【完結】理想の美女7人に愛される生活。ベーシックインカムで儲けた「カセイダード王国」に移住して正解でした。

サアロフィア

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第6章 海賊対策よりも主人公の攻略が大事

031 アリムさんに断られた!

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 アリムさんに今後の予定を説明しようとしています。



 今日は、2023年8月6日です。

予定表

8/7 ナイトバイント オルア サーパースと
8/8 ナイトバイント 中路真々美と
8/9 ナイトバイント 白石冬香と

8/10 遺伝子の治療と修復データに書き換え
8/11,12 遺伝子の書き換え反映待ち
 オルア サーパースとの交配届提出準備など

8/13 交配届前検査


アリム
「質問してもいいですか?」

真々美
「どうぞ。」

アリム
「ナイトバイントと交配届について、教えてください。」

真々美
「ナイトバイントは、愛の誓いのようなものだ。」

☆ (注)
☆ 騎士(Knight)契約と夜(Night)契約をパートナーと結ぶこと。
☆ 契約(Contract)と言うよりは拘束(Bind)に近いから、ナイトバインドと呼ばれる。
☆ ひとたびナイトバインドすれば、志望順位によるがパートナーを守り、貞操を捧げあう関係になれる。
☆ 成立判定者であり保証元が最高位の存在であるため、信頼性は高かった。
☆ 残念ながら無理強いや強制はできない。
☆ 強制しようとすれば適用外にされるため、損することをするものはいなかった。

☆ 引用元: 第一章 004 運営側の話し合い、クラスターとは

アリム
「オルアさんの方が私より強いですよね。
 わたしが約束できることは、オルアさんに貞操を捧げることだけになりそうですが、良いのですか?」

オルア
「戦いの強さだけが守ることではないです。
 要するに、お互いに時間と労力を相手のために使うことを求めています。

 アリムさんの言葉で言うと、
  「もう一人の自分として大事にします。」
を実行することを誓ってくれれば要件を満たします。」

アリム
「それなら、ぜひお願いします。
 オルアさんと一緒にいられる可能性があがることは大歓迎です。」

真々美
「それは良かった。
 交配届は、愛しあう2人が子供を作る行為をする届のことだ。
 光元国の婚姻届が近いかもしれない。」

アリム
「光元国とは届出書の名称がことなるだけでしょうか?」

真々美
「それだけではないな。
 お互いの権利義務の内容を明確に確認するために、さまざまな届け出書を書いてもらう。
 交配届けを出すことで変化する内容を確認して正しく理解してもらうためだ。」

アリム
「確かに、お互いが相手に求めることが相手に理解されていないと、ふたりの関係が壊れてしまいますね。
 変化する内容を確認することは良いことだと考えます。」

冬香
「アリムさん、オルアだけでなく、真々美とわたしともナイトバイントを受けてくれますよね。」

アリム
「それは、オルアさんと相談してから回答したいです。」

オルア
「わたしと相談することは問題ないけれど、アリムさんの台詞は一言一句違わずに、真々美と冬香と共有するわよ。
 つまり、ここで言って欲しいわ。
 わたしとふたりだけで話をしたら、真々美と冬香の心証を悪くするだけで、アリムさんにとって得することは何もないわ。」

アリム
「うーん、それでは、オルアさんとだけナイトバインドしたいです。
 中路さんと白石さんとのナイトバインドは、つつしんでご辞退申し上げます。」

中路
「えっ? 断ると言ったのか?」

アリム
「簡単に言うと、そうなります。」

白石
「なにを言っているの?
 わたしたちのどこかに不満があるの?」

アリム
「いいえ、不満はありません。」

中路
「なら、どうして断るという選択になるのだ?」

オルア こころの声
『ああ、ふたりとも予想外の返事に動揺しているなあ。
 これなら、別室でアリムさんの相談内容を聞いた方がマシだったかもね。』

アリム
「先日、いただいたサイコロステーキの返事です。」

中路、白石
『『サイコロステーキの返事???』』

アリム
「白石さんが切って、中路さんが焼いたというサイコロステーキの返事です。」

オルア こころの声
『ああ、アリムさんはサイコロステーキを深読みしてたなあ。
 その話を真々美と冬香は忘れているのね。
 自信満々だったから、考慮に入れ忘れたのね。』

アリム
「まず、わたしの第1目標は、できる限り長くオルアさんと一緒にいることです。
 そして、オルアさんとお別れすることになっても、最後までオルアさんを好きでいたいです。」

