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学生相談室
しおりを挟む朝目が覚めた。
夢で見た沢山のリスが死んでる様子が頭にこびりつく。
何だかベッドシーツのチェックが怖い。
体が震える。
心が落ち着かない、恐怖を感じた時の様と言えばいいのか。こんなにも生きてるのが怖いと感じたのは生まれて初めてだった。
怖すぎてリビングにバタバタと走った。
あー あー
声を荒げるあかね。
どうすればいいのか、自分がどうなってしまったのか。理解と言う概念が既に出来なくなっていた。
母に背中をさすられる。あかねは後ろに体を倒し母にもたれかかる。
あー!!あー!!
声にならない叫びが口から溢れてくる。
『大丈夫よ。大丈夫よ。リラックスしなさい。』
母の言葉に少し気を取り戻す。
私はこの日から気がおかしくなったのは確かだ。
今思えば慣れない就職活動に追われ、卒業課題を制作し、クラスメイトや家族からの期待を背負い過ぎて、脳が停止してしまったんだと思います。
やばい。
これからどうすればいい…。
そうだ。学生相談室に相談しに行こう。何か変わるかも知れない。友達のさつきにメールで教えてもらい予約することを知り、学生だよりを引っ張ってきて電話番号を調べる。
『あの、相談したい事があるのですが、お時間ありますでしょうか?』
『急ぎなら、お昼頃来て下さいね。』
『はい、伺います。』
人生で初めて、親でもない友達でもない、相談のプロに話を聞いてもらう時間を得た。
実は、あかねは昔から人付き合いが下手で、自分を押し殺してしまう性格の持ち主だ。学生生活では何人もの人と衝突し喧嘩別れをしてきた。
10時頃の電車なのでだいぶ空いていて、座る事が出来た。電車に揺れながら好きなダルクの歌を聴きながら涙が拭いても拭いても溢れてくる。決して自分の状況に酔っている訳ではない。震える手を必死に抑え、力無い手でハンカチを握る。周りの客からは変な人扱いされる始末。もう早く電車降りたい!泣いてるのバレないように…。上野駅に着いた時すぐさま電車を出た。原宿駅は凄く混むから気をつけないと出れなくなるのだ。
歩いて、ゆっくり歩いて。
学生相談室に向かってドキドキを高鳴らしていた。
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