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エピローグ「永遠の豊穣」
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十年後。
王宮の農園は、もはや「園」という規模を超え、王立農業試験場と呼べるほどになっていた。
そこで働く研究員や農夫たちの中には、かつて北の砦で共に戦った騎士たちの姿もある。
夕暮れ時。
一人の少年が、土まみれになって走ってくる。
「お父様ー! 見て見て、すごいカボチャが採れたよ!」
銀髪碧眼の美少年、第一王子シオンだ。
彼の手には、自分の体ほどもあるカボチャが抱えられている。
「おお、よくやったなシオン。見事だ」
アレクセイがシオンを抱き上げ、頭を撫でる。
歳を重ね、さらに威厳と色気を増した国王陛下だが、家族の前ではただの親バカだ。
「さすがシオン、筋がいいですね。魔力の使い方が上手になりました」
ルカも泥だらけの手袋を外し、二人に駆け寄る。
三十代になっても変わらぬ若々しさと、幸せそうな笑顔。
彼は今や国民から「豊穣の王妃」として絶大な人気を誇っている。
「今日はカボチャのスープだな」
「グラタンもいいですね」
「僕はプリンが食べたい!」
三人の笑い声が、夕焼け空に溶けていく。
かつて隠していた秘密は、今では国を支える力となり、家族の絆となった。
ルカの蒔いた種は、確かに未来へと繋がり、永遠の幸せという実を結んだのだ。
風が吹き、緑の葉がさざめく。
その音は、まるで彼らを祝福する拍手のように聞こえた。
王宮の農園は、もはや「園」という規模を超え、王立農業試験場と呼べるほどになっていた。
そこで働く研究員や農夫たちの中には、かつて北の砦で共に戦った騎士たちの姿もある。
夕暮れ時。
一人の少年が、土まみれになって走ってくる。
「お父様ー! 見て見て、すごいカボチャが採れたよ!」
銀髪碧眼の美少年、第一王子シオンだ。
彼の手には、自分の体ほどもあるカボチャが抱えられている。
「おお、よくやったなシオン。見事だ」
アレクセイがシオンを抱き上げ、頭を撫でる。
歳を重ね、さらに威厳と色気を増した国王陛下だが、家族の前ではただの親バカだ。
「さすがシオン、筋がいいですね。魔力の使い方が上手になりました」
ルカも泥だらけの手袋を外し、二人に駆け寄る。
三十代になっても変わらぬ若々しさと、幸せそうな笑顔。
彼は今や国民から「豊穣の王妃」として絶大な人気を誇っている。
「今日はカボチャのスープだな」
「グラタンもいいですね」
「僕はプリンが食べたい!」
三人の笑い声が、夕焼け空に溶けていく。
かつて隠していた秘密は、今では国を支える力となり、家族の絆となった。
ルカの蒔いた種は、確かに未来へと繋がり、永遠の幸せという実を結んだのだ。
風が吹き、緑の葉がさざめく。
その音は、まるで彼らを祝福する拍手のように聞こえた。
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