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第20話 大きな脅威
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シエナは午前中ずっとドキドキしていた。
今日はアキラと「お試しデート」ということで、街のレストランにて夕食をともにするのだ。
ずっと心が落ち着かず、図書館で借りていた恋愛関連の本をひたすら読んで午前中をすごしていた。
そもそも、なぜ二人はデートをすることになったのか。それは昨日の昼にさかのぼる。
「みんな! いいニュースだ!」朝から出かけていたアキラが、満面の笑みで帰ってきた。
「どーしたの?」ランランが聞く。
アキラ以外の四人は、アジトの中で何かしら好きなことをしていた。
「それがな、なんと高級レストラン『ヴィーナス』のチケットが手に入ったんだ!」アキラが嬉しそうに答えた。「たまたま前を通りかかったら、店の人がくれたんだ」
「それは運がいいな」クリスが言う。「どんな手を使ったんだ?」
「おいおい、俺はズルなんてしてないぞ。店の人は俺が闘技場で戦ったときの観客で、ファンだからくれたってわけよ」
「なるほどね、それは自慢?」とランラン。
「まあ、そうなるな」アキラがうなずいた。「だが、二人分しかない。残念だけど、俺と誰か一人で行くことになるな」
ランランが飛び跳ねた。「え、あたし、行きたい! あそこ、ずっと行ってみたかったんだよね」
「そう焦るな」アキラが言う。「ランランの他に行きたい人は? いないなら明日の午後にランランと行ってくるけど――」
クリスが咳払いをした。「ランラン、少しばかり考えて、それでも本当に――」
「あ、そっか」ランランはクリスのおかげで何かを察したらしい。「ごめん、やっぱ行けないや」
シエナはさっきからずっともじもじしている。
「ジャック、一緒に行くか?」アキラがジャックを見る。「スペイゴールで唯一の三つ星レストランだぞ。スペイゴールの書にも載ってたじゃん」
「俺はそんなに察しの悪い男ではない」ジャックは魔術の本から目を離さない。「シエナと行け」
「どういうことだ?」アキラは本当に意味がわかっていないようだった。「高級レストランなんだぞ! クリスは行きたくないのか?」
「僕も遠慮しとくよ」クリスは苦笑いで首を横に振った。
「ふーん。いいんだ? じゃあ、シエナと楽しんでこようかな。ていうか、シエナまで行きたくないとか言い出さないよな?」
「私行きたい」シエナは顔が赤い。「その……それはつまり……デート、だよね?」
「え!?」アキラが驚いた。「確かに! それは考えてなかった。もし嫌なら――」
「ううん、行きたいって行ったでしょ。それに、ずっと……その……アキラとデートに行きたいと思ってたから」なんだか恥ずかしくて、声がだんだん小さくなっていった。
「そうか。じゃあ、お試しデートだな」アキラが言う。「よし! シエナに好きになってもらえるように頑張るぞ、俺!」
もうとっくに好きなんだけど。シエナはそう言えなかった。
他の三人はというと、アキラがなぜこんなにアホなのかを考えていた。
こういうわけで、今日、街のシンボルでもある大きな金色の鐘が鳴るころには、夕食デートが始まっている。
ちなみに、鐘は朝方に一回、真昼に一回、夕方に一回、夜中に一回鳴っている。夕食は基本、夕方の鐘で始まる家庭が多いようだ。しかし、アジトは街から少し距離があるため、鐘の音があまり聞こえない。そのため、鐘が鳴る前までにレストランにいることが大切だ。
シエナはまだまだ昼の段階で、待ちきれなくなって街に出ていった。
「シエナ、すごく楽しみにしてるみたいだな」アジトでは、早く出ていったシエナを見て、クリスが微笑んでいた。
「だって、好きな相手と食事なんだよ! それは待ちきれないよ!」ランランが言う。
「アキラのやつ、鈍感レベルがますますひどくなってる」ジャックがつぶやいた。「呆れるくらいだ」
「もうとっくに呆れてるさ。今日気づくといいんだけど」
「ていうか、本人はどこ? アキラも街に行ったの?」ランランが聞く。「いつの間にか出ていっちゃった」
