怪奇屋茶房

かいほう

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馬鹿にすると憑いてくる (前編)

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  これは僕の友達が経験したお話です。

 僕の住んでいる所には何故か自動車事故が絶えないトンネルがあります。直線のトンネルなのに何故か

 2回以上の交通事故が起こり、必ず死亡事故になるのです。地元でも 「 土地に曰わくがある 」とか

 「 事故で亡くなった方が引き込んでいる 」 「 異世界に繋がっている 」 など・・・・・・・。

 最後のとこは・・・ いいか。 それ程に地元でも危ない所なんです。 でも国道の大きな道路にあるので

 交通量は日中でも夜間でも良く車は走ってます。 それなのに事故が絶えません。 それに直線道路なんです。

 どう考えても無謀な運転でもしない限り考えられないんですよ。


  そしてまた事故が起こりました。


 < R R R R R R R R R R R R R !!! >

 僕の携帯が突然なりました。  「 もしもし? 」

 『 俺! 俺だよ! トンネルの事故聞いたか?! 』

 「 はっ?!  またあったのかよ! 」

 『 今月あのトンネル多いなもう5件目だよな↘ 』

 「 そうだね。 新聞に出てないけど今観たけど? 」

 『 そりゃそうだよ! さっき起こったんだよ!! 』

 「 えっっ?! さっき?! 」

 『 ああ、 さっき事故の処理と現場検証終わったみたいだぞ! 』

 「 もしかして?! 」

 『 そうだよ! 俺全部見てたんだよ! 事故の処理が終わるまで!! 』

 「 嘘だろ? 事故はどんなのだった? 」

 『 ・・・・・・ 。 車両火災だった・・・・・ 。 』

 「 なぁ? この沈黙何かあったんだろ? 」

 『 ・・・・・ 車の中に家族4人乗ってた ・・・・・ 。 』

 「 助かったんだろ? 多分怪我はしてるんだろうけど? 」

 『 ・・・・・ 全員死亡だってさ・・・・・ 。 』

 「 ・・・・・ そうか、わかった。 あんまり聞きたい話じゃなかったな。 」

 『 そうだな。 いつもは馬鹿だな~ とか無理するからみたいな話なのにな~ 。 』

 「 ・・・・・ ごめん。 その話あんまり面白おかしく話したくないな ・・・・・ 。 」

 『 あっ! ごめん! そうだな、俺もう切るわ。 ごめんな。 』


  彼はそう言って携帯を切った。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  朝の新聞で僕は事故の詳細を知った。