真々美
「それは良いことだな。」

冬香
「そうね。」

アリム
「あのサイコロステーキは、
  「オルアさんのことが好きなら、浮気するな!」
という意味ですよね。」

真々美
「たしかに、オルアを泣かせるようなことをして欲しくないな。」

冬香
「わたしたちが大事に守ってきたオルアのことを大事にして欲しいわ。」

アリム
「多くの男性は、
  オルアさんのように身も心も美しく文武両道で優しい性格の素敵な女性
が身近にいてくれるようになると、カン違いするそうです。」

真々美
「カン違いとは?」

アリム
「自分は魅力的な存在だったんだと勘違いして、浮気相手を探しに行くようです。」

冬香
「アリムさんは、オルアひとすじだから、大丈夫よね?」

アリム
「おふたりは、私を試したいのですよね。
 中路さんと白石さんのように、オルアさんと同じくらい素敵な女性に誘われてもお断りできるなら、浮気の心配が無いと証明できるから。」

真々美
「試しているつもりはないがな。」

白石
「アリムさんの誠実な人柄は、理解したつもりですよ。」

アリム
「ありがとうございます。
 オルアさんが、これからもボクのそばに居てくれるように、ご厚意とご協力をいただけたら、とても嬉しいです。」

真々美
「邪魔するつもりはないから、安心してくれ。」

冬香
「反対するつもりはないから、安心してね。」

アリム
「中路さん、白石さん、ありがとうございます。
 
 オルアさん、ボクはオルアさんが大好きです。
 だから、これからも、おはようからおやすみまで一緒に居てくださいませんか?」

オルア
「え、ええ、もちろんよ。 アリムさんのそばにいるから安心してね。」

アリム
「オルアさん、これからもよろしくお願いします。」

オルア こころの声
『もう、アリムさんったら。
 身も心も美しく文武両道で優しい性格の素敵な女性なんて、ほめすぎよう。
 まるで、プロポーズと両親へのあいさつを同時に実行された思いだわ。

 あ、そうだ、真々美と冬香は静かね。
 どうしたのかな。』

中路真々美、白石冬香
『『わたしたちを断る男性が存在するなんて?
  悪い夢を見ているに違いない。
  ちゃんと目を覚まさなくては。』』

オルア こころの声
『真々美と冬香のフォローをしなくちゃ。』

オルア
「アリムさん、サイコロステーキの返事は、すでに伝えてあるわ。
 真々美も冬香も満足してくれたわ。

 それでね。
 ナイトバインドをわたしたち3人として欲しいという話は、わたしから真々美と冬香にしたお願いなの。

 つまり、サイコロステーキの次の段階の話を始めてしまったの。

 前置きを言うことをわすれて、ごめんなさいね。」

アリム
「あのう? どういうことですか?」

オルア
「うーん、つまり、アリムさんは3人の女性を選ぶ必要があるの。
 1人目にわたしを選んでくれたことは、とても嬉しいです。
 2人目、3人目の女性として、真々美と冬香はどう思いますか?」

アリム
「待ってください。
 複数の女性と結婚するなんて、重婚罪ですよね。
 複数の女性を選ぶなんてオルアさんに失礼です。

 それに、中路さん、白石さんに対しても失礼ですし、
  ・アリムの名前をくださった中路さん、
  ・つらい思い出は箱に閉じ込めても良いのではないですかというお言葉をくださった白石さん
に無礼ですよね。

 恩を仇で返すようなことはしたくありません。」

 アリムさんは気が動転しているようだ。
 自分が言われたら聞き取れないような長い文章を一気に話している。

オルア
「光元国とカセイダード王国では、考え方がちがうのでしょうね。」

アリム
「どんな違いがあるのですか?」

オルア
「カセイダード王国では、一夫一婦制なんて効率が悪いことはしません。
 一夫多妻制が普通で、1人の男性に3人の女性の合計4人で家族を始めます。
 多夫一妻制も非効率と考えています。」

アリム
「女性にとっては、嫌なのではありませんか?」

オルア
「下位の男性を一人占めするよりも、上位25%以内の男性を3人で共有する方が良いですね。
 もちろん、上位25%以内の男性を一人占めする方が良いでしょうが、負担が大きいから続きません。」

