天使様の愛し子

東雲

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リリィ・ラムの産ぶ声

19.誰が為の願い事(後)

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「こちらをお使い下さい。全て、この中に収まるはずです」

静かな泣き声が止んだ頃、用意していた籠をそっと差し出した。
今までにない至近距離で差し出したそれを、目を丸くして見つめるお顔を正面から見据え、一瞬ドキリとする。
風に吹かれ、いつの間にか被っていた白いシーツがズレていた為、久しぶりにそのお顔を目にすることができた。

金の瞳は涙に濡れ、溶けてしまいそうなほど潤んでいた。赤く染まった目元も、薄く開いたままの唇も、どこか扇状的で…それでいて、とても幼く見えた。
まだ雫が残る睫毛をパチリ、パチリと瞬きながら、こちらを見つめる表情に僅かに緊張が走る。
近しい距離に怯えていらっしゃらないか、受け取ってくださるか、不安を顔に出さぬ様、努めて表情を作った。


「…ぁ…りがとう…っ」


やがて聞こえた小さな声に、ふるりと身が震えた。
久しぶりにお声を聞けたことも、それが自分に対しての感謝の言葉であったことも、拒絶されなかったことも、全てが嬉しかった。

(良かった…)

ホッと息を吐き出し、籠を手渡す。
丁寧に丁寧に、籠の中に敷き詰められていく花を目にしながら、膝をつき、視線の高さを合わせる。
お声を掛け、こちらを向いたアドニス様と視線が合う。逸らされないことに安堵しながら、なるべく穏やかな声音で、身構えられることがない様に、ゆっくりと口を開いた。

「アドニス様、お願いがございます。……私と、お話しをして頂けませんか?」

放った言葉に、自分で緊張する。
本来であれば、元とはいえ大天使様であるアドニス様に、下位である自分からこのように話し掛けることなどまず無いからだ。
それでも、今のアドニス様には…アドニス様と自分には、必要な行為だった。
どのような反応が返ってくるか、恐る恐る見つめ返した瞳はキョトリと瞬き…そうしてコクリと、ゆっくり頷いて下さった。
受け入れて下さった───そのことに安堵しながら立ち上がり、そうして一考する。

(手を…)

立ち上がる際、手を差し出すこと自体に不自然さはないだろう。と同時に、一体どこまでならアドニス様に受け入れて頂けるか、その境界線を把握しておきたいと思った。
不安と、ほんの少しの期待を込めて左手を差し出す。それを、困惑した表情で見つめるお姿に、若干の焦りが生じた。

「…よろしければ、御手を」

その言葉に目を丸くしながら、それでも何かを躊躇っていらっしゃるご様子に、先走り過ぎたかと後悔が滲む。
拒まれていないからと先を急いでしまった。今はまだ、お側に寄り過ぎるのは難しいのだろう…と、ゆっくりと手を引いた。

「…出過ぎた真似を致しました。申し訳ございません」
「…っ! ま、まって…!」

下げた手を勢いよく握られ、その温度と感触に、体が強張った。

───冷たい手だった。
緊張か、それとも純粋に聖気しょうきが足りていないせいなのか、震えるほど冷たい手に、言葉にできない感情が込み上げた。
グッと握られた後、徐々に力を無くし、解けてしまいそうになった冷えた手を、強く握り返した。

「っ…」
「お許し頂けるのであれば、どうかこのまま…そろそろお部屋の中へ戻りましょう」

努めて冷静に、落ち着いて、アドニス様に不安を与えないように行動することだけを心掛けた。
ゆっくりと手を引いて室内に戻れば、手を繋がれたまま、大人しく後をついてきて下さるお姿にホッとした。
長椅子に腰を落ち着けて頂くと、そのお顔を見上げるように、アドニス様の足元に跪いた。
シーツの下に隠れていたお顔が、今はよく見える。視線が合ったままでも、逸らされないことが、素直に嬉しかった。 

(…このまま、御手に触れていてもいいだろうか…)

