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三章 新たな方針?
十八話 怖い怖い…。外の世界は怖い。これから何するか?そりゃ…引きこもります。
しおりを挟む「平突?外に出てきてよ~。」
「絶対行かないぞ、俺は外に出ない!!」
アトランティスから帰ってきて、平突が部屋に引きこもってしまった。理由は何となく分かるんだ。死にかけて、この世界でも死ぬことを理解したからだと思う。僕はどうすればいいかな?何をすれば、平突を外に連れて行ってあげられるかな?
「今日もダメだったんですか~?お母さんは大変ですね~。」
「そうなのよ~!分かる?うちの平突はいい子だったのに…。」
「うるせぇ!!部屋の前でやるな!!木瓜のばばぁ!!」
「こんなにもツッコみは冴えているのに…どうしてなの?」
「いっそのことですけど~実力行使してみますか~?」
「それは良くないかしら…。」
お母さん役としてボケていれば、外に出てくるかな?とも思ったけど、失敗だったみたい。作戦を本格的に考えてあげないとなぁ…。う~ん…何も思いつかないんだけどなぁ。
「そんなにあの魚人が怖かったのかな?」
「チョウチンアンコウですからね~。勇気を食べられてしまったんですよ~。」
「肝を食べられたんだね…。肝が美味しいって言うもんね!」
「……。」
「ここに居てもしょうがないか。よし、行こう」
「そうですね~!」
リビングで本格的に作戦会議をしないと駄目かもしれないね。よし、作戦会議だ。
「どうすればいいと思う?」
「そうですね~…。部屋から出す事自体は簡単なんですけど~!」
「そうなの?!例えば?」
「ワープゲートに乗せるとか~鍵をこじ開けるとか~」
「そうなんだ~すごいね!でも、出て来た後、部屋に帰るかな?」
「そんな気がしますよね~?」
「引きこもりは手ごわいって聞いたことがあるよ?」
引きこもりにも原因があるとは思うんだ。その理由を何とか取り除いてあげる事で外に出てきてもらう。それが一番いいんだけど…。それを取り除いてあげるのは僕らじゃなくて、平突自身だと思う。
「罔象女神 (みつはのめのかみ)様はどこに行ったの?」
「居ますよ~?平突さんの傍に~!」
「えぇ?!原因と衝突事故起こすんじゃない?!」
「多分大丈夫だと思います~!衝突してもひき逃げはしません~!神ですからね~!」
「うわぁ…天使って結構凄い事するんだね?」
「時には必要なんです~。試練なんですよ~?」
「肝試しだったって事?あれ…平突の肝飛び出てきてるよ?」
「あまりグロいのは得意ではないのですが~…。」
「平突の肝を押し込んであげる?」
まぁ…そんな事をしても、強くならないかな。平突はあんな感じに見えて繊細なんだ。ツッコみにも凄い気を使っている感じがするしね。
「こんなシリアス展開、誰も望んでないんだけどなぁ…。」
「ここらでテコ入れが必要だったんでしょうね~?」
「この物語は人が死なない様に出来てるからね!」
「……。」
「で、作戦どうしようね。」
「話が全く進みません~。」
「全く…二人だけではダメなのですね?」
「あれ?!罔象女神 (みつはのめのかみ)様?!」
「わぁ、先ほどぶりです~!」
「私は解放していただいて、そのままで良かったのですが…。会議を進めるのも私が居ないといけないようです」
「どう?何かいい案を思いついたからここに居るの?」
「そうですね。作戦的には天岩戸隠れ作戦ですかね?」
「岩戸…すごい重たい戸だ!人間の力じゃ開けられないね…。」
「それはそうでしょうね~。神様の力を借りるんですよ~?」
「そうです、私達で外に出て楽しい事をしていれば、興味が湧いて降りてくる。そんな感じでしょうか?」
「なんていう斬新な作戦?!引きこもりにはつらい作戦かもしれないね?!」
「あの方はこの世界においては太陽みたいな存在ですので。それにほら、外を見てください?」
「あれ?!あんなに日付が変わらないとか言ってたのに暗いよ?」
「これがあの方のお力なのです。」
「天照大神(あまてらすおおみかみ)様?!僕は平突に跪いて…。」
「あぁ、神ではないので。勇者なのです。」
「勇者神様!」
「ふふ…それは良いですね。」
勇者神は心を痛め、部屋の扉を閉めました。硬く閉ざされた扉を開けるために、僕らは必死に面白い事をして興味を引きます。部屋から出て来た所を…はい、確保!
「すごい!作戦が頭の中に浮かんでくる!」
「決まりましたね?肝心なのは…誰がどんな役割をするかですよ?」
「そっか…ボケしか居ないから興味を引くようなボケを続けるのはどうかな?」
「貴方…さては賢いのですか?名前からはそうは思えないのですが?」
「僕は自分を賢いと思ったことは無いけれど…僕だって平突の隣に居るからね!」
僕は…きっと平突と一緒に面白い事をしたいだけ。だからこの世界に連れてこられたんだろうね。頑張って、平突と一緒に歩けるようにこの作戦を成功させないとだ!
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