ツッコみ勇者、この世界をツッコみで救います?俺しかツッコみ役いないの?そうですか…。

とびし

文字の大きさ
9 / 39
二章 怖がりには酷な世界?

九話 人間を堕落させる?悪魔の天使?!

しおりを挟む
「この先ってどこなんだろうね?さっき村についたばかりなのにね」
「まぁ、村の出口って目の前のこれしかないだろう?だからこれを出るしかないんじゃないか?」
「そうかな?これ…ようこそって書いてあるよ?」
「別の意味で歓迎されているかもな?」
「ここがお前らの墓場だって事?」
「怖い事を思い出させるな!行くぞ、ほら」
「平突?こういう場合は手を引いてくれるんじゃないの?」
 うん?俺がそんな事出来る訳ないだろう?怖いんだから。お前を押し出しながら歩くので精一杯だよ。
「あ!あそこなんじゃない?」
「なんだあれ?」
 小高い丘の上に…?天使が三人、と他数十?え?そんな本気で潰しに来ることある?!俺らってそんなに邪魔なのか?いや、魔王軍に従事している事を考えれば妥当なのか?妥当…か?
「なんかちょっと臭いかな?」
「それお前の鼻が臭いんじゃなくて…って臭い!!」
「でしょ?やっぱり臭いよね…?」
 えぇ…なんで?さっきの骨は臭くなかったよな?俺らがビビりすぎておかしくなってしまったのか?!俺らが?よく考えればビビってたのは俺一人じゃないか!!って今はそんな事はどうでもよくて…。
「整列ですよ、皆さん?」
「なんで言う事を聞かない。」
「こっちに来い、勇者を迎え撃て!」
「わぁ、全然軍じゃなかったね?」
「統率が取れてないな…というかここが臭い!!」
「あら?早かったですね!」
「分かった!この人達が臭いんだ!」
「おぉい!!!木瓜!分かってても言うな!」
 まぁ…口を塞いでも遅かったわなぁ…。だってさ?目の前で三人衆が慌てふためいている姿を見せられているんだから。
「臭い…?私達って臭いでしょうか?」
「いや、少なくとも俺には分からん。」
「勝手に言っているだけだろう?」
「おほん!俺らは天使三人衆。」
「私がガブリエルです!」
 あぁ…無かったことにしたんだ。良いんだ、それで。綺麗な赤毛、綺麗な顔だし、おっとりしてるんだけど…臭い…人、かな。それにしてもなんの臭いなんだ?天使の中で流行ってる香水とかなのか?
「俺はラファエルだ。」
「すごい!綺麗な青髪!染めてるの?」
「む?地毛だ。」
 地毛とかそういう問題なの?!男性の体をした天使も居るんだ。この人も臭いな。嗅いだことのない匂いなんだよな…。ていうか、臭いが気になって頭に入ってこない!!
「我がミカエルである、よろしく頼む」
「これはご丁寧にどうも。」
「親戚同士の挨拶か?」
 こっちの人は黄色…男性…臭い。全員臭い!!!
「なんで全員臭いんです?!」
「またしても…きっとこれの所為でしょう!おいでなさい!」
 うん?そういえば、さっきまで軍とかなんとか言っていたような気がしていたんだけど…なんだったんだっけ?
「こんにちは~(ヴァ~)」
「ぎいやぁぁぁぁぁっぁ?!!」
「平突!!あれ本物のゾンビなんじゃない?!凄い!!どうやって動いてるんだろう?!」
「そんなところに興味持つな!!!」
「でも、スケちゃんとかの時はなんで動いてるか分からないから怖いって言ってなかった?」
「それは比喩だ!」
「これが俺達からの試練だ。」
「突破して見せるのです!」
「俺達も急に呼ばれてな(ヴァ~)」
「全員なんで副音声みたいなのついてるんだよ?!」
「誰が喋ってるか分からなくなるからじゃない?」
「メタい事言うな!!」
「(ヴァ~)」
「ちゃんと喋れ!!!」
「これはうめき声です~(ヴァ~)」
「あははは!面白いね?平突!」
「面白い訳あるか!!」
 妙につやつやした肌してるのも変だし、臭いし、臭いし臭い。なんか体が変に傾いて…臭いし。足引きずって、臭いし。もう、臭い!
「死臭ってこれなのかよ?!経験したくなかったよ!」
「刺繍?してあるよ!ほら!」
「それは刺繍じゃ…なんで?!肌の上に?!」
「それはパッチワークです…(ヴァ~)」
「いや?!肌の上にするものじゃないから!」
「私達…取れてしまうんですよ(ヴァ~)」
「取れる?何が…」
「ほら、こうなるんです(ヴァ~)」
 何?一斉に俺の方に向けて…腕?!嫌だ!!!!もう…無理だ。助けてくれ!!
「すごい!こんなの滅多に見れないよ?」
「見れたらダメなんだよ!!」
「見てよ、シンクロしてるよ?」
「数十のゾンビがしてるシンクロなんて誰が見たいんだよ!!」
「あ、でも見て?ちょっと溶けてる」
「だから!!!誰が見たいんだよそれ!!」
 ていうか、ちょっと溶けるって何?!アイスかなんかな訳?もう…俺は木瓜が怖いよ。環境適応能力に全振りした怪物だろ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

処理中です...