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第4章 いそげ、姉妹関係の儀式
022 【挿絵】 5日目 冬香とオルアの姉妹関係の儀式
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オルアが冬香と姉妹関係を結ぶ瞬間が近づいてきた。
本来なら、6年前(オルアが21歳のとき)に実行したかったのだが・・・
◇
司会(中路真々美)は、姉妹関係成立のための場を整えていた。
二人用の布団と枕が用意された周囲4隅には、
・高さ1.5mのろうそく明かり台をイメージした電灯 と
・一辺24cmの小さい正方形の畳(たたみ)の上に、鉄アレイ?
が置かれていた。
ナレーション(筆者の解説)
「鉄アレイのようなものの両端には、3つの爪のような細工がある。
「密教法具」の「金剛杵」(こんごうしょ)の1つで、刃が3本のもの
三鈷杵(さんこしょ)によく似ている気がする。
オルアがテグトスを放った時の指の形にも似ている。
> オルア=サーパース
> 「うーん、残念ながら、違いますね。
> こういうことをしたいですか?
>
> [4] テグトス Tegutosu 」
>
> 遠くにあった的が黒焦げになって、
> その下の水路に落ちた。
引用元: 016 5日目 アリムさんの訓練 「1 気」
何万光年?と離れたカセイダード本星の文化が、チータマルム星の光元国の宗教と似ていることが不思議で仕方ない。
そう言えば、冬香と真々美の名前は、光元国で普通に通用する。
ただし、冬香の容姿は、チータマルム星の光元国よりは、そのはるか東にある正義団結国の出身に近い。
オルアの名前は、正義団結国で通用する名前だが、容姿は光元国の出身に見える。
深く考えて悩むと疲れるので、考えたくない。
もっとも大事なことは、敵か味方かである。
現時点において、物語の主人公であるアリムさんの味方だから気にする必要はないですよね。
と念押ししたくなる。
」
ナレーション(筆者の解説) おわり
◇
医師(白石冬香)は、オルア=サーパースに儀式用の衣装の着方を説明していた。
小さい三角ビキニの水着に似ているが、かわいいリボンが両胸とショーツに付いていた。
同じデザインだが、ハイシス(High-Sis)となる冬香の衣装は赤色で、
サブシス(Sub-Sis)となるオルアの衣装は白色である。
オルア=サーパース
「この衣装は、かなり恥ずかしいわね。
真々美と冬香にしか見られたくないわ。」
オルアの顔は恥ずかしさで、ほほが桜色に染まっていた。
医師(白石冬香)
「とっても良く似合っているわ。
そして、恥ずかしそうにしてくれることが嬉しいわ。
その初々しさを、いつまでも無くさないでね。」
冬香は優しくほほえみながら、この一瞬が貴重と感じているような声で、オルアに答えた。
◇
冬香とオルアは、真々美が整えた儀式の場に向かった。
儀式の場にあるテーブルで説明文書を用意して、真々美が待っていた。
司会(中路真々美)
「オルアさん、冬香。 これから姉妹関係を結ぶ儀式の進行についての説明会を行います。」
オルア=サーパース
「どうしたの、真々美?
オルアさんって、変なの、というかよそよそしく距離を置かれたみたいで嫌だわ。」
司会(中路真々美)
「うーん、たしかに変な感じがするが・・・
それでも儀式の翌日の昼が過ぎるまでは、この呼び方にする必要があるからな。」
医師(白石冬香)
「そうね、絵美様も私のことを、冬香さんと呼ぶからね。」
オルア=サーパース
「すごいね。 絵美様に「さん」付けで呼ばれるなんて。
真々美は、どう呼ばれているの?
やっぱり、「さん」付けかな?」
司会(中路真々美)
「いや、真々美と呼び捨てされているし、わたしも絵美と呼び捨てにしている。
そして、オルアさんは、儀式の翌日の昼が過ぎるまでは、私と冬香を「様(さま)」付けで呼んでもらう。
儀式の翌日の昼が過ぎれば、今まで通り、真々美、冬香と呼んでもらって構わない。
もちろん、わたしも、儀式の翌日の昼が過ぎれば、今まで通り、オルアと呼ぶ。」
オルア=サーパース
「儀式に必要みたいだから仕方ないけれど、なんだか大変ね。
冬香様は、どういう呼び方をされるのですか?」
医師(白石冬香)
「わたしは、絵美様、真々美、オルア という呼び方になるわ。」
オルア=サーパース
「呼び方の法則について、教えてくれますか?」
司会(中路真々美)
「姉妹関係の上下を明確にするために、呼び方を変えている。
そして、姉妹関係が無事に成立したら、直接の姉妹は呼び捨てで呼び合う。
そのことから考えると、わたしとオルアが呼び捨てで呼び合っていることは、周囲からすれば特別な関係に見えるだろうな。」
オルア=サーパース
「普通は、違うのですか?」
医師(白石冬香)
「ハイシス(High-Sis)のハイシス(High-Sis)は、様(さま)付けで呼ぶわ。」
司会(中路真々美)
「サブシス(Sub-Sis)のサブシス(Sub-Sis)は、さん付けで呼ぶな。」
オルア=サーパース
「そうやって、上下関係を明確にしているのね。」
医師(白石冬香)
「それだけじゃなくて、ね。 真々美?」
司会(中路真々美)
「そうだな。
直接関係のハイシス(High-Sis)やサブシス(Sub-Sis)を飛び越えて手を出しません。
という宣誓の意味が大きいな。」
オルア=サーパース
「手を出すとは、あっちの意味でですか?」
医師(白石冬香)
「そうね。 あっちの意味よ。
間の者が飛ばされたら、居たたまれなくなるからね。
でも、例外があるけれどね。」
オルア=サーパース
「例外は、どんな状況ですか?」
司会(中路真々美)
「ほとんど発生しないが、3人が同じ相手とナイトバインドした場合に発生する。」
オルア=サーパース
「たとえば、わたしたちが全員アリムさんとナイトバインドすれば発生するという解釈で良いですか?」
医師(白石冬香)
「その通りね。
まだ、誰もアリムさんとナイトバインドしていないけれど、わたしたち3人がアリムさんとナイトバインドすれば発生するわね。 それが第1条件になります。」
オルア=サーパース
「第2条件はなにですか?」
医師(白石冬香)
「アリムさんとわたしが愛し合っている最中に、真々美とオルアがそばにいた場合は、真々美とオルアが姉妹関係を持っても問題なしになります。」
オルア=サーパース
「え? え? え?」
司会(中路真々美)
「わたしたち4人が同じ大きなベットまたは布団で眠る関係になっていればの話だから、そうそう発生しない。」
オルア=サーパース
「アリムさんのハーレムが成立することが条件ですね。」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、そうです。」」
すこし、顔が赤い。
オルア=サーパース
「それって、お互いの恥ずかしい姿を見せあう感じですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、そうです。」」
かなり、顔が赤い。
オルア=サーパース
「考えただけで恥ずかしくなるわ。」
かなり、顔が赤い。
◇
医師(白石冬香)
「真々美とわたしがオルアに姉妹関係の儀式について説明するわけですが、オルアもサブシス(Sub-Sis)を決めるときに説明をする必要があるから覚えておいてね。」
オルア=サーパース
「この文書を大事に保管するから大丈夫よ。」
司会(中路真々美)
「あー、それはできないな。」
医師(白石冬香)
「そうね、無理ね。」
オルア=サーパース
「どうしてですか?」
司会(中路真々美)
「説明会が終わったら、姉妹関係の儀式を開始する前に千切って燃やすからだ。」
オルア=サーパース
「え? もったいない。 残しておけば良いのに。」
医師(白石冬香)
「当事者以外には内容を教えないからなの。」
司会(中路真々美)
「この資料も、たった今、タイプしたもので、データも完全消去する。」
オルア=サーパース
「じゃあ、伝言ゲームみたいに、情報が消失するね。」
医師(白石冬香)
「ふたりで覚えるから、大丈夫ね。
わたしが真々美のサブシス(Sub-Sis)になったときは、絵美様と真々美が説明してくれたわ。」
司会(中路真々美)
「わたしのときは、国王様(女王様)と絵美が説明してくれた。」
オルア=サーパース
「国王様から説明されるなんて、すごいわ。
ということは、絵美様と真々美様は、国王様の前で、姉妹関係を結んだのですか?」
司会(中路真々美)
「その通りだ。」
医師(白石冬香)
「そして、真々美とわたしは、絵美様の前で、姉妹関係を結んだわ。」
オルア=サーパース
