんでここに来てるかというと、どんなペットなのかを確かめたいとアルナが言ったからで、それに皆も見たいと言うので連れて来た。
「驚いた、まさかこんなことがあり得るとは…?」
「こんな所まで来て…一体何を?」
「まさか、魔物をペットにするのか?」
魔物をペットか…悪くない案だけど、それをプレゼントするのはどうかと思ったので辞めました。
「さて、ここら辺で呼んでみるか…」
ピィーっと手で作った口笛を吹き、何かを呼ぶ俺。その行動で連れてきた兵士達は身構えるが…
パカラパカラ!
「お、きたきた」
森の奥から出てきた影…それは、馬だった。
栗眼栗毛の体格ががっしりと整えている馬だ。素人でもわかる。この馬を走らせたら、一日千里を走らせても問題ない位だと。
「うわぁー!立派なお馬さんですね!えっ、もしかして…」
「そ、この馬をプレゼントしようと思って」
「う、嬉しいです兄様!」
この馬は普通の馬ではない。スマホの"SHOP"で購入した通常の馬より能力が上の"妖精馬"というものだ。
基本的には完全上位互換に当たる為、テイマースキルが必須となるわけだが、そこは主人としている名前の設定を妹に変更しているので、基本はアルナに忠実に従っているようにしたのだ。
アルナが触ってもウマは静かに見守るように、そのつぶらかな瞳を動かさず見入っている。
一方でそれを見ている兵士たちは和やかな表情で見ているが、ノーマンさんだけは違った。それもそうだ、馬なんてこの世界では高額で取引されている。とても子供が買えるような代物ではない。しかし、アルナの嬉しそうな表情を見てこれ以上の詮索はしない方が良いと思っていた。
――――
そして、試験合格発表当日。
「いよいよこの日だな…」
「大丈夫だ、俺達なら合格できる!」
「そうです、あれほど勉強したんですから…!」
俺とタケシ、一緒についてきたアルナは緊張の顔で学園へ再度訪れた。
やはり世界が違っても、こういう受験発表の緊張はいつまでも慣れないものだ。そして合格発表の掲示板の前へ辿り着き、自分の名前があるかどうかを確認する。周りを見ると、名前があった物はガッツピーズをしているし、逆になかった者はがっくりと肩を落としている光景があった。
「あっ、あった!…って、嘘だろ…オルタ、見ろよ!」
タケシに促され、俺も掲示板を見る。そこにはこう書かれていた…。
タケシ・オードナー D組
オルタ・クリムゾン D組
一番最低と思われるクラスに編入される、結果が書かれていたのであった。
「「「「「「乾杯!」」」」」」
「皆さん、ありがとうございます」
入学試験から翌日、今俺はエバーライフ家全員と集まって盛大に祝っている。
実は今日、アルナの14歳の誕生日であるのだ。どうやらこの世界でも、1年毎に誕生日を祝うという風習があるらしい。来年でアルナは俺と同じ15歳の成人になるのだ。
それにしても…こうして大人数で何かを祝うのは久々のような気がする。それに、自分を慕ってくれている妹であるならば尚更祝う気持ちが高まった。
「まさかアルナがもう成人前になるとはねぇ~、1年は早いものだよ」
「え~、そんなに経ったかな?」
アルリスさんが成長した娘を見てしみじみとなる。アルナや、成人以上に成長したら時が過ぎるのは早くなるものだよ?暫くは父と母の息子と娘自慢が続き、使用人や兵士達が飲み食い盛り上がった。そして、御開きの時間がやってくる。
「さて、そろそろお開きとするか。各自…」
「ちょっと待ったああああーーーーー!!!」
「「「「!?」」」」
父上がお開きにしようとしたところで、ここで待ったをかける。
「どうしたのだオルタ?いきなり大声を上げて…」
「ふっふっふ…突然で申し訳ありませんが父上、俺からアルナに告げたいことがあります」
「兄様から私に?」
会場に居る全員に、そう言う俺。
キョトンとしている皆を尻目に、俺はアルナに顔を向き直す。
「アルナ……実は俺から、お前に誕生日プレゼントがあるんだ!」
「えっ!?」
アルナの驚く声を最初に、その後俺を除く全員が声を上げながら驚く。
そう、アルナのサプライズだ。この事は誰にも相談してないので、全員が驚くのは当たり前だ。だって誕生日会にプレゼントがないとか不満しかないだろ?
