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第12話「夜明けの光、永遠の番」
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どれくらいの時間が経っただろうか。
意識がゆっくりと浮上してくると、まず感じたのは身体中を満たす今までにないほどの力強いエネルギーだった。
あれほど俺を悩ませていたΩ特有の気怠さは完全に消え去り、代わりに漲るような活力が全身を駆け巡っている。
そしてもう一つ、隣で眠るラッセルの寝息が驚くほど穏やかで、力強いものに変わっていることに気づいた。
俺はそっと身体を起こし、彼の顔を覗き込んだ。
月の光に照らされたその顔は、以前の青白さはなく健康的な血色を取り戻している。
規則正しく上下する胸の動きも、苦しげな様子は一切ない。
呪いは、解けたのだ。
その事実を実感した瞬間、安堵と喜びで涙が溢れて止まらなくなった。
俺は、この人を守れた。
救うことができた。
「……レオン?」
俺の嗚咽に気づいたのか、ラッセルがゆっくりと目を開けた。
その紫紺の瞳は、以前よりもさらに澄み渡り力強い光を宿している。
「泣いているのか?」
彼は、優しい手つきで俺の涙を拭うとゆっくりと身体を起こした。
その動きは、信じられないほど滑らかで力強かった。
病弱だった頃の彼とは、まるで別人だ。
「見てくれ、レオン。身体が、軽いんだ。息苦しさも、痛みも、何もない。こんな感覚は、生まれて初めてだ」
ラッセルは、自分の手を見つめそれを握りしめ、まるで奇跡を確かめるように何度も身体を動かした。
その姿は、初めて自由を手に入れた子供のようで俺は涙で濡れた顔のまま、微笑んだ。
「よかった……本当によかった、ラッセル」
「ああ。すべて、お前のおかげだ。私の、愛しい番」
ラッセルは、俺を力強く抱きしめた。
その腕の力は、以前とは比べ物にならないほど逞しく俺の身体がミシリと音を立てるほどだった。
だが、その強さが今は何よりも愛おしかった。
「ありがとう、レオン。私を救ってくれて。私と共に生きることを、選んでくれて」
「礼を言うのは、俺の方だ。俺に、居場所をくれてありがとう」
俺たちは、どちらからともなく唇を重ねた。
それは、魂の結びつきを確かめ合うような深く、そして神聖なキスだった。
夜が明け、朝日が泉を照らし始めた頃、俺たちは屋敷へと戻った。
ラッセルの完全な回復は、すぐにヴァレンティン公爵家全体に知れ渡り屋敷中が歓喜に包まれた。
数日後、公爵家の広間でラッセルの公爵家当主の襲名式と、俺たちの婚儀が盛大に執り行われた。
壇上に並んで立った俺たちの前に、家臣たちが深く頭を下げる。
その中には、かつて俺を侮っていた者たちの顔もあったが今、彼らが俺に向ける視線に侮蔑の色は一切なかった。
あるのは、新たな公爵とその伴侶に対する純粋な敬意と忠誠だけだ。
「ヴァレンティン公爵ラッセル様に、そして公爵妃レオンハルト様に、永遠の栄光あれ!」
割れんばかりの歓声と拍手が、ホールに響き渡る。
ラッセルは、俺の手を固く握り耳元で囁いた。
「長かったな」
「ああ、長かった」
「だが、ここからが始まりだ。私たちの、本当の人生の」
俺たちは、互いに見つめ合い微笑んだ。
病弱なαとその護衛だったβ。
主従の立場は逆転し、俺はΩになった。
呪いという過酷な運命にも翻弄された。
だが、そのすべてを乗り越えて俺たちは今、ここにいる。
もう、主君と従者ではない。
αとΩという性だけでもない。
俺、レオンハルト・シュトラウスは、ラッセル・フォン・ヴァレンティンの唯一無二の番として、彼の隣で永遠に生きていく。