「ということは、冬香様と私は、真々美様の前で、姉妹関係を結ぶのですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、正解です。」」
オルア=サーパース
「そんな、恥ずかしい・・・」
顔が赤い。
司会(中路真々美)
「見届けて、承認する必要があるからな。」
医師(白石冬香)
「そして、おかしな行為をさせないためね。」
オルア=サーパース
「おかしな行為とは、なにですか?」
司会(中路真々美)
「愛し合う行為のはずなのに、相手の心身を傷つける行為をする馬鹿がいたら、止めるためだ。」
オルア=サーパース
「まさかあ、そんなことしないでしょ?」
医師(白石冬香)
「常識が通用しない場合を想定した方が安全だからね。」
司会(中路真々美)
「同性間でも異性間でも、手放しで相手を信用することは危険だ。」
医師(白石冬香)
「下手すぎる場合は、指導が入るわ。 ね、真々美。」
司会(中路真々美)
「う、うれしさのあまり、ちからが入ってしまったんだ。 ゆるしてくれ。」
医師(白石冬香)
「あのときは、痛かったわ。 絵美様の指導後は良かったわよ。」
司会(中路真々美)
「はずかしい。
忘れてくれないか?」
オルア=サーパース
「どういう指導が有ったの?」
興味津々で、丁寧語を忘れているオルア。
司会(中路真々美)
「わたしが冬香にした行為を同じ力加減で、絵美が私にしたんだ。
それで、痛さを教えてくれて、私の身体で力加減の手本を実地で示してくれた。」
真々美は顔がかなり赤くなっている。
オルア=サーパース
「絵美様が冬香様に触れたわけではないのね。」
医師(白石冬香)
「それはないわ。 あっても良かったけれど。 絵美様と私が触れ合うことは無いわね。」
オルア=サーパース
「冬香様は絵美様と触れあいたいのですね。」
司会(中路真々美)
「だ、ダメだぞ。
絵美はわたしのハイシス(High-Sis)だから、冬香に渡さない。
冬香はわたしのサブシス(Sub-Sis)だから、絵美に渡さない。」
医師(白石冬香)
「ということよ。」
オルア=サーパース
「複雑な独占欲なのですね。」
◇
司会(中路真々美)
「う、うん、ごほん、ごほん、それでは、儀式の概要を説明いたします。」
オルア=サーパース
「はい、お願いします。」
司会(中路真々美)
「基本的に、オルアさんは、冬香のリードに心身を任せればいい。」
医師(白石冬香)
「わたしが真々美に愛されたように、オルアを愛すわ。
ガラス細工を扱うように、猫の赤ちゃんを扱うように優しくするから安心してね。」
オルア=サーパース
「はい、お願いします。」
『なんだか、ドキドキする。』
司会(中路真々美)
「序盤は、わたしが場を清めるために、3回、手を合わせて、音を出します。
それから、「明光波」でふたりの邪気をひとりずつ払います。」
オルア=サーパース
「「明光波」とは、なにですか?」
司会(中路真々美)
「生霊払いというか厄落としというか」
医師(白石冬香)
「この恰好だから、面倒な存在が寄ってくるのよ。
それを払う強風や突風のような空気流よ。
布団の周りに置いてある四方の鉄アレイみたいなのが、邪気や悪霊を防ぐための結界の主役で三鈷杵(さんこしょ)という法具ね。」
オルア=サーパース
「初めて聞くわ、参考書と聞き間違えたのではないわよね。」
司会(中路真々美)
「資料にある通り、三鈷杵(さんこしょ)と呼ばれているそうだ。
最終的には、参考書と間違って伝わるかもしれないな。」
医師(白石冬香)
「三鈷杵(さんこしょ)という言葉だけはメモして大丈夫だから、安心してね。
使用方法は秘密にされているけれど、法具というかお守りの一種として販売されているわ。
そして、真々美、オルアをからかわないで、まじめにやってね。」
司会(中路真々美)
「すみませんでした。 以後、気を付けます。」
しゅんと元気を無くした真々美だった。
◇
司会(中路真々美)
「儀式は、全部で3段階あります。
第1段階と第2段階は、わたしの前で実行してもらいます。
そして、第3段階は、冬香と二人だけで別室で実施して頂きます。
もし、オルアさんが第3段階の行為を我慢できないと思ったら、姉妹関係は不成立です。」
オルア=サーパース
「それなら、第3段階の儀式を最初にした方が良いのではないですか?」
医師(白石冬香)
「そうでもないのよね。」
司会(中路真々美)
「そうだな。」
オルア=サーパース
「どういうことですか?」
司会(中路真々美)
「第3段階の行為を平気で受け入れることができる女性は、1000人に3人くらいと推測されている。
言い換えれば、1000人中997人が絶対に拒否する行為だ。」
医師(白石冬香)
「でも、第1段階と第2段階を越えたあとで、やさしくハイシス(High-Sis)に求められたらギリギリ受けるくらいの恥ずかしい行為ね。」
オルア=サーパース
「くわしく教えてくれますか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「ダメです。」」
オルア=サーパース
「どうしてですか?」
司会(中路真々美)
「試験する前に、試験の内容を教えることはできない。」
医師(白石冬香)
「いま聞いたら誰だって拒否する内容ね。
だから、言えないわ。」
オルア=サーパース
「じゃあ、これだけは教えてくださいませんか?
真々美様と冬香様は、受けたのですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「受けました。」」
ふたりとも下を向いて、顔だけでなく耳の先まで真っ赤にした。
オルア=サーパース
「ありがとうございました。」
それなら、私もがんばらなきゃね。
それにしても、どんな内容なのだろう。
◇
オルアは、真々美と冬香から説明を受けて、セリフを覚えた。
演劇で言うところのセリフの読み合わせを行った。
司会(中路真々美)
「さてと、姉妹関係の儀式を行う前に15分ほど休憩とする。
オルアさんと冬香は、それぞれしたいことがあれば、今のうちに済ませてくれ。
簡単に言うとトイレ休憩と水分補給だな。」
医師(白石冬香)、オルア=サーパース
「「はい。」」
◇
ナレーション(筆者の解説)
「部屋のレイアウトが気になるひとが多いでしょう。
わたしも今更ながら気になりました。
今、アリムさんと彼女たちがいる場所は船の中央付近である。
X-Y座標的にも、Z軸上でも中央付近である。
そして、平面図の上を船の側面、左を船の後ろとすると、
次のように並んでいる。
左から、
(省略)、
階段(面接担当の2人組は、ここを通って下の階から登ってくる。)、
来客用の部屋(空き部屋)、
来客用の部屋(ほぼアリムさん専用) ← アリムさんが寝ている。
司会(中路真々美)がいる指令室、
司会(中路真々美)の私室 ← 真々美、冬香、オルアは今ここ。
医師(白石冬香)の医療室
医師(白石冬香)の私室
オルア=サーパースの資料室
オルア=サーパースの私室
(省略)
来客用の部屋と私室にはワンルームマンションのように一揃いの設備が有る。
ただし、風呂場のとなりに四畳半(7.29平方メートル)の脱衣場があり、テーブルとイス、冷蔵庫、小さな流し台がある。
指令室と医療室には、風呂場をのぞく設備がある。
風呂場が無い分、仕事用のスペースが広くなっている。
つまり、トイレ掃除と湯茶の準備は使った者が各自ですることになっている。
共用設備が無い代わりに、掃除当番も無いから気楽である。
ああ、うらやましい。」
ナレーション(筆者の解説) おわり
◇
21:15
司会(中路真々美)
「それでは、姉妹関係の儀式を始めてもらいましょう。
オルアさん、冬香、準備は、よろしいですか?」
医師(白石冬香)
「ちょっと待って、真々美。
オルア、背筋を伸ばしなさい。
そして、ちゃんと胸を張って立ちなさい。」
オルア=サーパース
「だって、この衣装、恥ずかしいです。」
医師(白石冬香)
「オルア、恥ずかしがることは無いわ、誇りなさい。
とてもよく似合っているわ、あなたはとても美しいわ。
それよりも、猫背になって、顔を下に向けている方が、みっともないわ。
わたしを見て、オルア。
わたしは、この衣装であなたのとなりに立っていることを、とても誇らしく自慢に思うわ。
だから、こうして、背筋を伸ばして胸を張って、堂々としているの。
それとも、オルアは、わたしのとなりに立つことを嬉しいと思ってはくれないのですか?」
オルア=サーパース
「そんなことない、恥ずかしいけれど、誇らしくもあるわ。」
オルアは姿勢を正した。
とても、優雅で誇らしい立ち姿だ。
医師(白石冬香)
「素敵よ、オルア。
