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美少女転校生と同居編
第9話 幼馴染の設定が意外と細かい件
結局、楓香と一緒に登校することになった。
幼馴染という設定を守ってくれるらしく、それなりの距離感で歩いている。
「幼馴染って、普通に手を繋いだりするらしいですよ」
「関係性にもよるだろ」
「だったらわたしたちは恋人に近しい幼馴染って感じでいきましょう。幼い頃、お互いの親が、子供たちを結婚させよう、って口約束して、その日以来お互いに許嫁として意識し合っているっていう設定で」
「細かいな」
そんな設定に乗るつもりはない。
小学生の頃、学校は違ったもののよく遊んでいて、楓香が引っ越したことでなかなか会えなくなって、連絡は取り合っていたものの、直接会ったのは昨日が7年ぶりという設定で行こう。
これもなかなか細かいな。
「昨日あれだけオーバーな接し方をしたから変に距離を取ると不審がられる。だからほどほどの距離感にしてくれ」
「やっぱり意識しちゃいますか? わたしって、結構可愛いんですよね」
「自分で言うのか」
「事実だからいいじゃないですか~。でも、才斗くんも結構整った顔立ちしてると思いますよ」
「見る人によるだろうな」
俺の家から学校までは徒歩で10分、ダンジョンまでは5分の距離である。
両親は冒険者だったから、ダンジョンへの距離が近い場所を選んだのにも納得だ。
だが、ダンジョンの周辺に家を構えるというのは、なかなかお金持ちじゃないとできない話。今考えれば、Sランクレベルの冒険者であった両親だからこそ、この場所に家を持てたということだな。
当然、深い階層に行けば行くほど、価値のある資源が手に入る。
「ほら、同じ制服の人来ましたよ。知り合いですか?」
学校が近くなってきたので、生徒の数も多くなってくる。
知り合いは多い方ではないが、クラスには友達がいる。
楓香の距離感がおかしくないうちは大丈夫かもしれないが、もし手を繋いだりしているところを見られたら――。
「手、繋ぎましょう」
「無理だ」
「その言い方酷いです。傷付きました」
「悪かったな」
いきなり楓香が手を握ってきた。
嫌な予感の的中。
「ちょいちょい、才斗、嘘だろ……」
「言っただろ……」
同じクラスの奴に見つかった。
教室で前の席に座っている本賀大輔だ。
読書好きのオタクで、席が近くなってからよく話をするようになった。
俺は小説や漫画をそんなに読まない。
だが、大輔と共通し、それなりに詳しい話題があった。冒険者の話題だ。
「昨日から思っていたが、もしや貴様は裏切り者なのか……白桃さんとはそういう関係で……」
口調はおかしいものの、常識はある男。
剣騎や西園寺と比べれば、大輔はまともな部類だ。
「幼馴染なんだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「才斗くん、昨日は泊まらせてくれてありがとうね」
「そんな記憶はない」
早速、楓香が場を乱してきた。
「泊まった!? ヤッたのか?」
「楓香、冗談はやめておこう」
「えへへ。才斗くんってからかうと面白いんだよね~」
「なんだ冗談か……」
どうやら信じてくれたらしい。
もちろん、家には泊めたがそれだけだ。
「楓香、こいつは大輔だ。仲良くしてやってほしい。小説とかラノベに詳しいらしいぞ」
「へぇ。わたし小説好きだから、話合うかも」
楓香がここで引いてくれたおかげで、なんとか騒動にならずに済んだ。
大輔は幼馴染設定に安心してくれたようで、俺に彼女がいなかったことにほっとしている。
楓香によるからかい。
部下として、もう少ししっかりしてほしいな。
***
今日の昼休みくらいは、そっとしておいてほしい。
頼むから絡まないでくれと思いながら、教室に入る。
4校時目の英語が終わると、俺は手洗いのためにすぐに教室を出ていた。
楓香はそのまま教室に残っているようだが、もう女子の友達と仲良くなって弁当を食べていてほしいところ。
「才斗くん、一緒にお弁当食べよ?」
「……」
嫌だとは言えない。
仲の良かった幼馴染設定で通している以上、冷たい態度を取るのは不自然だ。
ここはいつも一緒に弁当を食べるメンバーが助けてくれることを祈って――そういえば、俺いつも1人で弁当食べてた。
友達がいないわけじゃないが、グループに入っているわけでもない。
「さ、才斗。おれも一緒に弁当食べてもいいか?」
「大輔……」
緊張気味に許可を求めてくるオタク系男子。
体型は痩せ型。
身長は俺より少し低いくらい。
眼鏡をかけているが、そんなに度は強くない。顔立ちが整っているわけでもないが、酷く崩れているわけでもない。可もなく不可もなく。
それが大輔だ。
ちなみに、彼も弁当は毎日1人で食べている。
「あたしも入れてくれる?」
そこにまた1人。
名乗り出るクラスメイトが。
「佐藤」
「黒瀬、白桃さんとはどういう関係?」