アリム
「負担とは、どういう内容ですか?
 生活費ですか?」

オルア
「ベーシックインカムがあるから生活に必要なお金は心配いりません。
 が、しかしですよ。 ひとりの女性でひとりの男性を支えることは大変です。
 3人で支えたら、負担が1/3に減らせます。
 特に経済的な負担、食費以外の趣味の費用とかが大きいです。

 家事や子育ても3人で協力した方が効率が良いです。
 子供が生まれたら、家の外に出ることは手間です。
 おとなの話し相手を探すことも大変です。

 もっとも、よほど仲が良い相手でなければ、ひとりの方がマシです。

 わたしにとって、真々美と冬香なら、一緒に居て欲しいひとたちです。」

アリム こころの声
『男性を一人占めする負担についての答えが無いなあ。』

アリム
「そういう考え方があるのですね。
 浮気したーーー! とか、
 私以外の女にーーー! とかの
感情をオルアさんは持たないのですか?」

オルア
「まさに、そこです。」

アリム
「どこですか?」

オルア
「アリムさんの後ろにいます。」

アリムは振り返った。
だれもいない。

アリム
「だれもいませんが、守護霊が見えますか?」

オルアの指がアリムさんのほほを突いた。

オルア
「じょうだんです。 なんとなく、ありむさんのほっぺたをつんつんしたくなりました。
 ほほを突かれた者同士、仲良くしましょうね。」

☆ 冬香はオルアが必死に笑いをこらえるためにふくらませているほっぺたを指で突いた。
☆ 引用元: 第一章 030 アリムさんの小説を読ませて!

アリム
「はい、つづきをお願いします。」

オルア
「アリムさんが選べる残りの女性ふたりとして、真々美と冬香を、どう思いますか?」

アリム
「おふたりとも、とっても素敵です。
 魅力的だし、知性的だし、精神が安定しているし、美しいし、賢そうです。

 オルアさんの次に、仲良くなりたい女性たちです。

 オルアさんがボクのそばに居てくれて、さらに、もう2人の女性を選べるなら、
  ・アリムの名前をくださった中路さんと、
  ・つらい思い出は箱に閉じ込めても良いのではないですかというお言葉をくださった白石さんに、
お願いしたいです。」

真々美と冬香の目に光が戻った。

オルア
『あ、ふたりとも精神的に帰ってきたみたいね。』

アリム
「でも、・・・」

オルア
「まだ、なにか気にすることがあるの?」

オルア こころの声
『あ、なんだか面倒くさくなってきたわ。』

アリム
「ボクは嬉しいけれど、中路さんと白石さんにはメリットが無いでしょ!
 ボクがライトノベルの主人公のようなチートスキルがあるなら、話がちがうけれど。」

オルア
「真々美と冬香にもメリットはあるわ。
 そうでなければ、いくら私が頼んでも引き受けてくれないわ。

 そ・れ・と・も、私が指名する真々美と冬香以外に意中のひとでもいるのかしら。」

オルア こころの声
『もし、いるなら、消えてもらいましょうね。』

アリム
「ボクは、オルアさん一筋です。
 もちろん、ボクにも思い出のひとはいます。
 でも、そのひとはオルアさんがボクのことを大事にしてくれる限り、近づいて来ないでしょう。
 もし、近づいてきたときは、ボクがオルアさんに捨てられたときでしょうね。」

オルア
「アリムさん、後半は余分だったかな?
 じゃあ、わたしが本命ってことで良いのよね。」

アリム
「はい、オルアさんが本命です。」

オルア
「ふう、ひと段落ね。
 お茶を飲みましょうか?
 みんなの分を入れるわね。」

 オルアは、【優雅な紅茶】をコップに入れて持ってきた。

オルア
「真々美、ここに置くわよ。」

返事が無い、まだ思考停止しているようだ。

オルア
「冬香、ここに置くわよ。」

返事が無い、まだ思考停止しているようだ。

オルア
「アリムさん、どうぞ。」

アリム
「ありがとう、オルアさん。
 ところで、真々美さんと冬香さんは静かだね。」

オルア
「どこかの誰かさん、アリムさん(仮名)に断られたから、ショックを受けているのよ。」

アリム
「ボクは断ったつもりはないよ。
 ただ、オルアさんの相手として許容範囲かどうか試されたと思ったんだ。
 オルアさんの次に好きな女性は誰か?と聞いてくれたら、迷うことなく、中路さんと白石さんが好きです。と答えたよ。」