とっても嬉しいわ。」
冬香はオルアを優しく抱きしめた。
1分ほどしてから、冬香とオルアは、真々美の方に向いた。
司会(中路真々美)
「それでは、姉妹関係の儀式を始める。」
真々美は、大きく両腕を広げて、正面で両手を打ち合わせた。
パーン。
一拍おいて、パーン。
さらに、一拍おいて、パーン。
オルアは、周囲の邪気が打ち払われたように、空気がきれいになったように感じた。
真々美が手を打ち合わせる行為は、お払いの儀式でも行われる。
素人でも、それなりの効果が見込める。
真々美クラスの女の人のクラスターが行えば、効果は絶大と言える。
司会(中路真々美)
「オルアさん、わたしの可愛い冬香の愛を受け取ってくれることを望みます。」
司会(中路真々美)
「冬香、わたしが可愛い冬香を愛したように、オルアさんに愛情をそそいで欲しい。」
真々美は、自分たちが絵美の前で、姉妹関係の儀式を行った日のことを思い出していた。
だから、できる限り、絵美の口調を真似た。
冬香は、自分たちが絵美様の前で、姉妹関係の儀式を行った日のことを思い出していた。
あのとき、真々美が愛してくれたように、オルアを愛する決意を固めていた。
あのときの真々美も今のわたしと同じ気持ちだったのだろうと考えると、こころの真ん中から暖かくなった。
冬香はオルアの手をとって、結界の前に立った。
司会(中路真々美)
「オルアさん。
・・・
明光波」
オルアは、身体じゅうを涼風がなぜるような感覚を覚えた。
身体じゅうが精神的にも軽く羽のように浮く気分になった。
司会(中路真々美)
「冬香。
・・・
明光波」
冬香は、身体じゅうを涼風がなぜるような感覚を覚えた。
身体じゅうが精神的にも軽く羽のように浮く気分になった。
」
冬香はオルアの手をとって、結界の中に入った。
そして、二人は布団の前に立ち両手を合わせて、真々美の顔を見た。
仏教で神仏に手を合わせる合掌礼である。
光元国のように上下を示すために頭を下げるお辞儀ではない。
お互いを同じ貴重な存在として讃え合うための挨拶あいさつだ。
医師(白石冬香)
「真々美、これからオルアを私のサブシス(Sub-Sis)に迎えようとしています。
真々美、見てください。」
オルア=サーパース
「真々美様、これから冬香様を私のハイシス(High-Sis)に戴きます。
真々美様、ご覧ください。」
司会(中路真々美)
「お二人の姉妹関係が無事に成立するところをお見届けいたします。」
ナレーション(筆者の解説)
「戴くは、王冠をかぶせてもらうイメージです。
自分の頭に乗せても良いくらい大事な存在。
親が自分の子供を肩車する愛しい気持ちよりも、さらに愛しい感情を表しています。」
◇
ナレーション(筆者の解説)
「前置きが長すぎるわ。
いつになったら始めるんだ。
と待ちきれなくなります。
しかし、これだけの手間暇と労力を掛けるからこそ、相手を大事に思う気持ちが伝わるのでしょうね。
先ほどの冬香から真々美への魔力補充は2回目以降だから、前置きが無かったのだろう。」
ナレーション(筆者の解説) おわり
医師(白石冬香)
「オルア、さあ、こちらへ来て。」
冬香はオルアを引き寄せて、布団に座らせて、やさしくキスをした。
そして、やさしく丁寧にオルアを寝かせた。
医師(白石冬香)
「オルア、とっても綺麗よ。うつくしいわ。
この瞬間をどんなに待ち焦がれたことでしょう。
嬉しくって、仕方ないわ。」
冬香は、オルアの体の外側の空白に両手両足の4本立ちになって、オルアを見つめていた。
オルア=サーパース
「冬香様、そう言ってもらえると嬉しいです。」
オルアは、顔を赤くしながら、冬香に答えた。
オルア=サーパース こころの声
『冬香のこんなにも晴れやかな笑顔を初めて見たわ。
いつもまぶしい笑顔を向けてくれていたけれど、それが曇りの日に思えるくらい晴れの日に見えるわ。
そんなにも私を望んでくれているなんて、しあわせで溶けてしまいそう。
そして、わたしたち二人を包み込むように見守る真々美の熱い視線も感じてしまう。
ここまでされたら、いいえ、ここまでしてもらったら、愛されていると信じられそう。
そして、受け入れられたら、相手のために尽くそうと迷わず考えることができるわ。
まだ、始まったばかりだけれど、もう十分に身も心も震えるわ。』
医師(白石冬香)
「オルア、わたしの愛を受け止めてね。
決して避けたり、防ごうとしないでね。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様。」
オルア=サーパース こころの声
『冬香のこんなにも真剣で熱いまなざしは初めてね。』
冬香のオルアへの愛の言葉とキスと優しくなぜる手が、あたまのてっぺんからつま先まで降り注いだ。
医師(白石冬香)
「オルア、オルア、わたしの可愛いオルア。」
オルア=サーパース
「冬香様、冬香様、冬香さまあああ。」
オルア=サーパース こころの声
『もう、なにも考えられない。
わたしが無くなって空気中に溶けてしまう感じ。』
オルア=サーパース
「ああん。」
医師(白石冬香)
「その可愛い声、もっと聞かせて? ね、オルア。」
そのひとことがオルアを、ためらいや建前、気品などから解放した。
オルア=サーパース こころの声
『わたしが消えてしまう。』
オルアの美しいソプラノの歌声が響き渡った。
医師(白石冬香)
「素敵だったわ。オルア。ありがとう。」
医師(白石冬香) こころの声
『性魔力 現在値 25/最大値 30
+8も性魔力が回復したわ。
サブシス(Sub-Sis)からハイシス(High-Sis)への魔力補給よりも効率が良いわね。
真々美に魔力補給したときは、5ずつしか回復しなかった。
正式に姉妹関係を結べば、10ずつ回復しそうね。』
オルアは、気を失って眠っていた。
姉妹関係の儀式 第1段階 完了。
◇
医師(白石冬香)は、「優雅な紅茶」を飲んでいた。
人気のブランドだ。
オルアの全身をなめるように見ながら、優雅に、「優雅な紅茶」を飲んでいた。
オルアは目を覚ました。
オルア=サーパース
「冬香様、わたしにも飲ませてくださいませ。」
医師(白石冬香)
「オルア、口移しで飲ませてくださいって、おねだりしなさい。」
オルア=サーパース
「口移しって、恥ずかしすぎるわ。」
医師(白石冬香)
「じゃあ、あげない。
わたしと唇くちびるをあわせるのが嫌なのか、喉のどが乾いていないのか、
どちらでしょうね。
きっと、喉のどが乾いていないのね。」
冬香は、やさしく微笑んだ。
オルアは、絞り出すように、小さな声で言った。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(小さな声)
医師(白石冬香)
「聞こえない。」
オルアは、恥ずかしさに耐えながら、普通の音量で言い直した。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(普通の声)
医師(白石冬香)
「まだ聞こえない。」
オルアは、恥ずかしいけれど大きな声で言い直した。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(大きな声)
医師(白石冬香)
「かわいいわあ、オルア。
たっぷり飲ませてあげるわ。」
コップ1杯分の「優雅な紅茶」を飲ませてもらうまでに、合計5回の口移しが必要だった。
冬香の優しいけれど力強い口づけによる口移しで、オルアの唇はかなり敏感になっていた。
あまいあまい感覚がオルアの身体中からだじゅうに広がるようだった。
医師(白石冬香)
「My adorable princess, I would like to hear the beautiful singing voice of your mother.
Would you ask her for me? Yes, thank you. I'm delighted.」
オルア=サーパース こころの声
『えっ? なんで、いきなり、栄語で言うの?
可愛いお姫様、あなたのお母様の美しい歌声を聞きたいわ。
ママに頼んでくれる? そう、ありがとう。
うれしいわ。
という意味よね。
えっ? えっ? えっ? 誰と話しているの?
可愛いお姫様って、だれと話しているの?
しかも、
Would you ask her for me?
って、なに?
普通は、
Could you ask her for me?
よね。
Could you
は、90%くらいの確率でYESと返事してくれるって期待している意味よね。
Would you
ってことは、100%くらいの確率でYESと返事してくれるって期待している意味になってしまうわ。
なに、言っているの?