微妙に怒っているような口調で詰め寄ってきたのは、クラス1の美少女と名高い、佐藤勝海だった。
佐藤とは中学の時からの付き合いだ。
ある出来事をきっかけに、彼女の方から話しかけてくるようになった。
幼馴染という設定を守ってくれるらしく、それなりの距離感で歩いている。
「幼馴染って、普通に手を繋いだりするらしいですよ」
「関係性にもよるだろ」
「だったらわたしたちは恋人に近しい幼馴染って感じでいきましょう。幼い頃、お互いの親が、子供たちを結婚させよう、って口約束して、その日以来お互いに許嫁として意識し合っているっていう設定で」
「細かいな」
そんな設定に乗るつもりはない。
小学生の頃、学校は違ったもののよく遊んでいて、楓香が引っ越したことでなかなか会えなくなって、連絡は取り合っていたものの、直接会ったのは昨日が7年ぶりという設定で行こう。
これもなかなか細かいな。
「昨日あれだけオーバーな接し方をしたから変に距離を取ると不審がられる。だからほどほどの距離感にしてくれ」
「やっぱり意識しちゃいますか? わたしって、結構可愛いんですよね」
「自分で言うのか」
「事実だからいいじゃないですか~。でも、才斗くんも結構整った顔立ちしてると思いますよ」
「見る人によるだろうな」
俺の家から学校までは徒歩で10分、ダンジョンまでは5分の距離である。
両親は冒険者だったから、ダンジョンへの距離が近い場所を選んだのにも納得だ。
だが、ダンジョンの周辺に家を構えるというのは、なかなかお金持ちじゃないとできない話。今考えれば、Sランクレベルの冒険者であった両親だからこそ、この場所に家を持てたということだな。
当然、深い階層に行けば行くほど、価値のある資源が手に入る。
「ほら、同じ制服の人来ましたよ。知り合いですか?」
学校が近くなってきたので、生徒の数も多くなってくる。
知り合いは多い方ではないが、クラスには友達がいる。
楓香の距離感がおかしくないうちは大丈夫かもしれないが、もし手を繋いだりしているところを見られたら――。
「手、繋ぎましょう」
「無理だ」
「その言い方酷いです。傷付きました」
「悪かったな」
いきなり楓香が手を握ってきた。
嫌な予感の的中。
「ちょいちょい、才斗、嘘だろ……」
「言っただろ……」
同じクラスの奴に見つかった。
教室で前の席に座っている本賀大輔だ。
読書好きのオタクで、席が近くなってからよく話をするようになった。
俺は小説や漫画をそんなに読まない。
だが、大輔と共通し、それなりに詳しい話題があった。冒険者の話題だ。
「昨日から思っていたが、もしや貴様は裏切り者なのか……白桃さんとはそういう関係で……」
口調はおかしいものの、常識はある男。
剣騎や西園寺と比べれば、大輔はまともな部類だ。
「幼馴染なんだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「才斗くん、昨日は泊まらせてくれてありがとうね」
「そんな記憶はない」
早速、楓香が場を乱してきた。
「泊まった!? ヤッたのか?」
「楓香、冗談はやめておこう」
「えへへ。才斗くんってからかうと面白いんだよね~」
「なんだ冗談か……」
どうやら信じてくれたらしい。
もちろん、家には泊めたがそれだけだ。
「楓香、こいつは大輔だ。仲良くしてやってほしい。小説とかラノベに詳しいらしいぞ」
「へぇ。わたし小説好きだから、話合うかも」
楓香がここで引いてくれたおかげで、なんとか騒動にならずに済んだ。
大輔は幼馴染設定に安心してくれたようで、俺に彼女がいなかったことにほっとしている。
楓香によるからかい。
部下として、もう少ししっかりしてほしいな。
***
今日の昼休みくらいは、そっとしておいてほしい。
頼むから絡まないでくれと思いながら、教室に入る。
4校時目の英語が終わると、俺は手洗いのためにすぐに教室を出ていた。
楓香はそのまま教室に残っているようだが、もう女子の友達と仲良くなって弁当を食べていてほしいところ。
「才斗くん、一緒にお弁当食べよ?」
「……」
嫌だとは言えない。
仲の良かった幼馴染設定で通している以上、冷たい態度を取るのは不自然だ。
ここはいつも一緒に弁当を食べるメンバーが助けてくれることを祈って――そういえば、俺いつも1人で弁当食べてた。
友達がいないわけじゃないが、グループに入っているわけでもない。
「さ、才斗。おれも一緒に弁当食べてもいいか?」
「大輔……」
緊張気味に許可を求めてくるオタク系男子。
体型は痩せ型。
身長は俺より少し低いくらい。
眼鏡をかけているが、そんなに度は強くない。顔立ちが整っているわけでもないが、酷く崩れているわけでもない。可もなく不可もなく。
それが大輔だ。
ちなみに、彼も弁当は毎日1人で食べている。
「あたしも入れてくれる?」
そこにまた1人。
名乗り出るクラスメイトが。
「佐藤」
「黒瀬、白桃さんとはどういう関係?」
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