【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない

ベル

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*番外編*かけがえのないお方⑧

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……ア

…ィア


遠くの方で、微かに声が聞こえてきました。真っ暗闇の中で、私は懸命にその声の方へと耳を傾けました。


一体誰かしら?


次の瞬間、ふわっと体を駆け巡るような浮遊感を感じたかと思うと、背中にふわりと柔らかい感触がしました。


頬に温かい何かを感じ、徐々に意識が戻る感覚がしたかと思うと、私を抱きかかえ、心配そうな表情で私を覗き込む彼の姿が見えました。


「ソフィア」


「アク…リウス様…?」


「眠っていたのに起こしてすまない。寝ながら泣きじゃくっていたのが気になったんだが…どうかしたのか?」


アクリウス公爵様だわ。
私の、大切な旦那様。


「ソフィア…?怖い夢でもみたのか?」


その優しい表情と声に、なんとも言えない気持ちになり、私がぎゅうっと旦那様の腰にしがみつくように抱きつくと、旦那様もそっと抱き返してくださいました。


しばらくそのまま、静かに時間が過ぎるのを感じながら、腕の中の温かさに思わず涙がこぼれました。


何故か今日は夕方から睡魔が襲ってきて、気がつくと寝ていたようでした。


旦那様と出会って今までの夢を見ていたのね…


「ソフィア、大丈夫か…?」


私の涙を拭いながら心配そうな表情を浮かべる旦那様に、私は微笑みました。


「大丈夫です」


「…そうか」


納得していないような表情。それでも、それ以上は聞き出そうとはしません。
背中や頭をゆっくりと撫でてくださる手から、優しさが伝わってきます。


不器用ながらも、私を大切に思ってくださっている旦那様。


「…旦那様」


「ん?」


「私と結婚してくださって、ありがとうございます」


「…礼を言うのは私の方だ」


旦那様は抱きしめる手を緩めて私の顔を見つめ、そっとおでこにキスを落としました。


「旦那様と出会ってから結婚するまでの夢を見ていたんです。あの頃はずっと、私の片想いだと思っていたので、あの頃の気持ちが蘇ってしまって…ごめんなさい…」


「…あの時は、私もそうだった」


「え…?」


「早く気持ちを伝えておくべきだったな。黙っていても、気持ちはわからないと改めて思った。早く言っていれば、ここまでソフィアを傷つけずにすんだのに」


すまなかった。
そう言いながら、旦那様は再び私を抱きしめるのでした。



~後日~


「旦那様」

「ん?」

「大好きです」


いつもなら、顔を赤らめて照れる旦那様。
…ですが。


「あぁ。私の方が愛してる」


「...っ!?」


「ソフィア?」


「……」


「ははっ、顔が赤いが?」


…これからは、旦那様よりも私の方が照れてしまうかもしれません。




~今度こそ、完結~です





ここまでお読みくださり、ありがとうございました。なかなか時間が取れず長々とお待たせしてしまいました(T-T)
この夫婦が好きすぎて、続きを軽く書こう!と思ったのがここまで長編になってしまいましたが、とても楽しく書くことができました。読んでくださっている皆さまのおかげです。


ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
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