』
オルア=サーパース
「ふ、冬香様?」
冬香は返事をしなかったが、その代わりに、オルアの美しいソプラノの歌声が響き渡った。
医師(白石冬香) こころの声
『性魔力 現在値 33/最大値 30
また、+8も性魔力が回復したわ。
ハイシス(High-Sis)からサブシス(Sub-Sis)への魔力補給は、本当に効率が良いわね。
正式に姉妹関係を結べたときが楽しみだわ。』
オルアは、ぐったりと疲れ切っていた。
姉妹関係の儀式 第2段階 完了。
◇
いよいよ、第3段階に入った。
冬香はオルアを連れて、お風呂場のとなりの脱衣場のテーブルの席についていた。
医師(白石冬香)
「オルア、すばらしい歌声をありがとう。
さあ、飲んで。」
冬香は、2つのコップに「優雅な紅茶」を注いだ。
オルア=サーパース
「冬香様、結界の外に出て大丈夫なのですか?」
医師(白石冬香)
「大丈夫よ、たっぷりとマーキングしたからね。
ほら、衣装の色も変わっているでしょ。」
オルア=サーパース
「本当だ、いつの間にか同じ色になっているわ。」
赤と白だったふたりの衣装は両方とも桜のような桃色に変わっていた。
衣装は、赤から桃色へ、白から桃色に変わっていた。
医師(白石冬香)
「オルアが私色に染まった証拠よ。」
冬香はとても満足そうに答えた。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。と言わなくても良いですか?」
オルアはおそるおそる聞いてきた。
医師(白石冬香)
「ええ、大丈夫よ。 あと一歩だから、前祝しましょ。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様。」
冬香とオルアは、コップで2杯ずつ「優雅な紅茶」を飲んだ。
オルアは飲み終わると、冬香をじっと見つめた。
冬香は優しく微笑んだ。
医師(白石冬香)
「どうしたの? オルア、物欲しそうな顔をして?」
オルア=サーパース
「私の方から、冬香様を求めても良いですか?」
医師(白石冬香)
「もちろんよ、来て、オルア」
冬香の美しいソプラノの歌声が響き渡った。
オルア=サーパース
「第3段階は、わたしから冬香様を求めることだったのね。
これで姉妹関係成立よね。
冬香様、ありがとうございました。
じゃあ、真々美様の所に戻って、ご報告して完了よね。」
医師(白石冬香)
「あら? まだよ? オルア」
オルア=サーパース
「えっ? じゃあ、あとどれくらい掛かるの?」
オルアはそわそわして落ち着かない様子だ。
医師(白石冬香)
「あなたがわたしの言うことをちゃんと聞けば、もうすぐ終わるわ。」
オルア=サーパース
「じゃ、じゃあ、少し休憩させてくれませんか?」
医師(白石冬香)
「休憩って、いま、わたしと休憩しているでしょ?
おかしなこと言うわね。オルア」
冬香は意地悪そうな笑みを浮かべている。
オルア=サーパース
「あのね、冬香様、ちょっと一人で行きたい場所があるのです。」
医師(白石冬香)
「そんなこと言わずに私も連れて行って?」
冬香は目に涙を浮かべている。
オルア=サーパース
「えっ? あの泣かれても困るわ。」
オルア=サーパース
「あ、あのね、これだけは一人で行かせて欲しいの。」
医師(白石冬香)
「ダメよ。 ついていくわ。 それとも、連れて行ってあげましょうか?」
オルア=サーパース
「ふ、冬香様?」
オルアはかなり困った顔をして、追い詰められた様子をしている。
冬香は、真々美の手を引いて、場所を移動した。
医師(白石冬香)
「オルアの行きたい場所は、ここよね。 さあ、座って。」
やさしい顔をしているが、いいえと答えたら、豹変しそうだ。
オルア=サーパース
「ふ、冬香様。 わたしは・・・」
これだけは許して!というような顔で、顔を真っ赤にしている。
医師(白石冬香)
「ねえ、オルア。 あなたはこれを毎日してるわよね。」
オルア=サーパース
「はい、そうです。冬香様も誰でも同じですよね。」
医師(白石冬香)
「そうね、その通りよ。 1日に5回はするかしら。
だからね、見せて欲しいな。」
オルア=サーパース
「い、いやです。これだけは、ゆるしてください。」
医師(白石冬香)
「じゃあ、わたしとお別れする?」
オルア=サーパース
「えっ、なぜ? 別れたくないわ。」
医師(白石冬香)
「いい、オルア、よーく考えてね。 あなたはこれを1日何回も何日も天国に行く日までするのよ。
その度に後悔するのよ。 あのとき、見てもらっていれば、いっしょにいられたのに、なぜ、断ってしまったんだ。
毎回、毎回思い出して後悔するでしょうね。 それでもいいのかなあ?」
いたずらっぽく笑う冬香。
オルア=サーパース
「わかった。見てもいいよ。」
医師(白石冬香)
「なに、その言い方。 冬香様、見てください。 ご覧くださいと言うべきよね。」
かなり強い圧が掛かった笑顔だった。
オルア=サーパース
「ふ、冬香様、見てください。」
オルアは、あきらめて求められたとおりにした。
恥ずかしすぎて、オルアは終わった後で気を失った。
冬香は、オルアの両瞼の涙を口で吸い取った。
あと1か所の涙は、水溶性の柔らかいもので優しく、ちょんちょんと当てて吸い取った。
冬香はオルアを抱き上げて運び、結界内の布団に優しく寝かせた。
医師(白石冬香)の心の声
『性魔力 現在値 41/最大値 30
これなら、スリーカーも使用できるかしら?
オルアが起きたら、聞いてみましょう。』
◇
オルアは、お布団で眠っていた。
オルア=サーパース) こころの声
『こんな恥ずかしい想いをさせられたら、特別な関係になってしまうわね。
まるで、冬香様に世界をまるごと捧げたような気分だわ。
でも、なぜだろう。 頭が冴えわたっている気がする。
遠くの風の音が聞こえて、遠くにいるひとの寝言まで鮮明に聞こえる。
今なら、10年先のことまで見通せる気がする。
> アリム
> 「オルアさんと白石さんが上手く行きますように。
> おやすみなさい。」
引用元: 021 5日目 受伝台の助言の意味は
やさしく抱きしめられて、頭をなぜられている感じがした。
素敵な美しいソプラノの子守歌が聞こえて心地よい。
そうだ、起きなきゃ。
まだ、儀式は終わっていない。
真々美様から承認のお言葉を頂戴するまで終わりじゃない。』
オルアが、目を開けると、冬香の胸に抱かれていることが分かった。
医師(白石冬香)
「オルア、素晴らしかったわ。
ありがとう。
世界を征服した女王になったように素晴らしい気分だわ。」
オルア=サーパース
「そんな風に言ってくれるなんて、うれしい・・・
冬香様が相手で良かった。」
オルアの両目から涙があふれた。
その涙を冬香がやさしく唇で吸い取ってくれた。
医師(白石冬香)
「さあ、オルア、真々美にご報告して、承認のお言葉をもらえたら、姉妹関係が成立するわ。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様」
◇
医師(白石冬香)
「真々美、オルアを私のサブシス(Sub-Sis)に迎えました。
オルアのことを一番大事にします。
真々美、祝ってください。」
オルア=サーパース
「真々美様、冬香様を私のハイシス(High-Sis)に戴きました。
冬香様のことを一番にお慕いします。
真々美様、お認めください。」
司会(中路真々美)
「オルアさん、そして、冬香。
お二人がお互いを大事に思う美しい様子を見せて頂き感謝します。
オルアさんという素晴らしい相手に冬香が恵まれたことを嬉しく思います。
そして、可愛い冬香に私よりも大事にするべき相手ができたことに嫉妬もします。
お二人の姉妹関係が無事に成立したことを承認いたします。
この素晴らしい関係が来世まで続くことを願います。
これにて、儀式が完了したことを宣言します。」
医師(白石冬香)
「真々美、感謝します。」
オルア=サーパース
「真々美様、感謝いたします。」
◇
司会(中路真々美)
「オルアさん、冬香、お風呂に入って、汗を流して来てください。
身だしなみを整えたら、記念写真を撮りましょう。」
23:30
◇
2023年8月6日 姉妹関係成立記念日の翌朝
※ 正確には、AM00:15、深夜ともいえる。
真々美と冬香は、記念写真を見て、しあわせを感じていた。
オルアは、記念写真とサイコロステーキを持って、アリムさんの部屋に帰っていった。
司会(中路真々美)
「この素晴らしい写真が撮れたことは、アリムさんのおかげだな。」
医師(白石冬香)
「ええ、本当に。 真々美もオルアも良い顔をしているわ。」
司会(中路真々美)
「冬香も満ち足りた顔をしている。 安心できた良い表情だ。」
医師(白石冬香)
「アリムさんにはお礼したくなりますね。」
司会(中路真々美)
「わたしたちとのナイトバインドを喜んでくれたら最高だな。」
医師(白石冬香)
「そうね。 じゃあ、わたしも部屋に戻るわ。」
司会(中路真々美)
「これからは、いや、今夜だけでも、いっしょに眠ってくれないか。」
医師(白石冬香)
「もちろんよ、わたしの愛しいハイシス(High-Sis)真々美。」
司会(中路真々美)
「ありがとう、わたしの可愛いサブシス(Sub-Sis)冬香。」
◇
オルアは、眠っているアリムの布団に入って手を握った。
オルア=サーパース
「アリムさんのおかげで上手く行ったわ。
ありがとう、アリムさん。」
アリム
「おめでとうございます。オルアさん。」
オルア=サーパース
「えっ、起きてるの? アリムさん?」
アリム
「オルアさん、大好き、最後まで好きでいさせてください。むにゃあ、ぐー、すー、すー」
オルア=サーパース
「な、なんだ寝言ね。びっくりした。おやすみなさい。」
オルアは、アリムさんの手を握ったまま、眠りについた。
本来なら、6年前(オルアが21歳のとき)に実行したかったのだが・・・
◇
司会(中路真々美)は、姉妹関係成立のための場を整えていた。
二人用の布団と枕が用意された周囲4隅には、
・高さ1.5mのろうそく明かり台をイメージした電灯 と
・一辺24cmの小さい正方形の畳(たたみ)の上に、鉄アレイ?
