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可憐は取ってもらった金平糖を手に取り一粒口に入れる。
口に広がる甘み、噛むとザラザラとした感覚、涙がしていた通り最高のお菓子だった。
「月白さん、月白さん!金平糖、美味しいですっ!」
「ふふ、良かったわ。可憐ちゃんに喜んでもらうために頑張っちゃった」
ふふッと笑う零蘭に可憐も満面の笑みで返す。零蘭といると癒される、色々と忘れられる。
心地よくてたまらなく嬉しくなる。
これが好きと言う気持ちなのだと可憐は腑に落ちる。
「今度はどこ行く?見たいものある?」
「えっと、見ているのが楽しくてっ」
「もぅ、無欲なんだから」
零蘭に言われて、可憐は周りを見渡す。
すると、小道具を売ってある露店が出ていた。可憐は思わず身体をそちらに向ける。
「いらっしゃいませ。お客さん、仲良い若夫婦ですなぁ」
「な、ちがっ」
店主が可憐と零蘭の関係を誤解した様で夫婦と行って来た。
可憐が違うと言おうとすると麗蘭が嬉しそうな表情で微笑んで頷く。
「分かるかしら、新婚なの」
「かー!良いねぇ。俺っちもカミさんとそんな時期があったもんさ」
「焼かない焼かない。店主見ていっても?」
「あぁ、好きなだけ見ていってくれ!」
零蘭と店主のやり取りに可憐は爆発する様な顔で真っ赤になる。
堂々と自分達が夫婦だと言いのける零蘭はその場に合わせただけだろうが、可憐にとってはそれ以上に嬉しい言葉だ。
(月白さんは……、私の事どう思ってるのかな…)
いつも笑顔の零蘭の意図が読めず、可憐はぐるぐると思考を巡らせる。
その時、陽炎と朧が何故が頭の片隅に出て来た。
(違う、私が好きなのは、好きなのはっ)
可憐は何かを堪える様な表情で下を向く。
そんな可憐を横目で観察していた零蘭は冷淡に笑みを浮かべ冷ややかな目線を送っていたが彼女は気づかない。
「あら、店主この香りにこの瓶、…もしかして通和散(つうわさん)?」
「えぇ、そうです。お客さんこれの事ご存知ですかい?」
「えぇ、知ってるわ。これをいただこうかしら。それから、…」
可憐の目の前あった、緑の色の飾りがついた簪を手に取って、店主に零蘭は渡す。
「通和散と簪くださる?」
「あいよ。奥さん、今日は寝れねーよ。たーぷり楽しんでな?」
店主の言葉に可憐は首を傾げて困惑する。
何故寝れないのか。零蘭は何故あんなにも嬉しそうな表情なのか、困惑する。
「えっと、月白さん。何を買われたのですか?」
「ん~、内緒」
「え??」
人差し指を立ててつ口元に持っていき、シーッと言う零蘭は色気があり、思わず見惚れる。
「あの、」
店主にお金を渡し終えた後、零蘭は可憐の手を握り引っ張って、人混みの少ない場所に連れ込んだ。
頭の団子の髪型から、いつも使っている簪を抜き取り、長かった髪がはらりと落ちていく。
「月白さん?えっと、どうして?」
「ねぇ、可憐ちゃん。昨日の返事聞かせてくれない?」
可憐の髪を指で摘みいじって遊びながら、零蘭は可憐に返事の催促する。
「ワタシじゃだめ?男娼をしてる男は……嫌かしら?気持ち悪い?」
「そんな事ないです!私……私、月白さんが好きなんです。いつも優しくて、大変なのに私の作った『お団子、美味しい』って言ってくれて。昔、私の下手なお団子、誰も食べてくれなかったのに……月白さんだけ、何も言わずに食べてくれた。それが、すごく……嬉しくて。だから……月白さんが、好きなんです……っ」
勢いで想っている事を言ってしまった可憐は慌てて口を手で押さえる。
零蘭は嬉しそうな表情で可憐に囁く。
「有難う。ワタシも可憐ちゃんが好きよ。でもね、ワタシ欲張りだから全部、手に入れないと気が済まないの。貴女の逃げ道を全て潰すほど愛しているわ。だから、……覚悟してね?」
低く今までの優しげな言葉とうって視線が一瞬だけ冷たくなる。
可憐を見つめながら髪を撫でる。
「愛してるわ、可憐ちゃん」
手慣れた手つきで可憐の髪をまとめ上げ、お団子の髪型にして、さっき露店で買った簪を使って、刺してとめた。
可憐は取ってもらった金平糖を手に取り一粒口に入れる。