「アキラは仕事だ。俺にも内容は教えてくれなかった」
「ジャックにも言わないなんて、何かあったのかな? そもそも仕事って何?」
「さあな。建国事業のことかもしれない」
「それは嬉しいな」クリスが言った。「このペースだと、最終的な目標達成まで十年はかかりそうだから」
「俺はこのペースでも構わない」
「いや、せめて五年にしてくれ」
アキラは杖士の道場である、オズ道場に訪れていた。
オズ道場は広大で、一つの都市といっても過言ではない。石造りのきれいな建物が、次から次に並んでいる。
しかし、そこで暮らしている訓練生や先生は少なく、訓練に特化した場所だ。広い土地、そして街で戦うことも訓練のカリキュラムに入っている。
オズ道場はアジトからも街からもかなり離れていて、歩いていたら丸一日はかかる。しかし、ヤコンに乗って移動することで二時間ほどで着いた。
「カリス師匠」アキラが細い金色の目をした中年の男に話しかけた。「お呼びでしょうか?」
アキラの師匠であり、杖術のスペイゴール大会で優勝経験もあるカリスは、アキラの言葉に深くうなずいた。
「年末でもないのにお呼びだなんて、何事です?」アキラが丁寧な口調で聞いた。
「大変なことになった」カリスが言う。「ドラゴンキラーという男だ。お前も戦ったことがあるだろう?」
「ええ、闘技場で。俺、大ファンなんですよ。あれ? 『お前も』……てことは、師匠も戦ったんですか?」
「実に手強い相手だ」カリスの表情は暗かった。「明らかに一流の剣術の訓練を受けている」
「あの剣術はどこで身につけたのでしょうか? そんじょそこらの訓練所や道場では、教えてもらえません」
「アキラ……お前も感じているだろう……リーサル杖士だ」
「リーサル杖士!?」
「あまり大きな声で言うな」カリスがとめる。「子どもたちが聞いてしまったらどうする?」
「おっと。すみません」
「リーサル杖士は長年この大陸から姿を消していた。しかし……あの剣術の腕前は明らかにリーサルの手ほどきを受けている。ジーノにも相談したが、信じてはもらえなかった」
「なぜです? あの偉大なジーノですよ!」
カリスが大きなため息をついた。「偉大すぎるくらいだ。信じてもらえないのも仕方がない。そもそも、ジーノがリーサル杖士らを滅ぼしたのだからな」
二人の会話の中心となっている『リーサル杖士』というのは、残酷で、命を奪うため、自分の楽しみのためだけに杖・魔力を使う杖士たちのことだ。彼らは特殊な訓練を受け、より残酷に、より残虐に育てられる。
ドラゴンキラーは杖を使わないのだが、その高い腕前や戦い方から、リーサル杖士たちから手ほどきを受けたのでは、と疑われているわけだ。
「まだ生き残りがいたようですね」アキラが言った。「手がかりはありませんか?」
「残念だが、ドラゴンキラーだけが唯一の頼りだ。やつと戦い、情報を聞き出せ。アキラとこうして話したことで、リーサル杖士はいると確信した。私は道場を離れられない。しかし、今自由なアキラなら、戦えるはずだ」
「わかりました。しかし、なんでジャックを呼ばなかったんです? ていうか、デイブレイクみんな呼べばいいじゃないですか?」
「ジャックには後で別の依頼がある」カリスが説明する。「他のメンバーに関しては、私が頼むことではない。弟子であるアキラとジャックに頼みたいのだ」
アキラは力強くうなずいた。「了解です、師匠。ドラゴンキラーはどこです?」
「それがだな、アキラ。申し訳ないのだが、ユハ帝国に行ってもらわなくてはならないようだ」
一方、シエナはレストラン『ヴィーナス』に早く着いたようだ。
こうして鐘が鳴るまでアキラを待っている。
「アキラ、まだなの?」
シエナは夕方の鐘が鳴っても、アキラを待ち続けていた。
★ ★ ★
~作者のコメント~
今回はやっと、シエナとアキラがデートしてくれる(闘技場でのことはデートではない)ということで、盛り上がった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アキラが遠い道場で、さらに遠いところへの任務を与えられるという展開に。
シエナとの約束、忘れないで!
