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五階 力天使
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「問題だ、ちゃらん!」
「え…口で言うの?」
「人間の存在理由は何だと思う?」
うわぁ…難しい問題だな。人間って何だろう。でも、神と言う存在が居る以上、一つしかない…かな。
「人間は物語を紡ぐ者としての役割を担っている…かな?」
「ははは!なかなか深い答えを出してくるな?」
「人間には意志があって決定権がある。それを神が決めることは出来ない。」
「だからこそ…我々が物語を読んでいる感覚になる、と?」
「かな?滅ぶも反映するも…人間の選択次第」
「なるほどな。では第二問、ちゃらん!」
「もう…いっか。」
「もう一人の天使がお前の傍に来たいと言っているが、どのように対処する?」
えぇ?どういう状況?俺って何かした?もしかして何か匂い出してるの?天使だけが集まるお香みたいな…?
笑夢は首を振りながらため息をついている。待てよ…?これ問題じゃなくて、本当に押し付けられるって事?!
「え~と…やんわり断ります?」
「どうしてだ?天使は皆、清らかな存在であるぞ?」
「清らかな存在を俺がもし、何人も抱えたら…それは清らかな存在ではなくなるのでは?」
「ぐははは!確かに、矛盾だな。」
「俺自身も別に誰彼構わず手を出すつもりはないし…清らかではあり続けるかもしれないけど。」
「ふむ…小僧の人柄はある程度分かっているからな。笑夢が手を出されていないのが証拠でもある」
テストってそういうのも含んでるの?それはさ…神がやってはいけないのでは?!正直今でも…一個人に絡んでくる行為をしているのに少し疑問を抱いているけど。
「それはだな、天使が人前に現れる事は殆ど無いからだ」
「俺が特別だ、と?」
「そういう事になるな?実際そうだ、お前の個性は優しすぎる事だ」
「う~ん…そういわれても?」
「自分のエゴだけで動かない事、それが一番大事だな?」
優しさが過ぎるが故に、やりたいと思っても曲げてしまう事?難しい話だな…。食べるために殺す事はするけど…それはエゴにならないのか?
「生命活動に必要なものまでエゴにしたら、お前らが存在する事自体出来ないじゃないか?」
「まぁ…そうかな?」
「だからまぁ…お前は仮合格だな」
「えぇ?!何に?!」
「お前が良いと思ったタイミングで笑夢に言え。そうすれば天に導こう」
「それって…つまり?」
「いや、死ではない。永遠の生と言えるだろう」
「天使になる…と?」
「ふむ…それでもいいのだが。どちらにせよ、笑夢は功績で神となるタイミングぐらいにはこちらに来るだろう。好きにすると良い」
丸投げされたよ?ていうかまだ仮なんでしょ…?そんなに簡単に合格して大丈夫なのかな?色々な嘘つく人も…あぁ、心が読めるんだ。そうか、だからか。
「ははは、そうだな?天使に出来る事が私に出来ないと思ったか?」
「いやぁ…あり得ないかな?」
「であろう?そういう事だ!」
豪胆に笑う神だ。見ていてこちらまで気分が良くなってくる。神って存在は都合のいいものではないのだろう。
「酒だ、酒を持ってこい!」
「神に飲みすぎって言うのは…無粋かな?」
「我々は永遠の存在、死なないだろう?」
「あははは!確かに。」
「む?いつの間にやら…小僧!間違えて酒でも飲んだか?」
「いやぁ…?の、のんでないれすよ?」
「寝かせてやれ」
視界がグラグラする中、笑夢が俺を部屋に運んでくれる。あぁ…ふらふらする。気持ち悪いような…気もち良いような…。視界が真っ暗になって…。
朝、何やら頭痛がして目が覚める。なんだ?この頭痛は…。とりあえず水…水…。ん?リビングの方から声が…?
扉を開けると笑夢と二人で対談している。あ、思い出した…神が来ていたんだ…?神?何話したんだっけ?思い出せない…。
「肇さん?大丈夫ですか?水を飲んでください」
差し出されたコップに口を付けて勢いよく飲む。はぁ…生き返る。ていうか、一晩中飲んでたの?足りてないでしょ、酒。机を見ると、いくつもの酒瓶が転がっている。
「うわぁ…酒瓶まみれ」
「ん?これは私が持ってきたものだ、良かろう?」
「それはそれで…貴重なものでは?」
「そうか?これなんか美味かったぞ?」
ん…分からん。でも瓶が骨董品みたいな…ていうか、何年前の酒を飲んでるんだ?!酒って…腐らないの?
「腐ってないぞ?多分だな…良くわからんが数千年単位は前だろう」
「おぉわ?!骨董品としても価値があるよ?!」
神の世界では腐らないのかな?お酒…腐る、検索。う~ん…香りや風味は落ちる。賞味期限は定められているが、味が美味しい期間の話?じゃあ…まずいのか。
「ははは!まずい酒などないぞ?」
「ワインの方が美味しいですけどね」
「ワインは聞いた事あるけどね?」
「後は古酒と呼ばれる長期熟成型のお酒であったり…」
「わ、分かったありがとう?」
ワインか…うわ?!高い!!81万?!そのほかも…安くて二万…。とんでもない値段だ。ていうかこれでも50年前とかだよ…?二人は本当に大丈夫だろうか…?
「え…口で言うの?」
「人間の存在理由は何だと思う?」
うわぁ…難しい問題だな。人間って何だろう。でも、神と言う存在が居る以上、一つしかない…かな。
「人間は物語を紡ぐ者としての役割を担っている…かな?」
「ははは!なかなか深い答えを出してくるな?」
「人間には意志があって決定権がある。それを神が決めることは出来ない。」
「だからこそ…我々が物語を読んでいる感覚になる、と?」
「かな?滅ぶも反映するも…人間の選択次第」
「なるほどな。では第二問、ちゃらん!」
「もう…いっか。」
「もう一人の天使がお前の傍に来たいと言っているが、どのように対処する?」
えぇ?どういう状況?俺って何かした?もしかして何か匂い出してるの?天使だけが集まるお香みたいな…?
笑夢は首を振りながらため息をついている。待てよ…?これ問題じゃなくて、本当に押し付けられるって事?!
「え~と…やんわり断ります?」
「どうしてだ?天使は皆、清らかな存在であるぞ?」
「清らかな存在を俺がもし、何人も抱えたら…それは清らかな存在ではなくなるのでは?」
「ぐははは!確かに、矛盾だな。」
「俺自身も別に誰彼構わず手を出すつもりはないし…清らかではあり続けるかもしれないけど。」
「ふむ…小僧の人柄はある程度分かっているからな。笑夢が手を出されていないのが証拠でもある」
テストってそういうのも含んでるの?それはさ…神がやってはいけないのでは?!正直今でも…一個人に絡んでくる行為をしているのに少し疑問を抱いているけど。
「それはだな、天使が人前に現れる事は殆ど無いからだ」
「俺が特別だ、と?」
「そういう事になるな?実際そうだ、お前の個性は優しすぎる事だ」
「う~ん…そういわれても?」
「自分のエゴだけで動かない事、それが一番大事だな?」
優しさが過ぎるが故に、やりたいと思っても曲げてしまう事?難しい話だな…。食べるために殺す事はするけど…それはエゴにならないのか?
「生命活動に必要なものまでエゴにしたら、お前らが存在する事自体出来ないじゃないか?」
「まぁ…そうかな?」
「だからまぁ…お前は仮合格だな」
「えぇ?!何に?!」
「お前が良いと思ったタイミングで笑夢に言え。そうすれば天に導こう」
「それって…つまり?」
「いや、死ではない。永遠の生と言えるだろう」
「天使になる…と?」
「ふむ…それでもいいのだが。どちらにせよ、笑夢は功績で神となるタイミングぐらいにはこちらに来るだろう。好きにすると良い」
丸投げされたよ?ていうかまだ仮なんでしょ…?そんなに簡単に合格して大丈夫なのかな?色々な嘘つく人も…あぁ、心が読めるんだ。そうか、だからか。
「ははは、そうだな?天使に出来る事が私に出来ないと思ったか?」
「いやぁ…あり得ないかな?」
「であろう?そういう事だ!」
豪胆に笑う神だ。見ていてこちらまで気分が良くなってくる。神って存在は都合のいいものではないのだろう。
「酒だ、酒を持ってこい!」
「神に飲みすぎって言うのは…無粋かな?」
「我々は永遠の存在、死なないだろう?」
「あははは!確かに。」
「む?いつの間にやら…小僧!間違えて酒でも飲んだか?」
「いやぁ…?の、のんでないれすよ?」
「寝かせてやれ」
視界がグラグラする中、笑夢が俺を部屋に運んでくれる。あぁ…ふらふらする。気持ち悪いような…気もち良いような…。視界が真っ暗になって…。
朝、何やら頭痛がして目が覚める。なんだ?この頭痛は…。とりあえず水…水…。ん?リビングの方から声が…?
扉を開けると笑夢と二人で対談している。あ、思い出した…神が来ていたんだ…?神?何話したんだっけ?思い出せない…。
「肇さん?大丈夫ですか?水を飲んでください」
差し出されたコップに口を付けて勢いよく飲む。はぁ…生き返る。ていうか、一晩中飲んでたの?足りてないでしょ、酒。机を見ると、いくつもの酒瓶が転がっている。
「うわぁ…酒瓶まみれ」
「ん?これは私が持ってきたものだ、良かろう?」
「それはそれで…貴重なものでは?」
「そうか?これなんか美味かったぞ?」
ん…分からん。でも瓶が骨董品みたいな…ていうか、何年前の酒を飲んでるんだ?!酒って…腐らないの?
「腐ってないぞ?多分だな…良くわからんが数千年単位は前だろう」
「おぉわ?!骨董品としても価値があるよ?!」
神の世界では腐らないのかな?お酒…腐る、検索。う~ん…香りや風味は落ちる。賞味期限は定められているが、味が美味しい期間の話?じゃあ…まずいのか。
「ははは!まずい酒などないぞ?」
「ワインの方が美味しいですけどね」
「ワインは聞いた事あるけどね?」
「後は古酒と呼ばれる長期熟成型のお酒であったり…」
「わ、分かったありがとう?」
ワインか…うわ?!高い!!81万?!そのほかも…安くて二万…。とんでもない値段だ。ていうかこれでも50年前とかだよ…?二人は本当に大丈夫だろうか…?
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