口に広がる甘み、噛むとザラザラとした感覚、涙がしていた通り最高のお菓子だった。
「月白さん、月白さん!金平糖、美味しいですっ!」
「ふふ、良かったわ。可憐ちゃんに喜んでもらうために頑張っちゃった」
ふふッと笑う零蘭に可憐も満面の笑みで返す。零蘭といると癒される、色々と忘れられる。
心地よくてたまらなく嬉しくなる。
これが好きと言う気持ちなのだと可憐は腑に落ちる。
「今度はどこ行く?見たいものある?」
「えっと、見ているのが楽しくてっ」
「もぅ、無欲なんだから」
零蘭に言われて、可憐は周りを見渡す。
すると、小道具を売ってある露店が出ていた。可憐は思わず身体をそちらに向ける。
「いらっしゃいませ。お客さん、仲良い若夫婦ですなぁ」
「な、ちがっ」
店主が可憐と零蘭の関係を誤解した様で夫婦と行って来た。
可憐が違うと言おうとすると麗蘭が嬉しそうな表情で微笑んで頷く。
「分かるかしら、新婚なの」
「かー!良いねぇ。俺っちもカミさんとそんな時期があったもんさ」
「焼かない焼かない。店主見ていっても?」
「あぁ、好きなだけ見ていってくれ!」
零蘭と店主のやり取りに可憐は爆発する様な顔で真っ赤になる。
堂々と自分達が夫婦だと言いのける零蘭はその場に合わせただけだろうが、可憐にとってはそれ以上に嬉しい言葉だ。
(月白さんは……、私の事どう思ってるのかな…)
いつも笑顔の零蘭の意図が読めず、可憐はぐるぐると思考を巡らせる。
その時、陽炎と朧が何故が頭の片隅に出て来た。
(違う、私が好きなのは、好きなのはっ)
可憐は何かを堪える様な表情で下を向く。
そんな可憐を横目で観察していた零蘭は冷淡に笑みを浮かべ冷ややかな目線を送っていたが彼女は気づかない。
「あら、店主この香りにこの瓶、…もしかして通和散(つうわさん)?」
「えぇ、そうです。お客さんこれの事ご存知ですかい?」
「えぇ、知ってるわ。これをいただこうかしら。それから、…」
可憐の目の前あった、緑の色の飾りがついた簪を手に取って、店主に零蘭は渡す。
「通和散と簪くださる?」
「あいよ。奥さん、今日は寝れねーよ。たーぷり楽しんでな?」
店主の言葉に可憐は首を傾げて困惑する。
何故寝れないのか。零蘭は何故あんなにも嬉しそうな表情なのか、困惑する。
「えっと、月白さん。何を買われたのですか?」
「ん~、内緒」
「え??」
人差し指を立ててつ口元に持っていき、シーッと言う零蘭は色気があり、思わず見惚れる。
「あの、」
店主にお金を渡し終えた後、零蘭は可憐の手を握り引っ張って、人混みの少ない場所に連れ込んだ。
頭の団子の髪型から、いつも使っている簪を抜き取り、長かった髪がはらりと落ちていく。
「月白さん?えっと、どうして?」
「ねぇ、可憐ちゃん。昨日の返事聞かせてくれない?」
可憐の髪を指で摘みいじって遊びながら、零蘭は可憐に返事の催促する。
「ワタシじゃだめ?男娼をしてる男は……嫌かしら?気持ち悪い?」
「そんな事ないです!私……私、月白さんが好きなんです。いつも優しくて、大変なのに私の作った『お団子、美味しい』って言ってくれて。昔、私の下手なお団子、誰も食べてくれなかったのに……月白さんだけ、何も言わずに食べてくれた。それが、すごく……嬉しくて。だから……月白さんが、好きなんです……っ」
勢いで想っている事を言ってしまった可憐は慌てて口を手で押さえる。
零蘭は嬉しそうな表情で可憐に囁く。
「有難う。ワタシも可憐ちゃんが好きよ。でもね、ワタシ欲張りだから全部、手に入れないと気が済まないの。貴女の逃げ道を全て潰すほど愛しているわ。だから、……覚悟してね?」
低く今までの優しげな言葉とうって視線が一瞬だけ冷たくなる。
可憐を見つめながら髪を撫でる。
「愛してるわ、可憐ちゃん」
手慣れた手つきで可憐の髪をまとめ上げ、お団子の髪型にして、さっき露店で買った簪を使って、刺してとめた。
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全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載