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第12話「浄化の光と王の断罪」
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瘴気の柱は、まるで天を貫く巨大な竜巻のようだった。その中心から、おびただしい数の魔物が、黒い影となって溢れ出してくる。
「総員、迎撃せよ!」
騎士団長が叫び、騎士たちが一斉に魔物の群れへと突撃していく。だが、数が多すぎる。次々と現れる魔物に、騎士たちはじりじりと後退を余儀なくされていた。
「リヒト! 瘴気の発生源を叩く! 俺が道を開ける!」
「ああ!」
俺たちはアイコンタクトを交わし、中庭へと駆け出した。
カイは、まるで黒い疾風だった。彼の振るう剣は、面白いように魔物を屠っていく。その圧倒的な強さは、騎士たちの士気を奮い立たせた。
俺もカイの背中を追いながら、迫りくる魔物を黒剣で薙ぎ払う。この剣は、魔の属性を持つものに対して絶大な威力を発揮する。聖なる力を持つ俺が使うことで、その力はさらに増幅されていた。
瘴気の柱の中心。そこには、恐怖に腰を抜かしたイザベラが座り込んでいた。彼女の身体から、黒い靄が絶え間なく溢れ出し、瘴気の柱へと吸い込まれている。
「やめろ、イザベラ! お前が力の供給を止めれば、門は閉じるはずだ!」
俺が叫ぶと、イザベラは狂ったように笑い出した。
「もう遅いのよ! あの御方との契約は、もう止められない! この国が滅びれば、私は不老不死の身体を手に入れて、リヒト、あなたと永遠に結ばれるの!」
歪んだ願望。そのために、国ひとつを犠牲にするというのか。
「ふざけるな!」
俺は彼女に向かって駆け出そうとする。だが、その前に、柱から一際巨大な魔物が姿を現し、道を塞いだ。
「カイ!」
「任せろ!」
カイが巨大な魔物を引き受けてくれる。その隙に、俺はイザベラのもとへ。
「どうすれば、契約を破棄できる!?」
「無駄よ! あの御方は、この世界の理の外にいる存在……人の力では、どうにもならない!」
『理の外……』
ならば、こちらも理の外の力を使うまでだ。
俺は黒剣を地面に突き刺し、目を閉じて意識を集中させる。
血筋の奥深くに眠る、古代から受け継がれてきた浄化の力を、呼び覚ます。
身体の芯が、熱くなる。温かい光が、俺の身体から溢れ出し始めた。それは、太陽のように眩しく、優しい光だった。
「な、何……その光は……」
イザベラが、信じられないものを見る目で俺を見つめる。
「これが、俺の一族が代々受け継いできた、真の浄化の力だ」
俺は両手を天に掲げ、全ての力を解放した。
光が爆発的に広がり、王都全体を包み込む。
光に触れた魔物たちが、苦しみの声を上げながら次々と消滅していく。空を覆っていた分厚い暗雲が晴れ、久しぶりに青い空が顔を覗かせた。
瘴気の柱も、聖なる光に浄化され、急速に勢いを失っていく。
「いやぁぁぁっ!」
イザベラが絶叫する。彼女と契約していた邪神とやらが、浄化の光に耐えきれず、繋がりを断ち切ったのだろう。力の源を失ったイザベラは、急速にその若さと美貌を失い、老婆のように萎びていった。
「そんな……嘘……私の美しさが……」
呆然と自分の手を見つめるイザベラ。それが、彼女の迎えた末路だった。
全ての魔物が消え去り、王都に静寂が戻る。
騎士も民も、呆然と空を見上げていた。そして、誰からともなく、歓声が上がった。
俺は力の使いすぎで膝をつく。すかさず、カイが駆け寄ってきて、その身体を支えてくれた。
「よくやったな、リヒト」
「カイこそ……」
俺たちは、互いに微笑み合った。
***
後日、玉座の間で、正式な裁きが行われた。
全ての力を失い、老婆となったイザベラは、国を滅ぼそうとした大罪人として、地下牢の最下層に生涯幽閉されることが決まった。
そして、アルフォンス。
彼は聖女の言いなりになり、国を危機に陥れた責任を問われ、王位継承権を剥奪。辺境の地で、生涯をかけて国の復興に尽くすよう命じられた。
「……リヒト・アーデルハイト。本当に、すまなかった」
罪人として引き立てられていくアルフォンスが、最後に俺に向かって深く頭を下げた。俺は何も言わず、ただその姿を見送った。
全てが終わり、国王が俺とカイの前に進み出た。
「リヒト殿。君は、この国の救世主だ。君の望むものは何でも与えよう。地位も、名誉も、富も」
「……俺が望むものは、一つだけです」
俺は、隣に立つカイの手を、ぎゅっと握った。
そして、国王に向かって、はっきりと告げる。
「俺の居場所は、カイの隣だけです。彼と共に、静かに暮らすこと。それが、俺の唯一の望みです」
俺の言葉に、カイが少し驚いたように目を見開く。