が置かれていた。
ナレーション(筆者の解説)
「鉄アレイのようなものの両端には、3つの爪のような細工がある。
「密教法具」の「金剛杵」(こんごうしょ)の1つで、刃が3本のもの
三鈷杵(さんこしょ)によく似ている気がする。
オルアがテグトスを放った時の指の形にも似ている。
> オルア=サーパース
> 「うーん、残念ながら、違いますね。
> こういうことをしたいですか?
>
> [4] テグトス Tegutosu 」
>
> 遠くにあった的が黒焦げになって、
> その下の水路に落ちた。
引用元: 016 5日目 アリムさんの訓練 「1 気」
何万光年?と離れたカセイダード本星の文化が、チータマルム星の光元国の宗教と似ていることが不思議で仕方ない。
そう言えば、冬香と真々美の名前は、光元国で普通に通用する。
ただし、冬香の容姿は、チータマルム星の光元国よりは、そのはるか東にある正義団結国の出身に近い。
オルアの名前は、正義団結国で通用する名前だが、容姿は光元国の出身に見える。
深く考えて悩むと疲れるので、考えたくない。
もっとも大事なことは、敵か味方かである。
現時点において、物語の主人公であるアリムさんの味方だから気にする必要はないですよね。
と念押ししたくなる。
」
ナレーション(筆者の解説) おわり
◇
医師(白石冬香)は、オルア=サーパースに儀式用の衣装の着方を説明していた。
小さい三角ビキニの水着に似ているが、かわいいリボンが両胸とショーツに付いていた。
同じデザインだが、ハイシス(High-Sis)となる冬香の衣装は赤色で、
サブシス(Sub-Sis)となるオルアの衣装は白色である。
オルア=サーパース
「この衣装は、かなり恥ずかしいわね。
真々美と冬香にしか見られたくないわ。」
オルアの顔は恥ずかしさで、ほほが桜色に染まっていた。
医師(白石冬香)
「とっても良く似合っているわ。
そして、恥ずかしそうにしてくれることが嬉しいわ。
その初々しさを、いつまでも無くさないでね。」
冬香は優しくほほえみながら、この一瞬が貴重と感じているような声で、オルアに答えた。
◇
冬香とオルアは、真々美が整えた儀式の場に向かった。
儀式の場にあるテーブルで説明文書を用意して、真々美が待っていた。
司会(中路真々美)
「オルアさん、冬香。 これから姉妹関係を結ぶ儀式の進行についての説明会を行います。」
オルア=サーパース
「どうしたの、真々美?
オルアさんって、変なの、というかよそよそしく距離を置かれたみたいで嫌だわ。」
司会(中路真々美)
「うーん、たしかに変な感じがするが・・・
それでも儀式の翌日の昼が過ぎるまでは、この呼び方にする必要があるからな。」
医師(白石冬香)
「そうね、絵美様も私のことを、冬香さんと呼ぶからね。」
オルア=サーパース
「すごいね。 絵美様に「さん」付けで呼ばれるなんて。
真々美は、どう呼ばれているの?
やっぱり、「さん」付けかな?」
司会(中路真々美)
「いや、真々美と呼び捨てされているし、わたしも絵美と呼び捨てにしている。
そして、オルアさんは、儀式の翌日の昼が過ぎるまでは、私と冬香を「様(さま)」付けで呼んでもらう。
儀式の翌日の昼が過ぎれば、今まで通り、真々美、冬香と呼んでもらって構わない。
もちろん、わたしも、儀式の翌日の昼が過ぎれば、今まで通り、オルアと呼ぶ。」
オルア=サーパース
「儀式に必要みたいだから仕方ないけれど、なんだか大変ね。
冬香様は、どういう呼び方をされるのですか?」
医師(白石冬香)
「わたしは、絵美様、真々美、オルア という呼び方になるわ。」
オルア=サーパース
「呼び方の法則について、教えてくれますか?」
司会(中路真々美)
「姉妹関係の上下を明確にするために、呼び方を変えている。
そして、姉妹関係が無事に成立したら、直接の姉妹は呼び捨てで呼び合う。
そのことから考えると、わたしとオルアが呼び捨てで呼び合っていることは、周囲からすれば特別な関係に見えるだろうな。」
オルア=サーパース
「普通は、違うのですか?」
医師(白石冬香)
「ハイシス(High-Sis)のハイシス(High-Sis)は、様(さま)付けで呼ぶわ。」
司会(中路真々美)
「サブシス(Sub-Sis)のサブシス(Sub-Sis)は、さん付けで呼ぶな。」
オルア=サーパース
「そうやって、上下関係を明確にしているのね。」
医師(白石冬香)
「それだけじゃなくて、ね。 真々美?」
司会(中路真々美)
「そうだな。
直接関係のハイシス(High-Sis)やサブシス(Sub-Sis)を飛び越えて手を出しません。
という宣誓の意味が大きいな。」
オルア=サーパース
「手を出すとは、あっちの意味でですか?」
医師(白石冬香)
「そうね。 あっちの意味よ。
間の者が飛ばされたら、居たたまれなくなるからね。
でも、例外があるけれどね。」
オルア=サーパース
「例外は、どんな状況ですか?」
司会(中路真々美)
「ほとんど発生しないが、3人が同じ相手とナイトバインドした場合に発生する。」
オルア=サーパース
「たとえば、わたしたちが全員アリムさんとナイトバインドすれば発生するという解釈で良いですか?」
医師(白石冬香)
「その通りね。
まだ、誰もアリムさんとナイトバインドしていないけれど、わたしたち3人がアリムさんとナイトバインドすれば発生するわね。 それが第1条件になります。」
オルア=サーパース
「第2条件はなにですか?」
医師(白石冬香)
「アリムさんとわたしが愛し合っている最中に、真々美とオルアがそばにいた場合は、真々美とオルアが姉妹関係を持っても問題なしになります。」
オルア=サーパース
「え? え? え?」
司会(中路真々美)
「わたしたち4人が同じ大きなベットまたは布団で眠る関係になっていればの話だから、そうそう発生しない。」
オルア=サーパース
「アリムさんのハーレムが成立することが条件ですね。」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、そうです。」」
すこし、顔が赤い。
オルア=サーパース
「それって、お互いの恥ずかしい姿を見せあう感じですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、そうです。」」
かなり、顔が赤い。
オルア=サーパース
「考えただけで恥ずかしくなるわ。」
かなり、顔が赤い。
◇
医師(白石冬香)
「真々美とわたしがオルアに姉妹関係の儀式について説明するわけですが、オルアもサブシス(Sub-Sis)を決めるときに説明をする必要があるから覚えておいてね。」
オルア=サーパース
「この文書を大事に保管するから大丈夫よ。」
司会(中路真々美)
「あー、それはできないな。」
医師(白石冬香)
「そうね、無理ね。」
オルア=サーパース
「どうしてですか?」
司会(中路真々美)
「説明会が終わったら、姉妹関係の儀式を開始する前に千切って燃やすからだ。」
オルア=サーパース
「え? もったいない。 残しておけば良いのに。」
医師(白石冬香)
「当事者以外には内容を教えないからなの。」
司会(中路真々美)
「この資料も、たった今、タイプしたもので、データも完全消去する。」
オルア=サーパース
「じゃあ、伝言ゲームみたいに、情報が消失するね。」
医師(白石冬香)
「ふたりで覚えるから、大丈夫ね。
わたしが真々美のサブシス(Sub-Sis)になったときは、絵美様と真々美が説明してくれたわ。」
司会(中路真々美)
「わたしのときは、国王様(女王様)と絵美が説明してくれた。」
オルア=サーパース
「国王様から説明されるなんて、すごいわ。
ということは、絵美様と真々美様は、国王様の前で、姉妹関係を結んだのですか?」
司会(中路真々美)
「その通りだ。」
医師(白石冬香)
「そして、真々美とわたしは、絵美様の前で、姉妹関係を結んだわ。」
オルア=サーパース
「ということは、冬香様と私は、真々美様の前で、姉妹関係を結ぶのですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「はい、正解です。」」
オルア=サーパース
「そんな、恥ずかしい・・・」
顔が赤い。
司会(中路真々美)
「見届けて、承認する必要があるからな。」
医師(白石冬香)
「そして、おかしな行為をさせないためね。」
オルア=サーパース
「おかしな行為とは、なにですか?」
