R18 嫌われ独身貴族の私がわんこ君に迫られていますっ!

冬愛Labo

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01嫌われて独身貴族

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私は29歳になる普通のOLだ。
会社では同僚が次々と寿退社や妊娠をして辞めて行ったり、育児休暇をとっている。
うちの部署では独身女性は私だけになっている。
その上少し仕事の注意をしただけでお局様と言われ部署全体から煙たがられている。
地味でモテなくて、黒縁メガネを掛けてい、黒髪のロングを一つ結びの私を見ればあまり良い印象を持たれない。
仕方のない事だ。
そして、私生活でも少ない友達は結婚してしまい、最後に残っていた親友もつい先日結婚式を挙げた。

『神様って不公平…』

思わず会社のトイレで呟くと女性社員が入って来て何かを話している。

「ねぇねぇ、神田(かんだ)さん怖くない?」

「神田さんって神田結奈(かんだゆな)さん??」

神田…それ私の事だ。
トイレから出ようとしたけどタイミングが悪くて外に出れずにそその場に留まる。

「あ、それそれ。本当さ、自分がモテないからって書類の注意を嫌味ったらしくしてくるんだよね。偉そうにここミスってるとか言ってさ。私がその前に男性と少し話していたのを焼きもち焼いているんだよ。マジうざ」

「神田さんか、私も苦手だな。あのドヨーンとしたオーラが嫌」

「分かるっ!!本当に迷惑だから早く辞めてくれないかな」

「それな」

女性社員は笑いながらトイレから出て行った。
やっと外に出れる。
ほっとした私ドアを開け手を洗うと、頬から涙が伝った。

『私…僻んでないし、間違えているの言う様に上司に指示されただけなのに…』

涙を手の甲で拭きながら呟く私。
あー、イライラする。
注意を私に頼んだ上司にも、さっきの女性社員にも。
こんな日はあれだ。
私はオタクなのでゲームも漫画もアニメも大好きだ。
そして、今一番ハマっているのが、オンラインゲーム。
そこで友達が出来たのだ。
名前は「リリィちゃん」
私は「なゆ」の名前で登録している。
そう、こんな時はリリィちゃんと冒険の旅に出るのが一番なのだ。
時間を確認すると昼休みが終わる時間だった為急ぎ仕事に戻る。


◯◯◯◯


仕事が終わり、家に着くとお酒とつまみを持ってPCの前に座る。

『パスワード入れて、ログインっ!』

お酒を開けて一気に飲み干しギルドの方に向かう。
パーティーメンバーは他にもいるが、最近は忙しいのか全くログインしてこない。
ここ半年はリリィちゃんと私だけだ。

【あ、なゆさん!お待ちしていましたっ!!】

はぅ~、可愛い。
リリィちゃんのアバターはツインテールにリボンをつけている。
服はフリフリピンクのワンピースを着ていて女子力が高すぎる。

『リリィちゃんっ!聞いて聞いてっ!!』

【およ、どうしましたなゆさん?もしかして会社で何かありました?】

『あった、あった!女子トイレで悪口を言われて仕事辞めれば良いのにって言ってたの!酷くない!?こっちだって生活がかかっているから辞めたくても頑張っているのに…。それなのにお局様とか言われて…本当に腹たつっ!』

私はキーボードを力一杯音を立ててタイピングをした。
それが伝わったのかリリィちゃんに心配をされた。

【大丈夫ですか?本当に酷い人ですね。私だったら絶対にそんな事言わないのに】

『リリィちゃん…萌過ぎるっ!!私、リリィちゃんが男性だったら絶対に結婚してたよ。それぐらい可愛くて優しいすぎるぅ』

今の私は外に居る時と違うのだ。
オタクも愚痴も全開に出してしまう。

【え??私が男性だったら結婚してくれるんですか?】

私は二本目のお酒を開けてグビグビ飲みながらタイピングをする。

『うん、するするっ!もう萌が溢れて堪らんです』

【……あの、オフ会しますか?】

「オフ会?リリィちゃんどこに住んでいるの?私●●だよ』

酔っている為何も考えずに住所をチャットで書いてしまった。

【えっと、大丈夫です。私も近くに住んでいます。オフ会しましょう!ぜったいにしましょうっ!!】

『ん??オフ会するの?……よしっ!!やりましょうか!じゃあ今週の日曜日10時に駅前に集合ね」

【駅前ってモールの所ですか?】

『そそ』

【分かりました】

酔いも回って心地良い状態だった。
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