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勇者祭編
その80 マンネリ化してきた演出
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――圧倒的な剣術を見せ、相手を感動させ、新たな高みを見せつける。
そういう演出もマンネリ化してきた。
日々様々な種類の演出を思い描き、その実現を目指してやっているわけだが、今回はあまり革命的な案が浮かばなかった、とだけ言い訳しておこう。
放課後、俺の指示通りテオは〈闘技場ネオ〉に現れた。
そこにはグレイソンと激しい剣舞を繰り広げる俺の姿。
それを見て拍手を送る青髪美少女。
テオが目にしたものは、それだけだ。
「キミが天王寺テオ君だね?」
ある程度の見世物が終わると、剣を鞘に戻したグレイソンがテオに近づいた。
昼休みの後、グレイソンとミクリンの二人にも話をつけてある。
「一ノ瀬くん……」
テオは至近距離で放たれる貴公子スマイルに動揺した素振りを見せた。
爽やかな金髪をなびかせる美少年は、テオに対して親しげに笑いかける。
「僕のことはグレイソンでいいよ。それで、オスカーから聞いたんだけど、キミもこの練習に参加するつもりかい?」
「う、うん」
話の飛躍に驚きつつも、覚悟を決めたような表情をして頷くテオ。
俺は待っていたと言わんばかりに、口を開いた。
「改めて聞こう。お前の目的は何だ?」
僅かな沈黙。
俺の放った低い真剣な声が闘技場を刺激し、テオの導き出した答えを待つ。
一呼吸置き、俺の目を見つめ返したテオは、声を張り上げた。
「おれは……西園寺くんより強くなりたいっ!」
「――ッ」
――挑戦状。
俺は今、それに似たものを確かに受け取った。
――他人を目標に置くな。
それは俺がテオに伝えた、目標設定で最も重要なこと。
エイダンより強くなる――そんな目的では、簡単に達成してしまう。そしたら、その後の成長が止まってしまう危険性がある。
だが――。
彼が挑戦する相手として選んだのは、俺だった。
「面白い答えだ。確かに俺は、天に輝く太陽のような存在。他人と呼ぶにはあまりに眩し過ぎる」
グレイソンも同じだ。
彼との闘技場での訓練を続ける中で、俺を倒そうとするような、俺に必死に対抗するような、決して消えることのない意志をずっと感じ取っていた。
グレイソンが追い抜こうと目指すのは俺の背中。
それは多くの神々の力を背負った、天にも等しい無慈悲な高み。
愚かな行為とも言えるが、彼はどこまでもあがき続ける。日を追うごとに上達していく彼の剣技は、その意志の集大成だ。
そして今。
グレイソンと同じくらいに愚かで、勇敢な挑戦者が現れた。
テオの決意を聞いた俺は、満足したように頬を緩め、グレイソンとテオを客席に促した。
ミクリンが静かに座っている観客席。そこに三人の男子が加わる。
雑談でもするのかという雰囲気をしっかりと醸し出し、俺はテオに向き直った。
「テオ、今更かもしれないが、どうしてもエイダンに勝ちたい理由、聞かせてくれ」
そういう演出もマンネリ化してきた。
日々様々な種類の演出を思い描き、その実現を目指してやっているわけだが、今回はあまり革命的な案が浮かばなかった、とだけ言い訳しておこう。
放課後、俺の指示通りテオは〈闘技場ネオ〉に現れた。
そこにはグレイソンと激しい剣舞を繰り広げる俺の姿。
それを見て拍手を送る青髪美少女。
テオが目にしたものは、それだけだ。
「キミが天王寺テオ君だね?」
ある程度の見世物が終わると、剣を鞘に戻したグレイソンがテオに近づいた。
昼休みの後、グレイソンとミクリンの二人にも話をつけてある。
「一ノ瀬くん……」
テオは至近距離で放たれる貴公子スマイルに動揺した素振りを見せた。
爽やかな金髪をなびかせる美少年は、テオに対して親しげに笑いかける。
「僕のことはグレイソンでいいよ。それで、オスカーから聞いたんだけど、キミもこの練習に参加するつもりかい?」
「う、うん」
話の飛躍に驚きつつも、覚悟を決めたような表情をして頷くテオ。
俺は待っていたと言わんばかりに、口を開いた。
「改めて聞こう。お前の目的は何だ?」
僅かな沈黙。
俺の放った低い真剣な声が闘技場を刺激し、テオの導き出した答えを待つ。
一呼吸置き、俺の目を見つめ返したテオは、声を張り上げた。
「おれは……西園寺くんより強くなりたいっ!」
「――ッ」
――挑戦状。
俺は今、それに似たものを確かに受け取った。
――他人を目標に置くな。
それは俺がテオに伝えた、目標設定で最も重要なこと。
エイダンより強くなる――そんな目的では、簡単に達成してしまう。そしたら、その後の成長が止まってしまう危険性がある。
だが――。
彼が挑戦する相手として選んだのは、俺だった。
「面白い答えだ。確かに俺は、天に輝く太陽のような存在。他人と呼ぶにはあまりに眩し過ぎる」
グレイソンも同じだ。
彼との闘技場での訓練を続ける中で、俺を倒そうとするような、俺に必死に対抗するような、決して消えることのない意志をずっと感じ取っていた。
グレイソンが追い抜こうと目指すのは俺の背中。
それは多くの神々の力を背負った、天にも等しい無慈悲な高み。
愚かな行為とも言えるが、彼はどこまでもあがき続ける。日を追うごとに上達していく彼の剣技は、その意志の集大成だ。
そして今。
グレイソンと同じくらいに愚かで、勇敢な挑戦者が現れた。
テオの決意を聞いた俺は、満足したように頬を緩め、グレイソンとテオを客席に促した。
ミクリンが静かに座っている観客席。そこに三人の男子が加わる。
雑談でもするのかという雰囲気をしっかりと醸し出し、俺はテオに向き直った。
「テオ、今更かもしれないが、どうしてもエイダンに勝ちたい理由、聞かせてくれ」
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