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第07話「王宮からの召喚状と、すれ違う二人の想い」
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闘技場での一件は、瞬く間に学院中に知れ渡った。アランが仕掛けた決闘で、リオネスさんが重傷を負ったこと。そして、俺の作ったポーションが、その傷を一瞬で完治させたこと。
噂は誇張され、俺はいつの間にか「聖なる力を持つ奇跡の薬草師」として、畏敬と好奇の目で見られるようになっていた。おかげで、以前のように侮蔑されることはなくなったが、代わりに遠巻きにされ、気軽に話しかけてくる者はいなくなった。
(まあ、元々友達なんていなかったし、別にいいか)
俺は今まで通り、放課後は薬草園の温室で、薬草の研究とリオネスさんへの講義を続けるだけだ。
リオネスさんはあの日以来、より一層俺に寄り添ってくれるようになった。俺が自分のスキル「生命のささやき」をコントロールできるよう、訓練にも付き合ってくれるようになった。
「力を制御するには、まず自分の力を正確に知る必要がある。一度、限界まで力を込めてポーションを作ってみてくれ。俺が側にいるから、心配するな」
彼の言葉に励まされ、俺はスキルの本格的な検証を始めた。分かったことはいくつかある。
まず、このスキルは俺の体力をかなり消耗するらしい。全力で発動させると、数日間寝込むほどの疲労感に襲われた。次に、効果は薬草の種類や組み合わせによって大きく変動すること。そして最も重要なのは、俺の「想い」が、薬の効果に大きく影響するということだった。
「リオネスさんの疲れが取れますように」と強く念じながら作れば、驚異的な疲労回復効果が発揮される。「この傷が治りますように」と祈りを込めれば、治癒効果が高まる。まるで、俺の意志が薬草たちに伝わり、それを具現化してくれているようだった。
「すごい力だ……これは、使い方次第で国さえ動かせるかもしれない」
リオネスさんは感嘆の声を漏らしながらも、その表情には憂いの色が浮かんでいた。
「ハル。この力は、決して人前で軽々しく使ってはいけない。特に、その力の源が君の『想い』にあることは、誰にも知られてはならない」
「どうしてですか?」
「悪意ある者に知られれば、君の心が利用される。君を意のままに操るために、君の大切なものを人質に取るような輩が、必ず現れる」
彼の真剣な言葉に、俺は背筋が寒くなるのを感じた。俺の力が、誰かを傷つけるために使われるなんて、考えたくもない。
「分かってます。この力は、リオネスさんと……僕の大切な人を守るためにだけ、使います」
俺がそう言うと、彼は一瞬、寂しそうな顔をした。
「……そうか」
短い返事。その反応に、俺は少し胸が痛んだ。俺にとっての大切な人は、もちろん彼のことも含んでいるのに、うまく伝わらなかったのかもしれない。
そんなある日、俺の元に一通の手紙が届いた。差出人の名を見て、俺は我が目を疑った。そこに記されていたのは、きらびやかな王家の紋章。王宮からの召喚状だった。
「王立中央薬草研究所への推薦……?」
手紙には、俺の薬草師としての類稀なる才能を評価し、王立の研究員として迎え入れたい、と書かれていた。闘技場での一件が、どうやら王族の耳にまで届いてしまったらしい。
平民の俺が、国の最高研究機関へ。普通に考えれば、これ以上ないほどの名誉なことだ。だが、俺の心は少しも晴れなかった。
研究所に行けば、リオネスさんと会えなくなる。この学院の薬草園で、二人きりで過ごす穏やかな時間が、なくなってしまう。それが、たまらなく嫌だった。
放課後、いつもの温室でリオネスさんに手紙を見せると、彼は静かにそれに目を通した。
「……そうか。当然だな。君ほどの才能を、国が放っておくはずがない」
彼の声には、感情が乗っていなかった。おめでとう、とも、行くな、とも言わない。ただ、事実を淡々と述べただけ。
「これは、君にとって大きな好機だ。思う存分、研究に打ち込めるだろう」
「……リオネスさんは、僕に行ってほしいんですか?」
思わず、詰問するような口調になってしまった。彼は俺の視線を真っ直ぐに受け止めると、静かに頷いた。
「ああ。君の夢が叶うのなら、俺はそれを応援したい」
その言葉に、俺の心は冷水を浴びせられたように冷たくなった。
(なんだ……応援してくれるんだ。引き止めても、くれないんだ)
勝手な期待をしていた自分が、馬鹿みたいだ。彼にとって、俺はあくまで「知識の優れた弟子」で、「守るべき対象」でしかない。俺が彼を想うような、特別な感情は、彼にはないのだ。
俺たちの間に、身分というどうしようもなく高い壁が横たわっていることを、改めて思い知らされた。
「……分かりました。推薦、お受けします」
俺は、自分でも驚くほど冷たい声でそう言った。リオネスさんの顔を見ることができなくて、俯いたまま、薬草の手入れを始める。
「そうか。良かったな」
彼の声も、どこかよそよそしかった。それから、俺たちの間には気まずい沈黙が流れた。いつもは尽きることのなかった会話が、嘘のように途切れる。
(これで、良かったんだ。いつまでも、学生気分でいちゃいけない)
俺は自分の道を進む。彼は彼の道を進む。ただ、それだけのことだ。自分にそう言い聞かせれば聞かせるほど、胸の奥がずきずきと痛んだ。
結局、その日はほとんど口を利かないまま、俺たちは別れた。彼の背中が、いつもよりずっと遠くに見えた。
