超レア消費アイテム生産者の異世界つえー物語~今ならもれなく全紛失したら死ぬ特典付きです~

安居 飽人

文字の大きさ
30 / 42
第1章 異種族交流編

27. 合格発表と誕生日

しおりを挟む
「さて、此度は我が娘アルナが14歳になった。これを祝って乾杯したいと思う。来年で今のオルタと同じく、15歳成人になるがその時は今日以上に祝福しよう。それでは皆、グラスを持て。それでは、乾杯!」

「「「「「「乾杯!」」」」」」

「皆さん、ありがとうございます」

 入学試験から翌日、今俺はエバーライフ家全員と集まって盛大に祝っている。
 実は今日、アルナの14歳の誕生日であるのだ。どうやらこの世界でも、1年毎に誕生日を祝うという風習があるらしい。来年でアルナは俺と同じ15歳の成人になるのだ。
 それにしても…こうして大人数で何かを祝うのは久々のような気がする。それに、自分を慕ってくれている妹であるならば尚更祝う気持ちが高まった。

「まさかアルナがもう成人前になるとはねぇ~、1年は早いものだよ」
「え~、そんなに経ったかな?」

 アルリスさんが成長した娘を見てしみじみとなる。アルナや、成人以上に成長したら時が過ぎるのは早くなるものだよ?暫くは父と母の息子と娘自慢が続き、使用人や兵士達が飲み食い盛り上がった。そして、御開きの時間がやってくる。

「さて、そろそろお開きとするか。各自…」
「ちょっと待ったああああーーーーー!!!」
「「「「!?」」」」

 父上がお開きにしようとしたところで、ここで待ったをかける。

「どうしたのだオルタ?いきなり大声を上げて…」
「ふっふっふ…突然で申し訳ありませんが父上、俺からアルナに告げたいことがあります」
「兄様から私に?」

 会場に居る全員に、そう言う俺。
 キョトンとしている皆を尻目に、俺はアルナに顔を向き直す。


「アルナ……実は俺から、お前に誕生日プレゼントがあるんだ!」
「えっ!?」

 アルナの驚く声を最初に、その後俺を除く全員が声を上げながら驚く。
 そう、アルナのサプライズだ。この事は誰にも相談してないので、全員が驚くのは当たり前だ。だって誕生日会にプレゼントがないとか不満しかないだろ?
 アルナももうすぐ成人だし、お小遣い制とはいえ貯金もできるし自分で買える物は自分で買うことが出来る。それでも、こういうめでたい日には何かとプレゼントしたいものだ。前の誕生日会ではプレゼントの際に"子供の時は親に甘えなさい、無理をしなくてもいい"と無理やりでもプレゼントを用意しようとした時に宥められたからな。

「私に贈物ですか!?嬉しいです!兄様から受け取れるなら…!」
「まあ贈物だなんて、私の息子はなんて心優しいのかしら…!」

 俺の優しさに妹と母上は泣き崩れる。そこまで感動する事か?
 今じゃスマホの"SHOP"でほぼなんでも買えるくらいレインボーオーブが溜まっているんだ。

「それで、一体何を贈ってくださるのですか?魔術の本?アイテム?」

 と、アルナが興味津々で話しかけてくる。

「それも考えたが…アルナ、お前最近運動をしているか?」
「えっ?」

 俺の質問に、アルナはキョトンとする。
 俺が一番心配しているのは、アルナの体調についてだ。
 貴族というのは基本的に、外ではしゃぐ遊びなどははしたない目で見られる事が多い。だが、子供は外で伸び伸びと遊ぶべきだと俺は考えた。外で遊べば運動にもなるしストレス解消にも繋がる。

「最近は俺の魔術勉強で付きっきりだったろ?これから新しく趣味でも始めないか?」
「趣味、とは?」
「お前、動物好きだったろ?」

 アルナは動物好きだった。
 この間は帝国では珍しい猫カフェのような所にいった事がある。その際、彼女は目を輝かせて猫に触れていた。猫以外でも基本的に触れられる動物であればなんであっても好きだった。「もしかして猫ですか!?」と顔を手で押されるが、俺は首を横に振る。

「それも考えたけど、猫を追いかけるだけだと運動にならないだろ?」
「それじゃあ…犬ですか?」
「違う違う、もっと大きいやつさ」

 誕生日会がお開きになった客間から、ポータルを通じて俺が元いたログハウスにやってきた。『ポータル』を開いたら全員顎が外れる位口を開けてビックリしてたけど。

 なんでここに来てるかというと、どんなペットなのかを確かめたいとアルナが言ったからで、それに皆も見たいと言うので連れて来た。

「驚いた、まさかこんなことがあり得るとは…?」
「こんな所まで来て…一体何を?」
「まさか、魔物をペットにするのか?」

 魔物をペットか…悪くない案だけど、それをプレゼントするのはどうかと思ったので辞めました。

「さて、ここら辺で呼んでみるか…」

 ピィーっと手で作った口笛を吹き、何かを呼ぶ俺。その行動で連れてきた兵士達は身構えるが…

 パカラパカラ!

「お、きたきた」

 森の奥から出てきた影…それは、馬だった。
 栗眼栗毛の体格ががっしりと整えている馬だ。素人でもわかる。この馬を走らせたら、一日千里を走らせても問題ない位だと。

「うわぁー!立派なお馬さんですね!えっ、もしかして…」
「そ、この馬をプレゼントしようと思って」
「う、嬉しいです兄様!」

 この馬は普通の馬ではない。スマホの"SHOP"で購入した通常の馬より能力が上の"妖精馬"というものだ。
 基本的には完全上位互換に当たる為、テイマースキルが必須となるわけだが、そこは主人としている名前の設定を妹に変更しているので、基本はアルナに忠実に従っているようにしたのだ。

 アルナが触ってもウマは静かに見守るように、そのつぶらかな瞳を動かさず見入っている。
 一方でそれを見ている兵士たちは和やかな表情で見ているが、ノーマンさんだけは違った。それもそうだ、馬なんてこの世界では高額で取引されている。とても子供が買えるような代物ではない。しかし、アルナの嬉しそうな表情を見てこれ以上の詮索はしない方が良いと思っていた。



――――


 そして、試験合格発表当日。

「いよいよこの日だな…」
「大丈夫だ、俺達なら合格できる!」
「そうです、あれほど勉強したんですから…!」

 俺とタケシ、一緒についてきたアルナは緊張の顔で学園へ再度訪れた。
 やはり世界が違っても、こういう受験発表の緊張はいつまでも慣れないものだ。そして合格発表の掲示板の前へ辿り着き、自分の名前があるかどうかを確認する。周りを見ると、名前があった物はガッツピーズをしているし、逆になかった者はがっくりと肩を落としている光景があった。

「あっ、あった!…って、嘘だろ…オルタ、見ろよ!」

 タケシに促され、俺も掲示板を見る。そこにはこう書かれていた…。

 タケシ・オードナー D組

 オルタ・クリムゾン D組

 一番最低と思われるクラスに編入される、結果が書かれていたのであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが

ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...