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2話

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 はてさて、主人公に転生しなかったことを嘆いたところで何も意味はない。とりあえず状況を把握しよう。
ここは俺がよくネット小説サイトで読んでいた『勇者に幼馴染み達を寝取られた俺は、チート能力を手に入れ勇者達をぶっ◯す』の世界である。
ここは魔法が存在する中世の世界だったはずなので、当然使いたいてか、俺、レイクは生まれた頃から使える設定だった。
そうこの勇者、カマセのくせにやたら設定は凄いのだ。
剣術スキル、全魔法適性、才能の塊、経験値増加五倍、絶倫、夜の帝王、魔性の男、etc etcとかなりのチートスキルを持っている。基本昼の戦いも夜の戦いも負けはない。
だが、チートを手に入れた主人公にあっさり負ける理由はレベルの差だ。

俺のステータスを見てみよう。えっ?何で見れるのかってそんな野暮なこと聞くなよ。勇者の俺に出来ないことはほぼないぜ。鑑定スキルももちろん持ってるさ。

「あぅあー…(鑑定)」

と声を発してスキルを発動。正しく発音できていないと発動しないとかそんなことはない。ただ声に出した方がテンションが上がるそれだけだ。人前じゃ必殺技以外言わない、だって恥ずかしいもん。
まぁ、俺のシャイさは置いておいてステータスに行こう。

レイク

Level1

筋力 50
魔力 50
速力 50
耐久力 50
体力 100
精神力 150

スキル

鑑定、剣術適正、全魔法適性、才能の塊、聖剣に選ばれし者、神の愛子、経験値増加五倍、ステータス増加五倍、ステータス上昇最大値固定、計算、読み書き

となっている。
まずLevelの話をしよう。これは魔物や人、生物を倒した際にその生き物が内包している魔力の数値が経験値として入りそれが一定値に達するとLevelが上がるという設定だ。
Levelが上がるとステータス値が上昇する。一上がることに大体1から10のランダムで各ステータスが上昇する。そのため同じLevelでも、ステータスの差がかなりあることがある。だが、ステータスの上昇の低い人は強力なスキルを持っていることが多いため一概に弱いと言うわけでもない。中々良い世界である。

筋力これは、文字の通り自身の物理攻撃の威力を指す。
これが高ければ高いほど物理攻撃の威力が増す。

魔力は魔法で攻撃した時の威力を指す。
下級魔法はその魔力の数値の等倍で放たれ、中級は2倍、上級は3倍、そして世間では一般的ではない超級魔法は10倍の威力が出る。なので魔法の威力はこの数値で決まると言っても過言ではない。まぁ、スキルで倍率増加系もあるので魔力の低い人でも実戦レベルで使える人も稀にいる。

速力、これはスピードを表したものでこれはまぁ、説明することは特にないだろう。上がれば行動のスピードが上がるそれだけだ。

耐久力、これは言い換えると防御力だ。この数値が高いほど相手から受けるダメージが少なくなる。特に説明はなし。

体力はゲームで言うHP、生命力のことでこれが無くなると死亡する。だから回復職の人は鑑定と回復魔法が必須とされており中々に希少な存在とされている。冒険者パーティの5チームに回復職は一人いるかいないか程度の数だ。

精神力これは、魔法を放つ際に消費されるゲームのMPと同じものだ。これがゼロになると気絶するので魔法を撃つ時はしっかりこの数値を意識せねばならない。

最後にスキル。
これは先天的に持っているスキルと後天的に自身の経験が一定値になると得られるスキルの二パターンがある。

前者は神から授けられたスキルなため中々に強力なスキルが多い。先程挙げた鑑定もその一つだ。俺が持っている経験値増加やステータス上昇最大値固定とか全魔法適性、聖剣に選ばれし者もこれに該当する。ただし、例外として迷宮と呼ばれる場所の地下深くにある魔導書を使うと得られる場合がある。

後者は剣術や槍術と言ったもので。先程挙げた経験からでは得られることのないもの以外なら何でも得ることができる。
ただし無限に取れるわけではない。大体20から30までしかスキルは後天的に得られない。しかも、これは得たところで大きく実力を上昇しないのもポイントだ。だから、その人がアタッカーになるのか、タンクになるのか、ヒーラになるのかによってとるスキルは変わってくる。まぁ、俺は神の愛子の効果で無限に取れるんですけどね。

そんなわけでステータスの説明を終えようと思う。
さて次は………

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