司会(中路真々美)
「愛し合う行為のはずなのに、相手の心身を傷つける行為をする馬鹿がいたら、止めるためだ。」
オルア=サーパース
「まさかあ、そんなことしないでしょ?」
医師(白石冬香)
「常識が通用しない場合を想定した方が安全だからね。」
司会(中路真々美)
「同性間でも異性間でも、手放しで相手を信用することは危険だ。」
医師(白石冬香)
「下手すぎる場合は、指導が入るわ。 ね、真々美。」
司会(中路真々美)
「う、うれしさのあまり、ちからが入ってしまったんだ。 ゆるしてくれ。」
医師(白石冬香)
「あのときは、痛かったわ。 絵美様の指導後は良かったわよ。」
司会(中路真々美)
「はずかしい。
忘れてくれないか?」
オルア=サーパース
「どういう指導が有ったの?」
興味津々で、丁寧語を忘れているオルア。
司会(中路真々美)
「わたしが冬香にした行為を同じ力加減で、絵美が私にしたんだ。
それで、痛さを教えてくれて、私の身体で力加減の手本を実地で示してくれた。」
真々美は顔がかなり赤くなっている。
オルア=サーパース
「絵美様が冬香様に触れたわけではないのね。」
医師(白石冬香)
「それはないわ。 あっても良かったけれど。 絵美様と私が触れ合うことは無いわね。」
オルア=サーパース
「冬香様は絵美様と触れあいたいのですね。」
司会(中路真々美)
「だ、ダメだぞ。
絵美はわたしのハイシス(High-Sis)だから、冬香に渡さない。
冬香はわたしのサブシス(Sub-Sis)だから、絵美に渡さない。」
医師(白石冬香)
「ということよ。」
オルア=サーパース
「複雑な独占欲なのですね。」
◇
司会(中路真々美)
「う、うん、ごほん、ごほん、それでは、儀式の概要を説明いたします。」
オルア=サーパース
「はい、お願いします。」
司会(中路真々美)
「基本的に、オルアさんは、冬香のリードに心身を任せればいい。」
医師(白石冬香)
「わたしが真々美に愛されたように、オルアを愛すわ。
ガラス細工を扱うように、猫の赤ちゃんを扱うように優しくするから安心してね。」
オルア=サーパース
「はい、お願いします。」
『なんだか、ドキドキする。』
司会(中路真々美)
「序盤は、わたしが場を清めるために、3回、手を合わせて、音を出します。
それから、「明光波」でふたりの邪気をひとりずつ払います。」
オルア=サーパース
「「明光波」とは、なにですか?」
司会(中路真々美)
「生霊払いというか厄落としというか」
医師(白石冬香)
「この恰好だから、面倒な存在が寄ってくるのよ。
それを払う強風や突風のような空気流よ。
布団の周りに置いてある四方の鉄アレイみたいなのが、邪気や悪霊を防ぐための結界の主役で三鈷杵(さんこしょ)という法具ね。」
オルア=サーパース
「初めて聞くわ、参考書と聞き間違えたのではないわよね。」
司会(中路真々美)
「資料にある通り、三鈷杵(さんこしょ)と呼ばれているそうだ。
最終的には、参考書と間違って伝わるかもしれないな。」
医師(白石冬香)
「三鈷杵(さんこしょ)という言葉だけはメモして大丈夫だから、安心してね。
使用方法は秘密にされているけれど、法具というかお守りの一種として販売されているわ。
そして、真々美、オルアをからかわないで、まじめにやってね。」
司会(中路真々美)
「すみませんでした。 以後、気を付けます。」
しゅんと元気を無くした真々美だった。
◇
司会(中路真々美)
「儀式は、全部で3段階あります。
第1段階と第2段階は、わたしの前で実行してもらいます。
そして、第3段階は、冬香と二人だけで別室で実施して頂きます。
もし、オルアさんが第3段階の行為を我慢できないと思ったら、姉妹関係は不成立です。」
オルア=サーパース
「それなら、第3段階の儀式を最初にした方が良いのではないですか?」
医師(白石冬香)
「そうでもないのよね。」
司会(中路真々美)
「そうだな。」
オルア=サーパース
「どういうことですか?」
司会(中路真々美)
「第3段階の行為を平気で受け入れることができる女性は、1000人に3人くらいと推測されている。
言い換えれば、1000人中997人が絶対に拒否する行為だ。」
医師(白石冬香)
「でも、第1段階と第2段階を越えたあとで、やさしくハイシス(High-Sis)に求められたらギリギリ受けるくらいの恥ずかしい行為ね。」
オルア=サーパース
「くわしく教えてくれますか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「ダメです。」」
オルア=サーパース
「どうしてですか?」
司会(中路真々美)
「試験する前に、試験の内容を教えることはできない。」
医師(白石冬香)
「いま聞いたら誰だって拒否する内容ね。
だから、言えないわ。」
オルア=サーパース
「じゃあ、これだけは教えてくださいませんか?
真々美様と冬香様は、受けたのですか?」
司会(中路真々美)、医師(白石冬香)
「「受けました。」」
ふたりとも下を向いて、顔だけでなく耳の先まで真っ赤にした。
オルア=サーパース
「ありがとうございました。」
それなら、私もがんばらなきゃね。
それにしても、どんな内容なのだろう。
◇
オルアは、真々美と冬香から説明を受けて、セリフを覚えた。
演劇で言うところのセリフの読み合わせを行った。
司会(中路真々美)
「さてと、姉妹関係の儀式を行う前に15分ほど休憩とする。
オルアさんと冬香は、それぞれしたいことがあれば、今のうちに済ませてくれ。
簡単に言うとトイレ休憩と水分補給だな。」
医師(白石冬香)、オルア=サーパース
「「はい。」」
◇
ナレーション(筆者の解説)
「部屋のレイアウトが気になるひとが多いでしょう。
わたしも今更ながら気になりました。
今、アリムさんと彼女たちがいる場所は船の中央付近である。
X-Y座標的にも、Z軸上でも中央付近である。
そして、平面図の上を船の側面、左を船の後ろとすると、
次のように並んでいる。
左から、
(省略)、
階段(面接担当の2人組は、ここを通って下の階から登ってくる。)、
来客用の部屋(空き部屋)、
来客用の部屋(ほぼアリムさん専用) ← アリムさんが寝ている。
司会(中路真々美)がいる指令室、
司会(中路真々美)の私室 ← 真々美、冬香、オルアは今ここ。
医師(白石冬香)の医療室
医師(白石冬香)の私室
オルア=サーパースの資料室
オルア=サーパースの私室
(省略)
来客用の部屋と私室にはワンルームマンションのように一揃いの設備が有る。
ただし、風呂場のとなりに四畳半(7.29平方メートル)の脱衣場があり、テーブルとイス、冷蔵庫、小さな流し台がある。
指令室と医療室には、風呂場をのぞく設備がある。
風呂場が無い分、仕事用のスペースが広くなっている。
つまり、トイレ掃除と湯茶の準備は使った者が各自ですることになっている。
共用設備が無い代わりに、掃除当番も無いから気楽である。
ああ、うらやましい。」
ナレーション(筆者の解説) おわり
◇
21:15
司会(中路真々美)
「それでは、姉妹関係の儀式を始めてもらいましょう。
オルアさん、冬香、準備は、よろしいですか?」
医師(白石冬香)
「ちょっと待って、真々美。
オルア、背筋を伸ばしなさい。
そして、ちゃんと胸を張って立ちなさい。」
オルア=サーパース
「だって、この衣装、恥ずかしいです。」
医師(白石冬香)
「オルア、恥ずかしがることは無いわ、誇りなさい。
とてもよく似合っているわ、あなたはとても美しいわ。
それよりも、猫背になって、顔を下に向けている方が、みっともないわ。
わたしを見て、オルア。
わたしは、この衣装であなたのとなりに立っていることを、とても誇らしく自慢に思うわ。
だから、こうして、背筋を伸ばして胸を張って、堂々としているの。
それとも、オルアは、わたしのとなりに立つことを嬉しいと思ってはくれないのですか?」
オルア=サーパース
「そんなことない、恥ずかしいけれど、誇らしくもあるわ。」
オルアは姿勢を正した。
とても、優雅で誇らしい立ち姿だ。
医師(白石冬香)
「素敵よ、オルア。
とっても嬉しいわ。」
冬香はオルアを優しく抱きしめた。
1分ほどしてから、冬香とオルアは、真々美の方に向いた。
司会(中路真々美)
「それでは、姉妹関係の儀式を始める。」
真々美は、大きく両腕を広げて、正面で両手を打ち合わせた。
パーン。