しかし、彼らに迫る脅威も忘れてはなりません。
緩めのスローライフの中にあるシリアスな脅威にも注目です!!
シーズン3もよろしくお願いいたします。
今日はアキラと「お試しデート」ということで、街のレストランにて夕食をともにするのだ。
ずっと心が落ち着かず、図書館で借りていた恋愛関連の本をひたすら読んで午前中をすごしていた。
そもそも、なぜ二人はデートをすることになったのか。それは昨日の昼にさかのぼる。
「みんな! いいニュースだ!」朝から出かけていたアキラが、満面の笑みで帰ってきた。
「どーしたの?」ランランが聞く。
アキラ以外の四人は、アジトの中で何かしら好きなことをしていた。
「それがな、なんと高級レストラン『ヴィーナス』のチケットが手に入ったんだ!」アキラが嬉しそうに答えた。「たまたま前を通りかかったら、店の人がくれたんだ」
「それは運がいいな」クリスが言う。「どんな手を使ったんだ?」
「おいおい、俺はズルなんてしてないぞ。店の人は俺が闘技場で戦ったときの観客で、ファンだからくれたってわけよ」
「なるほどね、それは自慢?」とランラン。
「まあ、そうなるな」アキラがうなずいた。「だが、二人分しかない。残念だけど、俺と誰か一人で行くことになるな」
ランランが飛び跳ねた。「え、あたし、行きたい! あそこ、ずっと行ってみたかったんだよね」
「そう焦るな」アキラが言う。「ランランの他に行きたい人は? いないなら明日の午後にランランと行ってくるけど――」
クリスが咳払いをした。「ランラン、少しばかり考えて、それでも本当に――」
「あ、そっか」ランランはクリスのおかげで何かを察したらしい。「ごめん、やっぱ行けないや」
シエナはさっきからずっともじもじしている。
「ジャック、一緒に行くか?」アキラがジャックを見る。「スペイゴールで唯一の三つ星レストランだぞ。スペイゴールの書にも載ってたじゃん」
「俺はそんなに察しの悪い男ではない」ジャックは魔術の本から目を離さない。「シエナと行け」
「どういうことだ?」アキラは本当に意味がわかっていないようだった。「高級レストランなんだぞ! クリスは行きたくないのか?」
「僕も遠慮しとくよ」クリスは苦笑いで首を横に振った。
「ふーん。いいんだ? じゃあ、シエナと楽しんでこようかな。ていうか、シエナまで行きたくないとか言い出さないよな?」
「私行きたい」シエナは顔が赤い。「その……それはつまり……デート、だよね?」
「え!?」アキラが驚いた。「確かに! それは考えてなかった。もし嫌なら――」
「ううん、行きたいって行ったでしょ。それに、ずっと……その……アキラとデートに行きたいと思ってたから」なんだか恥ずかしくて、声がだんだん小さくなっていった。
「そうか。じゃあ、お試しデートだな」アキラが言う。「よし! シエナに好きになってもらえるように頑張るぞ、俺!」
もうとっくに好きなんだけど。シエナはそう言えなかった。
他の三人はというと、アキラがなぜこんなにアホなのかを考えていた。
こういうわけで、今日、街のシンボルでもある大きな金色の鐘が鳴るころには、夕食デートが始まっている。
ちなみに、鐘は朝方に一回、真昼に一回、夕方に一回、夜中に一回鳴っている。夕食は基本、夕方の鐘で始まる家庭が多いようだ。しかし、アジトは街から少し距離があるため、鐘の音があまり聞こえない。そのため、鐘が鳴る前までにレストランにいることが大切だ。
シエナはまだまだ昼の段階で、待ちきれなくなって街に出ていった。
「シエナ、すごく楽しみにしてるみたいだな」アジトでは、早く出ていったシエナを見て、クリスが微笑んでいた。
「だって、好きな相手と食事なんだよ! それは待ちきれないよ!」ランランが言う。
「アキラのやつ、鈍感レベルがますますひどくなってる」ジャックがつぶやいた。「呆れるくらいだ」
「もうとっくに呆れてるさ。今日気づくといいんだけど」
「ていうか、本人はどこ? アキラも街に行ったの?」ランランが聞く。「いつの間にか出ていっちゃった」
「アキラは仕事だ。俺にも内容は教えてくれなかった」
