16 / 16
エピローグ「最果ての地で見つけた、永遠の愛」
しおりを挟む
あれから数年の月日が流れた。
レオンは元気に走り回る活発な男の子に成長し、弟と妹も生まれて、屋敷はますます賑やかになった。
スノーバームは王都でも評判となり、ノースガルドの特産品として定着した。街は活気に溢れ、かつての寒々しい雰囲気は微塵もない。
王都の方からは、たまに噂が入ってくる。
元公爵家は没落し、王太子だったアルフレッドは辺境の小領主としてひっそりと暮らしているという。ミハイルは修道院から脱走しようとして捕まり、さらに厳重な施設へ送られたとか。
彼らのその後を聞いても、今の私には何の感情も湧かない。それは遠い国の、知らない人々の話のようだった。
春の日差しが降り注ぐ中、私は庭で子供たちと遊んでいるグリーグ様を眺めていた。
白髪が少し混じり始めたが、その逞しい背中と優しい眼差しは変わらない。
「ママ! 見て、お花見つけたよ!」
レオンが、黄色い花を摘んで駆け寄ってきた。
「まあ、きれい。ありがとう」
「パパがね、ママに似合うって言ってた!」
それを聞いて、グリーグ様と目が合った。
彼は少し照れたように笑い、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。
「ジュリアン、寒くはないか?」
「ええ、暖かいです。貴方がそばにいますから」
私たちは並んで座り、子供たちが遊ぶ姿を見守った。
追放されたあの日、私は全てを失ったと思った。
けれど、実際には何も失ってなどいなかった。むしろ、本当に必要なものを手に入れるための旅立ちだったのだ。
愛する夫、愛しい子供たち、信頼できる仲間たち。
そして、自分らしく生きられる場所。
「……幸せか?」
グリーグ様が、不意に尋ねた。
私は彼の方を向き、心からの笑顔で答えた。
「はい。世界で一番、幸せです」
彼は満足そうに頷き、私の肩を抱いた。
最果ての地で見つけた、この小さな楽園で、私たちの愛の物語はずっと続いていく。
永遠に、幸せに。
レオンは元気に走り回る活発な男の子に成長し、弟と妹も生まれて、屋敷はますます賑やかになった。
スノーバームは王都でも評判となり、ノースガルドの特産品として定着した。街は活気に溢れ、かつての寒々しい雰囲気は微塵もない。
王都の方からは、たまに噂が入ってくる。
元公爵家は没落し、王太子だったアルフレッドは辺境の小領主としてひっそりと暮らしているという。ミハイルは修道院から脱走しようとして捕まり、さらに厳重な施設へ送られたとか。
彼らのその後を聞いても、今の私には何の感情も湧かない。それは遠い国の、知らない人々の話のようだった。
春の日差しが降り注ぐ中、私は庭で子供たちと遊んでいるグリーグ様を眺めていた。
白髪が少し混じり始めたが、その逞しい背中と優しい眼差しは変わらない。
「ママ! 見て、お花見つけたよ!」
レオンが、黄色い花を摘んで駆け寄ってきた。
「まあ、きれい。ありがとう」
「パパがね、ママに似合うって言ってた!」
それを聞いて、グリーグ様と目が合った。
彼は少し照れたように笑い、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。
「ジュリアン、寒くはないか?」
「ええ、暖かいです。貴方がそばにいますから」
私たちは並んで座り、子供たちが遊ぶ姿を見守った。
追放されたあの日、私は全てを失ったと思った。
けれど、実際には何も失ってなどいなかった。むしろ、本当に必要なものを手に入れるための旅立ちだったのだ。
愛する夫、愛しい子供たち、信頼できる仲間たち。
そして、自分らしく生きられる場所。
「……幸せか?」
グリーグ様が、不意に尋ねた。
私は彼の方を向き、心からの笑顔で答えた。
「はい。世界で一番、幸せです」
彼は満足そうに頷き、私の肩を抱いた。
最果ての地で見つけた、この小さな楽園で、私たちの愛の物語はずっと続いていく。
永遠に、幸せに。
3
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
推しのために自分磨きしていたら、いつの間にか婚約者!
木月月
BL
異世界転生したモブが、前世の推し(アプリゲームの攻略対象者)の幼馴染な側近候補に同担拒否されたので、ファンとして自分磨きしたら推しの婚約者にされる話。
この話は小説家になろうにも投稿しています。
姉の代わりに舞踏会に行ったら呪われた第三王子の初恋を奪ってしまった
近井とお
BL
幼少期、ユーリは姉によく似ていることから彼女の代わりに社交の場に出席することが多々あった。ある舞踏会の夜、中庭に姿を眩ませたユーリに誰かがぶつかってくる。その正体は呪われていると噂の第三王子であったが、ぶつかられたことに腹を立てたユーリは強気に接し、ダンスを踊った後、彼を捜している気配を感じてからかいながら立ち去る。
それから数年後、第三王子は初恋の令嬢を探し始めたが、それはユーリに違いなく……。
初恋の相手を捜す第三王子×軽口令息
美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。
竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。
男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。
家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。
前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。
前世の記憶チートで優秀なことも。
だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。
愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる