『日常の中の怪異』 ― 私が体験してきた不思議な話 ―

かゆると

文字の大きさ
17 / 18

髑髏の顔

しおりを挟む
ある日、母方の祖父母の家に遊びに行った
その日も特別なことは特になく
普通に楽しい一日だった。


夕方になり、そろそろ帰る時間になった頃――
突然、姉が「帰りたくない」と言って
号泣し始めた。


普段から帰り渋り…メソメソ泣くことはあった。


ただその日はわがままという感じではなく
取り乱したような泣き方だった。


あまりの号泣ぶりに
「手が付けられない…」と親が折れ
その日は私たち姉妹だけ
祖父母の家に泊まることになった。


姉は「ばあちゃんと寝たい」と言い
私は祖父と同じ部屋で寝ることになった。


夜は特に何事もなくそのまま眠りにつき
違和感で目が覚めたのは、朝方だった。


――カタカタ、カタカタ。


どこからともなく
小さな音が鳴り続けている。


カタカタ。
カタカタカタカタ。


最初は
〘風で家のどこかが揺れているのかな〙
そのくらいにしか思わなかった。


隣で祖父が寝ていたためか
怖いとは思わない。


ただ、音は止まらず…
ふと、足元の左上にある棚が気になり
なんとなく、そこへ目を向けた。


その瞬間――
私は目を離せなくなった


棚のあたりから
こちらを見ている“顔”があったのだ


髑髏のような
鬼のような顔
目だけが異様に大きい。


暗かったせいもあるが
黒っぽく、でもどこか灰色がかって見えた。


それはただ
ジッ…とこちらを見ていた。


カタカタカタカタ――
音は相変わらず鳴り続けている。


怖いというよりただ不思議で
私はしばらく、その顔を見続けていた。


そのうち、隣で祖父が起きた
私は反射的に起き上がった。


祖父は私を見て静かに言った
「もう少し寝てなさい」


でも私はとっさに
「お腹すいた」
そう言って、無理やり祖父と一緒に起きた。


朝になり、皆が起きてきたあと
私は恐る恐る
もう一度あの棚を見に行った。


でも――
あの音はもう鳴っておらず
あの髑髏のような顔も、どこにもなかった。


あとでこの話を家族の前でしたとき
母と祖母が小さな声で何かを話していたが
内容は聞き取れなかった。


あの顔は、いったいなんだったのか…
その答えはこの後見る夢の中にあった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

兄になった姉

廣瀬純七
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...