「ジャックにも言わないなんて、何かあったのかな? そもそも仕事って何?」
「さあな。建国事業のことかもしれない」
「それは嬉しいな」クリスが言った。「このペースだと、最終的な目標達成まで十年はかかりそうだから」
「俺はこのペースでも構わない」
「いや、せめて五年にしてくれ」
アキラは杖士の道場である、オズ道場に訪れていた。
オズ道場は広大で、一つの都市といっても過言ではない。石造りのきれいな建物が、次から次に並んでいる。
しかし、そこで暮らしている訓練生や先生は少なく、訓練に特化した場所だ。広い土地、そして街で戦うことも訓練のカリキュラムに入っている。
オズ道場はアジトからも街からもかなり離れていて、歩いていたら丸一日はかかる。しかし、ヤコンに乗って移動することで二時間ほどで着いた。
「カリス師匠」アキラが細い金色の目をした中年の男に話しかけた。「お呼びでしょうか?」
アキラの師匠であり、杖術のスペイゴール大会で優勝経験もあるカリスは、アキラの言葉に深くうなずいた。
「年末でもないのにお呼びだなんて、何事です?」アキラが丁寧な口調で聞いた。
「大変なことになった」カリスが言う。「ドラゴンキラーという男だ。お前も戦ったことがあるだろう?」
「ええ、闘技場で。俺、大ファンなんですよ。あれ? 『お前も』……てことは、師匠も戦ったんですか?」
「実に手強い相手だ」カリスの表情は暗かった。「明らかに一流の剣術の訓練を受けている」
「あの剣術はどこで身につけたのでしょうか? そんじょそこらの訓練所や道場では、教えてもらえません」
「アキラ……お前も感じているだろう……リーサル杖士だ」
「リーサル杖士!?」
「あまり大きな声で言うな」カリスがとめる。「子どもたちが聞いてしまったらどうする?」
「おっと。すみません」
「リーサル杖士は長年この大陸から姿を消していた。しかし……あの剣術の腕前は明らかにリーサルの手ほどきを受けている。ジーノにも相談したが、信じてはもらえなかった」
「なぜです? あの偉大なジーノですよ!」
カリスが大きなため息をついた。「偉大すぎるくらいだ。信じてもらえないのも仕方がない。そもそも、ジーノがリーサル杖士らを滅ぼしたのだからな」
二人の会話の中心となっている『リーサル杖士』というのは、残酷で、命を奪うため、自分の楽しみのためだけに杖・魔力を使う杖士たちのことだ。彼らは特殊な訓練を受け、より残酷に、より残虐に育てられる。
ドラゴンキラーは杖を使わないのだが、その高い腕前や戦い方から、リーサル杖士たちから手ほどきを受けたのでは、と疑われているわけだ。
「まだ生き残りがいたようですね」アキラが言った。「手がかりはありませんか?」
「残念だが、ドラゴンキラーだけが唯一の頼りだ。やつと戦い、情報を聞き出せ。アキラとこうして話したことで、リーサル杖士はいると確信した。私は道場を離れられない。しかし、今自由なアキラなら、戦えるはずだ」
「わかりました。しかし、なんでジャックを呼ばなかったんです? ていうか、デイブレイクみんな呼べばいいじゃないですか?」
「ジャックには後で別の依頼がある」カリスが説明する。「他のメンバーに関しては、私が頼むことではない。弟子であるアキラとジャックに頼みたいのだ」
アキラは力強くうなずいた。「了解です、師匠。ドラゴンキラーはどこです?」
「それがだな、アキラ。申し訳ないのだが、ユハ帝国に行ってもらわなくてはならないようだ」
一方、シエナはレストラン『ヴィーナス』に早く着いたようだ。
こうして鐘が鳴るまでアキラを待っている。
「アキラ、まだなの?」
シエナは夕方の鐘が鳴っても、アキラを待ち続けていた。
★ ★ ★
~作者のコメント~
今回はやっと、シエナとアキラがデートしてくれる(闘技場でのことはデートではない)ということで、盛り上がった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アキラが遠い道場で、さらに遠いところへの任務を与えられるという展開に。
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