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最強の中二病編
その01 パッとしない生徒
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――俺、西園寺オスカーは、おそらくこのゼルトル勇者学園で最強の生徒だ。
ここに至るまでの長い道のりについては、また今度ということで、俺の理想の学園生活について語ろう。
実力を隠し、時にはその実力を陰で使ったり、堂々と解放したり……そんなかっこよさそうな学園生活のことを、青春と呼ぶ。
俺はそれがしたいのだ。
実力を隠すことに、特に理由があるわけでもない。
普通に全て解放して、座学でも実技でも、圧倒的頂点を極める、という道もあるにはある。
だが、それは普通に「かっこいい」だけであって、俺の求める「かっこよさそう」な人物像とは違うのだ。
自分の理想を追い求めるため、勇者学園での青春を謳歌したいと思う。
***
このゼルトル勇者学園で、俺の名を知っている者はほとんどいない。
――西園寺オスカー。
それが俺の本名であり、同じクラスの生徒達からすれば、何の変哲もない平凡なクラスメイトの名である。
「オスカーって、パッとしないよね」
そんな平凡な俺の名を知る生徒がひとり。
――二階堂セレナ。
席が隣同士ということもあって、入学早々会話を交わす仲になった。
彼女は俺のことを友達だと思っているらしい。もっとも、孤高を極める俺にとって、友達という二文字は好きではないが。
「いきなり悪口か」
「いや、たださ、なんか試験の時も中途半端な点数取るし、実技も下手じゃないけど上手くもないって感じだし」
「そうだな」
セレナの半分馬鹿にするような言葉を、クールに流す。
こういう時の表情は決まっている。
ただ虚空を見つめ、顔の筋肉をひとつも動かさない。それは肯定とも取れるし否定とも取れる。
だが、そうなると相手は焦る。
俺が言い返さないと、彼女が一方的に意地悪なことを言っているようにしか聞こえないからだ。
「ちょっと、何か言い返しなさいよ」
全て予想通り。
ちなみに、セレナは誰もが認める美少女である。
背中にかかる長い金髪に、宝石のような緑の瞳。
少しだけツリ目で、目尻がシュッとしているところが、彼女の孤高の「美」を余計に際立たせている。しかし、そのせいかあまり男子生徒も女子生徒も近づいてこない。
人間を超越したような美貌の持ち主だと、高嶺の花すぎて誰も近づけない、ということだろうか。
まあ、俺はそんなことなど気にしない。
周囲に合わせてセレナを遠ざける必要などないのだ。俺は俺のしたいようにすればいい。
ということもあり、結局セレナの友人は俺だけ。
そして俺も、今は特にセレナ以外の生徒と会話をすることもない。
存在に気づかれていないか、ハブられているかのどちらかだろう。どうでもいい。
「俺は君の言う通りだと思っただけだ。今回の一学期中間試験の成績を見ればわかる。十科目全て五十点前後。むしろ平均以下だ」
「別に、そういうつもりで言ったんじゃなくて──」
慌ててフォローしようとするセレナだが──。
「俺は気にしてない。むしろ──」
少し声を落とす。
下を向き、呼吸を整えた。
「──全て計画通りだ」
この囁きがセレナに聞こえたのかどうかはわからない。だが、それでいい。そのうちセレナには知る時が来る──西園寺オスカーという、人間を超越した存在を。
***
数多の生徒達が、それぞれの寮に戻っていく。
今日の最後の授業が終わり、生徒のほとんどは疲れきった状態で美味しい食堂の夕食を求めて帰路についていた。
寮は男子寮と女子寮に分かれていて、学園の敷地内にある。だが、授業を受けている本館からは徒歩十五分くらいの距離があった。
「帰らないの?」
六時限目の授業だった〈神話学〉の教室。
他の生徒も、そして教師も教室を後にし、残ったのは俺とセレナだけだ。
ひとりで寮に帰ればいいものを。
「どうした? 俺と一緒に寮に帰りたいのか?」
「いや、別にそんなんじゃないけど」
「そうか。それなら俺のことは気にするな。少しやり残したことがある」
この教室に何か因縁があるかのように、授業の内容などすでに消されてしまった黒板を睨みつける俺。
――やり残したこと。
そんなものはない。
セレナと一緒に帰るのが嫌だから適当に言い訳をしているわけでもない。
――ただ、こう言うとかっこよさそうだから。
セレナも薄々気づき始めている頃だろう。
入学して二ヶ月。
俺と行動を共にするうちに、実はこいつには誰にも言えない秘密があるのではないか――そう思い始めているはずだ。
この二ヶ月の間に、どこか意味深で、伏線のような不可解な行動を、こまめに見せているのである。
