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一学期期末テスト編
その28 自信と恐怖☆
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〈座学の帝王〉は今回の筆記試験、万全の対策をして臨んだ。
これまでのテスト勉強とは比べ物にならないほど、注ぎ込めるすべての時間を、期末試験勉強に注いだ。それも、西園寺オスカーという、実力が未知数な一年生の存在があったせいだ。
(吾輩が圧倒的に有利だというのに、あの余裕は何だ?)
常にガブリエルの頭の中にあったのは、対抗心と不安だ。
勉強をしていれば不安になる暇などない。
そう思い、自信をつけるために勉強に明け暮れるも、やはりどこかに不安が残っているのだ。
満点を取れる自信はある。
一年生、二年生の頃にもやってきたように、日頃の授業で習ったことの一つひとつを取り逃がすことなく頭に入れれば、自ずと満点を取ることができるのだ。
(心配することなどない。あの少年は虚勢を張っているだけだ。プライドを守るため、自信のあるふりをしているだけだ)
筆を置き、何度も呼吸をし直す。
(本当に、あれは虚勢か? 西園寺は実力を隠しているのだぞ?)
自分の考えに問いかけるも、答えはない。
戦ってみなくては、オスカーを知らなくては、この不安が解消されることはないのだ。
『西園寺、勉強の調子はどうだ? まだ吾輩に勝つなどというくだらないことを言うか』
このように本人のところへ挑発をしに行くも──。
『俺は勝利にこだわりがある。ただ勝つだけで勝利とは言えない。本当の勝利とは、圧倒的な実力の差から生まれるものだ』
明らかにオスカーの方が格上だった。
三年生である自分が情けなく思えてしまうほどの、大人げない挑発への冷静な返し。
だが、それを素直に評価してしまうせいで、ガブリエルの中にある少年への敵対心はますます燃え上がるのだった。
『おのれ西園寺ぃぃぃいいい!』
自分らしくない叫び。
ここまで感情的になっていることに、ガブリエル自身も驚いた。それは〈座学の帝王〉としての自尊心があるからか、意中の相手である会長が絡んでいるからか。
オスカーに逃げられ、意気消沈するガブリエル。
(結局、吾輩には努力しかない。努力量で彼を上回らなくては)
自分を奮起させ、また勉強机に向かうのだった。
そして迎えた試験当日。
試験範囲の完全網羅、繰り返し反復した演習問題。一ヶ月ほどの猶予を全て試験対策に投じた結果、筆記試験終了の鐘が鳴るその時には、全て完璧に解き切ったという自信があった。
曖昧なところもない。
範囲外のところから出してくるようなイレギュラーなものもなかった。
これまでの経験上、満点は確実だ。この時点で自信に満ちていれば、彼の勝ちなのだ。
(あとは、西園寺の点数次第か。仮にも奴が全て満点だったのなら、引き分けになってしまうのか……いや、まさか。満点など、そう易々と取れるものではない)
試験が終われば、すぐに放課後だ。
ほとんどの生徒が疲れ果てて寮に帰る中、西園寺オスカーと九条ガブリエルは中庭の噴水で顔を合わせた。
少し遅れて現れたオスカー。
肩の力を抜き、余裕の表情で登場。
だが、自身の結果を疑わないガブリエルは、高圧的な態度と声で、オスカーを威嚇した。
「最後の試験、楽しんでくれたか?」
「最後の試験――それはつまり、俺が負けて退学する、ということか?」
「その可能性が限りなく高い、ということだ」
「そうか。お前は全てで満点を取ったか」
自信満々なガブリエルと向かい合っても、オスカーは自信を持ち続けたままだ。
筆記試験の結果が発表されるのは明後日。
明日の実技試験も終わり、教師陣に採点の余裕ができてからだ。
「せいぜい、明後日までの学園生活を楽しむといい」
ガブリエルはそう言い放ち、中庭から立ち去った。そこにあるのは確かな勝利への自信。そして努力から来た達成感。
それに対してオスカーは。
勝ち誇った様子で、噴水の水を浴びていた。
「引き分けはあり得ない。仮に九条が満点を取ろうと、俺の勝利は定まっている」
これまでのテスト勉強とは比べ物にならないほど、注ぎ込めるすべての時間を、期末試験勉強に注いだ。それも、西園寺オスカーという、実力が未知数な一年生の存在があったせいだ。
(吾輩が圧倒的に有利だというのに、あの余裕は何だ?)
常にガブリエルの頭の中にあったのは、対抗心と不安だ。
勉強をしていれば不安になる暇などない。
そう思い、自信をつけるために勉強に明け暮れるも、やはりどこかに不安が残っているのだ。
満点を取れる自信はある。
一年生、二年生の頃にもやってきたように、日頃の授業で習ったことの一つひとつを取り逃がすことなく頭に入れれば、自ずと満点を取ることができるのだ。
(心配することなどない。あの少年は虚勢を張っているだけだ。プライドを守るため、自信のあるふりをしているだけだ)
筆を置き、何度も呼吸をし直す。
(本当に、あれは虚勢か? 西園寺は実力を隠しているのだぞ?)
自分の考えに問いかけるも、答えはない。
戦ってみなくては、オスカーを知らなくては、この不安が解消されることはないのだ。
『西園寺、勉強の調子はどうだ? まだ吾輩に勝つなどというくだらないことを言うか』
このように本人のところへ挑発をしに行くも──。
『俺は勝利にこだわりがある。ただ勝つだけで勝利とは言えない。本当の勝利とは、圧倒的な実力の差から生まれるものだ』
明らかにオスカーの方が格上だった。
三年生である自分が情けなく思えてしまうほどの、大人げない挑発への冷静な返し。
だが、それを素直に評価してしまうせいで、ガブリエルの中にある少年への敵対心はますます燃え上がるのだった。
『おのれ西園寺ぃぃぃいいい!』
自分らしくない叫び。
ここまで感情的になっていることに、ガブリエル自身も驚いた。それは〈座学の帝王〉としての自尊心があるからか、意中の相手である会長が絡んでいるからか。
オスカーに逃げられ、意気消沈するガブリエル。
(結局、吾輩には努力しかない。努力量で彼を上回らなくては)
自分を奮起させ、また勉強机に向かうのだった。
そして迎えた試験当日。
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曖昧なところもない。
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これまでの経験上、満点は確実だ。この時点で自信に満ちていれば、彼の勝ちなのだ。
(あとは、西園寺の点数次第か。仮にも奴が全て満点だったのなら、引き分けになってしまうのか……いや、まさか。満点など、そう易々と取れるものではない)
試験が終われば、すぐに放課後だ。
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少し遅れて現れたオスカー。
肩の力を抜き、余裕の表情で登場。
だが、自身の結果を疑わないガブリエルは、高圧的な態度と声で、オスカーを威嚇した。
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「最後の試験――それはつまり、俺が負けて退学する、ということか?」
「その可能性が限りなく高い、ということだ」
「そうか。お前は全てで満点を取ったか」
自信満々なガブリエルと向かい合っても、オスカーは自信を持ち続けたままだ。
筆記試験の結果が発表されるのは明後日。
明日の実技試験も終わり、教師陣に採点の余裕ができてからだ。
「せいぜい、明後日までの学園生活を楽しむといい」
ガブリエルはそう言い放ち、中庭から立ち去った。そこにあるのは確かな勝利への自信。そして努力から来た達成感。
それに対してオスカーは。
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「引き分けはあり得ない。仮に九条が満点を取ろうと、俺の勝利は定まっている」
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