正直、手を離すのが怖かった。
いつかの、シーツ越しに眺めた陽に透けた儚げなお姿。瞬きの間に消えてしまうのではないかという恐怖を繋ぎ止めていられる安心感と、一度手を離したら、もう二度と触れることができないのではないかという不安。
それと同時に、もし嫌がられているようなら、手を離すべきだということも理解していた。

「…私が御手に触れていても、大丈夫ですか?」

その問い掛けに、首を傾げるお姿は嫌がられている様には見えず、続いて頷いて下さったことに、心底ホッとした。浅く息を吐きつつ、ここからが大事なのだと、気を引き締める。

(何からお話しすべきか…)

純粋に、自分がお話ししたいという気持ちも勿論あった。
だがなにより、お側に仕える者として、可能であるならばその御心内を教えて頂きたいこと、そのために、本心で話して頂きたいという希望があった。
それにはまず、その相手が私でも良いのかという、大前提から確認する必要があった。

「それでは、そうですね……アドニス様は、私のことが苦手ですか?」

自分の言葉に自分で傷つきそうになり、空いていた右手を強く握り締めた。
もしここで、お返事に躊躇われるようなら、即座にお役目を離れるつもりだった。…が、アドニス様は驚いたように目を見開き、勢いよく首を横に振られた。

(良かった…!)

拒まれていない。
そのことが、こんなにも嬉しいことだとは思わなかった。
ただ、拒まれていないことと、本心を語って下さるほど気を許して下さるかは別物だろう。
そう思いながら、不確定な、それでいて恐らく確信に近いのだろうという言葉を口にした。

「アドニス様は、何に怯えていらっしゃるのですか? 何に怯え、何を憂いていらっしゃるのでしょう?」

途端に繋いでいた手が強張り、そこからアドニス様の緊張が伝わってきた。
当たらずとも遠からずだったのだろうか。明らかに動揺の色が混じった表情に、瞳に、言葉を重ねた。

「───何に、そのように憂いていらっしゃるのか、仰って頂けない限り、私もどのように動けばいいのかが、分からないのです」
「…ぁ…、ご、ごめ…」
「っ、違います! …いえ、責めるような物言いをしてしまい、申し訳ございません。私の言い方が…」

慌てて謝罪しながら、思考を巡らせる。

(言い方が悪かった…もっと、私のお気持ちを砕いてお伝えしなければ…)

どのようにお伝えすべきか考え込んでいると、握ったアドニス様の手が僅かに震えていることに気づき、反射的にその手を包む様に握り返していた。

不安にさせてはいけない。

出来うる限りご負担にならぬ様、安心して頂けるように話さなければ───そうして自分の気持ちを、求めていることを、望んでいることを、願いを、言葉一つ一つを考えながら口にした。

寄り添いたいという気持ちも、何もできない己の未熟さへの嘆きも、お力になりたいという気持ちも、全て本心だった。
ただ一つ、他の者に挿げ替えてくれてもいい、ということだけは、半分嘘だった。
本心は、叶うならば、ずっと自分がお側にいたいと思っていた。
とはいえ、自分は仮の側仕えでしかなく、もし力が不足しているのであれば、アドニス様に望まれなければ、いつでも挿げ替えが可能な存在なのだ。

お伝えしたいことを言い終え、アドニス様の様子を伺う。
茫然としたような表情に嫌悪感は無い。ただ、何かを呟こうとしていらっしゃる唇は震えたまま、そこから声が漏れ出す気配はなかった。
次第に、金の双眸が水気を帯び出し、ついにはその瞳からポロリと雫が零れ落ちてしまった。

ご無理をさせてしまった───!
静かに泣き出したアドニス様に慌てて謝罪すれば、フルフルと首を横に振られた。

「ぁ……ま、ない…っ」
「…アドニス様?」
「あ…、あやま、らな…で…!」
「…!」
「…おねが、だから…っ、ぁ、あやまらな…で…っ」

悲痛な泣き声に、胸が締め付けられる。
どうしてこの方は、こんなにも痛々しく泣かれるのだろう。その声が、涙が、見ているだけで、自分も泣きたくなるような、物悲しい涙を流されるのだ。
謝罪の言葉がご負担になっているとは思わず、だからと言って、その願いをそのまま受け入れる訳にもいかなかった。
その旨を丁寧にお伝えすれば、泣いたままコクリと頷いて下さった。
そのことに安堵の息を零しつつ、やはり自分は今のアドニス様のことを何も知らないのだと痛感する。

