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第19話「光と影の共闘」
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ノアが作り出した巨大な影の天蓋は、戦いの流れを劇的に変えた。
地の利を得たバシラ軍は、地の利を失い混乱するサルディス軍を相手に、圧倒的優勢に戦を進めていた。兵の数では劣るものの、一人一人の練度はバシラ軍の方が遥かに上だ。涼しい環境の中、彼らはその実力を遺憾なく発揮した。
その中でも、王であるジャファルの戦いぶりは、まさに獅子奮迅の活躍だった。
愛馬を駆り、自ら最前線で剣を振るうその姿は、敵兵にとっては悪夢、味方にとっては守護神そのものだった。彼の振るう剣は、まるで天に守られているかのように敵の攻撃を弾き、正確に敵将の鎧を貫いていく。
「陛下に続けー!」
「我らが王は、太陽よりも眩しいぞ!」
兵士たちは、王の勇姿に鼓舞され、次々と敵を打ち破っていく。
ジャファルは、敵を斬り伏せながらも、常に頭上の影の存在を感じていた。この涼やかさが、自分と兵士たちを守ってくれている。遠い王都で、ノアが命を削るようにして、この奇跡を生み出してくれている。
(ノア……お前が、私に力をくれているのだな)
そう思うと、体の奥から力が湧き上がってくるようだった。疲労も恐怖も感じない。ただ、愛しい人の元へ、一刻も早く勝利を届けて帰りたいという思いだけが、彼を突き動かしていた。
その頃、王宮の塔で力を送り続けるノアは、限界に近づいていた。
これほど広範囲に、長時間力を使い続けるのは初めてのことだった。全身の血が逆流するような感覚に、意識が何度も遠のきそうになる。視界が白く点滅し、立っているのもやっとだった。
それでも、彼は歯を食いしばって耐え続けた。
心の中で、ジャファルの姿を思い描く。彼の勇ましい姿、優しい笑顔、そして自分を「至宝」と呼んでくれた熱い声。
(ジャファル様、無事でいて……)
その祈りが、ノアの最後の支えだった。
まるで、二人の魂が、時と場所を超えて繋がっているかのようだった。
ノアの祈りが、ジャファルに力を与え、ジャファルの戦う姿が、ノアに力を耐えさせる勇気を与える。
離れていても、二人の心は固く結びつき、共に戦っていた。
光の王として戦場で輝くジャファルと、影の聖人として空から彼を守るノア。
それは、誰にも引き裂くことのできない、光と影の共闘だった。
戦況は、もはや覆しがたいほどバシラに傾いていた。サルディス軍は総崩れとなり、敗走を始めようとしていた。バシラの完全勝利は、目前に迫っていた。
地の利を得たバシラ軍は、地の利を失い混乱するサルディス軍を相手に、圧倒的優勢に戦を進めていた。兵の数では劣るものの、一人一人の練度はバシラ軍の方が遥かに上だ。涼しい環境の中、彼らはその実力を遺憾なく発揮した。
その中でも、王であるジャファルの戦いぶりは、まさに獅子奮迅の活躍だった。
愛馬を駆り、自ら最前線で剣を振るうその姿は、敵兵にとっては悪夢、味方にとっては守護神そのものだった。彼の振るう剣は、まるで天に守られているかのように敵の攻撃を弾き、正確に敵将の鎧を貫いていく。
「陛下に続けー!」
「我らが王は、太陽よりも眩しいぞ!」
兵士たちは、王の勇姿に鼓舞され、次々と敵を打ち破っていく。
ジャファルは、敵を斬り伏せながらも、常に頭上の影の存在を感じていた。この涼やかさが、自分と兵士たちを守ってくれている。遠い王都で、ノアが命を削るようにして、この奇跡を生み出してくれている。
(ノア……お前が、私に力をくれているのだな)
そう思うと、体の奥から力が湧き上がってくるようだった。疲労も恐怖も感じない。ただ、愛しい人の元へ、一刻も早く勝利を届けて帰りたいという思いだけが、彼を突き動かしていた。
その頃、王宮の塔で力を送り続けるノアは、限界に近づいていた。
これほど広範囲に、長時間力を使い続けるのは初めてのことだった。全身の血が逆流するような感覚に、意識が何度も遠のきそうになる。視界が白く点滅し、立っているのもやっとだった。
それでも、彼は歯を食いしばって耐え続けた。
心の中で、ジャファルの姿を思い描く。彼の勇ましい姿、優しい笑顔、そして自分を「至宝」と呼んでくれた熱い声。
(ジャファル様、無事でいて……)
その祈りが、ノアの最後の支えだった。
まるで、二人の魂が、時と場所を超えて繋がっているかのようだった。
ノアの祈りが、ジャファルに力を与え、ジャファルの戦う姿が、ノアに力を耐えさせる勇気を与える。
離れていても、二人の心は固く結びつき、共に戦っていた。
光の王として戦場で輝くジャファルと、影の聖人として空から彼を守るノア。
それは、誰にも引き裂くことのできない、光と影の共闘だった。
戦況は、もはや覆しがたいほどバシラに傾いていた。サルディス軍は総崩れとなり、敗走を始めようとしていた。バシラの完全勝利は、目前に迫っていた。
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