「そう、なんだ……」
「まだ何か言いたいことがあるのか?」
「ううん、じゃあ、また明日!」
「ああ、今回のテストの反省を活かして、俺も明日から頑張る必要がありそうだ」
無理して笑顔を作り、教室から追い出す。
そうすることで、少しでも早くひとりになりたい、という雰囲気を醸し出すことができる。
セレナは軽く手を振り、爽やかな香りを残して教室を出ていった。
***
「さて、始めるか」
綺麗に消されている黒板を眺め、ほんの少しだけ声を張り上げる。
今から何が始まるのか。
謎に包まれた平凡な少年の裏の顔を見ることができるのか。
いや、特に何もするつもりはない。
この教室にある価値のあるものといったら、古い〈神話学〉の教科書と資料くらいだ。それを読み漁るべきなんだろうか。
というのも、セレナを追い出すことができれば、そのまま教室から出るつもりだった。
そしてそのまま学園図書館にでもこもり、読書と勉強をして時間を潰す。
だいたい二時間くらいして、用事は済ませた、とでもいうような雰囲気で寮に帰る。するとちょうどセレナと鉢合わせし、やっぱり何かしてたんだ、という印象を植えつける。
その方法が前回──つまり一週間前には通用した。
だが──。
(見られているな)
俺は視線に敏感だ。
今回、セレナはまだ扉のすぐ側で待機しているらしい。
俺は黒板だけを見つめて気づいていないふりをしているが、結構堂々と見てきているようで逆に困る。
こういう時にはどうすべきか。
用意していた台詞を思い起こし、冷静に紡ぎ出す。
「俺の詮索はするな」
彼女の方は向かなかった。
視線はずっと黒板に向いたまま。
制服のポケットに手を突っ込み、仁王立ちしている。声をいつもより低くし、危ない雰囲気を作り出す。このままそこにいると、危険だ、と。
俺はセレナを脅したのだ。
『──ッ!』
ビクッと怯えて逃げ出す足音が聞こえる。
彼女は友人の見てはならない一面を見ようとしてしまったのだ。この恐怖は、当然の報いなのかもしれない。
俺も少ししてから教室を出て、ふん、と笑う。
順調だ。上手くいった。
納得の強者ムーブをかませたことで、その後もしばらくニヤケが止まらなかった。
《キャラクター紹介》
・名前:西園寺オスカー
・年齢:16歳
・学年:ゼルトル勇者学園1年生
・誕生日:8月15日
・性別:♂
・容姿:黒の短髪、金色の瞳、右頬の切り傷
・身長:163cm
・信仰神:???
ここに至るまでの長い道のりについては、また今度ということで、俺の理想の学園生活について語ろう。
実力を隠し、時にはその実力を陰で使ったり、堂々と解放したり……そんなかっこよさそうな学園生活のことを、青春と呼ぶ。
俺はそれがしたいのだ。
実力を隠すことに、特に理由があるわけでもない。
普通に全て解放して、座学でも実技でも、圧倒的頂点を極める、という道もあるにはある。
だが、それは普通に「かっこいい」だけであって、俺の求める「かっこよさそう」な人物像とは違うのだ。
自分の理想を追い求めるため、勇者学園での青春を謳歌したいと思う。
***
このゼルトル勇者学園で、俺の名を知っている者はほとんどいない。
――西園寺オスカー。
それが俺の本名であり、同じクラスの生徒達からすれば、何の変哲もない平凡なクラスメイトの名である。
「オスカーって、パッとしないよね」
そんな平凡な俺の名を知る生徒がひとり。
――二階堂セレナ。
席が隣同士ということもあって、入学早々会話を交わす仲になった。
彼女は俺のことを友達だと思っているらしい。もっとも、孤高を極める俺にとって、友達という二文字は好きではないが。
「いきなり悪口か」
「いや、たださ、なんか試験の時も中途半端な点数取るし、実技も下手じゃないけど上手くもないって感じだし」
「そうだな」
セレナの半分馬鹿にするような言葉を、クールに流す。
こういう時の表情は決まっている。
ただ虚空を見つめ、顔の筋肉をひとつも動かさない。それは肯定とも取れるし否定とも取れる。
だが、そうなると相手は焦る。
俺が言い返さないと、彼女が一方的に意地悪なことを言っているようにしか聞こえないからだ。
「ちょっと、何か言い返しなさいよ」
全て予想通り。
ちなみに、セレナは誰もが認める美少女である。
背中にかかる長い金髪に、宝石のような緑の瞳。
少しだけツリ目で、目尻がシュッとしているところが、彼女の孤高の「美」を余計に際立たせている。しかし、そのせいかあまり男子生徒も女子生徒も近づいてこない。
人間を超越したような美貌の持ち主だと、高嶺の花すぎて誰も近づけない、ということだろうか。
まあ、俺はそんなことなど気にしない。