───お話しがしたい。
このままでは、いつか自分がアドニス様を傷つけてしまいそうで、それが恐ろしくてならなかった。
だが無理強いはできないし、させたいとも思わない。
それでも叶うならば、御心の内を話して頂きたいと強く願ってしまった。
矛盾している。だがどちらも本心で、だからこそ、アドニス様のご判断に委ねるしかないのだ。

(…歯痒い)

そうしている内に、また泣き出してしまわれたお姿に強く奥歯を噛み締めた。

どうか、もうこれ以上、泣かないでほしい。
何に苦しみ、何に傷ついているのかも分からない。
だからこそ、教えてほしい。分かち合ってほしい。
頼って下さいとは、無責任に言えない。
それでもきっと…僅かでも、お力になれるはず。
そうなりたいと、そう在りたいと願いながら、思いを込めて、繋いだ右手を強く握り返した。


「っ…、わ、わか、な…わかんない…っ、なに、言ったら、い…のか…わからない…っ、どしたら、いいのか、…っ、ぜんぶ、なんにも…わかんない…!」


嗚咽にまみれ、震えた泣き声に目を見開いた。

(…話して…下さった…)

仰って下さった内容をゆっくりと、間違いがないように、繰り返し声に出す。
お言葉の意味は理解するのは難しかったが、それよりも今は、御心の内を話して下さったという、そのことがただ嬉しかった。

(…何も分からないというのであれば、分かるまで、言葉を重ねればいい)

単純かもしれない。だが、何から手を付ければいいのか分からないほど複雑な物事こそ、単純なことから始めていくべきだと思ったのだ。
なにより、そうすることでアドニス様の憂いが晴れるのであれば、心配を、不安を、取り除けるのであれば、いくらでも話してほしい。
分からないことがあれば、いくらでも聞いてほしい。
それなら自分でも、お役に立てるはずだから。

だが、それでもまだ不安そうなアドニス様に、懸命にお声を掛けた。
何がそんなに不安なのか…言葉を重ねていく内に、ある事に気づいた。

(…私の、ご心配をされている…?)

間違いでなければ、勘違いでなければ、自分のことを案じて下さっている。
それを言葉の端々から感じ、それがどうしようもなく嬉しくて、歓喜にザワリと肌が粟立った。

「…もし、私の心配をして下さっているのであれば、その御心だけで充分でございます。アドニス様のために、お側にいるのが私の役目ではございますが、どうか───どうか私の為に、お側に置いて下さいませ」

そうして、己の願いを、唯一の望みを口にした。
お力になりたい。お役に立ちたい。その気持ちも、もちろん本心だ。

それとは別に、ただ純粋に、アドニス様のお側にいたかった。

心配だからこそ、独りでいてほしくないからこそ…なにより、もしまた涙を流されるようなことがあった時、お側にいるのは自分で在りたいと、強く願ってしまったのだ。

利己的な、己を望んでほしいという、我が儘な願い。

祈るように、願うように重ねたお互いの手の平───いつの間にか、冷え切っていたはずのアドニス様の手は、温かな熱を帯びていた。


「御身の為、誠意を込めて、お仕え申し上げます」


ようやく、ようやく本当の意味で、その御手に触れられた───込み上げた感情は、知らない熱を孕んでいた。




長くお話ししたせいか、それとも泣き疲れからか、明らかに疲労の色が濃いアドニス様を寝室へとお連れする。
手を離すのが惜しくて、繋いだまま部屋まで移動すれば、大人しく後をついて来て下さった。チラリと視線を移動し、確認したそのお姿はやはり幼く見えて、視線を戻すと同時に思考を巡らせた。

(…もう少し、柔らかな話し方に変えるべきだろうか…)

