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第15話 王宮との対峙
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アルと聖獣たちの一行が王都の正門に到着すると、その異様な光景に、門を守る衛兵たちは色めき立った。伝説の聖獣を複数体も引き連れた行列など、建国以来、誰も見たことがない。
「な、何者だ!」
衛兵たちが慌てて槍を構えるが、先頭に立つギデオンが、騎士団長の紋章を掲げて一喝した。
「開門せよ!王の命である!」
騎士団長の帰還に、衛兵たちは慌てて門を開ける。しかし、彼らの視線は、ギデオンの後ろに控えるアルと聖獣たちに釘付けになっていた。フェンリルとグリフォンが放つ、肌をピリピリと刺すような圧倒的なプレッシャーの前に、屈強な兵士たちでさえ、恐怖で満足に動くことすらできない。
一行が王宮前の広場に到着すると、噂を聞きつけた兵士たちが、あっという間に彼らを取り囲んだ。しかし、それだけだった。誰もが、聖獣たちの神聖さと、その内に秘めた計り知れない力に圧倒され、ただ遠巻きに見ていることしかできなかったのだ。
やがて、兵士たちの輪が割れ、その向こうから一人の人物が現れた。
豪華な装飾の施された衣服、傲慢な表情、そして、その瞳に浮かぶ焦りの色。第一王子、クラウスだった。彼は、ギデオンが連れてきたという「聖獣を手懐ける者」を一目見ようと、自ら出てきたのだ。
そして、彼はアルの姿を認め、眉をひそめた。
「……貴様は……。どこかで見た顔だと思えば、俺が追放した、あの味覚音痴の見習いではないか。なぜ、貴様がここにいる!」
クラウスは、アルが聖獣を従えているという現実を受け入れられず、ただ目の前の青年が、かつて自分が捨てたゴミであるという事実だけを声高に叫んだ。
その侮辱の言葉に、フェンの空気が一変した。今にも飛びかからんとするフェンを、アルは片手でそっと制する。
アルは、もう昔の彼ではなかった。怯え、俯く青年はもういない。彼はクラウスの目をまっすぐに見返し、静かに、しかし、凛とした声で言った。
「お久しぶりです、クラウス王子。ええ、あなた様が『魔物の森』へ追放した、料理人アルです」
「……その、化け物どもはなんだ。貴様、森の魔物と手を組み、国に仇なすつもりか!」
クラウスは、自分の理解を超えた状況を、すべてアルの反逆に結びつけようとした。
アルは、その言葉を鼻で笑った。そして、彼は、王宮にいる全ての人間たちに聞こえるように、堂々と宣言した。
「いいえ、王子。僕は、この国を救いに来ました。あなたが、その舌で壊してしまった、この国を」
そして、彼は挑戦的な笑みを浮かべた。
「私を追放したことを、後悔させてあげます。――料理で」
その言葉は、宣戦布告だった。無能と蔑まれた青年が、かつての支配者に向かって突きつけた、料理人としてのプライドを賭けた挑戦状。
クラウスは、アルのあまりの変貌ぶりに、そしてその言葉の持つ力に、一瞬、たじろいだ。広場にいた誰もが、固唾をのんで二人を見守る。
ギデオンが間に入り、状況を説明することで、本格的な戦闘は回避された。しかし、アルとクラウスの間の、見えない火花は激しく散っていた。
対決の舞台は、整った。アルは、自分を追放した王宮で、己の料理が持つ本当の価値を証明する戦いに、今、挑もうとしていた。
「な、何者だ!」
衛兵たちが慌てて槍を構えるが、先頭に立つギデオンが、騎士団長の紋章を掲げて一喝した。
「開門せよ!王の命である!」
騎士団長の帰還に、衛兵たちは慌てて門を開ける。しかし、彼らの視線は、ギデオンの後ろに控えるアルと聖獣たちに釘付けになっていた。フェンリルとグリフォンが放つ、肌をピリピリと刺すような圧倒的なプレッシャーの前に、屈強な兵士たちでさえ、恐怖で満足に動くことすらできない。
一行が王宮前の広場に到着すると、噂を聞きつけた兵士たちが、あっという間に彼らを取り囲んだ。しかし、それだけだった。誰もが、聖獣たちの神聖さと、その内に秘めた計り知れない力に圧倒され、ただ遠巻きに見ていることしかできなかったのだ。
やがて、兵士たちの輪が割れ、その向こうから一人の人物が現れた。
豪華な装飾の施された衣服、傲慢な表情、そして、その瞳に浮かぶ焦りの色。第一王子、クラウスだった。彼は、ギデオンが連れてきたという「聖獣を手懐ける者」を一目見ようと、自ら出てきたのだ。
そして、彼はアルの姿を認め、眉をひそめた。
「……貴様は……。どこかで見た顔だと思えば、俺が追放した、あの味覚音痴の見習いではないか。なぜ、貴様がここにいる!」
クラウスは、アルが聖獣を従えているという現実を受け入れられず、ただ目の前の青年が、かつて自分が捨てたゴミであるという事実だけを声高に叫んだ。
その侮辱の言葉に、フェンの空気が一変した。今にも飛びかからんとするフェンを、アルは片手でそっと制する。
アルは、もう昔の彼ではなかった。怯え、俯く青年はもういない。彼はクラウスの目をまっすぐに見返し、静かに、しかし、凛とした声で言った。
「お久しぶりです、クラウス王子。ええ、あなた様が『魔物の森』へ追放した、料理人アルです」
「……その、化け物どもはなんだ。貴様、森の魔物と手を組み、国に仇なすつもりか!」
クラウスは、自分の理解を超えた状況を、すべてアルの反逆に結びつけようとした。
アルは、その言葉を鼻で笑った。そして、彼は、王宮にいる全ての人間たちに聞こえるように、堂々と宣言した。
「いいえ、王子。僕は、この国を救いに来ました。あなたが、その舌で壊してしまった、この国を」
そして、彼は挑戦的な笑みを浮かべた。
「私を追放したことを、後悔させてあげます。――料理で」
その言葉は、宣戦布告だった。無能と蔑まれた青年が、かつての支配者に向かって突きつけた、料理人としてのプライドを賭けた挑戦状。
クラウスは、アルのあまりの変貌ぶりに、そしてその言葉の持つ力に、一瞬、たじろいだ。広場にいた誰もが、固唾をのんで二人を見守る。
ギデオンが間に入り、状況を説明することで、本格的な戦闘は回避された。しかし、アルとクラウスの間の、見えない火花は激しく散っていた。
対決の舞台は、整った。アルは、自分を追放した王宮で、己の料理が持つ本当の価値を証明する戦いに、今、挑もうとしていた。
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