オルア
「それ、本人の目を見て言ってあげて。
 あと、オルアさんの次に、という まくら言葉 は不要だから。」

アリム
「わかりました。 でも、あまり近づきすぎたら失礼だよね。」

オルア
「30~40cmくらいの距離で、目を見て言ってちょうだいね。」

アリムさんは、うなづいた。

アリム
「中路さん、あなたが好きです。」
と、中路さんの目を見て言った。

中路
「ああ、すまない。
 いつのまにか寝ていたようだ。
 失礼した。」

アリム
「白石さん、あなたが好きです。」
と、白石さんの目を見て言った。

白石
「あら、ごめんなさい。
 気を失っていたのかしら。
 記憶が飛んでいるわ。」

オルア
「真々美、冬香。
 これから、アリムさんに、予言書の真ん中あたりを説明するところよ。」

中路、白石
「「よろしく。」」

 オルアは、さきほどの印刷物をアリムさんに読み返してもらった。

☆ 紅姫、黄花、青紫の3名がそろえば、稀有なクラスターを得ることができるであろう。
☆ しかし、宝石が磨き削り上げられる前は、ただの石ころで見向きもされない。
☆ 紅姫が見つけ、黄花が青紫を守ることで、青紫が磨き続けることができるだろう。
☆ 青紫は磨き上げた宝石に満足するが、それをひとに取られるくらいなら燃やすだろう。
☆ 紅姫と黄花の協力がなければ手に入らなかったことを理解して、燃やす前に紅姫と黄花に助けを求めるが、紅姫と黄花は、青紫の幸せを願って断るだろう。
☆ 青紫は宝石を燃やすことを一時は思いとどまるが、宝石を砕いてしまう。

☆ あなたなら解決できます。 最後まで、あきらめないでください。

☆ 引用元: 015 白沢絵美様は、お見通し

オルア
「この部分の話が、真々美と冬香ともナイトバインドして欲しい理由になるの。」

☆ 青紫は磨き上げた宝石に満足するが、それをひとに取られるくらいなら燃やすだろう。

オルア
「あと2人の女性がわたしが気に入らない女性の場合、わたしは正気を保てない可能性が高いの。
 アリムさんは、わたしに燃やされたいかな?」

 なんだかこわいオルアさんを初めて見た。

アリム
「焼きもち焼いてくれることは、うれしいけれど。
 ボクの一方的な片思いだから、そうならないと思います。」

真々美 こころの声
『あまい、あまいぞ、アリムさん。

 オルアは本気で燃やしかねない。』

冬香 こころの声
『もしくは、アリムさんを監禁しそうね。』

☆ 紅姫と黄花の協力がなければ手に入らなかったことを理解して、燃やす前に紅姫と黄花に助けを求めるが、紅姫と黄花は、青紫の幸せを願って断るだろう。

オルア
「この部分は、わたしが残り2人の女性になって欲しいと真々美と冬香に頼んだけれど、
  空席の方が良いのでは?
と断られて、ほかの女性に空席を埋められた場合に起こることなの。」

アリム
「まちがっていても怒らないで欲しいんだけど、良いかな。」

オルア
「少々のことなら、大目に見てあげるわ。 なにかなあ?」

 笑顔がこわいオルアさんも初めて見た。

アリム
「もしかして、ボクがオルアさんを好きな気持ちの半分くらいは、ボクのことを好きになってくれたのかな?」

オルア
「この、鈍感野郎。
 わたしの方がアリムさんのことが好きなんだよ。
 気付かなかったのか?」

アリム
「だったら良いのになあと夢見てました。
 でも、年の差が大きいから、期待したらダメだと思っていました。
 なにかの事情で仕方なく、ボクの接客をしてくれているだけだと自分に言い聞かせてました。」

オルア
「アリムさん、こっち向いて。」

アリム
「はい、ずっとオルアさんのことを見つめながら話しています。」

 オルアは、力強く、アリムさんを引き寄せてキスをした。
 アリムさんのほほを押さえて口を開けさせて、舌と舌のディープキスをした。
 そして、アリムさんの上唇を一周するように口ではさむようなキスをした。
 さらに、アリムさんの下唇を一周するように口ではさむようなキスをした。