今のままでは硬すぎるだろうか…そう思っていると、ふいに左手を意図的に握られたような感覚がして、意識を引き戻される。
それに応えるように握り返せば、何故かほんの少しだけ、体温が上がったような気がした。

ベッドの脇まで辿り着いたところで手を離す。そこに若干の名残惜しさを感じながら、アドニス様の左手に抱えられたままの籠を受け取った。
途端に香る、花の香り。お休みの間もお側に置いておくべきだろうと、サイドテーブルをと、その上にそっと置いた。
ふと、それを見ていたアドニス様が驚いたような表情をしていることに気づき、あることを思い出す。

(もしや、こういった粛法のことも覚えていらっしゃらないのか…)

いつかの、物を動かしたり、天蓋を直したりといった行為も初めて見るような顔をしていたが、本当にその通りだったのかもしれないと思い当たる。

(…大丈夫だ。時間はある。一つずつ、お教えしていけばいいんだ)

ふと視線を感じ、アドニス様に向き合えば、遠慮がちに声を掛けられた。

「ぁ…ぁの…、あ、ありがとう…」
「…お役に立てて、なによりでございます」

頂いたお言葉を素直に受け取れば、はにかむように喜んで下さっていることが伝わり、自分も嬉しくなった。
一言二言、お言葉を交わし、ベッドに横になられたお姿を見届けると、そのすぐ脇でいつもと同じ挨拶を口にした。

「おやすみなさいませ。アドニス様」

こんなにお近くで、お休みのご挨拶をするのは初めてだ…そう思っていると、枕に顔を埋めたアドニス様がこちらを見ていることに気づいた。
もうお眠いのだろう。トロリと蕩けたような金の瞳が、柔らかに細められた。

「…おやすみ…なさい…」

囁きのように小さな、それでいて柔らかなお声に目を見開いた。

(…初めて……)

初めて、ご挨拶を返してくれた。
僅かに笑んだような目元と、優しいお声。
安心したような穏やかな表情を見せて下さったこと、それを自分に与えて下さったこと、それが嬉しくて、嬉しくて───無意識の内に、口角が上がっていた。




静かな寝息が聞こえ始めたのを確認し、音を立てずに寝室を後にすると、閉じた扉の前、そっと自身の口元に触れた。

(……笑った?)

自分の表情筋で、笑みの形を作れたことに驚く。
笑うことができたのだな、と他人事のように感じながら、今日のアドニス様のご様子を思い返せば、自然と口元が緩むことにまた驚いた。

(…今日は、ご報告することが多そうだ)

決定的なことは分からなかったが、アドニス様の現状については知ることが出来た。それだけでも充分だろう。

(…明日からは、たくさんお話しをしよう)

可能な限り、時間の限り、お話しをしよう。

(あの花についても、教えて下さるだろうか…)

できることならば、ルカーシュカ様からではなく、アドニス様からあの花の意味を教えて頂きたい…そんな欲が湧き出そうになり、フルリとかぶりを振った。

(…多くは望まない。お側にいられるだけで、充分なのだから)

側仕えとしての本質を見失ってはいない───ただ、お側にいるのは自分で在りたいという、最大限の我が儘だけは、譲れそうになかった。

ふと視線を動かした先。つい先程まで、アドニス様が座っていた長椅子の上に、シーツがそのまま置き去りにされていることに気づき、近寄った。
真っ白なそれを手に取ると、そういえば寝室に移動する時にはもう手放されていたことを思い出す。

(もう、これは必要ないだろうか…)

少なくとも、自分相手になら、身に隠すために被られていたコレはもう必要とされなくなったのだろう。

それがどうしようもなく嬉しくて、受け入れて下さった証のようで、湧き上がる感情のまま、手にした真っ白なシーツに、そっと唇を落とした。




湧き上がる感情の名も、無意味な口づけの意味も、分からない。

今はただ、アドニス様のお側にいられるのだという願いが叶ったことが、嬉しかった。

あの方のお役に立てる。お力になれる。
寄り添い、支えることができる。そのことが純粋に嬉しい。


同時に、その役目を担うのが、アドニス様のお側に在れるのが自分であるということが、なによりも誇らしかった。
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