国王は、俺たちの握られた手を見ると、全てを察したように、穏やかに微笑んだ。
「……そうか。カイン、お前は良い伴侶を見つけたな」
それは、二人の関係を認める、という王からの言葉だった。
「総員、迎撃せよ!」
騎士団長が叫び、騎士たちが一斉に魔物の群れへと突撃していく。だが、数が多すぎる。次々と現れる魔物に、騎士たちはじりじりと後退を余儀なくされていた。
「リヒト! 瘴気の発生源を叩く! 俺が道を開ける!」
「ああ!」
俺たちはアイコンタクトを交わし、中庭へと駆け出した。
カイは、まるで黒い疾風だった。彼の振るう剣は、面白いように魔物を屠っていく。その圧倒的な強さは、騎士たちの士気を奮い立たせた。
俺もカイの背中を追いながら、迫りくる魔物を黒剣で薙ぎ払う。この剣は、魔の属性を持つものに対して絶大な威力を発揮する。聖なる力を持つ俺が使うことで、その力はさらに増幅されていた。
瘴気の柱の中心。そこには、恐怖に腰を抜かしたイザベラが座り込んでいた。彼女の身体から、黒い靄が絶え間なく溢れ出し、瘴気の柱へと吸い込まれている。
「やめろ、イザベラ! お前が力の供給を止めれば、門は閉じるはずだ!」
俺が叫ぶと、イザベラは狂ったように笑い出した。
「もう遅いのよ! あの御方との契約は、もう止められない! この国が滅びれば、私は不老不死の身体を手に入れて、リヒト、あなたと永遠に結ばれるの!」
歪んだ願望。そのために、国ひとつを犠牲にするというのか。
「ふざけるな!」
俺は彼女に向かって駆け出そうとする。だが、その前に、柱から一際巨大な魔物が姿を現し、道を塞いだ。
「カイ!」
「任せろ!」
カイが巨大な魔物を引き受けてくれる。その隙に、俺はイザベラのもとへ。
「どうすれば、契約を破棄できる!?」
「無駄よ! あの御方は、この世界の理の外にいる存在……人の力では、どうにもならない!」
『理の外……』
ならば、こちらも理の外の力を使うまでだ。
俺は黒剣を地面に突き刺し、目を閉じて意識を集中させる。
血筋の奥深くに眠る、古代から受け継がれてきた浄化の力を、呼び覚ます。
身体の芯が、熱くなる。温かい光が、俺の身体から溢れ出し始めた。それは、太陽のように眩しく、優しい光だった。
「な、何……その光は……」
イザベラが、信じられないものを見る目で俺を見つめる。
「これが、俺の一族が代々受け継いできた、真の浄化の力だ」
俺は両手を天に掲げ、全ての力を解放した。
光が爆発的に広がり、王都全体を包み込む。
光に触れた魔物たちが、苦しみの声を上げながら次々と消滅していく。空を覆っていた分厚い暗雲が晴れ、久しぶりに青い空が顔を覗かせた。
瘴気の柱も、聖なる光に浄化され、急速に勢いを失っていく。
「いやぁぁぁっ!」
イザベラが絶叫する。彼女と契約していた邪神とやらが、浄化の光に耐えきれず、繋がりを断ち切ったのだろう。力の源を失ったイザベラは、急速にその若さと美貌を失い、老婆のように萎びていった。
「そんな……嘘……私の美しさが……」
呆然と自分の手を見つめるイザベラ。それが、彼女の迎えた末路だった。
全ての魔物が消え去り、王都に静寂が戻る。
騎士も民も、呆然と空を見上げていた。そして、誰からともなく、歓声が上がった。
俺は力の使いすぎで膝をつく。すかさず、カイが駆け寄ってきて、その身体を支えてくれた。
「よくやったな、リヒト」
「カイこそ……」
俺たちは、互いに微笑み合った。
***
後日、玉座の間で、正式な裁きが行われた。
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そして、アルフォンス。
彼は聖女の言いなりになり、国を危機に陥れた責任を問われ、王位継承権を剥奪。辺境の地で、生涯をかけて国の復興に尽くすよう命じられた。
「……リヒト・アーデルハイト。本当に、すまなかった」
罪人として引き立てられていくアルフォンスが、最後に俺に向かって深く頭を下げた。俺は何も言わず、ただその姿を見送った。
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「リヒト殿。君は、この国の救世主だ。君の望むものは何でも与えよう。地位も、名誉も、富も」
「……俺が望むものは、一つだけです」
俺は、隣に立つカイの手を、ぎゅっと握った。
そして、国王に向かって、はっきりと告げる。
「俺の居場所は、カイの隣だけです。彼と共に、静かに暮らすこと。それが、俺の唯一の望みです」
俺の言葉に、カイが少し驚いたように目を見開く。
国王は、俺たちの握られた手を見ると、全てを察したように、穏やかに微笑んだ。
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