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第37話「公爵家の末路」
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カイルが突きつけた要求を国王が全面的に受け入れたことで、アーリントン公爵家の断罪が正式に決定した。
当主であるアーリントン公爵と、その妻。
そして、リアムの兄と姉たち。
彼らは全員、王宮の広場に引き出され、多くの民衆が見守る中、その罪状を読み上げられた。
国の防衛費の横領。
王家への背信行為。
そして、実の子であり、真の浄化の力を持つリアム・アーリントンを、長年にわたって虐待し、その存在を隠蔽してきた罪。
次々と明らかにされる罪に、民衆からは怒りの声が上がる。
「国賊め!」
「リアム様を返せ!」
公爵は、最後まで自分の非を認めようとしなかった。
「私は、悪くない!悪いのは、全て出来損ないのオメガとして生まれた、リアムだ!」
その見苦しい言い訳に、民衆の怒りはさらに燃え上がる。
結局、彼らに下された判決は、爵位の剥奪と全財産の没収。
そして、一家全員、北方の修道院への終身幽閉だった。
かつて、栄華を誇った公爵家は、一日にして全てを失ったのだ。
彼らは、民衆から石を投げつけられながら、みすぼらしい馬車に乗せられ、王都を追放されていった。
その馬車の中で、彼らは互いを罵り合ったという。
「これも、お前が、あの子をちゃんと躾けなかったからだ!」
「あなたこそ、あの子の価値に気づかなかったではありませんか!」
「兄上が、もっとしっかりしていれば!」
「お前のせいだ!」
醜い、責任のなすりつけ合い。
彼らは最後まで、自分たちの過ちに気づくことはなかった。
ただ、自分たちが虐げてきた存在が、自分たちには到底手の届かない高みへと上り詰めていくのを、遠くから見ていることしかできない。
その屈辱と後悔を、一生抱えて生きていくのだ。
それは、死ぬよりも辛い罰だったのかもしれない。
この断罪の様子を、リアムはカイルの城で魔法の水晶を通して見ていた。
カイルは、見なくてもいいと言ってくれたが、リアムは自分の目で確かめたかったのだ。
自分を苦しめてきた、家族の末路を。
しかし、その光景を見ても、リアムの心は不思議なほど静かだった。
喜びも、悲しみも、怒りもない。
ただ、空っぽだった。
『ああ、この人たちは、もう僕の人生には関係のない人たちなんだ』
そう、思った。
長い間僕を縛り付けていた、家族という名の呪い。
それが、今、完全に解けていくのを感じた。
「…終わりましたね」
僕がぽつりとつぶやくと。
隣で、黙って僕の肩を抱いてくれていたカイル様が、静かにうなずいた。
「ああ。終わった」
彼は、僕の過去の全てを清算してくれた。
僕が、新しい人生を歩き出すために。
「ありがとう、ございます…カイル様」
「礼は、いらない」
彼はそう言って、僕の頭を優しく撫でた。
「お前は、これから幸せになることだけを考えればいい」
その言葉が、僕の空っぽだった心に、温かい光を灯してくれた。
僕は、もう過去には囚われない。
これからは、前だけを向いて生きていく。
この、強くて優しい人の隣で。
僕は、カイル様の胸にそっと顔をうずめた。
僕の、新しい人生が、今、ここから始まる。
当主であるアーリントン公爵と、その妻。
そして、リアムの兄と姉たち。
彼らは全員、王宮の広場に引き出され、多くの民衆が見守る中、その罪状を読み上げられた。
国の防衛費の横領。
王家への背信行為。
そして、実の子であり、真の浄化の力を持つリアム・アーリントンを、長年にわたって虐待し、その存在を隠蔽してきた罪。
次々と明らかにされる罪に、民衆からは怒りの声が上がる。
「国賊め!」
「リアム様を返せ!」
公爵は、最後まで自分の非を認めようとしなかった。
「私は、悪くない!悪いのは、全て出来損ないのオメガとして生まれた、リアムだ!」
その見苦しい言い訳に、民衆の怒りはさらに燃え上がる。
結局、彼らに下された判決は、爵位の剥奪と全財産の没収。
そして、一家全員、北方の修道院への終身幽閉だった。
かつて、栄華を誇った公爵家は、一日にして全てを失ったのだ。
彼らは、民衆から石を投げつけられながら、みすぼらしい馬車に乗せられ、王都を追放されていった。
その馬車の中で、彼らは互いを罵り合ったという。
「これも、お前が、あの子をちゃんと躾けなかったからだ!」
「あなたこそ、あの子の価値に気づかなかったではありませんか!」
「兄上が、もっとしっかりしていれば!」
「お前のせいだ!」
醜い、責任のなすりつけ合い。
彼らは最後まで、自分たちの過ちに気づくことはなかった。
ただ、自分たちが虐げてきた存在が、自分たちには到底手の届かない高みへと上り詰めていくのを、遠くから見ていることしかできない。
その屈辱と後悔を、一生抱えて生きていくのだ。
それは、死ぬよりも辛い罰だったのかもしれない。
この断罪の様子を、リアムはカイルの城で魔法の水晶を通して見ていた。
カイルは、見なくてもいいと言ってくれたが、リアムは自分の目で確かめたかったのだ。
自分を苦しめてきた、家族の末路を。
しかし、その光景を見ても、リアムの心は不思議なほど静かだった。
喜びも、悲しみも、怒りもない。
ただ、空っぽだった。
『ああ、この人たちは、もう僕の人生には関係のない人たちなんだ』
そう、思った。
長い間僕を縛り付けていた、家族という名の呪い。
それが、今、完全に解けていくのを感じた。
「…終わりましたね」
僕がぽつりとつぶやくと。
隣で、黙って僕の肩を抱いてくれていたカイル様が、静かにうなずいた。
「ああ。終わった」
彼は、僕の過去の全てを清算してくれた。
僕が、新しい人生を歩き出すために。
「ありがとう、ございます…カイル様」
「礼は、いらない」
彼はそう言って、僕の頭を優しく撫でた。
「お前は、これから幸せになることだけを考えればいい」
その言葉が、僕の空っぽだった心に、温かい光を灯してくれた。
僕は、もう過去には囚われない。
これからは、前だけを向いて生きていく。
この、強くて優しい人の隣で。
僕は、カイル様の胸にそっと顔をうずめた。
僕の、新しい人生が、今、ここから始まる。
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