やっぱ中身が大事でしょ?

速見 沙弥

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第1章 突きつけられる現実

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あのあとどうやって家に帰ったのかよく覚えていない。記憶にあるのは今まで見たことのないような笑みを浮かべた雅孝とその口から吐き出された言葉の数々。なぜあんなに完璧と言ってもいいほどの人が私と付き合ってくれていたのか、確かに疑問に思っていたけど。
「つなぎじゃあ、仕方ないなぁ・・・」
一人暗い部屋でベットでうずくまる。乾いた笑いを出しては見たが悲しさと悔しさで溢れ出る涙が止められない。幸せだったと思える日々がまるで色を失くしたみたいに不信の塊になる。二人でペットショップに行って可愛いねと微笑みあったことも。ドキドキしながらしたキスも。今日は寒いからとそっと包み込むように握られた手も。全てが偽物のだったのかと思うと悲しくて、哀しくて、握りしめた手より心が痛かった。
「馬鹿みたい。優しくしてくれて、こんな、っ私でも、好きになってくれるなんて。調子に乗ってたんだ!」
どうしようもない思いと拳を枕に叩きつけた。
「そんなに別れたいなら、せめてこっちから振ってあげるよ。」
ぐす、と鼻をすすりスマホを操作してトーク画面を開くと考えるよりも指が動き送信ボタンを押していた。

『別れよう。私のこと好きでもないのに付き合ってくれてたみたいだし。ムリしてまで付き合って欲しいと思わないよ。今までありがとう、さよなら』



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