オルア
「アリムさんのことが好きよ。
 冷静に感情を抑えらえないくらいにね。
 二度と片思いなんて思って、遠慮しないでね。
 分かった?」

アリム
「はい、オルアさん。
 うれしいです。
 だから、ボクからも」

 アリムさんはキスをしてきた。
 やさしく唇を重ねるだけのキスだったが、3分くらいの長いキスだった。

オルア
「アリムさん、これからは、自信を持ってね。」

アリム
「はい。」

オルアさんの表情と口調が、いつもの冷静でおだやかなものに戻った。





オルア
「という訳でね、アリムさん。
 1番にわたし、2番に真々美、3番に冬香の順番でナイトバインドをして欲しいの。
 受けてくれるかな。」

アリム
「はい、こちらこそ、お願いします。」

真々美
「アリムさん、今からは私のことも、名前にさんづけで呼んで欲しい。
 真々美さん、と。」

アリム
「はい、真々美さん、よろしくお願いします。」

冬香
「アリムさん、今からは私のことも、名前にさんづけで呼んでね。
 冬香さん、と。」

アリム
「はい、冬香さん、よろしくお願いします。」

 真々美さんと冬香さんは、ほっとした表情になった。

アリム
「ナイトバインドをする話についてです。
 オルアさんは一緒にいてくれた時間が長いから、今すぐでも大丈夫です。

 でも、真々美さんと冬香さんと過ごした時間は、とても短いです。
 だから、1日デートしてからにして欲しいです。」

真々美
「お安い御用だ。」

冬香
「問題ないわ。」

アリム
「それと、
  4人で いっしょに 暮らすことになる予定、
と考えていいですよね?」

真々美
「もちろん、そうなる。」

冬香
「もちろん、そうなるわね。」

アリム
「それでは、水回りで、もめないためにも、前もって、お互いの部屋を確認するべきですね。
 オルアさんとは既に確認しあいましたから、真々美さん、冬香さんとも同じようにお願いします。」

真々美
「了解。」

真々美 こころの声
『皿洗いがたまっているな。 どうしようか?』

冬香
「そうね。」

冬香 こころの声
『洗濯物がたまっているわ。 どうしようかしら?』

アリム
「それと同時にですね。
 みなさんのこころの中とも言える個室を見せて欲しいです。
 もちろん、貴重品は鍵が掛かった金庫などに入れておいてください。
 見られたくないものは不透明の引き出しに入れてください。
 ただし、机の上に置いてあるものや本棚の本は手に取って見たり読んだりさせてください。」

真々美
「なんのために?」

冬香
「どうしてなの?」

オルア
「わたしもかな?」

アリム
「わたしはみなさんのことを良く知らないからです。
 たとえば、ギャンブルの本があったり、思想的に理解できない本や物があった場合は、前言撤回になりますが、考え直すことがあります。」

真々美
「たとえば?」

アリム
「パートナーを精神的または肉体的に追い詰めたり、入れ墨や焼き印を入れる本があったりですね。」

冬香
「他には?」

アリム
「薬物依存にさせたり、正常な思考を奪うドラッグがあったりしたら、アウトですね。」

オルア
「それだけ?」

アリム
「いっしょに生活できそうにないと感じたら、ダメですね。」

オルア
「具体的に言うと?」

アリム
「支配されて、隷属するような生活になるとか、

 食べすぎで肥満にされるとか、
 栄養が足りない食事を強いられるとか、
 十分な睡眠、ゆっくりと長風呂、落ち着いてトイレでお通じを待つことをゆるされないとか
 監禁されるとか

になると一生独身の方がマシです。

 あと、好きなことができる程度のお小遣いが欲しいです。」

真々美、冬香、オルア
「それは、なんとかなるけれど、問題は・・・」

アリム
「さいごに、みなさんは仕事に就いて忙しくされていますが、私は仕事に就けずに家に居ることになると思います。
 そうなる場合、私が書いた小説に出てくるルナさんのように、家事は私が手を出すことになると思います。
 洗い物がたまっていても、洗濯物がたまっていても、部屋が片付いていなくても問題ないです。」

真々美、冬香、オルア
「「「えっ? それはゆるされるの?」」」

アリム
「ただし、ルナさんのように料理など家事がうまくできない可能性があります。
 わたしの家事のやり方に、ご満足いただけない場合も、お別れです。

 もちろん、だまって捨てたりはしません。

 捨てるべきもの、
 入りきらないもの
に分類して残しておきますから、ご確認お願いします。

 価値観の違いがありますからね。」

真々美、冬香、オルア こころの声
『『『自分でやるよりは、はるかにいいわ。』』』

アリム
「という訳で、
 明日の9時から12時はオルアさんの部屋に入れて欲しいです。
 明後日の9時から12時は真々美さんの部屋、
 その次の日の9時から12時は冬香さんの部屋に入れて欲しいです。

 お昼ご飯をいっしょに食べてから、ボクとのデートに時間を割いてくれますか?