 事故は単独らしかった。 まずは運転席側のトンネルの壁に激突し、しばらく壁に車体を擦りつけ今度は

 助手席側をまたトンネルに擦りつけて停まった。 そこからは車両火災になったらしい・・・・。

 火災の原因は電気系統の火花が衝撃で漏れたガソリンに引火と言うものだった。

 ここからが僕は怖くなった。 トンネルの壁を擦ったせいで車の扉は開かず中の家族は救急隊員が到着する

 前に火災で焼け死んでしまったとの事だった。


  事故から3日程にしてトンネルをその目撃していた友達を乗せ通った。 トンネルの壁はその事故のあった
 
 場所手前から白い筋の様にまるで僕達を手招きしているように事故現場まで続いていた。

 現場は、通過がてらに見たので燃えていたあとの黒い煤けた後と、道路には何か液体の流れた様な後に燃えた

 形跡の後が残って見えた。 友達は面白半分で携帯を取り出し写真を撮りだした。

 「 おい!! やめとけって!! 」

 『 記念だよ。 き・ね・ん ! 』

 「 お前さぁ   絶対呪われるぞ!!  そんなことしてたら!! 」

 『 そん時はお前が助けてくれるんだろ (笑) 』

 「 あのなぁ~・・・ 夢見だから保証出来ないぞ 」

 『 お前はいつも助けてくれてるからな。 他の友達の時もそうだろ! 』

   ・・・・ ハイハイ 人頼みなのね ・・・・

 心のなかでそう思いトンネルを通過しました。

             
           ~ 友達の撮った写真の中身も知らずに ~


   それから1週間ほどのころでした。 このトンネルの怪奇話はいつもの事なのですが少し内容が違う話が

 僕の耳に入りました。

             車に事故で死んだ人が降ってくる

 前までは < トンネルの中に人が立っている > < 血まみれになった人が立っている > と言う話が

 良く聞かれてました。 車の上に乗ってくるのは聞いてなかったので驚きでした。

      < R R R R R R R R R R R R R >

  その噂を聞いた夜、事故現場を写真に収めた友達から電話が ・・・・・ 。 

 「 もしもし? どうした? 」

 『 あのさ・・・・・ 。 今からそっち行っていいか? 』

 「 良いけど? どうした? いつもは前触れもなく来る奴がさ? 」

 『 ・・・・・ そうだけどよ ・・・・・ 見せたいもんがあるんだ ・・・・・ 』

 「 見せたいもの? また変な動画とか、アダルトな動画じゃないのかよ。 はぁ~~~ 」

 『 違うから!! ちょっとやばいんだよ 』

 「 はいはい 分かったから。 飲み物用意して待ってるわ 」

 『 分かった すぐ行くから。 ちょっと待っててくれな!! 』


     15分位でその友達は来た。 見せたい物は実は事故現場の写真だった。

 『 この間撮った事故現場の写真見て欲しかったんだよ!! 』

 「 えええええ~~ 嫌だし! 何か写ってたら怖いし!!! 」

 『 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっ! 』

 「 ・・・・・ まさか!! ・・・・・ まじで!!? 」

 『 そうなんだよ! 写っていたんだよ!!! 影が沢山!!! 』

 「 ほ~らな。 だから言っただろ! 悪ふざけすんなって!! あぁ~~もうっ!! 」

 『 すまん!! 言われた事! 言う事聞いとけば良かったわ!! 』

 「 わかったよ。 とりあえず見るから。 俺の携帯にも送ってみてよ! 」

 『 おおおおぉ!! そうだな! 最初に送れば良かったんだ! 』

 「 wwww ・・・・・・ 。 」


   僕の方に送ってもらった事故現場の写真? 中を見ると黒い影は、壁と地面の煤けた部分にしかただの

 煤けにしか見えなかった。 その後、彼の携帯から見た写真には ・・・・・・・・・・・・!!! 

 「 えっ!!! 何これ!!! 」

 『 なっ!!! やばいだろ!!! やばいよな!!! どうしよこれ!!! 』

   友達の写真には無数!!?? これは沢山の人の形をした黒い影が・・・・・!!!

 『 あのな、ここの影あるだろ! 昨日はこの辺にあったんだよ~~~ !!?? 』

 「 影動いてるって事?? 」

 『 ・・・・・・・・・ うん ・・・・・・・・・ 動いてるんだよ・・・・・・・・・ 』

 「 はぁ~~~~~~。 それって憑いてるぞきっと!!! だから言ったんだよ!! 」

 「 面白半分にすんなって!!! 」

 『 ごめん! 本当にごめん!! こうなったら頼れるのお前しかいないしさ!! 』

 「 だ・か・ら!! 俺、霊能者でも除霊屋でもないんだから!! 」

 「 ただ、夢枕にたまたま対処法がでるだけだから! ほんとに~~~ 」

 『 わかってるよ! でもお前が一番信用できるし! 誰も信じてくれないから!! 』

 「 はいはい。 分ったから。 携帯それ何日か俺に預ける事出来る? 」

 『 サンキュー! 助かる! 週末だから大丈夫! 』

 「 了解。 取りあえずは俺の携帯お前に渡しとくわ。 事故現場の写真消してな。 」

 「 これでお前の携帯にかかって着た時はそっちの番号にかけ直してもらうとしてと 」

 『 わかった。 それで良いよ。 』

 「 頼むからあんまり悪ふざけはしないでくれよな!! 」 

   
   僕は、彼の携帯を受け取りその日は彼を家に帰した。

 この携帯の中にいる黒い影をどうにかしないと彼に障りがあると直感したから・・・ 。

 その夜、僕の夢の中にある大きな有名なお寺が夢の中に出て来た。 煌びやかな本堂に大きな仏像が見えた。

  

   朝起きて僕はすぐにその有名なお寺に向かった。 車で約1時間程の距離にそのお寺はあった。

 お寺の駐車場に車を停め、 そのまま拝観しては失礼かと思い事務所的な入り口へと向かう。

 玄関を開け中を覗くと突然声を掛けられる。


 『 お早うございます。 今日はどうかされましたか? 』

 「 あっ! お早うございます。 はいちょっとお伺いしたいことがありましてこちらにきました。 」

 『 それはご苦労様です。 それで何を聞きたいのでしょうかな? 』

 「 僕はあの例のトンネルの近くに住んでるんですが、友達が面白半分に撮った写真が信じられない事に 」

 『 10日前位の事故の後の事ではないですかな? 』

 「 そうです。 事故はご存じですよね。? 」

 『 もちろんです。 それにお亡くなりになられた方はここに眠っておりますからな。 』

 「 そうですか・・・。 お参りさせて頂く事は出来ますでしょうか? 」

 『 かまいませんぞ。 』

 「 でもまだ 初七日も終わるか終わらないかではないですか? 」

 『 事故の時の仏様の痛みがひどくすぐに荼毘に伏せたのですよ。 』

 『 身内の方もいたたまれなくて私の方でご供養させて頂くと申し出たのですよ。 』

 「 そうですか。 私が言うのもおかしいでしょうが有り難うございます。 」

 『 それでその写真というのは? 』

 「 あっ! この写真なんです。 」

 僕はお話をしたお坊様に携帯の写真を見せた。 見せた時お坊様からとんでもないお話を聞くとも思わず。

 
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