その夜、俺は一人、ベッドの中で泣いた。リオネスさんが好きだという気持ちも、彼のそばにいたいという願いも、全部心の奥にしまい込んで、鍵をかけることにした。それが、彼のためであり、自分のためでもあると、信じて。
すれ違ってしまった二人の想い。俺が研究所へ行くことを決めたことで、俺たちの関係は、終わりを告げようとしていた。
噂は誇張され、俺はいつの間にか「聖なる力を持つ奇跡の薬草師」として、畏敬と好奇の目で見られるようになっていた。おかげで、以前のように侮蔑されることはなくなったが、代わりに遠巻きにされ、気軽に話しかけてくる者はいなくなった。
(まあ、元々友達なんていなかったし、別にいいか)
俺は今まで通り、放課後は薬草園の温室で、薬草の研究とリオネスさんへの講義を続けるだけだ。
リオネスさんはあの日以来、より一層俺に寄り添ってくれるようになった。俺が自分のスキル「生命のささやき」をコントロールできるよう、訓練にも付き合ってくれるようになった。
「力を制御するには、まず自分の力を正確に知る必要がある。一度、限界まで力を込めてポーションを作ってみてくれ。俺が側にいるから、心配するな」
彼の言葉に励まされ、俺はスキルの本格的な検証を始めた。分かったことはいくつかある。
まず、このスキルは俺の体力をかなり消耗するらしい。全力で発動させると、数日間寝込むほどの疲労感に襲われた。次に、効果は薬草の種類や組み合わせによって大きく変動すること。そして最も重要なのは、俺の「想い」が、薬の効果に大きく影響するということだった。
「リオネスさんの疲れが取れますように」と強く念じながら作れば、驚異的な疲労回復効果が発揮される。「この傷が治りますように」と祈りを込めれば、治癒効果が高まる。まるで、俺の意志が薬草たちに伝わり、それを具現化してくれているようだった。
「すごい力だ……これは、使い方次第で国さえ動かせるかもしれない」
リオネスさんは感嘆の声を漏らしながらも、その表情には憂いの色が浮かんでいた。
「ハル。この力は、決して人前で軽々しく使ってはいけない。特に、その力の源が君の『想い』にあることは、誰にも知られてはならない」
「どうしてですか?」
「悪意ある者に知られれば、君の心が利用される。君を意のままに操るために、君の大切なものを人質に取るような輩が、必ず現れる」
彼の真剣な言葉に、俺は背筋が寒くなるのを感じた。俺の力が、誰かを傷つけるために使われるなんて、考えたくもない。
「分かってます。この力は、リオネスさんと……僕の大切な人を守るためにだけ、使います」
俺がそう言うと、彼は一瞬、寂しそうな顔をした。
「……そうか」
短い返事。その反応に、俺は少し胸が痛んだ。俺にとっての大切な人は、もちろん彼のことも含んでいるのに、うまく伝わらなかったのかもしれない。
そんなある日、俺の元に一通の手紙が届いた。差出人の名を見て、俺は我が目を疑った。そこに記されていたのは、きらびやかな王家の紋章。王宮からの召喚状だった。
「王立中央薬草研究所への推薦……?」
手紙には、俺の薬草師としての類稀なる才能を評価し、王立の研究員として迎え入れたい、と書かれていた。闘技場での一件が、どうやら王族の耳にまで届いてしまったらしい。
平民の俺が、国の最高研究機関へ。普通に考えれば、これ以上ないほどの名誉なことだ。だが、俺の心は少しも晴れなかった。
研究所に行けば、リオネスさんと会えなくなる。この学院の薬草園で、二人きりで過ごす穏やかな時間が、なくなってしまう。それが、たまらなく嫌だった。
放課後、いつもの温室でリオネスさんに手紙を見せると、彼は静かにそれに目を通した。
「……そうか。当然だな。君ほどの才能を、国が放っておくはずがない」
彼の声には、感情が乗っていなかった。おめでとう、とも、行くな、とも言わない。ただ、事実を淡々と述べただけ。
「これは、君にとって大きな好機だ。思う存分、研究に打ち込めるだろう」
「……リオネスさんは、僕に行ってほしいんですか?」
思わず、詰問するような口調になってしまった。彼は俺の視線を真っ直ぐに受け止めると、静かに頷いた。
「ああ。君の夢が叶うのなら、俺はそれを応援したい」
その言葉に、俺の心は冷水を浴びせられたように冷たくなった。
(なんだ……応援してくれるんだ。引き止めても、くれないんだ)
勝手な期待をしていた自分が、馬鹿みたいだ。彼にとって、俺はあくまで「知識の優れた弟子」で、「守るべき対象」でしかない。俺が彼を想うような、特別な感情は、彼にはないのだ。
俺たちの間に、身分というどうしようもなく高い壁が横たわっていることを、改めて思い知らされた。
「……分かりました。推薦、お受けします」
俺は、自分でも驚くほど冷たい声でそう言った。リオネスさんの顔を見ることができなくて、俯いたまま、薬草の手入れを始める。
「そうか。良かったな」
彼の声も、どこかよそよそしかった。それから、俺たちの間には気まずい沈黙が流れた。いつもは尽きることのなかった会話が、嘘のように途切れる。
(これで、良かったんだ。いつまでも、学生気分でいちゃいけない)
俺は自分の道を進む。彼は彼の道を進む。ただ、それだけのことだ。自分にそう言い聞かせれば聞かせるほど、胸の奥がずきずきと痛んだ。
結局、その日はほとんど口を利かないまま、俺たちは別れた。彼の背中が、いつもよりずっと遠くに見えた。
その夜、俺は一人、ベッドの中で泣いた。リオネスさんが好きだという気持ちも、彼のそばにいたいという願いも、全部心の奥にしまい込んで、鍵をかけることにした。それが、彼のためであり、自分のためでもあると、信じて。
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