ツッコみ勇者、この世界をツッコみで救います?俺しかツッコみ役いないの?そうですか…。

とびし

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五章 高天原へ?

二十七話 高天原って結局どうやって行くの?どこから行くの?え?ここから行ける?そうですか…。

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 四天王70と魔王1、神…無数。俺はこの後寿命までに一体何柱の神様を助けるのだろう。四天王…ね。最初は何だろうと思ってたけど、神様を助けるのがメインの話になっちゃったじゃないか。どうしてくれるんだ?
「さぁ、準備が出来ましたよ?平突ここに入るのです。」
「ここ…ってどこ?」
 至って見慣れた部屋で、指さされたのはベッドの上。何故?霊体になるってどういう感覚なんだろう?幽体離脱的な感じなのだろうか?きっとそうに違いない。うん、考えるのはやめよう。
「行くぞ?でぇい!!」
「見慣れない葉っぱでただ殴られるだけ?!」
 すぐに意識が薄くなって……。なんじゃこりゃ?!自分で自分を見てる…気持ち悪い!!顔じゃないぞ?おい、誰だ今顔が気持ち悪いって考えた奴!!許さんから出てきなさい!あ、俺ですか?そうですか…。
「これで行くのです。私の背に乗りなさい」
「どこに乗ると?!ていうか、女性の背に乗るのはなんだか許されない感じがする!!」
「良いのです、女神というだけの事。平突よ、これから起こる事への対処を考えておくのです。」
「そうであるぞ?貴様にしか出来ぬ事を為せ。」
「ていうか、誰?!さっきまでと顔が違うけど、話し方的にはラー神だな?!」
 これは、ラー神が…ハッキリ西洋イケメンになっていた話。違う、そういう話じゃない。ていうか…なんで神様は美男美女が多い?それでさ?たまに、しこめが出てきて騒がせる的な事が起こるんだ…。俺もその類なんだろうな。
「顔面を気にする余裕があるなら良かったです。木瓜を見なさい。木を失っていますよ?」
「え?あいつ結構アトラクションとか強いタイプなのに?」
「そういう問題では無かろう。初めての体験なのだ、貴様のように飲み込みが早い方が驚かれるであろう。」
「あ、これって物理的にどんな事になるんだ?"正拳"は使えるのかな?」
「あれは生前持っていたものですからね?使えますよ?」
「冗談かな?!今"生前"って言わなかった?!」
「ふふふ、冗談ですよ。」
「冗談で済まされる問題じゃないんだが?!死んでるじゃんね?!」
「生と死は軽く踏み越えられるのだ。問題は帰り方が分かっているかどうか、である。」
 格言みたいに言ってらぁ。生涯に一度あるかないかの体験を…。あぁ…どんどん地上から離れていくよ…。どんどん宇宙の方に…宇宙?!高天原って宇宙の方にあるの?!俺、詳しくないけど、日本にあると思ってたんだけど?!
「ここは日本ではないでしょう?こちらの世界にある日本に行かなくてはならないのです」
「あぁ…そういう?!どういう?!日本があるの?!」
「ええ、違う軸ですが、存在しています。そこの神話はまだそこまで進んでいないのですよ。」
「急なタイムスリップ物?!大変だ?!関わったら時間が…あれやこれやして…。」
「神様の話なので、別に大丈夫ですよ?ほら見えてきました。あれが私達が住んでいた日本ですよ?」
 わぁ…のどか。のどかな田園風景とそれに…なんだか教科書で見た事あるような風景だ?!凄い、これ!た、楽しい!こんな日本を見れるなんて…俺、この世界に来て良かった!
「ここで嬉しさを感じてもらうのは…少しだけ悲しい事ですね。」
「であるな?横に神が居るというのにな?」
「あなた方が神様みたいな感じがしないので…。」
「平突?!これ、日本昔話?!凄いよ?!」
「日本昔話の世界に来たと思えるお前の方が凄いよ?」
「いやぁ…あり得るかな?って思ってさ?」
「あり得ないだろ?!」
「でもさ?神話の世界に来てる方がどうなの?」
「うん、急に正論言うな!!びっくりするから!」
「む?迎えが来たのではないか?」
 な、なんだ?仰々しいな?あ、そうか。神様の歓迎だし、まぁあれか。いっぱい来るか。でもさ、なんだか…武器を構えてない?!
「ほぉ?神に向かって何をしておる?」
「そこに連れている人間を放しなさい。」
「平突よ、説明してあげなさい。」
「俺がするの?!神様である貴方たちから言うんじゃなくて?!」
「ここに人間が来るという意味が分かっているのですか?」
「まぁ…説明を聞きました。けど、天照大神様が籠っていて大変だ、と聞いたので。解放させていただきたく…。」
「うぅ…天照大神様…。」
 なんか急に泣き出した…。向かいに居る数えきれない神様が泣き出した…。俺が泣かせたみたいになるよ?!それはそれで…どうなの?
「では、連れて行きます。」
「いや、展開早すぎるだろ?!」
「天界だけにね?」
「やかましい!」
 仰々しい一行と一緒に向かう。天岩戸って実物を見るのは初めてなんだけど…一体どんな感じなんだろうね?結構頑丈な岩なのかな?
「着きました、ここが天岩戸です。」
 ここが…そうか。普通の洞窟だった。なんか、洞窟の前でキャンプしてるみたいな感じ。うん、これじゃ出てこなそう!!
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