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第6話「魂の刻印と夜明けの豊穣」
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意識が混濁する中で、ルカは何度も絶頂を迎えさせられた。
アレクセイの体力は無尽蔵のようで、愛撫は執拗かつ的確だった。
彼がルカの中に深く入り込むたび、魔力の回路が繋がり、スパークするような感覚が走る。
それは単なる性行為を超えた、魔力の循環と増幅の儀式でもあった。
「はぁっ、あ、あぁっ!」
「ルカ、俺を見ろ。他のことなど考えるな」
アレクセイはルカの顔を両手で挟み込み、碧眼で見据える。
その瞳には、もはや理性的な司令官の面影はなく、ただ一人の伴侶を愛し、独占しようとする雄の狂気が渦巻いていた。
クライマックスが近づく。
アレクセイのペニスが、ルカの最奥にある生殖口――「ノット」を受け入れるための場所――をこじ開けようとノックする。
本来、男性のオメガにとってそこは固く閉ざされているはずの場所だ。
だが、運命の番の前では、そこはいともたやすく花開く。
「入るぞ。……奥まで」
「ひっ、むり、おっきい……っ!」
「大丈夫だ。お前の体は、俺を受け入れるためにできている」
ズブリと、熱い楔がさらに奥へと侵入する。
ルカはあまりの充填感に、息が止まりそうになった。
子宮口が開かれ、アレクセイの先端がその中へと潜り込む。
全身が痺れるような快感と、本能的な恐怖がない交ぜになる。
そして、アレクセイの動きが止まった。
彼のペニスの根元が膨れ上がり、ルカの内部で抜けなくなる「ノッティング」が始まったのだ。
「あ、ぁ……ぬけ、ない……!」
「ああ、逃がさない。俺のすべてをお前に注ぎ込む」
アレクセイはルカに覆いかぶさると、無防備に晒された項(うなじ)へと牙を突き立てた。
番(つがい)の証、マーキングだ。
鋭い痛みが走り、ルカは叫び声を上げたが、それはすぐにアレクセイの唇によって封じられた。
首筋から注がれる支配の魔力と、胎内へと放たれる熱い種。
上と下、両方からアレクセイに侵食され、ルカの自我は溶けて消えそうになった。
「愛している、ルカ。お前は俺の唯一だ」
耳元で囁かれる愛の言葉。
その言葉には魔力が乗っており、呪いのようにルカの心臓に絡みついた。
もう、二度と彼から逃れることはできない。
その事実は、不思議とルカに深い安らぎを与えた。
この人の腕の中こそが、本当の意味での「巣」なのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、ルカはアレクセイの背中に腕を回し、しがみついた。
***
翌朝。
小鳥のさえずりでルカは目を覚ました。
背中が痛い。腰が砕けそうだ。
だが、それ以上に驚いたのは、周囲の光景だった。
トマト畑が、ジャングルになっていた。
「……は?」
寝ぼけ眼で周囲を見渡す。
昨日まで膝丈ほどだったトマトの木が、見上げるような巨木に成長し、真っ赤な実を鈴なりにつけている。
それだけではない。周囲のラディッシュも、小松菜も、まるで魔物の森のように巨大化し、生い茂っていた。
「目が覚めたか、俺の可愛い番」
すぐ側から声がして、ルカは飛び上がりそうになった(腰の激痛で失敗したが)。
アレクセイが、上機嫌な様子でトマトの巨木に寄りかかっていた。
軍服は着崩したままだが、その顔には昨日までの疲労感は微塵もなく、肌艶が恐ろしく良い。
「で、殿下……これはいったい……」
「昨夜、お前と繋がった時の余剰魔力が土に流れたらしい。俺の魔力とお前の豊穣の力が合わさって、この有様だ」
アレクセイは巨大なトマトをもぎ取ると、愛おしそうに撫でた。
「素晴らしい生命力だ。これなら、砦の食糧問題どころか、国一つ養えそうだな」
「そ、そんな……」
ルカは顔を覆った。もう言い訳など通用しない。
オメガであることも、魔力のことも、すべてが露呈してしまった。
「ルカ」
アレクセイが近づき、ルカを軽々と姫抱きにした。
「きゃっ!?」
「もう騎士としての任務はさせない。お前の仕事は、俺の側でこの力を制御することと……俺の子を育てることだ」
アレクセイの手が、優しくルカの平らな腹を撫でる。
そこには、昨夜の情事によって確実に何かが芽吹き始めていた。
「まずは部屋に戻るぞ。体を清めないとな」
「あ、歩けます! 下ろしてください!」
「却下だ。昨夜あれだけ鳴いた腰で歩けるわけがないだろう」
「っ~~!」
真っ赤になるルカを見て、アレクセイは楽しげに笑った。
その笑顔は、昨日の冷徹な仮面が嘘のように、甘く、独占欲に満ちていた。
巨大化した野菜の森を背に、ルカは王子に抱かれたまま、朝の砦へと連れ戻されていった。
兵士たちの度肝を抜くことになるのは、この数分後である。
アレクセイの体力は無尽蔵のようで、愛撫は執拗かつ的確だった。
彼がルカの中に深く入り込むたび、魔力の回路が繋がり、スパークするような感覚が走る。
それは単なる性行為を超えた、魔力の循環と増幅の儀式でもあった。
「はぁっ、あ、あぁっ!」
「ルカ、俺を見ろ。他のことなど考えるな」
アレクセイはルカの顔を両手で挟み込み、碧眼で見据える。
その瞳には、もはや理性的な司令官の面影はなく、ただ一人の伴侶を愛し、独占しようとする雄の狂気が渦巻いていた。
クライマックスが近づく。
アレクセイのペニスが、ルカの最奥にある生殖口――「ノット」を受け入れるための場所――をこじ開けようとノックする。
本来、男性のオメガにとってそこは固く閉ざされているはずの場所だ。
だが、運命の番の前では、そこはいともたやすく花開く。
「入るぞ。……奥まで」
「ひっ、むり、おっきい……っ!」
「大丈夫だ。お前の体は、俺を受け入れるためにできている」
ズブリと、熱い楔がさらに奥へと侵入する。
ルカはあまりの充填感に、息が止まりそうになった。
子宮口が開かれ、アレクセイの先端がその中へと潜り込む。
全身が痺れるような快感と、本能的な恐怖がない交ぜになる。
そして、アレクセイの動きが止まった。
彼のペニスの根元が膨れ上がり、ルカの内部で抜けなくなる「ノッティング」が始まったのだ。
「あ、ぁ……ぬけ、ない……!」
「ああ、逃がさない。俺のすべてをお前に注ぎ込む」
アレクセイはルカに覆いかぶさると、無防備に晒された項(うなじ)へと牙を突き立てた。
番(つがい)の証、マーキングだ。
鋭い痛みが走り、ルカは叫び声を上げたが、それはすぐにアレクセイの唇によって封じられた。
首筋から注がれる支配の魔力と、胎内へと放たれる熱い種。
上と下、両方からアレクセイに侵食され、ルカの自我は溶けて消えそうになった。
「愛している、ルカ。お前は俺の唯一だ」
耳元で囁かれる愛の言葉。
その言葉には魔力が乗っており、呪いのようにルカの心臓に絡みついた。
もう、二度と彼から逃れることはできない。
その事実は、不思議とルカに深い安らぎを与えた。
この人の腕の中こそが、本当の意味での「巣」なのかもしれない。
薄れゆく意識の中で、ルカはアレクセイの背中に腕を回し、しがみついた。
***
翌朝。
小鳥のさえずりでルカは目を覚ました。
背中が痛い。腰が砕けそうだ。
だが、それ以上に驚いたのは、周囲の光景だった。
トマト畑が、ジャングルになっていた。
「……は?」
寝ぼけ眼で周囲を見渡す。
昨日まで膝丈ほどだったトマトの木が、見上げるような巨木に成長し、真っ赤な実を鈴なりにつけている。
それだけではない。周囲のラディッシュも、小松菜も、まるで魔物の森のように巨大化し、生い茂っていた。
「目が覚めたか、俺の可愛い番」
すぐ側から声がして、ルカは飛び上がりそうになった(腰の激痛で失敗したが)。
アレクセイが、上機嫌な様子でトマトの巨木に寄りかかっていた。
軍服は着崩したままだが、その顔には昨日までの疲労感は微塵もなく、肌艶が恐ろしく良い。
「で、殿下……これはいったい……」
「昨夜、お前と繋がった時の余剰魔力が土に流れたらしい。俺の魔力とお前の豊穣の力が合わさって、この有様だ」
アレクセイは巨大なトマトをもぎ取ると、愛おしそうに撫でた。
「素晴らしい生命力だ。これなら、砦の食糧問題どころか、国一つ養えそうだな」
「そ、そんな……」
ルカは顔を覆った。もう言い訳など通用しない。
オメガであることも、魔力のことも、すべてが露呈してしまった。
「ルカ」
アレクセイが近づき、ルカを軽々と姫抱きにした。
「きゃっ!?」
「もう騎士としての任務はさせない。お前の仕事は、俺の側でこの力を制御することと……俺の子を育てることだ」
アレクセイの手が、優しくルカの平らな腹を撫でる。
そこには、昨夜の情事によって確実に何かが芽吹き始めていた。
「まずは部屋に戻るぞ。体を清めないとな」
「あ、歩けます! 下ろしてください!」
「却下だ。昨夜あれだけ鳴いた腰で歩けるわけがないだろう」
「っ~~!」
真っ赤になるルカを見て、アレクセイは楽しげに笑った。
その笑顔は、昨日の冷徹な仮面が嘘のように、甘く、独占欲に満ちていた。
巨大化した野菜の森を背に、ルカは王子に抱かれたまま、朝の砦へと連れ戻されていった。
兵士たちの度肝を抜くことになるのは、この数分後である。
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