窓から差し込む眩い光が、俺たちの輝かしい未来を祝福しているようだった。
意識がゆっくりと浮上してくると、まず感じたのは身体中を満たす今までにないほどの力強いエネルギーだった。
あれほど俺を悩ませていたΩ特有の気怠さは完全に消え去り、代わりに漲るような活力が全身を駆け巡っている。
そしてもう一つ、隣で眠るラッセルの寝息が驚くほど穏やかで、力強いものに変わっていることに気づいた。
俺はそっと身体を起こし、彼の顔を覗き込んだ。
月の光に照らされたその顔は、以前の青白さはなく健康的な血色を取り戻している。
規則正しく上下する胸の動きも、苦しげな様子は一切ない。
呪いは、解けたのだ。
その事実を実感した瞬間、安堵と喜びで涙が溢れて止まらなくなった。
俺は、この人を守れた。
救うことができた。
「……レオン?」
俺の嗚咽に気づいたのか、ラッセルがゆっくりと目を開けた。
その紫紺の瞳は、以前よりもさらに澄み渡り力強い光を宿している。
「泣いているのか?」
彼は、優しい手つきで俺の涙を拭うとゆっくりと身体を起こした。
その動きは、信じられないほど滑らかで力強かった。
病弱だった頃の彼とは、まるで別人だ。
「見てくれ、レオン。身体が、軽いんだ。息苦しさも、痛みも、何もない。こんな感覚は、生まれて初めてだ」
ラッセルは、自分の手を見つめそれを握りしめ、まるで奇跡を確かめるように何度も身体を動かした。
その姿は、初めて自由を手に入れた子供のようで俺は涙で濡れた顔のまま、微笑んだ。
「よかった……本当によかった、ラッセル」
「ああ。すべて、お前のおかげだ。私の、愛しい番」
ラッセルは、俺を力強く抱きしめた。
その腕の力は、以前とは比べ物にならないほど逞しく俺の身体がミシリと音を立てるほどだった。
だが、その強さが今は何よりも愛おしかった。
「ありがとう、レオン。私を救ってくれて。私と共に生きることを、選んでくれて」
「礼を言うのは、俺の方だ。俺に、居場所をくれてありがとう」
俺たちは、どちらからともなく唇を重ねた。
それは、魂の結びつきを確かめ合うような深く、そして神聖なキスだった。
夜が明け、朝日が泉を照らし始めた頃、俺たちは屋敷へと戻った。
ラッセルの完全な回復は、すぐにヴァレンティン公爵家全体に知れ渡り屋敷中が歓喜に包まれた。
数日後、公爵家の広間でラッセルの公爵家当主の襲名式と、俺たちの婚儀が盛大に執り行われた。
壇上に並んで立った俺たちの前に、家臣たちが深く頭を下げる。
その中には、かつて俺を侮っていた者たちの顔もあったが今、彼らが俺に向ける視線に侮蔑の色は一切なかった。
あるのは、新たな公爵とその伴侶に対する純粋な敬意と忠誠だけだ。
「ヴァレンティン公爵ラッセル様に、そして公爵妃レオンハルト様に、永遠の栄光あれ!」
割れんばかりの歓声と拍手が、ホールに響き渡る。
ラッセルは、俺の手を固く握り耳元で囁いた。
「長かったな」
「ああ、長かった」
「だが、ここからが始まりだ。私たちの、本当の人生の」
俺たちは、互いに見つめ合い微笑んだ。
病弱なαとその護衛だったβ。
主従の立場は逆転し、俺はΩになった。
呪いという過酷な運命にも翻弄された。
だが、そのすべてを乗り越えて俺たちは今、ここにいる。
もう、主君と従者ではない。
αとΩという性だけでもない。
俺、レオンハルト・シュトラウスは、ラッセル・フォン・ヴァレンティンの唯一無二の番として、彼の隣で永遠に生きていく。
窓から差し込む眩い光が、俺たちの輝かしい未来を祝福しているようだった。
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