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#8 ザ・ロワイヤル
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結局のところ、翌日のザ・ロワイヤルでのやり取りは、ウルフレディの読み通りとなった。
「全く、困ったね。確かにレディ、あなたは構成員としては登録されていないのでしょうが、間違いなくウルフファミリーの一員だ」
爽やかに俺たちに応対するのはザ・クラウン。ザ・ロワイヤルの創設者でもあり、登録ヒーローのトップワンでもある。
ヒーロー活動の際は赤いマントにボディラインのはっきりとわかるタイツ、というクラシカルなヒーロースタイルを売りにしていて、俺たちの対応をしている今この時も、その格好だ。
ちなみにウルフレディは髪の毛のメッシュこそ染め直さなかったものの、社長モードということで高価そうなスーツ。……やっぱりこっちの方が似合うよなあ。
「たまたま僕が暇だったからよかったものの、そのまま君たちを門前払い、ということもあり得たんだからね。それに正直、我が社も彼の死で今は大きく動いていてね」
「それはそうだろうな。裏の帝王が死に、小さな小競り合いは日に日に増えつつある。強盗、窃盗、テロ行為。今まではウルフが押さえつけていたチンピラの動きが活発になれば、お前たちにとっては大きなビジネスチャンスだろう」
ウルフレディは一息にザ・クラウンに喧嘩を売る。やっぱりこの女、楽しんでやがる。
「これは手厳しいね」
ザ・クラウンは困ったように自分の頭を掻いた。
「まあ今回はうちへの依頼はなかった、と言うことにしていただきたい。うちもヒーローを司る組織として、出来る限りクリーンな身の上でいるべきだからね」
「クリーンな身の上? はっ、笑わせるな。うちの者がどれだけお前たち傭兵が、警察や公安から受けた仕事でやられたか」
「さあ、いわれのない批判を受けるつもりはないね。君もそれでいいね?」
ザ・クラウンはウルフレディの隣で静かに二人のやり取りを見ていた俺の方をみた。
「……ああ。まあいいよ。どうも無駄足だったようですし」
「だろう? 疑いが晴れたようでよかった。マナヒコ、君も叩けば埃の出る身だろうが、それは皆同じだ。うちに登録する気はないか? 調査系の依頼に対する供給が正直、我が社で足りていないのも事実でね」
「俺なら身近な調査は素直に興信所に頼みますからね」
「二人して厳しいお客様だな。君は紅ヤマトのヒーローコミュニティにも籍を置いているだろう? 本当は日の当たるところで働きたいんじゃないか?」
「……はあ」
俺はザ・クラウンに聞こえるように大きく溜息をつく。
「行くか。言ったろ、ウルフレディ。無駄足だ。こいつで駄目なら、もうこの会社にゃ用はない」
俺が立ち上がろうとするところを、ザ・クラウンが肩を押さえ、止めた。
「まあ待て。ほら、私の名刺だ。直接私の秘書室に繋がるホットラインだよ。気が変わったり、何かあればいつでも連絡してくれ」
「……もらっときますよ」
ザ・クラウンの迫力に圧倒され、俺は名刺を受け取り、雑に財布の中に押し込んだ。
うんうん、ザ・クラウンは満足したように頷き、俺から手を離した。
「ふん、こいつには言い足りないこともたくさんあるが、仕方ないな」
ウルフレディはそれを見て立ち上がり、さっさと出口に向かってしまう。俺も慌てて後を追った。
「今日はありがとう! ではまた」
ザ・クラウンは俺たちにビシッと片腕をあげて挨拶をしたが、俺もウルフレディも一瞥しただけで特にそれには答えずに、会社を後にした。
「全く、困ったね。確かにレディ、あなたは構成員としては登録されていないのでしょうが、間違いなくウルフファミリーの一員だ」
爽やかに俺たちに応対するのはザ・クラウン。ザ・ロワイヤルの創設者でもあり、登録ヒーローのトップワンでもある。
ヒーロー活動の際は赤いマントにボディラインのはっきりとわかるタイツ、というクラシカルなヒーロースタイルを売りにしていて、俺たちの対応をしている今この時も、その格好だ。
ちなみにウルフレディは髪の毛のメッシュこそ染め直さなかったものの、社長モードということで高価そうなスーツ。……やっぱりこっちの方が似合うよなあ。
「たまたま僕が暇だったからよかったものの、そのまま君たちを門前払い、ということもあり得たんだからね。それに正直、我が社も彼の死で今は大きく動いていてね」
「それはそうだろうな。裏の帝王が死に、小さな小競り合いは日に日に増えつつある。強盗、窃盗、テロ行為。今まではウルフが押さえつけていたチンピラの動きが活発になれば、お前たちにとっては大きなビジネスチャンスだろう」
ウルフレディは一息にザ・クラウンに喧嘩を売る。やっぱりこの女、楽しんでやがる。
「これは手厳しいね」
ザ・クラウンは困ったように自分の頭を掻いた。
「まあ今回はうちへの依頼はなかった、と言うことにしていただきたい。うちもヒーローを司る組織として、出来る限りクリーンな身の上でいるべきだからね」
「クリーンな身の上? はっ、笑わせるな。うちの者がどれだけお前たち傭兵が、警察や公安から受けた仕事でやられたか」
「さあ、いわれのない批判を受けるつもりはないね。君もそれでいいね?」
ザ・クラウンはウルフレディの隣で静かに二人のやり取りを見ていた俺の方をみた。
「……ああ。まあいいよ。どうも無駄足だったようですし」
「だろう? 疑いが晴れたようでよかった。マナヒコ、君も叩けば埃の出る身だろうが、それは皆同じだ。うちに登録する気はないか? 調査系の依頼に対する供給が正直、我が社で足りていないのも事実でね」
「俺なら身近な調査は素直に興信所に頼みますからね」
「二人して厳しいお客様だな。君は紅ヤマトのヒーローコミュニティにも籍を置いているだろう? 本当は日の当たるところで働きたいんじゃないか?」
「……はあ」
俺はザ・クラウンに聞こえるように大きく溜息をつく。
「行くか。言ったろ、ウルフレディ。無駄足だ。こいつで駄目なら、もうこの会社にゃ用はない」
俺が立ち上がろうとするところを、ザ・クラウンが肩を押さえ、止めた。
「まあ待て。ほら、私の名刺だ。直接私の秘書室に繋がるホットラインだよ。気が変わったり、何かあればいつでも連絡してくれ」
「……もらっときますよ」
ザ・クラウンの迫力に圧倒され、俺は名刺を受け取り、雑に財布の中に押し込んだ。
うんうん、ザ・クラウンは満足したように頷き、俺から手を離した。
「ふん、こいつには言い足りないこともたくさんあるが、仕方ないな」
ウルフレディはそれを見て立ち上がり、さっさと出口に向かってしまう。俺も慌てて後を追った。
「今日はありがとう! ではまた」
ザ・クラウンは俺たちにビシッと片腕をあげて挨拶をしたが、俺もウルフレディも一瞥しただけで特にそれには答えずに、会社を後にした。
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