一拍おいて、パーン。
さらに、一拍おいて、パーン。
オルアは、周囲の邪気が打ち払われたように、空気がきれいになったように感じた。
真々美が手を打ち合わせる行為は、お払いの儀式でも行われる。
素人でも、それなりの効果が見込める。
真々美クラスの女の人のクラスターが行えば、効果は絶大と言える。
司会(中路真々美)
「オルアさん、わたしの可愛い冬香の愛を受け取ってくれることを望みます。」
司会(中路真々美)
「冬香、わたしが可愛い冬香を愛したように、オルアさんに愛情をそそいで欲しい。」
真々美は、自分たちが絵美の前で、姉妹関係の儀式を行った日のことを思い出していた。
だから、できる限り、絵美の口調を真似た。
冬香は、自分たちが絵美様の前で、姉妹関係の儀式を行った日のことを思い出していた。
あのとき、真々美が愛してくれたように、オルアを愛する決意を固めていた。
あのときの真々美も今のわたしと同じ気持ちだったのだろうと考えると、こころの真ん中から暖かくなった。
冬香はオルアの手をとって、結界の前に立った。
司会(中路真々美)
「オルアさん。
・・・
明光波」
オルアは、身体じゅうを涼風がなぜるような感覚を覚えた。
身体じゅうが精神的にも軽く羽のように浮く気分になった。
司会(中路真々美)
「冬香。
・・・
明光波」
冬香は、身体じゅうを涼風がなぜるような感覚を覚えた。
身体じゅうが精神的にも軽く羽のように浮く気分になった。
」
冬香はオルアの手をとって、結界の中に入った。
そして、二人は布団の前に立ち両手を合わせて、真々美の顔を見た。
仏教で神仏に手を合わせる合掌礼である。
光元国のように上下を示すために頭を下げるお辞儀ではない。
お互いを同じ貴重な存在として讃え合うための挨拶あいさつだ。
医師(白石冬香)
「真々美、これからオルアを私のサブシス(Sub-Sis)に迎えようとしています。
真々美、見てください。」
オルア=サーパース
「真々美様、これから冬香様を私のハイシス(High-Sis)に戴きます。
真々美様、ご覧ください。」
司会(中路真々美)
「お二人の姉妹関係が無事に成立するところをお見届けいたします。」
ナレーション(筆者の解説)
「戴くは、王冠をかぶせてもらうイメージです。
自分の頭に乗せても良いくらい大事な存在。
親が自分の子供を肩車する愛しい気持ちよりも、さらに愛しい感情を表しています。」
◇
ナレーション(筆者の解説)
「前置きが長すぎるわ。
いつになったら始めるんだ。
と待ちきれなくなります。
しかし、これだけの手間暇と労力を掛けるからこそ、相手を大事に思う気持ちが伝わるのでしょうね。
先ほどの冬香から真々美への魔力補充は2回目以降だから、前置きが無かったのだろう。」
ナレーション(筆者の解説) おわり
医師(白石冬香)
「オルア、さあ、こちらへ来て。」
冬香はオルアを引き寄せて、布団に座らせて、やさしくキスをした。
そして、やさしく丁寧にオルアを寝かせた。
医師(白石冬香)
「オルア、とっても綺麗よ。うつくしいわ。
この瞬間をどんなに待ち焦がれたことでしょう。
嬉しくって、仕方ないわ。」
冬香は、オルアの体の外側の空白に両手両足の4本立ちになって、オルアを見つめていた。
オルア=サーパース
「冬香様、そう言ってもらえると嬉しいです。」
オルアは、顔を赤くしながら、冬香に答えた。
オルア=サーパース こころの声
『冬香のこんなにも晴れやかな笑顔を初めて見たわ。
いつもまぶしい笑顔を向けてくれていたけれど、それが曇りの日に思えるくらい晴れの日に見えるわ。
そんなにも私を望んでくれているなんて、しあわせで溶けてしまいそう。
そして、わたしたち二人を包み込むように見守る真々美の熱い視線も感じてしまう。
ここまでされたら、いいえ、ここまでしてもらったら、愛されていると信じられそう。
そして、受け入れられたら、相手のために尽くそうと迷わず考えることができるわ。
まだ、始まったばかりだけれど、もう十分に身も心も震えるわ。』
医師(白石冬香)
「オルア、わたしの愛を受け止めてね。
決して避けたり、防ごうとしないでね。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様。」
オルア=サーパース こころの声
『冬香のこんなにも真剣で熱いまなざしは初めてね。』
冬香のオルアへの愛の言葉とキスと優しくなぜる手が、あたまのてっぺんからつま先まで降り注いだ。
医師(白石冬香)
「オルア、オルア、わたしの可愛いオルア。」
オルア=サーパース
「冬香様、冬香様、冬香さまあああ。」
オルア=サーパース こころの声
『もう、なにも考えられない。
わたしが無くなって空気中に溶けてしまう感じ。』
オルア=サーパース
「ああん。」
医師(白石冬香)
「その可愛い声、もっと聞かせて? ね、オルア。」
そのひとことがオルアを、ためらいや建前、気品などから解放した。
オルア=サーパース こころの声
『わたしが消えてしまう。』
オルアの美しいソプラノの歌声が響き渡った。
医師(白石冬香)
「素敵だったわ。オルア。ありがとう。」
医師(白石冬香) こころの声
『性魔力 現在値 25/最大値 30
+8も性魔力が回復したわ。
サブシス(Sub-Sis)からハイシス(High-Sis)への魔力補給よりも効率が良いわね。
真々美に魔力補給したときは、5ずつしか回復しなかった。
正式に姉妹関係を結べば、10ずつ回復しそうね。』
オルアは、気を失って眠っていた。
姉妹関係の儀式 第1段階 完了。
◇
医師(白石冬香)は、「優雅な紅茶」を飲んでいた。
人気のブランドだ。
オルアの全身をなめるように見ながら、優雅に、「優雅な紅茶」を飲んでいた。
オルアは目を覚ました。
オルア=サーパース
「冬香様、わたしにも飲ませてくださいませ。」
医師(白石冬香)
「オルア、口移しで飲ませてくださいって、おねだりしなさい。」
オルア=サーパース
「口移しって、恥ずかしすぎるわ。」
医師(白石冬香)
「じゃあ、あげない。
わたしと唇くちびるをあわせるのが嫌なのか、喉のどが乾いていないのか、
どちらでしょうね。
きっと、喉のどが乾いていないのね。」
冬香は、やさしく微笑んだ。
オルアは、絞り出すように、小さな声で言った。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(小さな声)
医師(白石冬香)
「聞こえない。」
オルアは、恥ずかしさに耐えながら、普通の音量で言い直した。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(普通の声)
医師(白石冬香)
「まだ聞こえない。」
オルアは、恥ずかしいけれど大きな声で言い直した。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。」(大きな声)
医師(白石冬香)
「かわいいわあ、オルア。
たっぷり飲ませてあげるわ。」
コップ1杯分の「優雅な紅茶」を飲ませてもらうまでに、合計5回の口移しが必要だった。
冬香の優しいけれど力強い口づけによる口移しで、オルアの唇はかなり敏感になっていた。
あまいあまい感覚がオルアの身体中からだじゅうに広がるようだった。
医師(白石冬香)
「My adorable princess, I would like to hear the beautiful singing voice of your mother.
Would you ask her for me? Yes, thank you. I'm delighted.」
オルア=サーパース こころの声
『えっ? なんで、いきなり、栄語で言うの?
可愛いお姫様、あなたのお母様の美しい歌声を聞きたいわ。
ママに頼んでくれる? そう、ありがとう。
うれしいわ。
という意味よね。
えっ? えっ? えっ? 誰と話しているの?
可愛いお姫様って、だれと話しているの?
しかも、
Would you ask her for me?
って、なに?
普通は、
Could you ask her for me?
よね。
Could you
は、90%くらいの確率でYESと返事してくれるって期待している意味よね。
Would you
ってことは、100%くらいの確率でYESと返事してくれるって期待している意味になってしまうわ。
なに、言っているの?
