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第14話 聖獣軍団、王都へ
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アルの帰還の決意は、森の仲間たちにもすぐに伝えられた。
「アルが行くなら、我も行こう!空からの脅威は、このグリフォンが許さん!」
誇り高き空の王者が、真っ先に名乗りを上げた。
『私たちも、アルの力を貸します』
森の木々の中から、美しいドリアードたちが姿を現し、微笑んだ。彼女たちが力を貸してくれれば、道中の食料や薬草には困らないだろう。
アルの足元では、カーバンクルの群れが「キュイ、キュイ!」と鳴きながら、自分たちも連れて行けとアピールしている。彼らが生み出す宝石には、微弱ながらも魔力を浄化する作用があった。
こうして、アルの王都への帰還は、彼一人だけの旅ではなくなった。伝説の聖獣フェンリルとグリフォンを筆頭に、森の精霊や数多の聖獣たちを引き連れた、前代未聞の大行進となったのだ。
麓の村を出発する日、村人たちは総出でアルたちを見送った。
「聖人様、どうかお気をつけて!」
「国を、お救いください!」
彼らは、アルから受けた恩を忘れてはいなかった。アルに救われた子ヤギや犬たちも、主人の足元で心配そうに鳴いている。アルは笑顔で一人一人に手を振り、必ず戻ってくると約束した。
ギデオン率いる騎士団を先頭に、アルと聖獣たちの一行は、王都へと続く街道を進み始めた。
その光景は、圧巻の一言だった。
先頭を歩くのは、人型のフェンと、その隣に並ぶアル。彼らの後方には、宝石のように輝くカーバンクルたちが続き、上空では巨大なグリフォンが悠々と翼を広げて旋回している。行列の周りには、森からついてきた動物たちや、姿は見えないがドリアードたちの気配が満ちていた。
街道を行く人々は、その威風堂々たる行列を目の当たりにして、言葉を失った。誰もが本能的に、彼らが神聖な存在であることを理解し、畏敬の念と共に道を開けた。
「な、なんだ、あの一行は……」
「あの黒狼とグリフォン……まさか、伝説の聖獣……!」
「それを従えているのは、まだ若い青年ではないか……」
噂は、行列が進むよりも速く、各地の町や村へと広がっていく。辺境の森から現れた、聖獣を従えし青年。彼は、病に沈む王国を救うために現れた、伝説の勇者か、あるいは神の御使いなのではないか、と。
アルは、人々の畏怖と期待の視線を感じながら、静かに前を見据えていた。数ヶ月前、たった一人で、絶望の中をこの道を逆方向に進んでいたのが、まるで嘘のようだ。
(僕は、もう一人じゃない)
隣を歩くフェンの体温を感じ、上空を見上げればグリフォンの雄大な姿がある。背後には、自分を信じてついてきてくれる、たくさんの仲間たちがいる。
彼はもはや、王宮から追放された、無力な見習い料理人ではなかった。聖獣たちという最強の家族を得て、国の運命をその手に託された、一人の料理人として、今、胸を張って王都へと向かっている。
やがて、長い旅路の果てに、見慣れた王都の城壁が見えてきた。かつて、夢と希望を抱いてくぐり、そして絶望と共に追い出された場所。
「……着いたね、フェン」
「ああ。ここからが、本当の戦場だ」
フェンの黄金の瞳が、鋭く王宮を射抜いた。アルは、こくりと頷く。彼の心は、不思議なほど穏やかだった。なぜなら、彼の武器は剣でも魔法でもなく、いつも使っている、フライパンと鍋なのだから。
「アルが行くなら、我も行こう!空からの脅威は、このグリフォンが許さん!」
誇り高き空の王者が、真っ先に名乗りを上げた。
『私たちも、アルの力を貸します』
森の木々の中から、美しいドリアードたちが姿を現し、微笑んだ。彼女たちが力を貸してくれれば、道中の食料や薬草には困らないだろう。
アルの足元では、カーバンクルの群れが「キュイ、キュイ!」と鳴きながら、自分たちも連れて行けとアピールしている。彼らが生み出す宝石には、微弱ながらも魔力を浄化する作用があった。
こうして、アルの王都への帰還は、彼一人だけの旅ではなくなった。伝説の聖獣フェンリルとグリフォンを筆頭に、森の精霊や数多の聖獣たちを引き連れた、前代未聞の大行進となったのだ。
麓の村を出発する日、村人たちは総出でアルたちを見送った。
「聖人様、どうかお気をつけて!」
「国を、お救いください!」
彼らは、アルから受けた恩を忘れてはいなかった。アルに救われた子ヤギや犬たちも、主人の足元で心配そうに鳴いている。アルは笑顔で一人一人に手を振り、必ず戻ってくると約束した。
ギデオン率いる騎士団を先頭に、アルと聖獣たちの一行は、王都へと続く街道を進み始めた。
その光景は、圧巻の一言だった。
先頭を歩くのは、人型のフェンと、その隣に並ぶアル。彼らの後方には、宝石のように輝くカーバンクルたちが続き、上空では巨大なグリフォンが悠々と翼を広げて旋回している。行列の周りには、森からついてきた動物たちや、姿は見えないがドリアードたちの気配が満ちていた。
街道を行く人々は、その威風堂々たる行列を目の当たりにして、言葉を失った。誰もが本能的に、彼らが神聖な存在であることを理解し、畏敬の念と共に道を開けた。
「な、なんだ、あの一行は……」
「あの黒狼とグリフォン……まさか、伝説の聖獣……!」
「それを従えているのは、まだ若い青年ではないか……」
噂は、行列が進むよりも速く、各地の町や村へと広がっていく。辺境の森から現れた、聖獣を従えし青年。彼は、病に沈む王国を救うために現れた、伝説の勇者か、あるいは神の御使いなのではないか、と。
アルは、人々の畏怖と期待の視線を感じながら、静かに前を見据えていた。数ヶ月前、たった一人で、絶望の中をこの道を逆方向に進んでいたのが、まるで嘘のようだ。
(僕は、もう一人じゃない)
隣を歩くフェンの体温を感じ、上空を見上げればグリフォンの雄大な姿がある。背後には、自分を信じてついてきてくれる、たくさんの仲間たちがいる。
彼はもはや、王宮から追放された、無力な見習い料理人ではなかった。聖獣たちという最強の家族を得て、国の運命をその手に託された、一人の料理人として、今、胸を張って王都へと向かっている。
やがて、長い旅路の果てに、見慣れた王都の城壁が見えてきた。かつて、夢と希望を抱いてくぐり、そして絶望と共に追い出された場所。
「……着いたね、フェン」
「ああ。ここからが、本当の戦場だ」
フェンの黄金の瞳が、鋭く王宮を射抜いた。アルは、こくりと頷く。彼の心は、不思議なほど穏やかだった。なぜなら、彼の武器は剣でも魔法でもなく、いつも使っている、フライパンと鍋なのだから。
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