周囲に合わせてセレナを遠ざける必要などないのだ。俺は俺のしたいようにすればいい。
ということもあり、結局セレナの友人は俺だけ。
そして俺も、今は特にセレナ以外の生徒と会話をすることもない。
存在に気づかれていないか、ハブられているかのどちらかだろう。どうでもいい。
「俺は君の言う通りだと思っただけだ。今回の一学期中間試験の成績を見ればわかる。十科目全て五十点前後。むしろ平均以下だ」
「別に、そういうつもりで言ったんじゃなくて──」
慌ててフォローしようとするセレナだが──。
「俺は気にしてない。むしろ──」
少し声を落とす。
下を向き、呼吸を整えた。
「──全て計画通りだ」
この囁きがセレナに聞こえたのかどうかはわからない。だが、それでいい。そのうちセレナには知る時が来る──西園寺オスカーという、人間を超越した存在を。
***
数多の生徒達が、それぞれの寮に戻っていく。
今日の最後の授業が終わり、生徒のほとんどは疲れきった状態で美味しい食堂の夕食を求めて帰路についていた。
寮は男子寮と女子寮に分かれていて、学園の敷地内にある。だが、授業を受けている本館からは徒歩十五分くらいの距離があった。
「帰らないの?」
六時限目の授業だった〈神話学〉の教室。
他の生徒も、そして教師も教室を後にし、残ったのは俺とセレナだけだ。
ひとりで寮に帰ればいいものを。
「どうした? 俺と一緒に寮に帰りたいのか?」
「いや、別にそんなんじゃないけど」
「そうか。それなら俺のことは気にするな。少しやり残したことがある」
この教室に何か因縁があるかのように、授業の内容などすでに消されてしまった黒板を睨みつける俺。
――やり残したこと。
そんなものはない。
セレナと一緒に帰るのが嫌だから適当に言い訳をしているわけでもない。
――ただ、こう言うとかっこよさそうだから。
セレナも薄々気づき始めている頃だろう。
入学して二ヶ月。
俺と行動を共にするうちに、実はこいつには誰にも言えない秘密があるのではないか――そう思い始めているはずだ。
この二ヶ月の間に、どこか意味深で、伏線のような不可解な行動を、こまめに見せているのである。
「そう、なんだ……」
「まだ何か言いたいことがあるのか?」
「ううん、じゃあ、また明日!」
「ああ、今回のテストの反省を活かして、俺も明日から頑張る必要がありそうだ」
無理して笑顔を作り、教室から追い出す。
そうすることで、少しでも早くひとりになりたい、という雰囲気を醸し出すことができる。
セレナは軽く手を振り、爽やかな香りを残して教室を出ていった。
***
「さて、始めるか」
綺麗に消されている黒板を眺め、ほんの少しだけ声を張り上げる。
今から何が始まるのか。
謎に包まれた平凡な少年の裏の顔を見ることができるのか。
いや、特に何もするつもりはない。
この教室にある価値のあるものといったら、古い〈神話学〉の教科書と資料くらいだ。それを読み漁るべきなんだろうか。
というのも、セレナを追い出すことができれば、そのまま教室から出るつもりだった。
そしてそのまま学園図書館にでもこもり、読書と勉強をして時間を潰す。
だいたい二時間くらいして、用事は済ませた、とでもいうような雰囲気で寮に帰る。するとちょうどセレナと鉢合わせし、やっぱり何かしてたんだ、という印象を植えつける。
その方法が前回──つまり一週間前には通用した。
だが──。
(見られているな)
俺は視線に敏感だ。
今回、セレナはまだ扉のすぐ側で待機しているらしい。
俺は黒板だけを見つめて気づいていないふりをしているが、結構堂々と見てきているようで逆に困る。
こういう時にはどうすべきか。
用意していた台詞を思い起こし、冷静に紡ぎ出す。
「俺の詮索はするな」
彼女の方は向かなかった。
視線はずっと黒板に向いたまま。
制服のポケットに手を突っ込み、仁王立ちしている。声をいつもより低くし、危ない雰囲気を作り出す。このままそこにいると、危険だ、と。
俺はセレナを脅したのだ。
『──ッ!』
ビクッと怯えて逃げ出す足音が聞こえる。
彼女は友人の見てはならない一面を見ようとしてしまったのだ。この恐怖は、当然の報いなのかもしれない。
俺も少ししてから教室を出て、ふん、と笑う。
順調だ。上手くいった。
納得の強者ムーブをかませたことで、その後もしばらくニヤケが止まらなかった。
《キャラクター紹介》
・名前:西園寺オスカー
・年齢:16歳
・学年:ゼルトル勇者学園1年生
・誕生日:8月15日
・性別:♂
・容姿:黒の短髪、金色の瞳、右頬の切り傷
・身長:163cm
・信仰神:???
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