』
オルア=サーパース
「ふ、冬香様?」
冬香は返事をしなかったが、その代わりに、オルアの美しいソプラノの歌声が響き渡った。
医師(白石冬香) こころの声
『性魔力 現在値 33/最大値 30
また、+8も性魔力が回復したわ。
ハイシス(High-Sis)からサブシス(Sub-Sis)への魔力補給は、本当に効率が良いわね。
正式に姉妹関係を結べたときが楽しみだわ。』
オルアは、ぐったりと疲れ切っていた。
姉妹関係の儀式 第2段階 完了。
◇
いよいよ、第3段階に入った。
冬香はオルアを連れて、お風呂場のとなりの脱衣場のテーブルの席についていた。
医師(白石冬香)
「オルア、すばらしい歌声をありがとう。
さあ、飲んで。」
冬香は、2つのコップに「優雅な紅茶」を注いだ。
オルア=サーパース
「冬香様、結界の外に出て大丈夫なのですか?」
医師(白石冬香)
「大丈夫よ、たっぷりとマーキングしたからね。
ほら、衣装の色も変わっているでしょ。」
オルア=サーパース
「本当だ、いつの間にか同じ色になっているわ。」
赤と白だったふたりの衣装は両方とも桜のような桃色に変わっていた。
衣装は、赤から桃色へ、白から桃色に変わっていた。
医師(白石冬香)
「オルアが私色に染まった証拠よ。」
冬香はとても満足そうに答えた。
オルア=サーパース
「冬香様の口移しで飲ませてください。と言わなくても良いですか?」
オルアはおそるおそる聞いてきた。
医師(白石冬香)
「ええ、大丈夫よ。 あと一歩だから、前祝しましょ。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様。」
冬香とオルアは、コップで2杯ずつ「優雅な紅茶」を飲んだ。
オルアは飲み終わると、冬香をじっと見つめた。
冬香は優しく微笑んだ。
医師(白石冬香)
「どうしたの? オルア、物欲しそうな顔をして?」
オルア=サーパース
「私の方から、冬香様を求めても良いですか?」
医師(白石冬香)
「もちろんよ、来て、オルア」
冬香の美しいソプラノの歌声が響き渡った。
オルア=サーパース
「第3段階は、わたしから冬香様を求めることだったのね。
これで姉妹関係成立よね。
冬香様、ありがとうございました。
じゃあ、真々美様の所に戻って、ご報告して完了よね。」
医師(白石冬香)
「あら? まだよ? オルア」
オルア=サーパース
「えっ? じゃあ、あとどれくらい掛かるの?」
オルアはそわそわして落ち着かない様子だ。
医師(白石冬香)
「あなたがわたしの言うことをちゃんと聞けば、もうすぐ終わるわ。」
オルア=サーパース
「じゃ、じゃあ、少し休憩させてくれませんか?」
医師(白石冬香)
「休憩って、いま、わたしと休憩しているでしょ?
おかしなこと言うわね。オルア」
冬香は意地悪そうな笑みを浮かべている。
オルア=サーパース
「あのね、冬香様、ちょっと一人で行きたい場所があるのです。」
医師(白石冬香)
「そんなこと言わずに私も連れて行って?」
冬香は目に涙を浮かべている。
オルア=サーパース
「えっ? あの泣かれても困るわ。」
オルア=サーパース
「あ、あのね、これだけは一人で行かせて欲しいの。」
医師(白石冬香)
「ダメよ。 ついていくわ。 それとも、連れて行ってあげましょうか?」
オルア=サーパース
「ふ、冬香様?」
オルアはかなり困った顔をして、追い詰められた様子をしている。
冬香は、真々美の手を引いて、場所を移動した。
医師(白石冬香)
「オルアの行きたい場所は、ここよね。 さあ、座って。」
やさしい顔をしているが、いいえと答えたら、豹変しそうだ。
オルア=サーパース
「ふ、冬香様。 わたしは・・・」
これだけは許して!というような顔で、顔を真っ赤にしている。
医師(白石冬香)
「ねえ、オルア。 あなたはこれを毎日してるわよね。」
オルア=サーパース
「はい、そうです。冬香様も誰でも同じですよね。」
医師(白石冬香)
「そうね、その通りよ。 1日に5回はするかしら。
だからね、見せて欲しいな。」
オルア=サーパース
「い、いやです。これだけは、ゆるしてください。」
医師(白石冬香)
「じゃあ、わたしとお別れする?」
オルア=サーパース
「えっ、なぜ? 別れたくないわ。」
医師(白石冬香)
「いい、オルア、よーく考えてね。 あなたはこれを1日何回も何日も天国に行く日までするのよ。
その度に後悔するのよ。 あのとき、見てもらっていれば、いっしょにいられたのに、なぜ、断ってしまったんだ。
毎回、毎回思い出して後悔するでしょうね。 それでもいいのかなあ?」
いたずらっぽく笑う冬香。
オルア=サーパース
「わかった。見てもいいよ。」
医師(白石冬香)
「なに、その言い方。 冬香様、見てください。 ご覧くださいと言うべきよね。」
かなり強い圧が掛かった笑顔だった。
オルア=サーパース
「ふ、冬香様、見てください。」
オルアは、あきらめて求められたとおりにした。
恥ずかしすぎて、オルアは終わった後で気を失った。
冬香は、オルアの両瞼の涙を口で吸い取った。
あと1か所の涙は、水溶性の柔らかいもので優しく、ちょんちょんと当てて吸い取った。
冬香はオルアを抱き上げて運び、結界内の布団に優しく寝かせた。
医師(白石冬香)の心の声
『性魔力 現在値 41/最大値 30
これなら、スリーカーも使用できるかしら?
オルアが起きたら、聞いてみましょう。』
◇
オルアは、お布団で眠っていた。
オルア=サーパース) こころの声
『こんな恥ずかしい想いをさせられたら、特別な関係になってしまうわね。
まるで、冬香様に世界をまるごと捧げたような気分だわ。
でも、なぜだろう。 頭が冴えわたっている気がする。
遠くの風の音が聞こえて、遠くにいるひとの寝言まで鮮明に聞こえる。
今なら、10年先のことまで見通せる気がする。
> アリム
> 「オルアさんと白石さんが上手く行きますように。
> おやすみなさい。」
引用元: 021 5日目 受伝台の助言の意味は
やさしく抱きしめられて、頭をなぜられている感じがした。
素敵な美しいソプラノの子守歌が聞こえて心地よい。
そうだ、起きなきゃ。
まだ、儀式は終わっていない。
真々美様から承認のお言葉を頂戴するまで終わりじゃない。』
オルアが、目を開けると、冬香の胸に抱かれていることが分かった。
医師(白石冬香)
「オルア、素晴らしかったわ。
ありがとう。
世界を征服した女王になったように素晴らしい気分だわ。」
オルア=サーパース
「そんな風に言ってくれるなんて、うれしい・・・
冬香様が相手で良かった。」
オルアの両目から涙があふれた。
その涙を冬香がやさしく唇で吸い取ってくれた。
医師(白石冬香)
「さあ、オルア、真々美にご報告して、承認のお言葉をもらえたら、姉妹関係が成立するわ。」
オルア=サーパース
「はい、冬香様」
◇
医師(白石冬香)
「真々美、オルアを私のサブシス(Sub-Sis)に迎えました。
オルアのことを一番大事にします。
真々美、祝ってください。」
オルア=サーパース
「真々美様、冬香様を私のハイシス(High-Sis)に戴きました。
冬香様のことを一番にお慕いします。
真々美様、お認めください。」
司会(中路真々美)
「オルアさん、そして、冬香。
お二人がお互いを大事に思う美しい様子を見せて頂き感謝します。
オルアさんという素晴らしい相手に冬香が恵まれたことを嬉しく思います。
そして、可愛い冬香に私よりも大事にするべき相手ができたことに嫉妬もします。
お二人の姉妹関係が無事に成立したことを承認いたします。
この素晴らしい関係が来世まで続くことを願います。
これにて、儀式が完了したことを宣言します。」
医師(白石冬香)
「真々美、感謝します。」
オルア=サーパース
「真々美様、感謝いたします。」
◇
司会(中路真々美)
「オルアさん、冬香、お風呂に入って、汗を流して来てください。
身だしなみを整えたら、記念写真を撮りましょう。」
23:30
◇
2023年8月6日 姉妹関係成立記念日の翌朝
※ 正確には、AM00:15、深夜ともいえる。
真々美と冬香は、記念写真を見て、しあわせを感じていた。
オルアは、記念写真とサイコロステーキを持って、アリムさんの部屋に帰っていった。
司会(中路真々美)
「この素晴らしい写真が撮れたことは、アリムさんのおかげだな。」
医師(白石冬香)
「ええ、本当に。 真々美もオルアも良い顔をしているわ。」
司会(中路真々美)
「冬香も満ち足りた顔をしている。 安心できた良い表情だ。」
医師(白石冬香)
「アリムさんにはお礼したくなりますね。」
司会(中路真々美)
「わたしたちとのナイトバインドを喜んでくれたら最高だな。」
医師(白石冬香)
「そうね。 じゃあ、わたしも部屋に戻るわ。」
司会(中路真々美)
「これからは、いや、今夜だけでも、いっしょに眠ってくれないか。」
医師(白石冬香)
「もちろんよ、わたしの愛しいハイシス(High-Sis)真々美。」
司会(中路真々美)
「ありがとう、わたしの可愛いサブシス(Sub-Sis)冬香。」
◇
オルアは、眠っているアリムの布団に入って手を握った。
オルア=サーパース
「アリムさんのおかげで上手く行ったわ。
ありがとう、アリムさん。」
アリム
「おめでとうございます。オルアさん。」
オルア=サーパース
「えっ、起きてるの? アリムさん?」
アリム
「オルアさん、大好き、最後まで好きでいさせてください。むにゃあ、ぐー、すー、すー」
オルア=サーパース
「な、なんだ寝言ね。びっくりした。おやすみなさい。」
オルアは、アリムさんの手を握ったまま、眠りについた。
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