 いわゆるお試しですね。

 いかがですか?」

真々美
「それは、デートの後ではダメか?」

アリム
「ダメですね。」

冬香
「どうしてなの?」

アリム
「デートするなら、手をつないで歩きますよね。
 そうなったら、わたしがみなさんのことを好きになってしまって、冷静な判断ができないからです。」

オルア
「そんなものかな?」

アリム
「初日のデートでは無いと思いますが、さっきのような素敵なキスをされたら、身も心もとろけてしまいます。
 そうなったら、わたしは無条件降伏状態です。

 いっしょに暮らすことは ままごと ではないです。

 深く好きになる前に、お互いの好みを確認するべきです。

 もっとも、オルアさんとは、もう引き返せないです。
 振られたら、わたしはストーカー男になりますね。」

オルア
「そんな心配しないで、アリムさん。
 あなたは、もう逃げられないからね。」

 オルアは勝利宣言に似たような輝く笑顔をアリムさんに向けた。

アリム
「それは、うれしい言葉ですね。
 でも、ぼくは、ライトノベルの主人公のような特別に優れた能力であるチートスキルはないから、がっかりされる可能性が高いですよ。」

真々美 こころの声
『冬香に反対されない時点で、十分チートだと思うのだがな。』

冬香 こころの声
『オルアに好かれている時点で、十分チートだということに気付かないのかしら?』

オルア こころの声
『真々美に排除されない時点で、十分チートだと思うのよね。』

真々美、冬香、オルア
「「「アリムさんとのナイトバインドを楽しみにしているわ。」」」

 なにか良からぬことを考えている笑顔に見えたけれど、アリムさんは気にしない振りをすることに決めた。

アリム
「では、わたしの部屋を今から見てもらいましょう。
 その方がフェアで公正ですよね。」

真々美、冬香、オルアは、アリムさんの部屋を見学した。

真々美、冬香、オルア こころの声
『『『女子力高いな。 男の子のクラスター認定は楽勝だな。』』』

真々美
「落ち着く部屋だな。」

冬香
「家事を頑張っているのね。」

オルア
「個室の中を見るのは初めてね。」

 アリムさんが好きなものが並べられていた。

真々美、冬香、オルア こころの声
『『『確かに部屋の中は、こころの中みたいなものね。

 本棚に Hな本 があれば参考にしよう。』』』





休憩時間中

アリムさんは部屋にもどった。
ゆっくりとトイレに座りたいらしい。

真々美
「ナイトバインドを断られたときは、生きた心地がしなかったな。」

冬香
「薬を打って調教する必要がなくて、良かったわ。」

オルア
「アリムさんは、もっと自信を持つべきよ。
 イライラして感情的になってしまったわ。」

真々美
「嫌われなくて良かったな。」

冬香
「そうなったときは、アリムさんの記憶を消してあげるからね。」

オルア
「何回くらいまでなら消しても大丈夫かな?」

真々美
「やめておけ、きっと予想外の裏目に出るから。

 若返り薬のことを思い出せ。
 予想の5倍くらいの効果が出て、なにもかも忘れてしまうかもしれない。」

冬香
「そうね。
 記憶消去は止めた方がいいわね。

 それにしても、男性に振られるかもなんて思いをしたのは初めてね。」

オルア
「ふ、冬香、目が怖いわ。」

冬香
「オルアの方が怖かったわよ。」

オルア
「えー? そうかなあ。 ねえ、真々美、どう思う。」

真々美
「オルアが男性に執着する姿は初めて見た気がするな。

 それにしても、わたしに敗北感を味あわせた初めての男性だな、アリムさんは。

 お互いに助け合わないと、アリムさんに嫌われてしまうぞ。
 だから、今まで以上に強力な協力体制が必要だな。」

冬香
「強力な協力体制って、だじゃれなの。」

真々美
「いいや、こころからそう思っている。」

オルア
「真々美、冬香、これからも協力お願いね。」

真々美
「ああ、もちろん。」

冬香
「こちらこそ、よろしくね。 オルア。」



筆者の注釈 ナレーション
「アリムさん、逃げて!
 今なら、まだ間に合う!」

冬香
軟禁なんきんしましょうか?」

オルア
監禁かんきんでいいんじゃない?」

真々美
「逃げるべきは、筆者の方だな。」


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