アルナももうすぐ成人だし、お小遣い制とはいえ貯金もできるし自分で買える物は自分で買うことが出来る。それでも、こういうめでたい日には何かとプレゼントしたいものだ。前の誕生日会ではプレゼントの際に"子供の時は親に甘えなさい、無理をしなくてもいい"と無理やりでもプレゼントを用意しようとした時に宥められたからな。
「私に贈物ですか!?嬉しいです!兄様から受け取れるなら…!」
「まあ贈物だなんて、私の息子はなんて心優しいのかしら…!」
俺の優しさに妹と母上は泣き崩れる。そこまで感動する事か?
今じゃスマホの"SHOP"でほぼなんでも買えるくらいレインボーオーブが溜まっているんだ。
「それで、一体何を贈ってくださるのですか?魔術の本?アイテム?」
と、アルナが興味津々で話しかけてくる。
「それも考えたが…アルナ、お前最近運動をしているか?」
「えっ?」
俺の質問に、アルナはキョトンとする。
俺が一番心配しているのは、アルナの体調についてだ。
貴族というのは基本的に、外ではしゃぐ遊びなどははしたない目で見られる事が多い。だが、子供は外で伸び伸びと遊ぶべきだと俺は考えた。外で遊べば運動にもなるしストレス解消にも繋がる。
「最近は俺の魔術勉強で付きっきりだったろ?これから新しく趣味でも始めないか?」
「趣味、とは?」
「お前、動物好きだったろ?」
アルナは動物好きだった。
この間は帝国では珍しい猫カフェのような所にいった事がある。その際、彼女は目を輝かせて猫に触れていた。猫以外でも基本的に触れられる動物であればなんであっても好きだった。「もしかして猫ですか!?」と顔を手で押されるが、俺は首を横に振る。
「それも考えたけど、猫を追いかけるだけだと運動にならないだろ?」
「それじゃあ…犬ですか?」
「違う違う、もっと大きいやつさ」
誕生日会がお開きになった客間から、ポータルを通じて俺が元いたログハウスにやってきた。『ポータル』を開いたら全員顎が外れる位口を開けてビックリしてたけど。
なんでここに来てるかというと、どんなペットなのかを確かめたいとアルナが言ったからで、それに皆も見たいと言うので連れて来た。
「驚いた、まさかこんなことがあり得るとは…?」
「こんな所まで来て…一体何を?」
「まさか、魔物をペットにするのか?」
魔物をペットか…悪くない案だけど、それをプレゼントするのはどうかと思ったので辞めました。
「さて、ここら辺で呼んでみるか…」
ピィーっと手で作った口笛を吹き、何かを呼ぶ俺。その行動で連れてきた兵士達は身構えるが…
パカラパカラ!
「お、きたきた」
森の奥から出てきた影…それは、馬だった。
栗眼栗毛の体格ががっしりと整えている馬だ。素人でもわかる。この馬を走らせたら、一日千里を走らせても問題ない位だと。
「うわぁー!立派なお馬さんですね!えっ、もしかして…」
「そ、この馬をプレゼントしようと思って」
「う、嬉しいです兄様!」
この馬は普通の馬ではない。スマホの"SHOP"で購入した通常の馬より能力が上の"妖精馬"というものだ。
基本的には完全上位互換に当たる為、テイマースキルが必須となるわけだが、そこは主人としている名前の設定を妹に変更しているので、基本はアルナに忠実に従っているようにしたのだ。
アルナが触ってもウマは静かに見守るように、そのつぶらかな瞳を動かさず見入っている。
一方でそれを見ている兵士たちは和やかな表情で見ているが、ノーマンさんだけは違った。それもそうだ、馬なんてこの世界では高額で取引されている。とても子供が買えるような代物ではない。しかし、アルナの嬉しそうな表情を見てこれ以上の詮索はしない方が良いと思っていた。
――――
そして、試験合格発表当日。
「いよいよこの日だな…」
「大丈夫だ、俺達なら合格できる!」
「そうです、あれほど勉強したんですから…!」
俺とタケシ、一緒についてきたアルナは緊張の顔で学園へ再度訪れた。
やはり世界が違っても、こういう受験発表の緊張はいつまでも慣れないものだ。そして合格発表の掲示板の前へ辿り着き、自分の名前があるかどうかを確認する。周りを見ると、名前があった物はガッツピーズをしているし、逆になかった者はがっくりと肩を落としている光景があった。
「あっ、あった!…って、嘘だろ…オルタ、見ろよ!」
タケシに促され、俺も掲示板を見る。そこにはこう書かれていた…。
タケシ・オードナー D組
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一番最低と思われるクラスに編入される、結果が書かれていたのであった。
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