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第17話「王都への帰還」
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数週間後、カイルと、人間の姿に化けたレイルは、王都の城門をくぐっていた。旅商人という偽りの身分証を使い、二人は難なく王都へ潜入することに成功した。
久しぶりに見る故郷の街並み。しかし、そこに以前の活気はなかった。道行く人々の顔は暗く、街のあちこちで聖女の圧政に対する不満の声がささやかれている。
「聖女様の奇跡も、最近はご利益がないらしい」
「高価な献金を要求されるばかりで、暮らしは苦しくなる一方だ……」
聞こえてくるのは、そんな声ばかりだった。かつては民に慕われていたはずの聖女リリアンナが、今や恐怖と搾取の対象になっている。その現実に、カイルは胸を痛めた。
「ひどいな……。俺がいた頃は、こんなじゃなかった」
「偽りの力が、メッキが剥がれてきたということだろう」
レイルが冷静に分析する。
二人が情報収集のために酒場に入ると、偶然にも聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
「カイル様は、決して聖女様を呪うような方ではなかった! 何かの間違いなんだ!」
声の主は、カイルが公爵令息だった頃に親しくしていた、数少ない友人である騎士だった。彼は同僚たちに熱弁しているが、誰も耳を貸そうとしない。
「まだそんなことを言っているのか。あの方はもう、国を裏切った罪人だぞ」
「だが、カイル様がいなくなってから、この国はおかしくなった! 聖女様も、どこか変わってしまわれた……!」
友人の変わらぬ信頼の言葉に、カイルの目頭が熱くなる。自分を信じてくれる人が、まだこの国にいた。その事実が、カイルの心を強く支えた。
(ありがとう……。君のためにも、俺は全てを明らかにしなければ)
カイルの中で、目的が一つになった。
レイルを救うこと。そして、リリアンナの偽りを暴き、この歪んでしまった王国を正すこと。
その夜、二人は宿の一室で、王城への侵入計画を練っていた。
「宝物庫の場所は覚えている。警備が手薄になる深夜を狙って、裏手から潜入しよう」
「ああ。我がお前の目となり耳となる。危険があればすぐに知らせよう」
レイルは頼もしく頷く。
窓の外では、王城が月明かりに照らされて、巨大な影としてそびえ立っていた。あの城の中に、最後の遺物と、全ての元凶がいる。
カイルは静かに闘志を燃やしていた。これは、逃げ帰ってきたのではない。真実を取り戻すための、帰還なのだ。
久しぶりに見る故郷の街並み。しかし、そこに以前の活気はなかった。道行く人々の顔は暗く、街のあちこちで聖女の圧政に対する不満の声がささやかれている。
「聖女様の奇跡も、最近はご利益がないらしい」
「高価な献金を要求されるばかりで、暮らしは苦しくなる一方だ……」
聞こえてくるのは、そんな声ばかりだった。かつては民に慕われていたはずの聖女リリアンナが、今や恐怖と搾取の対象になっている。その現実に、カイルは胸を痛めた。
「ひどいな……。俺がいた頃は、こんなじゃなかった」
「偽りの力が、メッキが剥がれてきたということだろう」
レイルが冷静に分析する。
二人が情報収集のために酒場に入ると、偶然にも聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
「カイル様は、決して聖女様を呪うような方ではなかった! 何かの間違いなんだ!」
声の主は、カイルが公爵令息だった頃に親しくしていた、数少ない友人である騎士だった。彼は同僚たちに熱弁しているが、誰も耳を貸そうとしない。
「まだそんなことを言っているのか。あの方はもう、国を裏切った罪人だぞ」
「だが、カイル様がいなくなってから、この国はおかしくなった! 聖女様も、どこか変わってしまわれた……!」
友人の変わらぬ信頼の言葉に、カイルの目頭が熱くなる。自分を信じてくれる人が、まだこの国にいた。その事実が、カイルの心を強く支えた。
(ありがとう……。君のためにも、俺は全てを明らかにしなければ)
カイルの中で、目的が一つになった。
レイルを救うこと。そして、リリアンナの偽りを暴き、この歪んでしまった王国を正すこと。
その夜、二人は宿の一室で、王城への侵入計画を練っていた。
「宝物庫の場所は覚えている。警備が手薄になる深夜を狙って、裏手から潜入しよう」
「ああ。我がお前の目となり耳となる。危険があればすぐに知らせよう」
レイルは頼もしく頷く。
窓の外では、王城が月明かりに照らされて、巨大な影としてそびえ立っていた。あの城の中に、最後の遺物と、全ての元凶がいる。
カイルは静かに闘志を燃やしていた。これは、逃げ帰ってきたのではない。真実を取り戻すための、帰還なのだ。
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