ツッコみ勇者、この世界をツッコみで救います?俺しかツッコみ役いないの?そうですか…。

とびし

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一章 世界の仕組み?

二話 何すればいいの?

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「ねえねえ、平突?」
「毎回この始まりかたなのか?」
「パンはパンでも食べられないパンは何?!」
「フライパンだろ?あれ、パンにもちゃんと意味があるから面白いよな。」
「でさぁ…何処に向かってるの?」
 うん、自分の得意分野から外れるともう聞かないよな。そう、なんの目的も無くただ彷徨ってるだけだよ。だって考えてもみろ、異世界っぽいだけの何かだぞ。夢の可能性をまだ捨てきれたわけじゃない。大体、どうやって来たのかさえ覚えてないんだから。
「あ!見て見て!家がたくさん!あれ、東京じゃない?!」
「東京の周りって大草原だったか?良く思い出してみろ?」
 まぁ…村か?見た感じは…ん?木造の家?普通に木造二階建ての家がずらっと…ベッドタウン埼玉みたいだ。
「お邪魔しまーす!」
「待て待て!!!危なくない保証がどこにもないだろ?!」
「来たな、勇者よ。」
「え、村人の順応速度が速すぎる?!」
「心理テストを開始する!」
「心理テストってなんだよ?!普通にクイズとかでもなくて?!」
「貴方は今廊下に閉じ込められている。閉じ込められているのは誰だ?」
「それ、お前しかいないじゃないか!!」
「正解だ」
「正解?!心理テストに正解とか無いだろが!」
 正拳でツッコみを入れたら、普通に元に戻った。ていうか、村人は消えないシステムなの何?
「ああ、正気に戻れたみたいだ、ありがとう、勇者よ」
「うん?それは何よりです?」
「平突も勇者に順応するの早いね?」
「木瓜で慣れてるからだろうな?」
「でへへ…!」
「だから褒めてねぇって!」
 ポカリ。また木瓜は浄化された。木瓜はいつ…浄化が効かなくなるんだろうな?通常で汚染されてるのって、どうかと思うぞ?
「この世界での私の役割は何だと思う?」
「え?こういうのって勝手に話してくれるんじゃないの?」
「そうだ、正解だ」
「狂気だよ、ここの村のノリ。話聞いてくれるだけマシなの?」
「そうだ、マシだ。この先数々の試練をクリアせねばならないからな?」
「なんで俺らの道中の情報を知ってるんだよ。」
「女神様から聞いた、ただ、儂がボケ続けたら居なくなったようだ」
 あの女神…。人に任せるだけ任せて自分は居なくなったのか?くそう…俺だってツッコみたくてやってる訳じゃ無いってのに…。大体、プロじゃないんだぞ?素人だぞ?
「ここの国はボケテール王国!」
「名前がボケてるじゃねぇか!そんなところによく住んでたな?!」
「貴族の一人が謀反を起こしたようだ。その名は…コテコテ・ボケテール侯爵!」
「それ、王族じゃん?!この国終わってるじゃないか!」
「見た目は太っていて、ザ・貴族という感じだ」
「世界観知らないから分からないけど、太ってるから貴族って訳じゃないぞ?」
「さあ、冒険の時間だ」
「いや、お前が仲間になるのかよ!」
 ポカリ。また浄化された。ていうか、この仕組み何?大気中に何が舞ってるの?埃みたいにボケ成分が舞ってるのか?
「一回で終わりじゃない所もなんだかふざけた世界って感じだな。」
「そうかな?僕には住みやすいかも?」
「木瓜…ボケにボケが重なって無限にボケ続ける世界に居たいのか?」
 収集つかなくなって、最終的に誰とも会話しなくなるんじゃないか?誰かがツッコんで止めないと…ってそれが俺の役目なのか…。はぁ…骨が折れすぎだろ。
「木瓜、行くぞ」
「え~?もうちょっとここに居ない?」
「なんで?」
「疲れたよ~。」
「すぐに行くぞ、お前がまき散らしている可能性もあるんだからな?」
「おお、魔王よ!儂の孫だけは…やめてもらえぬか?」
「え、僕魔王なの?ぐへへ!魔王だぞ~!」
「よし、お前を倒せばこの変な所からさらば出来るのか」
「ちょっと?!」
 ポカリ。何回でも殴る。この埃みたいなのがボケ成分なのか?ん~もう少し殴り続けて見るか。
「平突…痛いよ?」
「木瓜、お前のためだ。ちょっとぐらい耐えてみせろ」
 う~ん…埃は目に見えて減ったけど、まだ出るのか。流石魔王、このぐらいじゃ消えたりしないか。ていうか、魔王ってもっと冒険の終盤で出てくるものじゃないのか?
「うむ、その辺で良かろう」
「いや、いつから仲間になったんだって」
「そ奴は魔王ではないからな」
「自分の発した言葉に責任を持て。」
「うん?儂は誰じゃったかの?」
「いや…え?それダメなやつじゃないか?」
「よし、行くよ、平突!」
「いや、木瓜、お前は黙ってろ!」
 本当に良く分からない。なんなんだ?この世界。それで、木瓜は俺をどこに連れて行くつもりなんだ?
「魔王の居場所が分かった!」
「ど、泥棒!!!」
「嘘つきは泥棒の始まりを省略しすぎじゃない?!」
「え?木瓜…お前…ツッコみを?!」
「今なら、降りてきている気がするんだ!魔王が!」
「やっぱりお前が魔王なんじゃねえか!!!」
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